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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

冬の犬

2013-08-27 21:11:30 | 読んだ本
アリステア・マクラウド/中野恵津子訳 2004年 新潮社・新潮クレストブックス
こないだ「灰色の輝ける贈り物」を読み返したら、なんだかとてもよかったので、あわてて買って読んでみた。
原典の短編集『Island』の後半の8篇を収録したもの。
舞台は、前回と同じく、カナダの東端のケープ・ブレトン島。
出てくる人物は、これまた大家族が多い印象で、今回は漁師はそれほどいないけど、動物を飼ってたりする。
あと出身がスコットランドからの移民で、ときどきゲール語(それってアイルランド語ぢゃないの?)が出てくることがある。
全体をとおして感じたもんは、人を含めて生きものってのは生まれてくるしやがて死んでくしかない、って当たり前のことかな。
全然関係ないんだけど、『ガープの世界』を読んだときに、人間ってのはみんないつか死んぢゃうんだ、って思ったのと、ちょっと似た感想をもった。
本のタイトルにもなってる「冬の犬」は、少年時代にうちで飼ってた犬とのエピソードの回想。
見た目コリーなんだけど、ちょっとシェパードが混じってるかもしれなくて、体のでかい金色と灰色の毛並の犬。
アタマが悪いのか、牧羊犬としては、使えねえ犬なんだけど、力持ちなんで、ソリを引かせたりして主人公の少年なんかは遊んでた。
冬のある日、流氷が接岸してたんで、凍った海の上をこの犬に引かせてソリで遊びに行くんだけど、思わぬアクシデントが待っていた。
んー、なんということもないんだけど、とても読ませる。なんでだろう、やっぱ、ひとつひとつのことを丁寧に書いてるからなのかな。とても濃いというかコクのある一品。読んでいくのが楽しい。
「すべてのものに季節がある」(1977)
「二度目の春」(1980)
「冬の犬」(1981)
「完璧なる調和」(1984)
「鳥が太陽を運んでくるように」(1985)
「幻影」(1986)
「島」(1988)
「クリアランス」(1999)
コメント
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