付け焼き刃の覚え書き

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「スペース」 加納朋子

2009-06-19 | ミステリー・推理小説
 駒子が瀬尾さんへのクリスマスプレゼントに選んだのは、10数通の長い手紙。
 それこそは「スペース」の物語。さまざまな意味を持つ「スペース」という言葉をキーワードに、瀬尾さんはこのありきたりの(ただ長いだけの)手紙に隠された謎を読み解いていくのだが……。

 駒子シリーズの3冊目。語り手の異なる『スペース』と『バック・スペース』の2作品から構成され、それぞれ女子大生の学生生活を描いた単独作品としても楽しめるけれど、続けて読むとさらに深みが増します。
 最初は『スペース』が問題編で『バック・スペース』が解決編かなあくらいに読んでいたのですが、それともちょっと違いますね。『スペース』を読んで『バック・スペース』を読んで、そこで思わず『スペース』を最初から読み直してしまいました。
 人生は厳しくて、人間関係は難しくて、だからこそ自分の居るべき空間を手に入れることができたときの幸福感は大事だよね?という話でした。

【スペース】【加納朋子】【門松】【筆跡】【ロッテ】【バス】【寮】【鎌倉】【静岡】【岩手】

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