かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

騎馬文化と古代のイノベーション

2018年05月01日 | Books
今日と明日は、連休の狭間。
とは言え、通常営業。



本書は、発見・検証 日本の古代シリーズ第二弾。

騎馬文化という切り口から、東アジアの古代を議論する。

最初に江上波夫氏の騎馬民族征服説が紹介される。
画期的な説で、否定はされているものの、その示唆は、古代史の議論に大きな影響を与えた。
その後の考古学的な発見から、東北中国、韓国、日本との関係と、馬の歴史の繋がりが、次々に
明らかになってはいるが、そこから、想定とは、違う発見もあり、なかなか一本の線でつながるような物語にはなっていないことも、浮き堀りになる。

例えば、騎馬の文化は、百済から来たのか、新羅から来たのか。
いや、それを通り越して、中国の東北部と日本との繋がりの方が強いのではないか。

馬具は、それぞれ装飾性、個性が強く、デザインが似ているもの、似ていないものが、かなりはっきりわかる。さらに、材料が集まれば、時間軸と合わせて、古代史を検証する大きな材料になりうるのではないかという期待も抱かせる。

馬をどう運んだのかも議論の的だ。
当時の船で、いったいどの程度のスピードで、馬を日本に送ることができたのか。

馬は、当時の戦車的な存在だった。
その馬を巡っての同盟・戦いは、まさに当時の各国の関係を映す鏡のようなものだったのだろう。
コメント
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