付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「リヴィジョンズ1」 木村航

2019-01-03 | 時間SF・次元・平行宇宙
「ヒーローって……他人が必要とするものなんだな……」
 堂嶋大介はやっとそこに思い至った。

 いつか危機が訪れたとき、みんなを守れるのはあなた……幼い頃、誘拐事件に巻き込まれた大介は、助けてくれた謎の女性ミロの言葉を信じて生きてきたが、周囲からみればサバイバルグッズを常に身につけ、なにかあればすぐに事件と思い込んで動く大介は中二病がいつまでも治らない困った奴だ。
 しかし、高校2年の年、2017年。大介たちは突如として渋谷の街ごと、いずこともしれない荒涼とした大地に放り出された。そして襲い来る怪獣に殺され捕獲されていく人々。そこは300年以上先の未来だったのだ。
 そこで彼らは人類再生をかけて歴史修正しようとする未来人と敵対勢力の争いに巻き込まれてしまったのだ。いや、そもそも渋谷の街はそのために、この2388年の世界に召喚されたのだ……。

 どちらが本当の味方なのか分からない未来人リヴィジョンズとアーヴの間で、生き延びる為に戦う高校生たちの冒険譚。
 しかし、崩壊しきった世界を舞台に、さまざまな人たちがエゴと生存本能剥き出しで蠢く様を書かせると、木村航はどうしてこうも活き活きとしてくるのでしょうか。主人公にとことん感情移入したくないまま1巻が終わります。こいつら大丈夫かい。

【リヴィジョンズ1】【revisions】【木村航】【S・F・S】【近岡直】【ハヤカワ文庫JA】【リヴィジョンズ製作委員会】【強化外骨格】
コメント
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