『おじさんにとってのビールは、一口で労働の辛さや世間の世知辛さを吹き飛ばす、魔法の水である』仕事終わりにビールを飲んだ瞬間、そのおじさんは人生に勝利するのだ。
おじさんは気がつくと見知らぬ島の砂浜に倒れていた。
人助けに奔走していたため買おうとしていた新発売の、二足歩行の動物たちと同じ村に住み、開拓したり、釣りしたり、何もしないでゴロゴロもできるゲーム「あつまれ！あにまるの森」を購入できなかったのだが、代わりに見知らぬジャージのおじさんからもらったゲームを起動したところまでの記憶がある。
どうやらここはゲームの世界、「あにもり」ではなくパチモンっぽい「はたらけ！おじさんの森」の方の世界らしい……。
大人気ゲーム世界にトリップする話は今の定番のひとつだけれど、今回は「あつまれ どうぶつの森」が元ネタ。もちろんそのままではないけれど、不思議な島でのスローライフを同じくトリップしてしまった４人のおじさんたちが繰り広げる物語。
でも、その根っこにあるのは、単なるおじさん賛歌ではなく、「子供を守り育てるのが大人の仕事だ」という思想。そこで一本筋が通って面白いのです。個性豊かなおじさんとあにまるたちの無人島開拓記です。
【はたらけ！おじさんの森】【朱雀伸吾】【深山フギン】【ヒーロー文庫】【胸アツスローライフ】
