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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

サンドウィッチは銀座で

2015-06-23 18:27:25 | 読んだ本
平松洋子 画・谷口ジロー 2013年 文春文庫版
食べものに関するエッセイって、よくあるんだけど、基本的に私はそんなに読もうって気になることがない。
今回、これ買ったのは、「画・谷口ジロー」ってあったからで、それにつきる。
しかも、パラパラっと書店で手に取って見てみると、最後のほうに、谷口ジローによる『夫婦善哉』があったんで、これは欲しくなった。
(ということで、前回からは夫婦善哉つながりなんだが。)
エッセイのなかみは、うんちくならべるだけとかってんぢゃなくて、実在の店の実際の料理がたくさんあげられてるとこがいい。
例えば、「サンドウィッチは銀座で」の章は、
木村屋總本店の「小海老のカツレツサンド」(月~金は日替わりサンドウィッチもある)、
洋菓子舗ウエストの「トーストハムサンド」(あったかなハムとこんがり焼いたパン)、
はまの屋パーラーの「スペシャルサンドゥイッチ」(レタスときゅうりとトマトと熱々の卵焼きとハム)、
銀座千疋屋の「フルーツサンド」(りんご、メロン、黄桃、いちご、少なめの生クリーム)、
みやざわの「カツサンド」(これはバーやクラブで出前をとる)、
ロックフィッシュの「生ハムとカマンベールのサンドウィッチ」(バーテンダーがつくる)、
チョウシ屋の「コロッケサンド」(肉屋さんの揚げたて)、
とてんこ盛りである。
それと全編通じて、昼からビール飲んぢゃうことを肯定してる感じがあって、それは私も全面的に賛成である。
あと、一読したなかで、いちばんの名フレーズは、著者ぢゃなくて、文藝春秋の編集者らしいY嬢という女性の言った、「オムライスを食べながら別れ話はできませんね」ってやつだと思った、今回。
これは日本橋のたいめいけんでオムライスを食べたときのもの、昔々一度だけ行ったはずだけど、オムライスは食べてないなあ、私は。
そうそう、最初の章では天ぷらを食べるとこがあるんだけど、
>持ち重りのする揚げたてに生醤油をつけて囓りつくと、つよい弾力がぶりっ。
って箇所があって、「持ち重り」って言葉は、私は『ドカコック』を読むまで知らなかったんだが、やっぱ一般的な表現なのかなと、妙なとこで引っ掛かったりして。
使わないけどねえ、私の周辺では。こんどっから言ってみようか。
コンテンツは以下のとおり。
・春を探しに
・それゆけ!きょうもビールがうまい
・夏まっ盛り。食べるぞ、うなぎ
・池袋で中国東北旅行
・いただきます、社員食堂
・いつもこころにオムライス
・座敷でゆるり
・サンドウィッチは銀座で
・冬を惜しんで、ひとり鍋
・熊を食べにゆく
・さらば、昭和の大衆食堂「聚楽台」
・百年も、二百年も
コメント
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