many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

蒼ざめた王たち

2012-11-09 19:44:17 | 読んだ本
ロバート・B・パーカー/菊池光=訳 1988年 早川書房
ホームズと同じように、これはこれで、順番に読み返してる、スペンサーシリーズ。
シリーズ、もう数えてらんないけど、第14作だって。持ってるのは1991年9月の5版。
ボストンに住む探偵のスペンサーだが、今回の主な舞台は、マサチュセッツ州ホイートン。
人口15,734人のうち五千人近くがコロンビア人、と依頼人である新聞社の社主は言う。
コカイン密売を調べさせるために送り込んだ記者が殺された、地元の警察はあてにならない、犯人をみつけてくれという依頼。
現地に行って捜査を始めると、住民は非協力的、警察官までが首を突っ込むなって態度とるし、ゴロツキたちは直接脅しにくる。
そんなもんに負けるわけない、タフなスペンサーなんだけど。
どうもシリーズ全体の流れから、恋人であるスーザンへの依存度が、まえより増してる気がする。
離れていらんなくて、仕事で行ってる現地にスーザンを呼んぢゃうのは、どうなのと思うし、週末にはスーザンのとこへ帰るとか、事件の相談をしちゃうとか。ちょっと甘え過ぎ。
まあ、もちろん心理学を学んで、実際に患者を治療するのが生業であるスーザンが役に立つ場面もあるんだけど。
スーザンはスーザンで、この件はかなりヤバイと判断して、相棒のホークを呼べと、スペンサーに強要する。まあ、背後をホークが守ってくれれば、絶対安心だ。
ホークが登場して、スペンサーと二人、アクションシーンを繰り広げるのは、いつもながらカッコいいんだけど、今回私がいちばん気に入ったのは、次のような一節。
>ホークが微笑した。
>「そういう顔をすると、おっかないモナ・リザみたいよ」スーザンが言った。
>ホークの笑みが広がった。
いいねえ。
「黒いトカゲ皮のカウボーイ・ブーツを隣の椅子にのせて膝を曲げていた。のりのきいたジーンズに白のシルク・シャツを着て、黒いビロードのジャケットの襟を立てている。剃った頭の黒い肌が、模造のティファニイ照明の下で油を塗りでもしたように光っている」という、暴力のプロ、ホークをつかまえて、「おっかないモナ・リザ」ってのは、爆笑した。

コメント
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