「エーンヤコーラ!」
「ドッコイショ!!!…」
夏の終わり、20年以上前の掛け声が今でも脳裡で響きます。
私は、中学校から高校まで地元のキャンプ場で、
子供向けに「キャンプのお兄さん」のボランティアをしていました。
小学生と夜空の下でパチパチと燃えるキャンプファイヤーを囲み、
ススと汗が混じりながら、大きな声を出して盛り上がる。
また、火のおこし方、はんごうの使い方の説明、司会をしたり、ゲームをしたり……
毎日のように子供の前で話をするこのボランティア。
今思えば、私にとってはとても良い経験でした。
それは、人前で話す機会がたくさん持てたことです。
しかも、相手はモンスター「小学生」
少しでもイマイチだと、子供は容赦なく集中力を切らしてしまいます。
つまり、評価は子供の反応にハッキリ現れるのです。
「面白く分かり易く話す」
という今思えば人前で話すことに関して高度な訓練の場でした。
もちろん、簡単にはうまくいかず、
研修へ行ったり、ボランティア仲間とも試行錯誤をしながら、
私はそのノウハウをノートに書き留めていました。
「手振り、身振りは全身で大きく」、「子供に背中をみせない」
「1か所に立ち止まらない。なるべく動く」、「下を向かない」
など、思い返してもなかなか良い点を考えていたと思います。
「人前で話す」ということを真剣に考えたきっかけとなりました。
その書き留めたノートはボランティア仲間のためにまとめなおしました。
今はどこかへ行ってしまいましたが、何を書いたのか。今でもぼんやりと覚えています。
1.大きな声ではっきりと
2.身振り手振りは大きく
3.自信をもって笑顔で楽しく
確か、初めの「きほん」の章に書いた3つです。
「当たり前」と思えるこの3つは、
今でも私にとって、人前で話す「基本のき」だと今でも思っています。
当然、これから中小企業診断士として話す場合は目的も異なりますので、
ストーリーやロジック、クセや目線など、気を付けることはたくさんあります。
プロコンを通じてしっかりと身に着けたいと思いながら、
常にこの基本も忘れないようにしたいと思っているものです。
「大きな声で、身振りを大きく、笑顔で」
シンプルですが、案外、重要だと思いませんか?
「エーンヤコーラ…」
今ではちょっぴり恥ずかしくなったかけ声。心で思い出して、
私の原点であり、見失わないようにしたい基本です。