岐阜市の鶯谷トンネルの近くの長良橋通りに店を構える御菓子司「奈良屋本店」。創業が天保元年(1830)という長い歴史を持った老舗だ。店のある通りの周辺はここだけしっとりと落ち着いた雰囲気。店のガラス引戸を開けようとすると、中から大女将らしきご高齢の方がスッと開けて下さった。「お客様ですよ」の声に中から女将がやって来た。ガラスのショーケースには箱に入った様々な菓子が並んでいる。こちらで有名なのは何といっても「雪たる満(ゆきだるま)」と「都鳥(みやこどり)」という明治19年から作られているというメレンゲ菓子。どちらも材料は卵白と上白糖のみ。ひとつひとつ手絞りで成形され、しっかりと乾燥させる過程があるので完成するまでに4日かかるんだとか。曲げわっぱ入りの風流なものもあったが、バイクだったので個別で買い求めた。
持ち帰ってから家でいただく。薄紙で包まれた真っ白で綺麗な「雪たる満」と「都鳥」は焼きで丸い目がつけられていてとても可愛らしい。そっとかじってみると、薄い部分のカリッとした食感と、盛り上がった部分のもちっとした食感が違って面白い。しっかりとした砂糖の甘さが口に広がり溶けていく。なんとなく緑茶でいただいたが、これならコーヒーや紅茶でも合うだろうな。(勘定は¥162/個)
↓ 今小町から北に上がった大工町にある、日本建築とつながった洋館「旧・青木医院」(建物詳細不明)。白く塗られた下見板張りで、上げ下げ窓がモダン。
岐阜県岐阜市今小町18
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