付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「傷だらけのビーナ」 桝田省治

2010-12-17 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「女なら、最後の、最後の、最後まであきらめるな!!」
 やっぱり、この作品だとこのセリフになるのかな。

 “チグルの虐殺”を生き残った弓使いの少女・ビーナは、流浪の果てに傭兵団に加わることとなった。
 他人からは見えない無数の精霊に取り巻かれているビーナだが、傭兵団では単なる見習い兵。そんなビーナに与えられた任務は、セクハラ親父の上官と共に辺境の朽ち果てた要塞のメンテナンスに向かえというものだった……。

 与えられた仕事は面倒くさいばかりでわけのわからないもので、セクハラ上司に馬鹿にされながらもやっと片付けられると思ったらとんでもないトラブルが発生し、挙げ句の果てにそのセクハラ上司と二人っきりで対処しなくちゃいけなくなったのに、相手先の窓口は過去に因縁のある憎い相手で、しかも言っていることがころころ変わって信用できない!……って、最初から信用するつもりはないけど……という話。ひとことでいうと、「精霊使いで脳天気な小娘が、襲い来る魔物の大軍勢を相手に籠城戦を挑む!!」という話。
 当然のように死屍累々の展開だけれど、陰鬱な読後感にならないのは主人公が能天気なせいかもしれません。
 サコちゃん、かわいいよ。サコちゃん。

【傷だらけのビーナ】【桝田省治】【toi8】【傭兵】【精霊】【籠城戦】【仇討ち】【セクハラ上司】【トラップ】
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「子ひつじは迷わない~走るひつじが1ぴき」 玩具堂

2010-12-16 | 学園小説(ミステリ)
 第15回スニーカー大賞受賞作で、続刊の刊行とコミカライズとドラマCDは決定しているんだそうな。確かに手堅く面白いよね。装丁を変えて創元あたりから刊行されても不思議はない感じ。
 高校を舞台にした「日常の謎」系の連作ミステリ。絶壁でボサボサ髪の無愛想な少女が、隣の部屋から漏れ聞こえてくる話し声だけで、ラブレターの差出人捜しから未完の小説の完結編まで、生徒会に持ち込まれる謎を解き明かすという安楽椅子探偵もの。

「温かい言葉とは違って、冷たい言葉は生きているだけで日々その語彙を増やせるものなんですよ」
 生徒会書記・成田真一郎(なるたまいちろう)の言葉。

 生徒会がよろず悩み事を全力で解決しようという選挙公約は、意外にも実現してしまった。
 週1回開催される「迷わない子ひつじの会」は次第に校内の評判となっていくのだが、その解決策のほとんどが生徒会室の隣の部屋に潜り込んでいる幽霊文芸部員・仙波明希の毒舌から導き出されていることを知る者は少ない……。

 ナメクジ退治にビールの罠は効果的ですね。
 そんなに大がかりな罠は必要ないんですよ。紙コップにビールを半分くらい注いで……庭に半分くらい埋めておけば、1日2日でナメクジがわらわら集まってぷかぷかしてますぜ……。

【子ひつじは迷わない】【走るひつじが1ぴき】【玩具堂】【籠目】【ボーイ・ミーツ・ガール】【学内掲示板】【ノニ】【非Aの世界】【三国志】【スレドニ・ヴァシュタール】【ボンベイ型】
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「レッド・オクトーバーを追え」 トム・クランシー

2010-12-15 | 戦記・戦史・軍事
 東西冷戦の真っ直中、処女航海に旅立ったはずのソ連の新型原子力潜水艦<レッド・オクトーバー>が消息を絶った。
 核ミサイルを搭載した<レッド・オクトーバー>は無音航行が可能な軍事機密の結晶であり、指揮するラミウス艦長は党の信頼も厚いベテラン艦長。彼の目的は何か? 亡命か、叛乱か?
 最新鋭潜水艦をアメリカに渡すことも、ラミウス艦長にアメリカ本土を核攻撃させることもできないソ連海軍は、全力で<レッド・オクトーバー>を追う。そしてアメリカ海軍もこの謎の潜水艦の存在に気づき、追跡を開始した……。

 もはやミリタリー系冒険小説の古典となった1冊。脇役が幸せな未来を語ると死の前兆という露骨な死亡フラグも健在。これはなんだかなーと思いますが、全体としてはとてもおもしろい作品でした。
 最初は映画の方を観たのかな? 潜水艦好きな方から、「観ろ。どの潜水艦もソナーマンはいかれているから、そこがポイントだ」と薦められた気がします。
 映画の方はショーン・コネリーがすてき。「最後の聖戦」でも思いましたが、あの脂ギトギトだったボンド役者が、歳月を重ねていい感じに老成しました。 

【レッド・オクトーバーを追え】【トム・クランシー】【東西冷戦】【キャタピラー】【テディベア】
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「ゆうきまさみ年代記」  ゆうき まさみ

2010-12-14 | その他SF(スコシフシギとかも)
 デビュー30周年を記念しての、それぞれの時代を代表する作品を収録した作品集。
 すべて単行本で持っている人間としては(巻末の読み切り以外)収録作品そのものに魅力はないのだけれど、作者本人および評論家やら友人やらによって書かれた、それら作品の位置づけなどの解説やら回顧録と合わせて読むと感慨深く、再録されている意味もあるかなと思います。
 分量的にはコミックの再録本だけれど、内容的には文章を読む本ですね。
 再録されている対談は活字が小さく、これはさすがに読むのがちょっと辛かったね。読書用の眼鏡は必須。

【ゆうきまさみ年代記】【ゆうきまさみ】【斉藤宣彦】【出渕裕】【高橋留美子】【新谷かおる】【小松左京】【高田明美】【荒俣宏】【とり・みき】【庵野秀明】
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「NOVA2」 編:大森望

2010-12-13 | その他SF(スコシフシギとかも)
 大森望によって編纂された、日本作家によるSF短編集の2冊目。今読んでいる『NOVA3』が面白かったのだけれど、2の感想がまだなのに気づいてアップ。

 いかにも神林だよねえという神林長平のハードボイルドから始まり、ありとあらゆるパターンのSFが押し寄せます。1冊目よりバリエーション豊富でくらくらきますが、なんとなくSFというより幻想譚の方向に走っている気もします。
 いちばん印象に残ったのは「五色の舟」。趣味ではないし、はっきりいってキライな話なのだけれど、なんとなく記憶の奥底にこびりついて離れないという読後感。

【NOVA】【書き下ろし日本SFコレクション】【東浩紀】【恩田陸】【法月綸太郎】【宮部みゆき】【神林長平】【倉田タカシ】【小路幸也】【新城カズマ】【曽根圭介】【田辺青蛙】【津原泰水】【西崎憲】【大森望】【タイポグラフィー】【ボーイ・ミーツ・ガール】【異形】【くだん】【アンドロイド】
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「旅に出ても古書店めぐり」 ローレンス&ナンシー・ゴールドストーン

2010-12-12 | 本屋・図書館・愛書家
 ゴールドストーン夫妻の古書収集癖はいまだ治まらず。ついには古書・稀覯本を求めてボストンの古書市からミステリ専門書店、果てはサザビーズのオークションへ……。

 ひたすらマニア道を突き進む夫婦の体験記。一歩間違うとただのオタク道なのに、なんでこんなにオシャレなイメージになるんでしょうね。

 本なんてどこで買っても同じ、通販で買った方が早く安く買えると言うことなかれ。通販は便利だけれど、実際に店頭に足を伸ばして手に取らないとわからないことってのはあるのさ。まして古書店となれば地方ごと店舗ごとの品揃えはぜんぜん違うので……と団体旅行ですすき野や中洲へ連れて行かれても、オネーチャンのいる店ではなく書店で散財しまくった人が断言しますよ?
 まあ、前作の「田んぼの中の納屋みたいな建物の扉を開けたらうどんを食べさせていた」みたいな意外性は少なくなったので、ここはお笑いでテコ入れして欲しかったところ(そればっかだ)。
 ただ、夫婦で古書店めぐりできるってのはいいことですよ。

【古書店めぐりは夫婦で】【ローレンス・ゴールドストーン】【ナンシー・ゴールドストーン】【ボストンの古書市】【博物館】【ミステリ専門書店】【アメリカ探偵作家クラブ賞授賞式】【サザビーズ】
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「ZOKU」 森博嗣

2010-12-11 | ミステリー・推理小説
「人に優しいとか、地球に優しいとか、押しつけがましいんだよね。上品さがまったくないというか」
 優しい以前にもっとやるべきことがあるはずだと、某国立大学の河本助手の言葉。

 謎の秘密結社ZOKU
大臣の自宅だけに響くバイクの暴走音。女子高の授業中、一斉に振動する携帯のバイブ機能。畑の薩摩芋がすべて芋判に変えられ、また埋められる…。で、いったいって何がしたいわけ?

 情けなくもショボイ悪の組織と政府機関との戦いの記録。

【ZOKU】【森博嗣】【山田章博】【自家用ジェット機】【自家用機関車】
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「ターザンと女戦士」 エドガー・ライス・バロウズ

2010-12-10 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
 以前は「ターザン」という話は、「狼少年ケン」や「少年ケニア」と同じようなもんだと思ってました。実も蓋もなく言ってしまえば、半裸の男がジャングルで野獣や密猟者と戦う話です。
 ところが、そもそも「少年ケニア」がそういう話ではありませんでした。確かに少年がジャングルを彷徨って猛獣に襲われたりしてますけど、ボスキャラは原爆工場のナチスドイツでした。自分の産まれる前の作品なので、イメージ先行の刷り込みです。もしかしたら「何がステロタイプなのか」という理解そのものが間違っていたのかも知れません。
 ターザンの場合もそれと同じで、確かにステロタイプのイメージである野獣との戦いなんかもあるのだけれど、やはり火星シリーズやペルシダーを書いたバロウズの作品なんだなあと思い知らされるのです。

 今回も、英国貴族グレイストーク卿は“ターザン”としてアフリカの密林を駆けめぐっていますが、それは英国政府の密命でアフリカで政治工作をしているらしい敵性国家の情報を集めるため。そして、そこで出会うのは、白人男性を拉致しては子種とする“白くなりたい”黒人の国。その国の戦士は白人女性と見間違うばかりの女戦士ばかりで、部族を治めているのは巨大な宝石の魔力で人々を操る醜悪な魔術師……。
 ファンタジーですね。そうか。ターザン・ブックスは魔法は有りか。
 今回のヒロイン、女戦士にしてカジ族の女王ゴンファーラがちょっと立ち位置があやふやなのが難点。もうちょっと戦士としての強さとか女王としての高慢さが出ていると、一転してデレたときのギャップに萌えるのに。

【ターザンと女戦士】【エドガー・ライス・バロウズ】【武部本一郎】【カジ族】【ズシ族】【交配】【象牙都市】【大戦前夜】
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「うらにわのかみさま 虎と猫と君と僕」 神野オキナ

2010-12-09 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
 神無年の平和を守る虎神さまに頼まれて、変身ヒーローとしてこの世界に侵入してくる「神もどき」たちを鎮める役目を担った女子高生・垣華ユウ。だが、神もどきを煽る猫神と虎神の戦いは、いつの間にかユウと霧人の痴話喧嘩と化していた……。

 戦いは既に神々の手を離れていたのでした。
 理屈はどうあれ、神の名を借りて人間同士が争う展開に、敵対していた虎神さまと猫神さまが右往左往する、そりゃあひどい戦いじゃった……。

【うらにわのかみさま4】【虎と猫と君と僕】【神野オキナ】【龍炎狼牙】
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「女たちの闇」 ローリー・キング

2010-12-08 | ミステリー・推理小説
「恩寵とはときに、それに値しない者にも与えられたりするの」
 マージョリー・チャイルドの言葉。

 メアリ・ラッセルがホームズと出会って5年以上が経過し、間もなく両親の遺産を相続できる21歳の誕生日を迎えようとしていた。
 そんなメアリはふとしたことから、フェミニズム運動に力を入れる新興宗教<神の新しい聖堂>の指導者マージョリーと知り合うのだが……。

 シャーロック・ホームズのアナザーストーリーの1つで、快活で聡明な少女メアリを主人公にしたシリーズの2作目。今回のオチに、『ここはグリーン・ウッド』を連想したのは私だけじゃない気がするんだけど、ホームズ外伝としては好きな作品です。
 ワトソン博士の代理人たるコナン・ドイルがオカルトに傾倒した作品を発表して、ホームズが怒り心頭というあたりがポイントかな。

【シャーロック・ホームズの愛弟子】【女たちの闇】【ローリー・キング】【佐々木悟郎】【1920】【神秘主義】【レズビアン】
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「別冊ゆうきまさみ」 ゆうきまさみ

2010-12-07 | その他フィクション
 『鉄腕バーディー evolution 6』の限定版付録の画業30周年記念画集。
 1984年のデビュー以来の連載作品のカラーイラストやらネームノートに描いた設定メモや落書きなどを収録したカラー80P。ハードカバーがしっかりしたいかにもミニ画集。
 Rの初期設定っぽいキャラ対比表とか折り込みポスターだったバーディーのイラストとか、こうやって読めるのは嬉しいね。

【別冊ゆうきまさみ】【ゆうきまさみ】
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「空色パンデミックSS」 本田誠

2010-12-06 | 学園小説(不思議や超科学なし)
「ウソだってわかってても感動するだろ?」
 映画やドラマみたいにフィクションとわかっていても人間は感動するんだと森崎進一。

 自分をフィクションの登場人物と思いこみ、物語を完結させないと正気に戻れない“空想病”の少女に振りまわされている少年の物語。その番外短編集……といっても、基本のフォーマットは変わっていないので、お試し用には最適かも。
 今回は、文学少女っぽくなってバトルを繰り広げたり、ロボットアニメのヒロインになったり、敵地に潜入するエージェントになったりと大騒ぎ。ヒロイン視点の物語に入り込んでしまう本編と異なり、冷静で客観的な周囲の人々の視点で話が進むだけに、「アンタ、バカァ!」などとアニメキャラになりきっているヒロインが痛々しいです。
 森崎って、実は凄く有能で良い奴かもしれません。

【空色パンデミック】【Short Stories】【本田誠】【庭】【三角関係】【痴話喧嘩】【三交代】
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「手塚先生、締め切り過ぎてます!」 福元一義

2010-12-05 | 伝記・ノンフィクション
 竹宮惠子の『マンガの脚本概論』によると、最近は大学まで来てマンガを学ぼうという者ですら、マンガの神様と呼ばれた手塚治虫の話が通じないのだとか。手塚治虫以前にも優れたマンガ家はいただろうし、手塚治虫以後にも優れたマンガ家はいると思うのだけれど、少なくとも日本のマンガを考える上では無視できない大きな存在です。

 その手塚治虫の作品論とか技術ではなく、人となりというか実像について語っているのがこの『手塚先生、締め切り過ぎてます!』。元編集者であり元チーフアシスタントであった人物が明かす巨匠の疾走(ときどき失踪)創作人生です。
 先人の残したテクニックを学んで踏み台にするのは創作の前提なのだけれど、不眠不休で働く体力と集中力はマネしたくてもできないし、〆切り前に抜け出して映画を見に行ったり行方不明になるのは見習ってもらっては困るし。でも、他人事として読んでいる分には面白いのです。

【手塚先生、締め切り過ぎてます!】【福元一義】【倒産】【24時間テレビ】【横山光輝】【虫プロ】【ブラックジャック】
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「僕は友達が少ない(5)」 平坂読

2010-12-04 | 学園小説(不思議や超科学なし)
「……なんでリアルの会話には選択肢とセーブポイントがないの?」
 ダメっぷりに拍車がかかる柏崎星奈

 友達のいない高校生たちが「友達を作るための練習」をしようと集まった「隣人部」の物語も5冊目。やはり前巻のヒキは今回の冒頭で軽くスルーされちゃいましたが、これも積もり積もっていくんでしょうね……。

 試験が終わった打ち上げに、遊園地に出かけることになった隣人部の面々。ところが意地になった夜空と星奈がジェットコースターに乗り続けたあげくにゲロまみれになったことから……。

 こんなに可愛い子が男の子のわけがないじゃないか。
 あいかわらず小鷹の空気読め無さっぷりはステキ。ちゃくちゃくとハーレム系主人公の道を歩んでおります……。

 そしてなによりイラストが巧い。
 もちろん文章も上手いのだけれど、その文章を最大限に活かせるイラストを描くイラストレイターはそんなに多くないのだ。「ライトノベル」というものが、もし中高生をメインターゲットにした、マンガやアニメ的なイラストを多用した文庫形態の書籍というのであれば、そのイラストで手を抜くということは作品の商品価値を下げるということ。まったくワンパターンな構図の単なるキャラ設定もどきを挿絵と言い張ったり、デフォルメとデッサン力の欠如を取り違えていたり、いつもCGで誤魔化しているのでモノクロになると背景らしい背景や効果が描けなかったり……というのが多いので、こういうきちんと仕事をしているイラストを見るとホッとします。
 つまるところは50頁の見開きが最高!ということなのですけどね。

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「ヴぁんぷ!V」 成田良悟

2010-12-03 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
『己の心にテーブルと椅子とティーセットを置く。それだけでいいのだよ』
 常に冷静でいるために必要なのはそれだけだとゲルハルト・フォン・バルシュタイン子爵。

 総量規制も影響しているんだろうけれど、地方書店じゃあ客注で頼んでも電撃文庫の新刊が入荷するのに1ヶ月かかるのです。地元の書店を大切にしようと思うと、みんな1ヶ月遅れですよ。なんだかなー。がんばって既刊をちまちま売りさばいて電撃組に入れてもらうって……先の長いというか先の見えない話だよね。
 電撃組に入れた地元の別の本屋が大喜びで「電撃文庫が発売日に入荷します!」と張り出したのもわかるなあ。

 『ヴぁんぷ!IV』で村人丸ごと消失事件の解決に「組織」の主要メンバーが奔走していた頃、グローワース島でも1つの事件が起きていた。
 連続女性する殺害に人々は「まるで吸血鬼の仕業ではないか」と噂し合い、マスコミが押し寄せ、ついには犯人捜しにヴォッド市長が動き出すが、時を同じくして島外から「組織」と敵対する「血族」の吸血鬼が潜入していた……。

 ゲルハルト・フォン・バルシュタイン子爵から島を預かった吸血鬼レリックとヒルダの物語……というよりも、吸血鬼の能力を駆使して事件を解決する“探偵”と探偵助手“ワトソン”の物語であり、誰もが認めるのはヴォッド市長が大暴れする回だということ。ヴォッド無双。市長強すぎ。そして小物すぎ! あと、ホーキング登場。
 ただ、これまた後を引く伏線ばりばりなので、執筆ペースを上げるか執筆するシリーズを絞って欲しいところです。

【ヴぁんぷ!V】【成田良悟】【エナミカツミ】【連続殺人】【メイド】【鬼畜エロヌードル】
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