付け焼き刃の覚え書き

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「新島八重」 久野潤

2012-10-21 | 伝記・ノンフィクション
 幕末に会津藩の砲術指南の家に生まれ、銃火器の扱いに秀でて育ち、米の一俵や二俵は抱えて走るような強力を持ち、合理的すぎる母親に育てられた女傑の生涯。
 でも、帯のあおり文句や表紙イラストを真に受けるとがっかり。
 まあ、評伝的なものなんだろうけれど、新島八重という女性についてより、彼女が生きた時代や地域について割かれる紙幅の方が多く、「八重が会津戦争のときに何をしていたか」より、「会津藩の人間がどうして常に国家の最前線ともいえる土地へ送り込まれ続けたか」とか「新撰組が誕生した背景」などの方が詳しいのですね。そりゃあ、人を語るのにその背景に触れないわけにはいかないけれど、タイトルからして主客転倒という感じがしなくもない。
 八重自信について語られ始めるのは、主に戦後の新島襄との結婚後からであり、赤十字活動、茶の湯への傾倒といったあたりから。虚実取り混ぜた活躍を見たければ、来年の大河ドラマを視ろということか……。

【新島八重】【とある会津女子の生涯】【久野潤】【晋遊舎新書】【同志社大学】【新島襄】【茶道】【若松城籠城戦】【戊辰戦争】【八重の桜】

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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初めまして (久野 潤)
2012-12-29 01:02:48
 お読みいただきありがとうございます。幕末~維新期という激動の時代を生き抜いた新島八重、そして日本 ―― 当時を想ううえでその土台となる時代/地域背景の方に比重を置きました。ご評価は虚心坦懐に受け止めさせていただきます (^-^)
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Unknown (まなせ)
2013-01-02 00:57:52
タイトルから期待したものと違い、あれ?となりましたが、時代と背景を語るという視点については興味深く読ませていただきました。
ありがとうございます。
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