”発見”なんていうと永年営業を続けてきた店に対して失礼だが、少し前まで店の存在を全く知らなかった岐阜市花沢町の「丸市」。前回は素敵なオムライスをいただいて気分が上がりまくったが、次が楽しみで仕方がなかった。店は日曜日が休みなので、平日仕事が終わった後に何とか時間を作って再訪。雨模様の空の下、店に到着。店の中の表示を見ると9時から20時と書いてあるので中休みは無いと思うが、人通りも少ない住宅街の中で、よく頑張って店を開けていらっしゃる(むしろ最近の店は休憩時間を取り過ぎだと思うゾ)。しかもこちらは朝から営業しているのがすごい。カウンターに座り、オムライスと並んでこちらも洋食の代表格「ハヤシライス」を注文した。前回と同様に老夫婦の静かな調理が始まる。
今回はゆっくりとカウンター上のプラスチック札に書かれたメニューと、壁に貼られた紙のメニューを眺める。麺類食堂らしく和・洋・中と揃っていて、東海地方の古い食堂では定番の「志の田丼」もしっかりある。そして岐阜市のごくごく一部で話のタネになっている「天ぷら入中華そば」(=「天ぷら中華」:中華そばに海老天がのったもの)もしっかりと載っている。
しばらくして紙ナプキンを巻いたスプーンと共にハヤシライスが登場。つけ合わせは福神漬。デミソースの色付きは淡い。創業が古い昔ながらの洋食屋ではメリケン粉から手造りする加減か、カレーもハヤシも最近のと違って淡い色の場合があり、期待が高まる。熱々をひと口。口当たりはマイルド、でも具材の旨味はしっかりと溶け込んでいて、絶品。旨い。中には玉ねぎはもちろん、豚の脂身も見える。ちょっとした酸味はトマトからだろうか。丁寧な仕事ぶり。最近の味が濃く分かり易い洋食とはちょっと違うが、この滋味溢れる洋食がこんな小さな食堂で、この値段でいただけるなんて…。やっぱりココ、素晴らしい。(勘定は¥480)
※とても残念なのですが、最近(7月半ば)伺った際に「高齢の為8月31日をもって閉店する」旨の貼り紙がありました…。ショック…。
前回の記事はこちら(1)
※平成28年8月末を以って閉店されました
↓ すぐ近くで目に付いた「中部電力・月岡町変電所」(建物詳細不明)。ふと通りかかっただけだが、なんとなく古さを感じさせる建物。
丸市 (丸市食堂)
岐阜県岐阜市花沢町3-25
( 岐阜市 ぎふ 花沢町 まるいち まるいち食堂 洋食 麺類食堂 大衆食堂 ハヤシ 早矢仕 中華そば 天ぷら中華 天中 ラーメン 丼ぶり 近代建築 )