「灰島君、湯之枝さんの周りは死と隣り合わせよ。気を付けてね」
バトル漫画みたいな台詞で雪葉は灰島たちを送り出した。
私立掛戸高校にめでたく入学した灰島爽斗はつい早く登校してしまった。山間の温泉旅館の息子だったので中学までは遠かったし、高校のある都会に出てこられるという事で張り切りすぎてしまったのだ。まだ誰もいない学校……と思ったら、女子生徒がいた。先輩らしい。
誰にも聞こえないような小さな声で呼びかけてきた先輩は、彼の耳と目の良さを確認すると秘密の情報を教えてくれた。学校から配られるクラブ紹介に名前は載らないけど、温泉部というサークルが部員を1名だけ募集しているというのだ。
「温泉のある旅館とかホテルに泊まりに行く部活なんだよ」
灯雪葉と名乗った先輩から「温泉部」なるものの話を聞き、現在の部員が男子1名に女子2名と聞いて入部を決めた灰島だったが、それは嘘だった。確かに女子生徒を中心にしたメンバーで温泉には行くのだが、彼女らは「枕投げ部」だったのだ……。
かわいい先輩に「みんなで温泉旅行に行く温泉部です」と騙されて入部したら、実は枕投げ部だったという話で、まだ知る人は少ないのだけれど、旅館での深夜の枕投げは県大会もあるスポーツ競技だったんだよー。つまり深夜の旅館で浴衣姿の高校生男女が枕をぶつけ合う話なのだ。
ちゃんと顧問はいるらしいし、枕投げ部は全国にあって定期的に練習試合とか対抗戦があります。有望な選手には二つ名が付き、よく分からない必殺技を持っていたりするあたり『ベン・トー』にも似てるけど、あそこまでギャグに走るってことはなくて、競技内容以外はまっとうなスポーツ青春小説。むしろ『サバゲにGO!』とかに近いかも。エアガンの代わりに枕を使って、迷彩服の代わりに浴衣を着ているだけです。
【ゆるふわ先輩は枕で変わる】【六畳のえる】【柚沙夏ゆう】【MF文庫J】【友情も恋愛も、僕の青春ラブコメは枕とともに】【アホ毛】【知りすぎた男】【マナー遵守の安全な戦争】
バトル漫画みたいな台詞で雪葉は灰島たちを送り出した。
私立掛戸高校にめでたく入学した灰島爽斗はつい早く登校してしまった。山間の温泉旅館の息子だったので中学までは遠かったし、高校のある都会に出てこられるという事で張り切りすぎてしまったのだ。まだ誰もいない学校……と思ったら、女子生徒がいた。先輩らしい。
誰にも聞こえないような小さな声で呼びかけてきた先輩は、彼の耳と目の良さを確認すると秘密の情報を教えてくれた。学校から配られるクラブ紹介に名前は載らないけど、温泉部というサークルが部員を1名だけ募集しているというのだ。
「温泉のある旅館とかホテルに泊まりに行く部活なんだよ」
灯雪葉と名乗った先輩から「温泉部」なるものの話を聞き、現在の部員が男子1名に女子2名と聞いて入部を決めた灰島だったが、それは嘘だった。確かに女子生徒を中心にしたメンバーで温泉には行くのだが、彼女らは「枕投げ部」だったのだ……。
かわいい先輩に「みんなで温泉旅行に行く温泉部です」と騙されて入部したら、実は枕投げ部だったという話で、まだ知る人は少ないのだけれど、旅館での深夜の枕投げは県大会もあるスポーツ競技だったんだよー。つまり深夜の旅館で浴衣姿の高校生男女が枕をぶつけ合う話なのだ。
ちゃんと顧問はいるらしいし、枕投げ部は全国にあって定期的に練習試合とか対抗戦があります。有望な選手には二つ名が付き、よく分からない必殺技を持っていたりするあたり『ベン・トー』にも似てるけど、あそこまでギャグに走るってことはなくて、競技内容以外はまっとうなスポーツ青春小説。むしろ『サバゲにGO!』とかに近いかも。エアガンの代わりに枕を使って、迷彩服の代わりに浴衣を着ているだけです。
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