「たしかにわたしたちは卑劣な人間です。だが生き延びるのはわたしたちです。2つの強大な国にはさまれた弱小国に、礼儀作法など無意味です」
日和見であることを認めつつ恩を着せ、じつに卑劣だと思いませんかと自画自賛する宦官長サディの言葉。こんな国に大使や特使として派遣されたくないなあ……。
リヴァの女王の軍勢が通った後には五体満足な成人男性は1人も残っていない。男は戦場に向かい、女たちは男たちのいない場所を掌握する。
世界を2つに分けた戦争が始まるのだ。
戦争とは外交だ。ニーサの宦官サディが、ナドラク王ドロスタが、生き残りのための交渉を開始する。
戦争とは補給だ。何事も成り行き任せにしないセンダー人のフルラク王が取り仕切り、輸送部隊が編成され、物資集積所が建設されていく。
だが、真の戦いは世界の別の場所で起きようとしていた……。
この巻もベルガリオンは「なぜ、ぼくが?」とぼやきつつ覚悟を決めます。やるときゃやるぞ、男の子。この作品を通じて最大の教訓は、男は最低でも1日1回、できれば1時間に1回は恋人に「愛しているよ」とささやきかけねばならないということでしょうか。
セ・ネドラは享楽的なドリュアドの血をひき、わがまま放題に育った王女であり、遊びたいさかりの少女であり、失敗失態は数知れず。それでも自分のしでかした事の大きさに恐怖しつつも直視して、大事なものを守るための戦いに臨みます。
多くの犠牲の上に築かれた平和ですし、細かな疑問や問題は残っていますが、なにはともあれ大団円。預言書や神話が錯綜する壮大な戦いの物語というと、ついつい堅苦しく重苦しいものになりがちですが、こんな分厚い本がすいすい読めてしまうのは、軽妙な会話をやりとりする活き活きとしたキャラクターたちが活躍するからであり、「男と女のラブゲーム」というか強くたくましく狡猾な女性たちに翻弄される頭の固い男たちの物語になっているからかもしれません。
【ベルガリアード物語】【デイヴィッド・エディングス】【勝負の終り】【おおやちき】【HACCAN】【砂金掘り】【結婚式】【神を屠るもの】【補給】【戦力分断】
日和見であることを認めつつ恩を着せ、じつに卑劣だと思いませんかと自画自賛する宦官長サディの言葉。こんな国に大使や特使として派遣されたくないなあ……。
リヴァの女王の軍勢が通った後には五体満足な成人男性は1人も残っていない。男は戦場に向かい、女たちは男たちのいない場所を掌握する。
世界を2つに分けた戦争が始まるのだ。
戦争とは外交だ。ニーサの宦官サディが、ナドラク王ドロスタが、生き残りのための交渉を開始する。
戦争とは補給だ。何事も成り行き任せにしないセンダー人のフルラク王が取り仕切り、輸送部隊が編成され、物資集積所が建設されていく。
だが、真の戦いは世界の別の場所で起きようとしていた……。
この巻もベルガリオンは「なぜ、ぼくが?」とぼやきつつ覚悟を決めます。やるときゃやるぞ、男の子。この作品を通じて最大の教訓は、男は最低でも1日1回、できれば1時間に1回は恋人に「愛しているよ」とささやきかけねばならないということでしょうか。
セ・ネドラは享楽的なドリュアドの血をひき、わがまま放題に育った王女であり、遊びたいさかりの少女であり、失敗失態は数知れず。それでも自分のしでかした事の大きさに恐怖しつつも直視して、大事なものを守るための戦いに臨みます。
多くの犠牲の上に築かれた平和ですし、細かな疑問や問題は残っていますが、なにはともあれ大団円。預言書や神話が錯綜する壮大な戦いの物語というと、ついつい堅苦しく重苦しいものになりがちですが、こんな分厚い本がすいすい読めてしまうのは、軽妙な会話をやりとりする活き活きとしたキャラクターたちが活躍するからであり、「男と女のラブゲーム」というか強くたくましく狡猾な女性たちに翻弄される頭の固い男たちの物語になっているからかもしれません。
【ベルガリアード物語】【デイヴィッド・エディングス】【勝負の終り】【おおやちき】【HACCAN】【砂金掘り】【結婚式】【神を屠るもの】【補給】【戦力分断】
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