Original Album Series / The Paul Butterfield Blues Band (2010)
その安易に聴けてしまう”楽な道”に罪悪感を覚えつつも、つい購入してしまう簡易紙ジャケCD5枚組の「Original Album Series」。今回はポール・バターフィールド・ブルース・バンド(The Paul Butterfield Blues Band )。彼らのアルバムは1枚も持っていなくて、ディラン(Bob Dylan)のエレクトリック化のバックで演奏したりしているライヴ映像や音源で聴いたり、ライノから発売された1967年のモンタレー・ポップ・フェスティヴァル(Monterey International Pop Festival)のボックスに収録されていたライヴ演奏で知る程度。でもその強烈で”黒い”ブルース・ハープのブロウで強く印象に残っていた。ひと通りブルース(ブラックも、ホワイトも)聴いてきたのに、何故今まで彼らに行き当らなかったのかが不思議。それだけ一般的にも過小評価されているという事なのかもしれない。収録されているのは以下の5枚。
・The Paul Butterfield Blues Band (1965)
・East-West (1966)
・The Resurrection of Pigboy Crabshaw (1967)
・In My Own Dream (1968)
・Keep On Moving (1969)
1965年のファーストから、最近隠れた名盤扱いされている1969年の「Keep On Moving」までの充実した5枚。最初期はマイク・ブルームフィールド(Mike Bloomfield)とエルヴィン・ビショップ(Elvin Bishop)のギターをフィーチャーしていて、ポールのヴォーカルこそやや弱いものの、ブルース・ハープのブロウはなかなかのもの。当然カヴァー曲が多いが、地元シカゴの大物ブルース・アーティストとの交流もあっただけに骨太の演奏が楽しめる。こんな時代から白人と黒人の混成バンドというのも珍しい。演奏からちゃんとシカゴらしさが伝わってくるのがBritish Invasionのブルースとは違う。3枚目ぐらいになるとよりR&B寄りになって音楽性にも幅が出て、5枚目ともなると初期の黒っぽいブルース色はほとんど影を潜め、ホーン・セクションが目立つようになる。こうして聴いていると音楽ジャンル的には少し振り幅があるものの、駄作のない素晴らしいラインナップ。彼らの場合、正直フォトジェニックじゃない(というか爺くさい・笑)ので映像を見るよりもこうして音だけ聴いていた方がかっこいい。
オークションにて購入(¥1,480)
- CD (2010/2/27)
- Disc : 5
- Format: Box set, CD, Import
- Label : Warner Music