角田光代 穂村弘 2014年 河出文庫版
私の好きな歌人・穂村弘の名をみて、最近買って読んだ、なんだろ、エッセイ?
作家の角田光代さんとの、往復書簡みたいな形式で、すすんでく、帯によれば「恋愛考察エッセイ」。
内面か外面かとか、好きだから許せるか好きでも許せないとか、いま好きだったらいいのか将来もずっと好きでいてくれなきゃヤなのかとか、なんかそういうテーマで延々と議論がつづく。
双方、男ってこうする傾向強いから、女ってこう考えるから、みたいな意見が、あらゆる角度からいっぱい出てくるんだけど、うーん、読んでると、こっちがめんどくさくなってくる(笑)
いくつか、引いてみますか。
>たぶん、女性の脳は圧倒的に現在優位なんだろう。(略)女性にとっては「今」が全て。(略)
>一方、男性たちは過去から「今」までを連続的に捉える傾向がある。(略)だから、別れ話の途中で「あのときの楽しかった俺たちの思い出」を語ってしまったり(略)
というのは、「男と女では脳内の時間感覚が異なっているのだ」という理論、だから、トラブルになると、お互いに相手の言動が意味不明で理不尽に映るというんだけど。
>女性はものごとが変化変容するということを本気でおそれている。嘘でもいいから「変化しない」と言ってほしいのだ。
>それを言わない男性というのは、変化ではなく固定をおそれているのではないだろうか。
っていうのは、「私のこと好き?ずーっと好き?」と訊くのは、男性よりも女性に多いということを解釈しようという理論。
そうかなあ、女性のほうが変化に強そうだけど、という反論はもちろん生じてるけど。
>女性が男性一般に対するリクエストとして「こうして欲しい」と云うとき、「ただし好きな人から」が暗黙の、しかし、絶対的な前提条件になっている。
というのは、女性は男性を一目みたときから「好きな人」「まあまあ」「眼中にない人」に分類しちゃって、その位置づけのほうが、なにをどうしてほしいってのより重要って理論。
それは、まあ、そうだろうな。
>つまり、女性は自分の真価(じつはかわいい)を一刻も早く、だれか(現実の男子)に気づかれたい。
>そして男性は、女性の真価(じつはかわいい)を一刻も早く、自分が気づきたい。
ってのは、そういう男女間の考え方の差があるけど、それが合致すれば平和な組み合わせができるんぢゃないかという問題提起なんだけど、そういう例は少ないように思えるということは認めていて、それにも理由があるんぢゃないかという。
なんか、だんだんめんどくさくなってきた、やっぱ。
そういうこと、理屈でごちゃごちゃ考えて、説明されて、あー、そうか、そうだったんだ、って思いたいひとは読むべし。
考えなくても、ふつうに恋愛できるひとは読む必要ないっしょ。(そもそも読もうとしないだろうな。)
万人にはあまりおすすめできません。
穂村さんの、いろんなこと言葉にして表すちからには、あいかわらず感心させられるけど。
「もてる者ともてない者の差は、時間の経過とともにどんどん開いていく。恋愛カースト制度は自然に強化されてゆくのだ。」
とか、
「恰好いいとかもてるとかには、主電源というかおおもとのスイッチみたいなものがあって、」
とか、
「佇まいの緩さというか、いい加減さというか、遊びというか、或る種のスペースのようなもの。(略)現実の恋愛においては、男女の内面とか個性とかが問題になる以前に、まずこの空っぽのスペースが必要になるんじゃないか。」
とか、すごく上手に言います、むずかしい言葉つかわずに。
各章のタイトル、あげときますか。
1 「好き」と言うハードル
2 内面か外面か
3 おごられ女、割り勘女
4 運命の分かれ目
5 女は変化をおそれ、男は固定をおそれる?
6 絆への思い
7 感情移入の男女差
8 女は非日常体験を求めているか
9 「好きな人」「まあまあ」「眼中にない人」
10 もてるための努力が恥ずかしい
11 恋愛カースト制度の呪縛
12 主電源オフ系男女
13 もてる人には“スペース”がある
14 別れた人には不幸になってほしいか
15 さかのぼり嫉妬
16 女とつきあったことのない男
17 男の勲章、女の勲章
18 錯覚と致命傷
19 好きだから許せる
20 好きだけど許せない
21 ファッションがアピールするもの
22 自分とかけ離れた人を好きになる
23 「おれがいないとだめな女」「おれなんかにはもったいない女」
24 恋愛という物語―長編劇画VS四コマ漫画
私の好きな歌人・穂村弘の名をみて、最近買って読んだ、なんだろ、エッセイ?
作家の角田光代さんとの、往復書簡みたいな形式で、すすんでく、帯によれば「恋愛考察エッセイ」。
内面か外面かとか、好きだから許せるか好きでも許せないとか、いま好きだったらいいのか将来もずっと好きでいてくれなきゃヤなのかとか、なんかそういうテーマで延々と議論がつづく。
双方、男ってこうする傾向強いから、女ってこう考えるから、みたいな意見が、あらゆる角度からいっぱい出てくるんだけど、うーん、読んでると、こっちがめんどくさくなってくる(笑)
いくつか、引いてみますか。
>たぶん、女性の脳は圧倒的に現在優位なんだろう。(略)女性にとっては「今」が全て。(略)
>一方、男性たちは過去から「今」までを連続的に捉える傾向がある。(略)だから、別れ話の途中で「あのときの楽しかった俺たちの思い出」を語ってしまったり(略)
というのは、「男と女では脳内の時間感覚が異なっているのだ」という理論、だから、トラブルになると、お互いに相手の言動が意味不明で理不尽に映るというんだけど。
>女性はものごとが変化変容するということを本気でおそれている。嘘でもいいから「変化しない」と言ってほしいのだ。
>それを言わない男性というのは、変化ではなく固定をおそれているのではないだろうか。
っていうのは、「私のこと好き?ずーっと好き?」と訊くのは、男性よりも女性に多いということを解釈しようという理論。
そうかなあ、女性のほうが変化に強そうだけど、という反論はもちろん生じてるけど。
>女性が男性一般に対するリクエストとして「こうして欲しい」と云うとき、「ただし好きな人から」が暗黙の、しかし、絶対的な前提条件になっている。
というのは、女性は男性を一目みたときから「好きな人」「まあまあ」「眼中にない人」に分類しちゃって、その位置づけのほうが、なにをどうしてほしいってのより重要って理論。
それは、まあ、そうだろうな。
>つまり、女性は自分の真価(じつはかわいい)を一刻も早く、だれか(現実の男子)に気づかれたい。
>そして男性は、女性の真価(じつはかわいい)を一刻も早く、自分が気づきたい。
ってのは、そういう男女間の考え方の差があるけど、それが合致すれば平和な組み合わせができるんぢゃないかという問題提起なんだけど、そういう例は少ないように思えるということは認めていて、それにも理由があるんぢゃないかという。
なんか、だんだんめんどくさくなってきた、やっぱ。
そういうこと、理屈でごちゃごちゃ考えて、説明されて、あー、そうか、そうだったんだ、って思いたいひとは読むべし。
考えなくても、ふつうに恋愛できるひとは読む必要ないっしょ。(そもそも読もうとしないだろうな。)
万人にはあまりおすすめできません。
穂村さんの、いろんなこと言葉にして表すちからには、あいかわらず感心させられるけど。
「もてる者ともてない者の差は、時間の経過とともにどんどん開いていく。恋愛カースト制度は自然に強化されてゆくのだ。」
とか、
「恰好いいとかもてるとかには、主電源というかおおもとのスイッチみたいなものがあって、」
とか、
「佇まいの緩さというか、いい加減さというか、遊びというか、或る種のスペースのようなもの。(略)現実の恋愛においては、男女の内面とか個性とかが問題になる以前に、まずこの空っぽのスペースが必要になるんじゃないか。」
とか、すごく上手に言います、むずかしい言葉つかわずに。
各章のタイトル、あげときますか。
1 「好き」と言うハードル
2 内面か外面か
3 おごられ女、割り勘女
4 運命の分かれ目
5 女は変化をおそれ、男は固定をおそれる?
6 絆への思い
7 感情移入の男女差
8 女は非日常体験を求めているか
9 「好きな人」「まあまあ」「眼中にない人」
10 もてるための努力が恥ずかしい
11 恋愛カースト制度の呪縛
12 主電源オフ系男女
13 もてる人には“スペース”がある
14 別れた人には不幸になってほしいか
15 さかのぼり嫉妬
16 女とつきあったことのない男
17 男の勲章、女の勲章
18 錯覚と致命傷
19 好きだから許せる
20 好きだけど許せない
21 ファッションがアピールするもの
22 自分とかけ離れた人を好きになる
23 「おれがいないとだめな女」「おれなんかにはもったいない女」
24 恋愛という物語―長編劇画VS四コマ漫画