このところ、毎日雨が続き、とてもうっとうしい。
ふと思い出した。
あれは、小学生の頃か?その前か?雨の日が好きだった頃を・・・
雨の日には、家族が家にいた。特に母のそばにいられたのが嬉しかった。
いつも農作業で外に出ているし、家に帰れば家事をして、じっと座っていることがない。
そんな母が、雨の日には決まって縫い物をしていた。足袋をつくろい、着物や洋服の継ぎ当て、新しい着物も縫っていた。布団までも作る。
時には、私のために端切れの布で、お人形に着せる着物も作ってくれた。着丈が20センチ位で、本物と同じ裁ち方で、手抜きのないミニチァ版だ。
あー、あの時は、すっごい、嬉しかったのを今でも覚えている。
そんな母の横にちょんと座って、端布をもらい訳のわからないものを縫っていた私、そんなときが、なんとも言えずほっとする、大好きな時間だった。
今考えれば、忙しい中を良く作ってくれたなぁと思う。
汗臭い母のにおいも覚えているが、その臭いが、匂いに感じていたのも不思議だ。
男兄弟ばかりの私は、女だから、女なんだから、とよく手伝いをさせられた。あの頃手伝いをしたことで、今の私があることも、ありがたいと感じていた。手伝いの中でどうすればうまく出来るか?工夫をした。手も器用だねといわれることもあった。
そんな母は15年前に他界した。(あらやだ、うるうるきてる)
私は、もうすぐ60歳、「母の思い出は一生忘れない」ことがしみじみわかる。果たして私は子どもから見てどんな母だったのか?定かではないが・・・