人類と他文明との最初の接触、ファーストコンタクト・テーマものの亜流に「異常地帯もの」と区分した方がいいんじゃないかと思える作品群があります。
異世界より高度な知性体が地球を訪問するのだけれど、一見人間には何の興味がないかのごとく、ある一定の地域を障壁で覆ってしまって接触を阻む、あるいはその中では物理法則さえねじ曲がって接触が困難になるというパターン。つまりノンコンタクトものです。そんな中から代表作を時系列で。
『ストーカー』 アルカジイ・ストルガツキー(1971)
異星人と思しき何者かが滞在し、そして立ち去った跡地「ゾーン」。そこには路傍のキャンプの跡のように、今はいない異星文明が破棄していったガラクタが散逸している。しかし、そこには人類にとっては魔法のアイテムのような品物も混在しているのだ。国際地球外文化研究所によって管理されるようになり、禁足地となったゾーンだが、そこに不法侵入してアイテムを持ち出そうとするストーカーと呼ばれる人々が生まれ……。
『へびつかい座ホットライン』 ジョン・ヴァーリイ(1977)
外宇宙からの侵入者によって地球を破壊され、立ち入ることすら出来なくなった人類は、水星、金星、月、火星など八つの植民地で、ふたたび独自の文明を築きあげていた。しかし、その発展は、へびつかい座70番星の方向から超タイトビームで送られてくるメッセージなしには不可能だったのだが、そもそも誰が何の目的で送ってくるのか……。
〈八世界〉シリーズ。故郷である地球を追い出された人類が、太陽系全体を生存圏とし、クローニング、性転換、臓器移植、サイボーグ化が日常茶飯事になった時代の物語。地球の話にはほとんど触れられません。
『首都消失』 小松左京(1987)
突如東京が巨大な雲に包まれ、一切の連絡が途絶した。人や物資の行き来はもちろん、通信やレーダー波すら通さない雲に、日本は首都機能を完全に喪失してしまう。雲はいつ消えるのか、消えることがあるのか、それすら判らないまま雲の外に取り残された人々は、東京の存在しない日本を緊急に構築しなければならなかった……。
東京という存在がいきなり消えてしまったとき、政策決定のシステムは、外交関係はどうなるのか、各地に配備されている自衛隊と在日米軍の関係は、物流・出版は……と、政治・経済・軍事面をしっかり描き込んだ、SFというよりはポリティカル・シミュレーション小説。
『スパイラル・ゾーン』 伊藤和典(1989)
西暦2007年。悪の科学者ジェームス・ベント博士によって世界主要都市は直径約5Kmにおよぶ魔の空間《ゾーン》に覆われてしまう。これに立ち向かうため、国際的組織MCCは危険なゾーン内でも活動できる精鋭部隊ゾーンライダーを結成した……。
もともと模型情報の冊子に掲載されていたアクション中心の異常地帯もの。輸出用アニメにもなっていますし、玩具展開もしてました。小説はバンダイ文庫から。現在は3万円の売値が付いてます。
『時の果てのフェブラリー』 山本弘(1990)
時空間に異常が発生し、外界と切り離されてしまった特異空間スポットに挑む調査隊には、1人の幼い少女が加わっていた……。
知性体の正体が判らないまま進む話もいいけれど、解明して接触する展開になってもいいじゃないかという意図で『ストーカー』に触発されて書かれたものだそうです。
『ラーゼフォン』 ラーゼフォン製作委員会(2002)
21世紀初頭。謎の存在MUに占拠された首都は不思議な膜に閉鎖され、Tokyoジュピターと呼称されるようになっていた。だが、その内と外では時間の流れが違っており、高校生・神名綾人が地下神殿から出現した人型の存在「ラーゼフォン」に乗り込んで東京から飛び出したとき、外部では、12年も先の時間が流れており、異次元からの侵略者との戦いが始まっていた……。
「首都消失」と「勇者ライディーン」を足して割ったような、ロボット・SF・ラブストーリーTVアニメ。展開が難しく、視聴者が解釈しなければ部分も多いので、流し視には不適当。ただ思い出だけが残る寂しくも救われるエピローグが印象的でした。
『蒼のサンクトゥス』 やまむらはじめ(2003)
宇宙から飛来し、海へと堕ちたものの領域を人類は『A-NEST』と呼び、そこに何とか侵入して、何かを手に入れてこようと一攫千金を狙う者が『採掘屋』と呼ばれるようになっていた……。
海洋冒険SFコミック。
『ヴァンガード』 (2007)
大地震と共に巨大な「壁」によって、東京都の大半がその壁の内となり、人や物資の移動はおろか電波すら途絶えてしまう。人々は巨壁の中に広がる迷宮を探索し、外界との通路を探し、そこに出現するモンスターを狩った資源で文明を維持していた……。
内側から描いた『首都消失』に現代ダンジョンものを掛けた話で、そこで行われているのは銃火器でクリアしていく『ウィザードリィ』。東京湾に閉じ込められた在日米軍の同好に注目。
異世界より高度な知性体が地球を訪問するのだけれど、一見人間には何の興味がないかのごとく、ある一定の地域を障壁で覆ってしまって接触を阻む、あるいはその中では物理法則さえねじ曲がって接触が困難になるというパターン。つまりノンコンタクトものです。そんな中から代表作を時系列で。
『ストーカー』 アルカジイ・ストルガツキー(1971)
異星人と思しき何者かが滞在し、そして立ち去った跡地「ゾーン」。そこには路傍のキャンプの跡のように、今はいない異星文明が破棄していったガラクタが散逸している。しかし、そこには人類にとっては魔法のアイテムのような品物も混在しているのだ。国際地球外文化研究所によって管理されるようになり、禁足地となったゾーンだが、そこに不法侵入してアイテムを持ち出そうとするストーカーと呼ばれる人々が生まれ……。
『へびつかい座ホットライン』 ジョン・ヴァーリイ(1977)
外宇宙からの侵入者によって地球を破壊され、立ち入ることすら出来なくなった人類は、水星、金星、月、火星など八つの植民地で、ふたたび独自の文明を築きあげていた。しかし、その発展は、へびつかい座70番星の方向から超タイトビームで送られてくるメッセージなしには不可能だったのだが、そもそも誰が何の目的で送ってくるのか……。
〈八世界〉シリーズ。故郷である地球を追い出された人類が、太陽系全体を生存圏とし、クローニング、性転換、臓器移植、サイボーグ化が日常茶飯事になった時代の物語。地球の話にはほとんど触れられません。
『首都消失』 小松左京(1987)
突如東京が巨大な雲に包まれ、一切の連絡が途絶した。人や物資の行き来はもちろん、通信やレーダー波すら通さない雲に、日本は首都機能を完全に喪失してしまう。雲はいつ消えるのか、消えることがあるのか、それすら判らないまま雲の外に取り残された人々は、東京の存在しない日本を緊急に構築しなければならなかった……。
東京という存在がいきなり消えてしまったとき、政策決定のシステムは、外交関係はどうなるのか、各地に配備されている自衛隊と在日米軍の関係は、物流・出版は……と、政治・経済・軍事面をしっかり描き込んだ、SFというよりはポリティカル・シミュレーション小説。
『スパイラル・ゾーン』 伊藤和典(1989)
西暦2007年。悪の科学者ジェームス・ベント博士によって世界主要都市は直径約5Kmにおよぶ魔の空間《ゾーン》に覆われてしまう。これに立ち向かうため、国際的組織MCCは危険なゾーン内でも活動できる精鋭部隊ゾーンライダーを結成した……。
もともと模型情報の冊子に掲載されていたアクション中心の異常地帯もの。輸出用アニメにもなっていますし、玩具展開もしてました。小説はバンダイ文庫から。現在は3万円の売値が付いてます。
『時の果てのフェブラリー』 山本弘(1990)
時空間に異常が発生し、外界と切り離されてしまった特異空間スポットに挑む調査隊には、1人の幼い少女が加わっていた……。
知性体の正体が判らないまま進む話もいいけれど、解明して接触する展開になってもいいじゃないかという意図で『ストーカー』に触発されて書かれたものだそうです。
『ラーゼフォン』 ラーゼフォン製作委員会(2002)
21世紀初頭。謎の存在MUに占拠された首都は不思議な膜に閉鎖され、Tokyoジュピターと呼称されるようになっていた。だが、その内と外では時間の流れが違っており、高校生・神名綾人が地下神殿から出現した人型の存在「ラーゼフォン」に乗り込んで東京から飛び出したとき、外部では、12年も先の時間が流れており、異次元からの侵略者との戦いが始まっていた……。
「首都消失」と「勇者ライディーン」を足して割ったような、ロボット・SF・ラブストーリーTVアニメ。展開が難しく、視聴者が解釈しなければ部分も多いので、流し視には不適当。ただ思い出だけが残る寂しくも救われるエピローグが印象的でした。
『蒼のサンクトゥス』 やまむらはじめ(2003)
宇宙から飛来し、海へと堕ちたものの領域を人類は『A-NEST』と呼び、そこに何とか侵入して、何かを手に入れてこようと一攫千金を狙う者が『採掘屋』と呼ばれるようになっていた……。
海洋冒険SFコミック。
『ヴァンガード』 (2007)
大地震と共に巨大な「壁」によって、東京都の大半がその壁の内となり、人や物資の移動はおろか電波すら途絶えてしまう。人々は巨壁の中に広がる迷宮を探索し、外界との通路を探し、そこに出現するモンスターを狩った資源で文明を維持していた……。
内側から描いた『首都消失』に現代ダンジョンものを掛けた話で、そこで行われているのは銃火器でクリアしていく『ウィザードリィ』。東京湾に閉じ込められた在日米軍の同好に注目。