付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

★みんなが知ってる過去改変モノ

2021-08-15 | ランキング・カテゴリー
 「悪役令嬢もの」とか「ゲーム世界の脇役に転生」とかの最大の魅力であり欠点となるポイントは、元のストーリーについて読者がほとんど知らないということ。国が滅ぶとか一族郎党皆殺しとかの運命を回避するために、悪役令嬢やらかませ犬やらモブ脇役が頑張る話なのに、基本的に元々のストーリー展開の大半は作者の頭の中。なので「こんな事件が」「こんなキャラが」と後から言われても「後出し設定だからなあ」とつい冷めがち。読者の頭の中にこ個々のキャラクター設定やイベントが入っている方がひっくり返ったときの爽快感が大きいのだろうけれど、そうすると二次創作パロディか仮想戦記が本領のジャンルなんでしょう。
 そういう意味で、歴史改変もので織田家周辺がにぎわうのも納得。

偽マフティーとなってしまった。』連邦士官
 『機動戦士ガンダム~閃光のハサウェイ』の二次創作。気がついたらテロリストの偽マフティになっていた。このままだとハイジャックに参加して、映画開始10分で殺されてしまう。なんとか回避しようと四苦八苦しているうちに、酒代稼ぎに酒場でカボチャ仮装で踊った「連邦に反省を促すダンス」がなぜかネットで大反響。アッという間に拡散し、このカボチャ男こそ真のマフティー、暴力に訴えるマフティーの正体はシャア・アズナブル、踊るマフティはアムロ・レイだとか分からないことになってしまった。インテリたちが彼の考えてもいない意味を勝手に解釈して上乗せしていく。ダンスは大衆に広まっていく。正体がばれたら殺されるというのに、いつの間にかハサウェイと対峙して話すはめになり、ますますわけがわからなくなっていく。カミーユでも乱入して殴り飛ばしてくれないかなあと願いつつ、彼は自分でも意味不明なトークを繰り広げていく……。
 バタフライ効果で変わっていく宇宙世紀。

北政所様の御化粧係?戦国の世だって、美容オタクは趣味に生きたいのです?』笹倉のり
 歴史改変もの。美容品メーカーの開発担当だった主人公が、気がつけば戦国時代に転生、山内一豊の姫になる。その美容知識で化粧品の再現に乗り出すが、その噂が広がりすぎ、このままでは拙いと大坂城の大奥に送り込まれることとなった……
 美容から変える戦国日本史。

転生内親王は上医を目指す』佐藤庵
 歴史改変もの。城郭オタクの研修医が当直明けに階段から転落し、気がついたら幼女に転生していた。時は明治。しかも天皇陛下の息女、内親王である。日本の城郭を戦火から救うため、そして、父と兄を病魔から守るため、新米研修医としての知識と、学生時代の日本史講師としての知識を元になんとかしようと奮闘し始めたのだが、その言動に目が留まり、気がつけば明治の元老たちに周囲を固められていた……。
 おっさんだらけの逆ハーレムモノで大山閣下が大暴れする、医学メインの近代史。

エヴァ体験系』ku-10
 『新世紀エヴァンゲリオン』の二次創作。元自がシンジに憑依し、大人の良識と判断力と原作知識を使い、中学生のパイロットとしてできる範囲で生き延びていく話。具体的には、ホウレンソウのできない大人のフォローをして、とりあえず突っ込めな作戦指示に逆提案したり、汚部屋同居を回避しながら円満な人間関係の構築をめざします。
 エヴァの世界に冷静の大人が1人入り込んだら、当然そうなるだろうなという物語。

【賛美歌13番】もしも悪役令嬢に○○○○○が転生したら【超短編】』主(ぬし)
 “彼”に仕事を依頼する時は、賛美歌13番をラジオでリクエストすればいい。
 その公爵令嬢は最初からどこか違っていた。悪役令嬢といわれているが、この娘が裏の世界で何をしているのか誰も正確には把握していない。ただ“依頼成功率99パーセント”、“不可能を可能にする令嬢”という噂だけがその筋で知られているだけだ。
「ゆ、ユーリ、ダメだ! エリザベートの背中に近寄るな!」
 『ゴルゴ13』の二次創作。デュークって公爵の意味なんだよ?

起きたらマ・クベだったんだがジオンはもうダメかもしれない』Reppu
 目が覚めたらマ・クベになっていた。時は宇宙世紀、処はオデッサ。ガンダム本編開始まであとわずか。なんとか生き残ろうと、使えないアッザムは魔改造し、ザクレロだって用途を限定すれば使えることを証明し、地球戦線でいちばん必要だったのはヒルドルブなんだよ!とか、外人部隊や囚人部隊を救ったりしながら、なんとかテキサスコロニーで白い奴に殺されたり、地中海で自爆しないで済むルートを模索するクベ大佐。しかし、陰湿な政治家きどりのインテリが、いつの間にか上司からは信頼され、部下からは崇拝され、女性士官達からは思慕の情をぶつけられる愉快な男になっていた。もはや彼が願うのは自分の死を回避することではない。1人でも多くの仲間を生き延びさせることだった……。
 『機動戦士ガンダム』の二次創作。「ムーミン谷の赤い彗星」以来の感動であった。しかし、ザクレロやヒルドルブすら活躍の場を見つけ出せたのに、箸にも棒にもかからないアッザムの立場って。
コメント
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