こんにちは。14期生の中川 浩です。
2回目のブログでは、小職のこれまでのキャリアである銀行員と中小企業との関係について感じていることを書いてみます。
就職活動していた若かりし頃、銀行員という職業を選んだのは、“ヒトの役に立つ”ことを実感できるという話をリクルーターから聞いて感動したことが最大の理由でした。
具体的には、“担当していた中小企業の資金需要に際し、内容を分析、貸金の稟議書起案、渋る本部を説得の上、融資を実行。その後企業は成長、転勤時には自分の親世代であるその企業の社長から、「あなたのおかげで当社は復活出来た。」と涙ながらに感謝された。”という話に感動し、自分もヒトの役に立っていることを実感できる仕事に就きたい、と青臭くも強く思ったことでした。
さて実際に銀行員になって現場に出てみると、上記の思いを感じられる局面もある反面、なかなかそうもいかない面も多々出てきました。その理由は大きく下記2点と思います。
1.該当中小企業の(財務)内容が悪いこと。
銀行は営利企業でもあり、返済が困難と思われる先には融資出来ません。(無理に貸し込むことは、預金者への背任行為になります。)中小企業診断士であれば、財務面だけでなく総合的なアドバイスを行うことでその企業の成長をサポートしますが、銀行員は、そこまではなかなか出来ず、あくまでも資金面でのサポートが中心になります。
2.銀行の業績都合。
どの銀行も同行の支店間、或いは地域の銀行間との激しい競争を行っています。行員の限られた体力の中、中小企業に割く体力はなかなかとれない現実があります。
(1件の融資を行うにしても、3千万円の中小企業向け融資と、30億円の大企業向け融資でほぼ同じ体力が掛かりますが、収益は30億円融資の方が当然大きく、貸倒のリスクは一般的に中小企業の方が高い。)
結果として中小企業向け融資は保証協会付貸出(所謂マルホ。)が中心となります。マルホは必要ですが、マルホ融資(=銀行はリスクを取らない)だけでは、企業と真の信頼関係を構築するのは困難です。
最近はメガバンク等も中小企業の開拓に力を注いでいるという記事をよく見かけますが、上記の根本的な問題が存在しており、なかなか一筋縄ではいかないと思います。
今後中小企業診断士として、企業の成長のお手伝いをしていく身として、上記のような現実を踏まえながら、銀行(融資マン)を説得できるような企業の見せ方、資料の作成方法、等もアドバイス出来る技を磨いていきたいと思います。