付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「魔王と勇者の戦いの裏で5」 涼樹悠樹

2024-09-02 | 異世界転生
「くっそ、魔軍の体力はバケモノか」
「魔物ですからな」

 ちょっと前世のアニメのセリフを剽窃してみたが、誰にも通じなかった。

 ヴェルナーは予定通り、最前線となるであろうアンハイムの領主として赴任した。貴族の間では放蕩息子が左遷されたくらいの噂が流されているが、これも魔軍進攻に備えての足場固めだ。ヴェルナーは街内部の盗賊との癒着や汚職を一刀両断して盗賊団を次々に壊滅させて、そのまま魔将ゲザリウス対策の要塞建設に着手するのだが……。

 籠城戦がメインに語られる5巻。
 本来なら物語冒頭で討ち死にしていたはずの皇太子のキレっぷり。そのまま序盤で王都ごと消えていたはずの王や上位貴族、大臣たちの黒幕っぷりというか、辣腕ぶりが頼もしくも恐ろしい巻です。
 コミック版でも脇役までキャラデザインが良くて、ノルポト侯爵とかシャンデール伯爵とか敵では無くて味方の重鎮のはずなのに、ひたすら胡散臭く、腹に一物も二物も抱えていそうで、端的に言って「悪そう」。斜め45度に首をクイッと傾げる侯爵の尊大そうなところがステキ。そんな年上、格上の重鎮たちの手のひらで転がされているというか、見守られて育てられているヴェルナーの成長が楽しみです。そして、きっちり最後を締める勇者くん。
 今回はさらに、ゲーム世界転生と言うけれど、それは本当にゲームの記憶か? タイトルを覚えているか?と転生ものの根幹にかかわる疑問が突きつけられることとなります。

【魔王と勇者の戦いの裏で5~ゲーム世界に転生したけど友人の勇者が魔王討伐に旅立ったあとの国内お留守番(内政と防衛戦)が俺のお仕事です~】【涼樹悠樹】【山椒魚】【オーバーラップ文庫】【小説家になろう】【伝説の裏側で奮闘するモブキャラによる本格戦記ファンタジー】【粉塵爆発】【投槍器】【投石機】【弩弓】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする