「人類は運が良かった」物語のご都合主義を言いかえると、このひとことになります。
今週いっぱいで公開終了ということで、急いで映画館まで「プロメア」観に行きました。週末夜、小さめの小屋ですがほぼ満席。
30年前、世界中で大火災「世界大炎上」が発生した。突然変異で誕生した炎を操る人種「バーニッシュ」の出現によるものだ。この未曾有の大惨事で世界の半分が焼失した。それはバーニッシュと認定された人間への差別や弾圧となり、一方で一部の攻撃的なバーニッシュが「マッドバーニッシュ」を名乗って暴れ回るようになっていた。
対バーニッシュ用の高機動救命消防隊「バーニングレスキュー」の新人隊員ガロは、高層ビルの火災現場で、マッドバーニッシュのリーダー、リオと対決するのだが……。
「天元突破グレンラガン」「キルラキル」を生み出した今石洋之監督と脚本家の中島かずきが再びタッグを組んで……というより、グレンラガンをやり足りなかったのでやり直してみた……という感じ。マジンガーＺへのオマージュかなと思えるシーンもありましたが、いろいろ理屈はあっても最後は気合いで変形して巨大化し、暑苦しい男たちは二人羽織で腕組みしながら名乗りを上げ……とかノリと勢いはそのまんま。ロージェノムみたいに多数を救うために少数を犠牲にできるかどうかという展開もあるけれど、ロージェノムの侠気というか滅私奉公が足りなかったのはキャラの役者不足。
画面は目まぐるしくて、自分にはちょっと辛かった。『シンゴジラ』の字幕の弾幕は平気だったけれど、『プロメア』の字幕は殴り書き文字でがんがん移動するので読もうとすると酔います。
声の俳優起用は気にならず。もともと洋画やアニメのアテレコは役者の副業でしたから、舞台とアニメの違いさえ意識して演じていれば巧いものです。こういう吹き替えは、演技の上手い下手とは別に、映像と合う合わないがありますが、その点では違和感ありませんでした。
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