東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

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ニュージーランドという国

2022-08-26 12:00:00 | 22期生のブログリレー
 22期の常木です。前回の講座はニュージーランド(以下NZ)出張のため途中で失礼いたしました。この3月に転職し、初めてNZを本社とする会社で働いています。まだ日は浅いのですが、現時点で私が感じているNZ人気質や雰囲気をレポートしてみたいと思います。

 まず、アジア・大洋州というくくりがあるように、この国はアジアと密接に繋がっているということ。実際、オークランド住民の20%がアジア人であるという話も聞きました。歩き回った感覚ではもっと多い感じがしました。会社にも白人に混ざって多くのアジア人が働いています。言語はマオリ語、英語、手話(!)が公用語です。マオリの文化は非常に大切にされています。アメリカにおけるインディアンや、オーストラリアにおけるアボリジニの様に迫害されたり、保護区にいれられたりせずに、移民と原住民であるマオリ族は融和しています。マオリの言葉を意図的に使っていたりして、リスペクトを感じます。しかし、手話が公用語って面白いですよね。

 これは完全に個人的な感覚ですが、NZで英語を話すと自分が上手になった感覚にとらわれます。なぜか聞き返されない。なぜか通じる。ちょっと英国風の訛りがあるけれど、慣れてしまえば非常に聞きやすい。米国や英国と比べて、英語で会話するハードルが不思議なほど低いです。日本に帰国後、NZから来ている社員にこの不思議な感覚の話をしましたが、どうもNZの移民文化と関わりがありそうです。移民が経済成長の原動力になっている国なので、常にオープンマインドで多くの文化を受け容れる土壌があり、英語も様々な発音への許容度が高いのではということでした。この優しさは、我々英語が得意でない日本人にとって本当にありがたいものです。

 もう一つ興味深く思ったことがあります。私はワールドビジネス研究会で異文化研究分科会に参加していますが、その中でホフステード博士の6次元モデルを取り上げています。6次元とは多様な文化を理解するための6つの要素ですが、その一つに「権力格差」というものがあります。権力格差は、「それぞれの国の制度や組織において、権力の弱い成員が、権力が不平等に分布している状態を予期し、受け入れている程度」と定義されています。まぁ、権力格差が高いということは、ざっくり会社でいえば「上司が絶対」という感じです。権力格差が高い国は、マレーシア(100)、サウジアラビア(95)、イラク(95)、フィリピン(94)、ロシア(93)等、日本は54点でほぼ真ん中、そしてNZは22点でオーストリア(11)、イスラエル(13)とともに権力格差が低い国の一つであるという結果が出ています。要は、NZは階層を重視せず、平等を重視する国であると言えます。これは非常に重要なインサイトで、仕事をする際にもそこは意識して、どんな階層の人ともフラットに向き合っていこうと、思いを新たにしました。

 きっと皆さんには関わる機会の少ない国ですが、ビジネスでも文化的にも気持ちの良い交流ができそうな予感がしています。これを機会にぜひNZという国に興味を持っていただければ嬉しいです。

【参考文献】
宮森千嘉子/宮林隆吉. 経営戦略としての異文化適応力. 日本能率協会マネジメントセンター, 2019, 314p.
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大阪は安くてうまい?

2022-08-25 12:00:00 | 22期生のブログリレー
 こんにちは。稼プロ!19期の宇野毅です。この3月から大阪で単身赴任生活を始めています。
 一般的に、大阪の飲食店は「安くてうまい」と言われています。転勤の際に同僚からは「大阪はくいだおれの街。美味しいものが安く食べられていいね!」などと言われました。確かに美味しいなあと感じていたところ、日経新聞のWebニュースで「食い倒れの大阪『安くてうまい』は本当か」という記事を見つけましたのでご紹介したいと思います。(2022年8月2日号)
 この記事では、大阪の食べ物が「うまい」のはともかく、人件費や家賃が高い大阪で「安い」のは本当かを様々なデータで検証されていました。まず、総務省の「小売物価統計調査」(2021年平均)によると、例えばぎょうざ(5~6個入り)は東京都区部が328円、名古屋市が294円、大阪市が278円と3大都市圏の中では、大阪が一番安いそうです。また、にぎりずし、うどんなども同様の結果でした。
 品目によりばらつきが見られるものの、同調査が対象とする外食で比較可能な17品目のうち12品目で、3大都市圏の中では大阪が最も安いという結果が出たそうです。
 さらに、やや古いデータですが、同省の2007年の「全国物価統計調査」という都道府県別外食物価指数を示すデータによると、全国平均を100とした外食の物価指数は大阪府が93.8で、岡山県に次いで2番目に安かったそうです。ちなみに、一番高かったのは福井県。東京都は2番目に高かったとのことです。
 記事では、大阪の飲食店はなぜ安く提供できるのかについて、大阪の繁華街ミナミを訪れ、複数の飲食店にインタビューをしていました。店主の皆さんからは「店舗間の価格競争が激しい。大阪人は、安く買ったことを自慢したがるので、安くなければ客が来ない」との返事。価格競争が激しいので、経営は厳しいのではないかと尋ねると、「大阪はさっと食べてさっと出ていく客が多い気がする。回転率が高いため、何とか経営を維持できるのかもしれない」とのことでした。また、居酒屋の『鳥貴族』、回転ずしの『スシロー』など、本社が大阪で、安さを売りにする全国チェーン店が多いことも低価格が浸透する要因ではないかと言う飲食業界関係者からの声も紹介されていました。
 最近、原材料価格の高騰や物流コストの上昇などで、連日外食チェーンの値上げの記事が新聞紙面をにぎわせています。この秋もビールを始め、さまざまなものの値上げが続く見込みです。そのような中ですが、せっかくの大阪住まい、名実ともに「安くてうまい」食事を今後も楽しみたいと思います。
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「老鶴一聲山月髙」

2022-08-24 12:00:00 | 22期生のブログリレー
こんにちは。
22期の瀬川亜希子です。

たまに前を通る小学校のエントランスの扉の奥に、書が飾ってあります。
いつも、全体が見えないけどなんて書いてあるのかな、と何となく気になっていました。
週末に前を通ったときに、周りに誰もいなかったのでガラス戸の奥を覗いてみると、
「老鶴一聲山月髙」と書いてありました。

情景が目に浮かんで良い感じだな~。有名な漢詩なのかな??と思い検索したものの、noteの記事くらいしか見当たらず。
記事によると、薩都剌(サドゥラ/さつとら)という元代の詩人の作らしい。
(検索できる情報が少なく、ネットだけでは正しい情報か否かが不明。)

さておき、この著名ではない詩を題材に選んだ経緯や、飾られた経緯も気になるな。
“気になる”を解消しようと覗いてみたら、“気になる”が増えてしまった。
https://note.com/tonkati25/n/n0423d6c68958
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偉人を支える人になろう!

2022-08-23 12:00:00 | OB生の近況報告・活動報告
みなさん、こんにちは。
稼プロ!20期生の大野徹司です。

さて、前回「コテンラジオ」という番組を紹介しました。今回は、その中で感動したエピソードを1つ紹介させてください。

それはヘレンケラーです。えっ、そんなの学校で習ったし、よく知ってるよ、と言われそうですね。もちろん、ヘレンケラーは3重苦の障害を乗り越え、現代の我々に、努力することの重要さや忍耐を教えてくれます。しかし、今日は、ヘレンケラーを支えたサリバン先生のお話です。

皆さんご存じだったでしょうか? 実は、サリバン先生自身も障害を持っていたのです。彼女は、小さい時に目が見えなくなり、手術を繰り返すことで視力を回復しました。そして、盲学校を主席で卒業し、就職先を探していた折に、ヘレンの紹介を受けるのです。このとき若干20歳。初めての就職であり(生涯の就職になりますが)、初めての教師生活、しかも生徒は目も耳も聞こえない、不安だらけのスタートだったようです。ヘレンの家に向かう電車の中で、不安で涙を流したというエピソードもあります。しかし、そんな彼女は、ときに家族から不満がでるほどの強い「しつけ」を断行し、誰よりも強い意志でヘレンと向き合います。その後、障害にわたりヘレンのパートナーであり続けました。

ちょっとした情報ですが、晩年サリバン先生は、再度目が悪くなり失明してしまいます。すっかり点字を忘れてしまっていたサリバン先生に、ヘレンが点字を教えたそうですよ。ちょっと師弟関係が変わったという微笑ましいエピソードです。

ヘレンは偉人として多くの方に知られていますが、それを支えたサリバン先生も同様に偉人だと思いませんか? メインプレイヤーを影で支えるスーパースター、こんな中小企業診断士になれれば格好いいですね(強引な帰結)。

さて、またまた紹介で終えますが、「奇跡の人」をみてみるのはいかがでしょうか? これって、サリバン先生の話なのですね(ヘレンの話だと思っていました)。


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「書く」とは別の「描く」スキル

2022-08-22 12:00:00 | 22期生のブログリレー

こんにちは!
22期生の柴山宗馬(しばやま そうま)です。

先月の第2回講義から「書く」スキルの鍛錬が始まりました。
その重要性は本部ブログの読者の皆様には説明するまでもありませんが
私はもう一つの「かく」スキルとして「描く」を鍛えている最中です。

ジャンルとしてはビジュアルシンキングと呼ばれるものです。
絵、図、文字の3要素を駆使して思考を可視化、整理し、
それを共有してコミュニケーションを促進し、新しいものの創造に役立てようというスキルです(画像1参照)。
よく言われる、「図で整理しよう」の発展版ですね。
ビジュアルシンキングを意識して絵を描いている人は少ないかもしれませんが
脳内で似たようなことをしている方は多いのではないでしょうか。

画像1 ビジュアルシンキングとは

画像1 ビジュアルシンキングとは

用途としてはグラフィックレコーディング、スケッチノート、インフォグラフィックなどがあります。
プレゼン資料やポスターづくりを想像してもらえると分かりやすいかもしれません。

練習も兼ね、普段のメモに使ってみると、文章と比べて大きく3つのメリットがあることに気づきました。

(1)手早くまとめながら描ける
 ⇒ 自分の中で整理しながら絵で残すため
   全体像と要点を自分の論点からまとめたものになります。
   断片的に文章を残すよりも、後から思い出しやすい内容になります。

(2)簡単に共有できる
 ⇒ 文章に比べ、粗いが直感的に理解しやすいため
   絵を見せて多少補足すれば伝わる、といったことが多いです。

(3)再利用し時間を削減できる
 ⇒ メモを取った時点で絵になっているため、資料作成する際にアレンジして使えます。
   特にパワーポイントの資料づくりに活躍します。

習熟すれば、かなり生産性が上がりそうですね。

なお、練習のコツは、いくつかのお作法やお決まりパターンは踏まえたうえで
「絵として上手な必要はないから勇気をもって大胆にシンプルに描く」ことに尽きるそうです。
一見すると絵が苦手な人への激励ですが
実は「きれいな絵は欠陥を指摘されるが、粗い絵は可能性が注目される」という経験則も背後にあります。
完璧主義の身には非常に刺さりました。

稼プロ!の講義はじめ、機会を見つけてビジュアルシンキングでメモを取るなど
継続訓練していきたい今日この頃です。

※ ちなみに、画像はビジュアルシンキングについて書籍を読んだときに
  私がパワーポイントで書いてみた拙作です。
  描くのに非常に時間がかかりましたが
  既に文字ベースの勉強ノートよりもはるかに分かりやすいと感じています。

 

<ビジュアルシンキングの参考文献>

  1. ウィリーマイン・ブランド(2018)『VISUAL THINKING - 組織を活性化する、ビジュアルシンキング実践ガイド』(遠藤康子 訳)、ビー・エヌ・エヌ新社。
  2. 久保田麻美(2020)『はじめてのグラフィックレコーディング 考えを図にする、会議を絵にする。』、翔泳社。
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