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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

地獄の戦士

2011-11-10 20:52:43 | 諸星大二郎
諸星大二郎 1981年 集英社ヤングジャンプ・コミックス
というわけで、またボチボチと諸星大二郎のコレクションを、できたら順を追って、並べていきたいんだが。
古い順だと、今回はこれ。私の持ってるのは1986年の第3刷だけどね。(定価360円だけど、鉛筆書きで140って数字が裏表紙めくるとあるから、古本屋で買ったんでしょ。)
短編集です。コンテンツは、
「地獄の戦士」
「商社の赤い花」
「子供の遊び」
「ユニコーン狩り」
「復讐クラブ」
「桃源記」
タイトル作の「地獄の戦士」は近未来的SF。
人間が滅んでいくなかで、人間の細胞からできた「ダミー」が、その存在目的である“人間のまね”のため、残された人間をサンプルとして扱ってるような話。けっこうドロドロしてます、あまり救いがない。
「商社の赤い花」はSF。
会社のために尽くそうとする若手社員が、とある惑星に派遣されるんだけど、そこはまったくの不毛の土地。
「子供の遊び」は、気持ち悪いよ~。なんだか分かんない生き物が出てくるのは、諸星作品らしいけど。
「ユニコーン狩り」は、けっこう好き。この短編集のなかでは、いちばん好きかもしれない。
主人公の高校三年生ミエコが、街で会ったヘンな爺さんは、長年ユニコーンを追いかけてるんだという。
電柱についてるキズをみて、これはユニコーンが角を研いだ痕だっていう、ちょっとイカレた感じ。
でも、このマンガのクライマックスで出てくる、「今年 はじめて見る 一角獣―」って見開きの画と、ユニコーンを捕らえた瞬間のその爺さんの姿を描いたコマは、私があらゆるマンガのなかでも好きな一幕のひとつであります。
「復讐クラブ」は、いいよぉ、ブラックな感じで。これは解説不要、読めばわかる・楽しい。
「桃源記」は、諸星流の中国伝奇モノにつながる作品。
東晋の頃、江南の地で、いわゆる桃源郷にたどりつく陶淵明の話。
コメント
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