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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

シャーロック・ホームズの冒険

2012-11-07 18:32:13 | 読んだ本
コナン・ドイル/延原謙訳 昭和28年発行・昭和48年40刷改版 新潮文庫版
私が持ってるのは、昭和55年53刷。
こないっだっから読み返してる、ホームズ。(私の読書の原点のひとつともいえる。)
ファーストにして、傑作な短編集。
「緋色の研究」、「四つの署名」の2長編に次いで出されたんだけど、ギュッと詰まった短編において、ホームズの魅力はさらに輝きを増すと、私は思うなあ。

・ボヘミアの醜聞(A Scandal in Bohemia)
かの有名な、ホームズに「あの女」という尊称で呼ばれる、アイリーネ・アドラーの話。
・赤髪組合(The Red-Headed League)
傑作。髪の赤い人を集めるというアイデアも秀逸だし、事件解決までのスピード感もいい。
・花婿失踪事件(A Case of Identify)
その後の作品でもメリー・サザーランド嬢の奇妙な事件として語られる、結婚式当日に教会へ花婿が来なかった話。
・ボスコム谷の惨劇(The Boscombe Valley Mystery)
殺人事件の容疑者は被害者の息子だが、ホームズは現場を捜査して真犯人は違うと言う。
・オレンジの種五つ(The Five Orange Pips)
伯父と父のもとに届いたの同様、オレンジの種が五つ入った「KKK」という署名の手紙が送られてきた青年が、ホームズに相談にくる。
・唇の捩れた男(The Man with the Twisted Lip)
アヘン窟で行方不明になった男は事件に巻き込まれたと推測されるが、依頼を受けたホームズが、夜中から朝の四時まで刻みタバコを一オンス煙にして、思索の結果で解決したという意味で、傑作。
・青い紅玉(The Adventure of the Blue Carbuncle)
便利屋ピータースンがクリスマスの早朝に、帽子とガチョウを拾って、ホームズに届けた。ピータースンが食べるために鳥を割くと、えぶくろから宝石がでてきた。
・まだらの紐(The Adventure of the Speckled Band)
姉が『紐、まだらの紐』と最期の言葉を残して変死した、双子の妹が依頼人。姉の死の直前に聞いた口笛をこんどは妹が聞く。
・花嫁失踪事件(The Adventure of the Noble Bachelor)
セントサイモン卿がカリフォルニアの大富豪の娘ヘティと結婚することになったが、教会での式の直後に花嫁は失踪する。レストレード警部は池で死体捜索をしているが、ホームズは卿から話を聞いただけで真相解決の目星をつけていた。
・椈屋敷(The Adventure of the Copper Beeches)
森に囲まれた椈屋敷で、家庭教師に雇われた若い女性が依頼人。高給の代わりに、髪を短く切れ、この青い服を着ろ、窓際の椅子に腰かけろなどと不思議なオーダーを受けるが、やがて恐ろしくなってホームズに助けを求める。ホームズの「自分の妹ならけっしてあんな家へやりはしない」というつぶやきが妙にリアルで不気味な予感をあおる。

9番目に入るべき「技師の拇指」(The Adventure of the Engineer's Thumb)と、11番目に入るべき「緑玉の宝冠」(The Adventure of the Beryl Coronet)は、この文庫本には入っていない。
コメント
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