付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「銀河帝国興亡史1」 Seldon Project

2013-11-02 | 宇宙・スペースオペラ
 心理歴史学の計算から銀河帝国の崩壊とそれに続く暗黒期の到来を導き出したハリ・セルダンは、壮大な計画に着手した。
 それは人類文明のすべての知識を集約するための銀河百科事典の編纂を目的とする、ファウンデーションの設立である……。

 まだSFなんてものをよく知らなかった中学生の頃、SF界の御三家、巨匠アイザック・アシモフの代表作!と言われ、無謀にも大枚はたいて創元版の三部作を購入。ソファに寝転んで読み始め、なんとも微妙な気分に。
 そりゃあ文句なく面白いし、壮大で、二重三重に伏線というかハリ・セルダンの深謀が張り巡らされての攻防が面白くないわけがない。すべての会話を分析して虚飾をはぎ取る「記号論理学」とか未来の歴史を綴る「心理歴史学」には興奮。でも、中学生が「銀河帝国の興亡」というタイトルに求めていたモノとは違うんですよね。派手な戦いがほとんどない。

「暴力は無能者による最後の逃げ道である」
 心理歴史学者ボー・アルーリン

 暴力による混乱を避けるための話なので、戦争シーンなんてあってなきがごとくなのは当然で、その欲求が叶えられて十分に満足させられるのは田中芳樹の『銀河英雄伝説』を待つしかありませんでした。そして今ではミリタリーSFが辟易するほどあふれているわけですが、そんな時代に全編描き下ろしのコミック版『銀河帝国興亡史』です。
 確かに、当時感じた雰囲気と記憶のままのストーリーがそのまま漫画化されています。
 ただ、膨大な原作を取捨選択しなければいけなかったのでしょうが、絵的にトランターの俯瞰は見開き全面を費やして欲しかったですね。あのシーンこそ、失われていく銀河帝国の広大さと護らなければいけない人類文明の象徴なのですから。

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