東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

東京都中小企業診断士協会中央支部認定マスターコース「稼げる!プロコン育成塾」のブログ。経営・ビジネスに役立つ情報を発信

自社ブランド品を持つということ

2012-11-19 17:02:56 | 12期生のブログリレー

12期生の皆様

ご無沙汰しています。田中です。

あの熱い議論を交わした診断実習が終了して1か月というのに、もう随分前の出来事のように思えるのは私だけでしょうか。

一応、本塾での私の出番は終わりましたが、皆様も中小企業診断士である以上、これからも極力機会を見つけて中小企業との関わりを持ち、その多様性と事業の面白さを味わっていただければと思います。

今回は、この1か月間に訪問した企業についてご紹介いたします。

長野・・・諏訪の造り酒屋、塩尻の漆器工芸品製造業、飯田の食品工場(安保柿の名所です)

山梨・・・富士吉田の織物屋さん(傘の生地を作っています)、北杜市の製麺屋さん(ほうとう麺を作っています)

千葉・・・千倉漁港の水産加工メーカー、我孫子市手賀沼のトマト農家(農業法人)、九十九里のイワシ加工業者

静岡・・・浜松の手芸品小売店、磐田の織物屋さん(絡み織という網目の生地を作っています)

再び山梨・・・甲府の総菜メーカー、市川三郷町のニットメーカー

以上、12社です。

これらの企業はすべて、地域資源を活用して新たな事業展開をしたい、あるいは農業者、中小企業者が連携して新たな事業に取り組みたいという希望があり、過去、数か月にわたり事業計画のブラッシュアップを続けてきた先です。

ブラッシュアップの内容は、新規事業の経営計画作りの支援で、具体的には、何がその企業にとって重要課題なのか、何を優先してやるべきなのかといった基本的な事業の方向性の見極めや、新製品の開発にあたって、お客様は誰なのか、それをどこに売りに行くのか、どうやって売るのか、やって儲かる事業なのかといった具体的なマーケティング戦略の確認を通して、実現性の高い売れる商品づくりをアドバイスすることです。

業種は様々ですが、どの企業も地方の限られた市場の中で、需要が減少し生産者も減って業界全体が衰退するという、外部環境の脅威にさらされています。

その中で、今回訪問した企業は一様に、今日の続きに明日はないという基本認識を持った若い経営者が、自らの強みを見つめ直し、それを新たな視点で展開するという基本姿勢で、新規事業に取り組んでいました。

今回、特に印象的だったのは、上記の脅威に加えて、海外(特に中国)からの低価格品の脅威にもさらされている繊維関係の企業です。

これら繊維関係の企業の、業績回復のキーワードは自社ブランド品の開発と販売です。

自社ブランド品を持つことなど、当たり前の話ではないかと思われるかもわかりませんが、ほとんどの中小製造業は自社の最終商品を持っていません。その中で、自社ブランド品を開発し販売することは現実的には至難の業です。

いちばんのネックは人材がいません。したがって販売機能を持つことが出来ません。資材の調達能力も低く、いい物を作っても価格が高すぎて売れ無いないという現実に突き当たります。

これらを打開する、一番のポイントは今まで興味のなかった人でも欲しくなるような、魅力ある商品を作ることです。

富士吉田の傘生地メーカーは、自社で完成品の傘を作り始めました。目指したのはモネの絵画「日傘を持つ女」でモデルが持っている傘です。モネは何種類もの「日傘の女」を描きましたが、どの絵もモデルの女性や日差しの表現ばかりが話題になり、傘そのものに着目した解説は有りません。しかし、それは蛙張りという特殊な製法で作られた美しい傘なのです。高いものは1本3万円以上しますが、内張りに服地を使ったおしゃれな傘です。

磐田の織物屋さんの基礎技術は、漁網と蚊帳でした。この地方にはピークに数百軒の織物屋さんがあったということですが、今、生産を続けている企業は、数えるほどしかありません。そのため、使われなくなった機械が格安で手に入りました。今では生産中止となった、古典の名機といわれる機械を何台もそろえ、一つ一つの技術は目新しくは有りませんが、各種の既存技術を組み合わせることで、他社にはできない絡み網の特殊技術を編み出しました。

市川三郷のニットメーカーはひたすら価格に比べて品質の良さを追求しています。普段に着るちょっとおしゃれなセーターが主力商品なのですが、その品質は価格が何倍もするブランド物に比べて引けを取りません。実は繊維製品の最終売価に比べた原価率は驚くほど低いのです。このメーカーが安く売れる理由は、製造直売だからです。ユニクロは小売店が自社ブランド品の製造を手掛けて成功しましたが、ここは逆に製造メーカーが小売りの分野に進出しました。今では商品の90%以上が自社ブランドです。

このように方法は違うのですが、それぞれ自社ブランド製品を持ち、直接、消費者に販売することを目指しています。

自社ブランドを持つということは、価格を自社で決めることが出来、自社の顧客を持つことが出来るという強みを手に入れることです。

このような企業を訪問し、話を伺っていると、経営者が実に楽しそうに話をされます。もちろん、このような良いことだけではありませんが、基本的に皆さん前向きです。

診断士の仕事は、多様で、創業や企業再生といった分野で活躍されている方もいらっしゃいますが、私の場合は、このような企業とお付き合いできる、楽しい仕事をさせていただいています。

 

 

 

 

 

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男のおしゃれについての私見①

2012-11-19 00:12:34 | 12期生のブログリレー

これから何回か、このテーマで書きたいと思います。私は、ものすごくおしゃれではありませんが、ある一定のポリシーがあり、また最近は人前でしゃべる仕事も増えてきたので、より気にするようになっています。

さて、今日のテーマは「ノーネクタイについて」

数年前からクールビズということで、夏場はノーネクタイという習慣が定着しました。当初は本当に暑い真夏だけだったのが、スタートが早くなり、終了は遅くなってきています。

基本的に私はノーネクタイに反対です。べつにネクタイ業界を擁護するわけではありませんが、男のスーツスタイルはネクタイがあってバランスがとれていて、かっこいいと思うからです。そうやって伝統を守ってきたと思うのです。ただ、確かに真夏にスーツは暑苦しいので、この時期の上着なし、ネクタイなしは賛成です。私のポリシーは「ネクタイとったら上着も脱ぐ。上着を着るならネクタイつける」です。

世間では、春先になると、白いレギュラーカラーのワイシャツにスーツで、ネクタイを外しただけの人たちがたくさん現れます。この人たちを見ると私は、歌舞伎町で夜遅く酔っぱらってふらふら歩いているおじさんをイメージしてしまいます。(ネクタイを頭に巻いてないだけいいですが)要するにかっこ悪いのです。ボタンダウンのシャツならまだかっこがつくのですが、それでもノーネクタイだと着こなしはかなり難しいと感じます。

最近は夏が終わって秋冬の今の時期でも、スーツノーネクタイ組がちらほら。なーんかしまらない感じがするんですよ。

富岡 淳

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無事に産まれました

2012-11-18 02:08:27 | 12期生のブログリレー

皆様

お疲れ様です。幡野です。

本日は皆様に出産のご報告をさせていただきたいと思います。

11月13日(火)14時41分に無事に男の子が生まれました。
敦己(あつき)と名づけました。

どんな意味があるの?とよく聞かれるのですが正直名前の響きと
画数から漢字を考えたので、意味は後付なのですが、

敦には、誠実、大きい、勉めるという意味があります。

誠実に自分の道を歩んでほしいという気持ちを込めて敦己にしました。


出産当日は何とか立ち会えたのですが、本当に感動しました。

妻も敦己もどちらも頑張ったのだと思いますが、妻には頭が上がりません。
出産を経験するとどんなことが起こっても怖いものがないといいますが
まさにその通りだと思うと言っています。

出産自体は順調だったので良い経験をさせていただきました。


これからは親としての責任を果たしつつ、楽しみながら子育てできたらと
思います。



実は、今は産婦人科の病室からブログを書いています。


たまたま妻の実家の近所に3年前にできた産婦人科だったので、「ここでいいんじゃない?」
という軽い気持ちで決めたのですが、非常に設備も人材も行き届いています。

例えば、全室個室であることや、出産後に受けられるエステルーム、日々の食事など
ホテル並みの設備とサービスです。

また、助産師さんや看護師さんもみな感じがよく、細かいところまで行き届いています。
基本的には母子同室なのですが、泣き止まないときやお母さんが寝たい時は預かって
くれますし、ミルクの上げ方、おむつの変え方、沐浴の仕方、おっぱいの出し方
などなど、なんでも教えてくれます。

これらのサービスにみなさん満足していて、すでに来年の6月30日まで分娩予約が
うまっているとのことです。

妻も2人目ができたら絶対ここで出産したいと言っています。リピート率もさること
ながら、クチコミで広がっている産婦人科です。
正直相場よりも高いですが・・・。それでもサービスの質が上回っているので
素晴らしい病院だと思います。


医療業界のマーケティングや満足度について考えたこともなかったので
いい経験をさせていただいてます。

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診断士の世界での人とのつながりを大切に・・・

2012-11-17 19:58:02 | 診断士林からのメッセージ

皆さま、こんばんわ、中小企業診断士の林です。

寒い日が続いていますね。今日も、本当ならば会社のソフトボール大会に出場予定でしたが、残念ながら雨で中止となりました。う~ん、残念!!

会社の人たちや取引先の人などとオフで交流するのも、ビジネスマンにとって大切なことだと思います。仕事から離れたところで交流をもつことで、人と人との関係がさらに深いものになります。それが、仕事をスムーズに運ぶうえでも大いに力を発揮します。

診断士の人たちとの交流も同じことが言えると思います。

診断士の人たちとのつながりにおいても、仕事上のお付き合いだけではなく、仕事から離れたところでお付き合いができることで、お互いにギブアンドテイクの関係やWin-Winの関係にも深くつながっていくことと思うのです。

来月、同じ診断士の同期の方が結婚、入籍されたということで、結婚パーティーのお誘いを受けましたので出席させていただく予定です。これまで、診断士の方の結婚式と二次会に3回ほどお誘いを受けて出席しましたが、そのたびに、診断士になって良かったとつくづく思いました。

診断士になったことで自分の人生のなかでの人とのつながりが増え、人生の充実につながっていることを肌身に感じるからです。けっして、診断士になることは、知識を増やしたり、仕事を増やしたり、お金を稼いだりというだけのものではないと思います。診断士という資格をとって自分の活動範囲を広げることで、人との関係を通じての人生をいかに充実したものにするかということもとても大切なように思います。

12期生の皆さまも、ぜひ、この診断士という世界のなかで人とのつながりを広げ、充実した人生につながっていくことを願いたいと思います。

また、育成塾を通じてのつながりも大切にしていきたいものですね。

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ノウハウを承継する

2012-11-16 17:42:39 | 12期生のブログリレー

堀江でございます。

今日はまず身の上話、数年前に起きた父の他界のことから。

父は、肥料の配合・販売業を50年間、そのほとんどの期間有機肥料に集中し事業を営んでおりました。今でこそ有機農業は一般的ですが、始めた当時はまだ一般に価値を認知されておらず、市場開拓から始める必要がありました。父はやる気がある若手農家を地域ごとに集め、有機農法の研究会をいくつも立ち上げ、農業を専門とする大学教授に参加してもらい、肥料と農法を共同開発しました。

有機肥料は原材料の種類が多く、狙った性能を出すには網羅的な知識と長年の散布経験が必要になります。作物ごと、畑ごとに与えるべき栄養素が異なるからで、漢方薬の配合に似ています。いい畑を育てるには、何年もの間、毎年違った肥料を与える必要があるのです。個別農家の目的にあった配合メニューを多くそろえてから、父の事業はそれなりに安定するようになりました。

さて、あるとき癌がみつかり即入院し、2か月後に他界してしまいました。76才ですから年相応です。亡くなる数日前まで携帯電話を片手に働けたのは不幸中の幸いです。亡くなって残ったのは、段ボール数箱分の膨大な配合メモ。特殊な原材料の調達先リスト。すべて手書き、ほとんど読めない、何がどこにつながるのか、内容を誰にも理解できない。

結局父の会社は、長男である私が清算をしました。黒字ではあるものの、事業をどなたかに譲り受けてもらうには、規模が小さすぎました。

会社は別に消滅してもいい。でも、父が一生かけて開発した様々な配合情報を、誰にも引き継げなかったことに、強く責任を感じています。もっと早く私が対応しておけばよかった。1か月か2か月話を聞いておけば、何がどこにどう書いてあって、どの情報がどんな人に有用な情報なのか、把握できたはずだ。父の懇意先からも、「あんたが内容を引き継ぐべきだ」とおしかりを受けました。

その後大学校を経て中小企業診断士となり、まわりを見渡すと、似たようなケースを多く知ることとなりました。一代で築き上げ、大成功しているせんべい屋。何十年とつづいている特定用途の電子回路設計。いずれも、何等かのノウハウをもち、持続してきた個人商店です。そのノウハウのほとんどが、たぶん誰にも引き継がれることなく消えていく。ITが進化した今、ロングテールの考え方からすれば、どんなニッチなノウハウであっても、記録し公開しておけば、誰かが使ってくれるはず。

しかしながら、ほとんどの経営者は自分の知識を系統だって伝える方法を知らない。また、経営者は自分の事業と人生が同化しています。生前に自分の人生を他人に譲り渡すことは、まずないのです。

暗黙知、形式知という有名な考え方があります。日本のノウハウはあたかも「暗黙知」であり、伝承がむずかしいように理解されていますが、父や多くケースは、実は「形式知」です。組み合わせや経験が、父の頭の中に入っていて、それを見える化する手法を知らなかったのです。

さて、とここから本題。このままでは経営者の他界とともに、多くのノウハウが失われていきます。では、誰が何をすべきなのか、どうすれば社会や国益を守れるのか。 

なのですが、今日は此処までにさせて頂きます。急きょ昨日今日で引っ越しを行い、今はまだ開梱中の段ボールに埋もれています。物件を見つけてから引っ越しまで2週間という強行軍!今晩の着替えがまだ見つかりません。後日補足を付け足しますので、今日のところは此処まででご容赦くださいませ。

<追記 平成241130日>

どうすれば、先人が積み上げた貴重なノウハウを、誰かの役に立つように残せたのでしょうか。

父の場合は、私がすべきであったことは以下と考えています。
(1) 持っているノウハウ・知的経営資産を棚卸しし、「見える化」する
(2) 「見える化」した資産を、第三者に伝わるよう「見せる化」する

その手法は以下の通りです。

(1) 計画的にヒアリングを行う。網羅的なヒアリングを行い資産の全体像を把握するとともに、仮説に基づく深堀りヒアリングを行い、重要で価値がある知的経営資源を特定する。

(2) 得た情報を基に、ビジネスモデルを構造化し、重要と判断された資産を「見える化」する。付箋と模造紙を活用する。

(3) 抉り出した知的経営資産を、第三者がわかるフォーマットにまとめる。

(4) 保有する事業資産の一覧を作成する。

 

何のことはない、経産省が支援する「知的経営経営」の経営レポートと、M&Aに際し作成するインフォメーション・メモランダム(財産目論見書)の、両方をつくればよかったのです。前者は中小企業診断士の役割、後者はM&A仲介機関の役割です。

 

昨年4か月をかけ、あるテクノロジー企業の知的資産経営マニュアルを作成しました。それを基本に拡張すればよかったのだと考えています。

 

全体の流れは下図のとおり。

 

このうち、左半分の会社法と税法の面については、事業承継するノウハウが確立しています。専門家からサービスをうけることができ、本屋に行くと専門のコーナーがあって百花繚乱山積みです。

 

一方で、経営ノウハウに関する承継は、手法整備が進んでいません。以前、高齢化が進む製造業者に対する提案で、ノウハウ承継方法を調べましたが、技能承継においてOJTOB活用などの例がある以外、完成された手法はほとんどありませんでした。

 

では、これらの記録を作成すると、経営者にとってなにかいいことがあるのか。

 

あります。最高のこと、つまり、安心して生涯現役でいられるのです。何等かの事情で急に引退することになっても、ある程度のことは、作成した記録をもとに誰かに引き継がれるのです。とりあえずは家族や近親者に。だから、やりたいだけ現役をつづけることができるのです。

 

この企画を実現させるには2~3人のチームを組む必要があります。単独作業では、ヒアリングの抜け漏れをふせぎきれないからです。協働してくれる診断士か、診断士グループが必要です。さあ、興味ある人を探さなくっちゃ。

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