ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

At CBGB, Whisky A Go Go / Television

2015年12月13日 | パンク・ニューウェーヴ

 

At CBGB (SR-035)Whisky A Go Go (SR-028/29)  / Television (2007)

来年早々にも来日公演が予定されているテレヴィジョン(Television)。残念ながら東京にも大阪にも参戦出来るメドはたっていない…。手に入れたのはアルバム・デビュー前の1976年のニューヨーク、CBGBでのライヴと、アルバム発売直後のハリウッドはWhisky A Go Goでのライヴ・ブートレグ(海賊盤)。自分が彼らを聴き始めた80年代後半の音源リリース状況は現在とは雲泥の差があり、オリジナル・アルバム2枚こそ入手は簡単だったが、ライヴ音源というと、自分が所有している他のタイトルは、ROIRレーベルの「The Blow Up」オリジナル・カセットテープ版(下左)や「Live Portland Oregon 1978」(下中)、それに有名なイーノ(Brian Eno)デモ関係を収録した「Double Exposure」(下右)の一部ぐらいだった(もちろんアナログ・ブート)。西新宿(海賊盤の世界的メッカなのです)に日参していた頃もあまり多くのタイトルを見た覚えはない。

  

現在はオフィシャル盤は貴重なボーナストラック付きだし、ライヴ音源も、入手困難ではあるがオフィシャルでライノ・ハンドメイドの作品があったり、そこそこいい音のブートレグも入手可能だ。それより何よりネット上には数多くの音源が転がっている。すごい時代だなァ。

「At CBGB」は、76年というメジャー・レコード・デビュー前の音源ながら、良好な録音。すでに74年頃からグループとしてライヴ活動をしていて、トム(Tom Verlaine)はパティ・スミス(Patti Smith)とも活動を共にしていたからか(2人は同棲していたことも…)、完成された演奏。でもインプロヴィゼーションともなるとフリーキーで、ある意味彼らのピークはすでにこの頃にあったのかもしれない。彼らのファースト・シングルで、バンドの最重要曲のひとつ「Little Johnny Jewel」では「メリーさんの羊」のメロディーを挟み込む余裕も。貴重なのは、未発表曲の「(I Don't Know Why)?」、「Breakin' In My Heart」と、トムがソロ・アルバムで発表し、かのデイヴィッド・ボウイ(David Bowie)がカヴァーしたことで知られる「Kingdom Come」と同名の曲が演奏されていること。後年に発表されたソロ曲とは歌詞も曲調も全く違ってパンキッシュなのが興味深い(らしくないドラム・ソロも!)。演奏のテンションが高いっ。

2枚組「Whisky A Go Go」は、1977年の2公演3セットを収録。拡がりの感じられる素晴らしい隠密良好録音。ファースト発表後なので冒頭のアナウンスでは「Elektra Recording Artist!」と紹介されている。ディラン(Bob Dylan)の「Knockin' On Heaven's Door」、米ガレージ・バンドのカウント・ファイヴ(Count Five)の「Phychotic Reaction」、13th・フロアー・エレヴェーターズ(The 13th Floor Elevators)の「Fire Engine」のカヴァーを含む演奏。前述の録音からたった9か月経っただけの演奏なのに、なんだか落ち着き払った雰囲気。セカンド・アルバムのタイトルになり(当時)未発表の「Adventure」や、名曲「Marquee Moon」の完成された長尺ヴァージョンが聴けるのがうれしい。

ネット上の情報ではこの2作品や、以前手に入れた作品のリリース元「Seymour Records」は日本のメーカーとなっているが、真実はいかに…。

・「At CBGB」Live at CBGB, New York City, NY July 31, 1976 (SR-035)
・「Whiky A Go Go」Live at Whisky A Go Go, Los Angeles April 1977 (SR-028/029) 

オークションにて購入(各¥336)

コメント (2)
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