日々好日

さて今日のニュースは

妊婦たらい回し死亡事件

2008-10-23 14:00:39 | Weblog
昨年8月、奈良県の妊婦が大阪等の9病院で受け入れ拒否され、救急車の中で死産と云う痛ましい事件が起きました。
この貴重な経験が生かされず、あろう事か医療設備の充実しているはずの東京都で
妊婦たらい回し死亡と言う事件が発生しました。
現在45都道府県に74施設の総合周産期母子医療センターが設置されて居ます。
また39都道府県に237施設の地域周産期母子医療センターが設置されています。東京都には総合周産期センターが9施設。地域周産期センターが13施設
あります。
今回は体調不良を訴える妊婦を救急車が搬送したが、7ケ所の病院から受け入れ拒否された。
最終的には始めの搬送先で非番の医師を呼び出して受け入れました。
この病院は総合周産期母子医療センターであると共に東京の救急救命病院でER 指定病院でもありました。
結果的には妊婦の脳内出血に依るものと判明し出産と一応手術をしました。
子供は無事でしたが親は手遅れで3ケ日後に死亡しました。
この病院の定数は常勤9名ですが、常勤は4名しかおらず、研修医等非常勤11名で当直に当たり平日は2名だったが、7月から週末の当直は1名となって居ました
医者不足で苦しいやりくりを強いられる病院にも言い分があります。
充実しているはずの東京都でこの有様ですので、地方は如何ばかりかと想像がつき
ます。
そもそも総合周産期母子医療センターとは、万全の体制を整えリスクの高い妊婦に
高度の周産期医療を行う事が出来る医療施設で大体各県に最低1ケ所は設置されて
お居ます。
未設置だった山形県と宮崎県が設置され現在未設置県は奈良県と佐賀県です。
地域周産期母子医療センターは産科小児科等を備え周産期に係る比較的高度の
医療行為を行う事が出来る医療施設です。
各県2ケ所から11ケ所位あります。多い所は北海道の25ケ所です。
奈良、徳島、香川、高知、佐賀県は現在未設置県です。
何処も医師不足と過重労働に泣かされてどうにかやりくりをしているのが実体の様
です。
先日のブログでちょつと触れました、新医師研修生制度で研修医が研修先を選ぶ マッチングでは今年も大學医大を選ぶ研修医は半数割れであったと云う現実が有ります。
誰だって楽して金になる方が良いに決まっています。研修医を責める資格はありません。
ましてや医療関係は過酷な労働時間、医療ミス、医療裁判とハイリスクの世界です
政治屋さんは巨額な金を投じ立派な施設を作り、これで万全の備えは出来ましたと
大きく胸を張ります。
働く現場を全く無視した政治の世界では今度の様な事件は考えられない事です。
次々と猫の目の様に変わる医療行政、迷惑を蒙るのは我々国民です。
どうか偉い政治屋さん達、胆に命じて貰いたいものです。