訳のわからない写真だが、これは、カンボジアのシェムリアップ村の、中心近くにあるワット・プレア・エインコセイ寺院の壁に残るクメール文字である。これを読める人は、世界広しと言えども、ほとんどいなくて、上智大学(学長になってしまった)の石澤教授が第一人者である。アンコールに行くと、否が応でも、”上智大学”、”石澤教授”の名前は、聞こえてくる。
石澤教授が、『アンコール・王たちの物語』という本(NHKブックス)を出した。力作である。これを読むと、クメール時代の様子が、有機的につながってくる。クメールの歴史が、東南アジアの中では、比較的残っているのは、これらの碑文のおかげであり、そこから、過去をひもといたのが、石澤教授チームという訳だ。
さて、この本の中で、面白かった一節(要約)を。
『約1000年前の世界人口は、約2億5千万人。最大の都市は、コルドバ(スペイン)で、人口45万人。第2位が、宋の開封で、人口40万人。第3位がコンスタンチノープル(トルコ)で、人口29万人。第4位が、アンコール(カンボジア)で、人口21万人。第5位が京都(日本)で、人口16万人。』
たった、千年前で、これだけ違うのだから、今から千年後のことなど予測できるわけがない。