付け焼き刃の覚え書き

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「八男って、それはないでしょう!2」 Y.A

2014-10-29 | 異世界転生
 ただの12歳の予備校生のはずのルーデウスだが、王都について早々には大金と勲章と爵位を手に入れ、無職ながらも準男爵。仲間3人も形式だけでも家臣にしないと仕官希望者があふれかえるだろうともいう。
 しかも結婚式のパーティーも終わってのんびり王都観光できると思いきや、王宮筆頭魔導師に従ってパルケニア平原に巣くう地竜グレートグラウンドを倒してこいという勅命が下ってしまう。
 貴族になるというのも大変なのだ……。

 王都編の開幕で、肉体派魔導師アームストロング登場。いかにも「鋼の錬金術師」のアームストロング少佐のようなキャラクターで、一発ネタのキャラかと思えばレギュラー化して延々と活躍するとは思ってもみなかったのです。
 そしてもう1人、レギュラーとしてホーエンハイム枢機卿の孫娘、ホーエンハイムの聖女ことエリーゼ・カタリーナ・フォン・ホーエンハイムさんも登場。なんというか、この作品世界を象徴することになるキャラです。つまり、貴族の婚姻は政治のかけひき。お互いに相性が良ければ大いに結構ですが、美醜や人柄よりもなによりも家柄が大事なのです。
 そもそも主人公の傍らには最初から美少女2人が付き従っていますが、彼女たちにしても主人公のことが好きなのだけれど、その理由はまず魔法の才能があって、財力もあって、ルックスも平均的だからというもの。さらには自分たちは家柄はそんなに良くないから、正妻は無理だから側室か妾だよねえと最初から腹を据えてます。ぽっと出のエリーゼさん、正妻確定(笑)。
 嫁さんは「世知辛い話よねえ」と言いますが、こんな主人公のどこが良くて女性同士で嫉妬して啀み合っているのかわからない話は少なくありません。友情を感じるのはわかる。仲が良いのも当然だろうけれど、なぜそこから主人公との結婚が最終目的のつばぜり合いが始まるのか分からない話を、人が人を好きになるのに理由や時間なんて関係ないと流されるよりは、世の中ゼニ!貴族の結婚は義務!で割り切る方が納得できます。
 そしてその上で、結婚のための手続きやら段取りやら、ちゃんとストーリーが連動してのハーレム展開なので納得です。このあたり省く作品もちょこちょこありますが、社会のシステムがきちんと作品に反映されつつ話が転がっていく方が面白いですよね。

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