中央区政の大きな進展のひとつ
小児インフルエンザワクチン接種にも補助がなされます。
第二回定例会で、補正予算として、区側から提案されました。
問い:学校医とは、何ですか。どんな役割がありますか?
回答:
公立学校に国の制度として学校医を設置したのは日本が世界初で明治時代(1898年)のことで、当時は、児童を近視や脊柱側弯などから守るため学校の監視指導をするのが役目でした。現在、学校保健安全法(第23条)下、学校長や教育委員会の求めを受け、地域医師会が紹介・推薦することで決定されます。
その職務は多彩で、学校保健安全計画の立案への参与、健康相談、健康診断、就学時の健康診断、職員の健康診断などが規定されています(同法施行規則第22条)。特に、事故・外傷、犯罪、喫煙・ドラッグからの校内外の安全管理や、「保健」教科の学習指導要領にある身体の発育、生活習慣病、薬物乱用、大気汚染、がん教育、性教育、ストレス・マネジメントなどの心身の安全学習、特別活動や学校行事における安全指導を行います。健康診断で診られた発達障害などでは児童精神科やスクールカウンセラーと連携が大切です。
2002年度の学習指導要領の改訂で、特別非常勤講師として健康教育について講義(出前授業)が可能になり学校教育への参加が求められています。健康相談は、毎月定期的に保健室で行うこととされています。学校単位で設置される学校保健委員会に参加し、健康づくりを研究協議します。
学校医は、学校での子どもの健康を守る要の一つであり、養護教諭と協働して安全管理・安全指導に取り組むとともに、学校医が、健診時以外でももっと気軽に相談できる存在になれるよう医師側のさらなる努力が必要であると考えます。
*https://www.zenhokan.or.jp/wp-content/uploads/tuuti673.pdf
細菌やウイルス感染への抵抗力が極度に低い「重症複合免疫不全症(SCID)」と、全身の筋力が低下する「脊髄性筋 萎縮 症(SMA)」の検査。
死に至るが、早期発見で、治療法あり。
大阪府や埼玉県など13府県と、千葉市や名古屋市など8政令市が新生児マススクリーニングへこの2つを追加する事業を先行実施。
こども家庭庁は2023年度の補正予算に10億円の事業費を計上し、参加自治体を募っていた。24年度も新たな募集を行う。
2024年度の募集に、中央区も参加できないだろうか。
**********読売新聞2024.5.1**********
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20240501-OYT1T50099/
新生児の先天性疾患検査、難病追加を13府県8政令市で先行実施…専門家「いち早く全国で公費化を」
新生児の先天性の病気を早期発見する検査に、二つの難病を加えるこども家庭庁の実証事業が始まり、大阪府や埼玉県など13府県と、千葉市や名古屋市など8政令市が参加することがわかった。同庁が費用を補助し、全国一律での実施を目指して検査や治療体制を整え、課題を洗い出す。専門家は「命を救える検査に地域差がでないよう、公費検査を広げていくべきだ」としている。
検査は、かかとから少量の血液を採取して分析する「新生児マススクリーニング検査」で、国は現在、都道府県や政令市に20種類の病気について公費で行うことを求めている。
実証事業で加わるのは、細菌やウイルス感染への抵抗力が極度に低い「重症複合免疫不全症(SCID)」と、全身の筋力が低下する「脊髄性筋 萎縮 症(SMA)」の検査。数万人に1人の割合で生まれ、治療しなければ命にかかわる。早期発見できた場合、SCIDは造血幹細胞移植、SMAは遺伝子治療薬による治療などが可能で、子どもは健康に成長できる可能性が高い。
二つの難病の検査は、大学病院などを中心に行われてきた地域もあるが、数千円の自己負担が必要になるため希望しない親もいた。地域内でも検査ができない医療機関もあったため、学会や患者家族会が全国一律の実施を求めていた。
同庁は2023年度の補正予算に10億円の事業費を計上し、参加自治体を募っていた。24年度も新たな募集を行う。
この検査に詳しい防衛医科大学校の今井耕輔教授(小児科)は、「二つの難病の検査をしている医療機関では、早期発見による治療で救命できた実績がある。すべての新生児が公平に検査を受けられるよう、いち早く全国で公費化するべきだ」と話している。
現在、福岡で、年に一度の小児科医の学術集会第127回日本小児科学会が開催されています。
私は、遠方ゆえ、オンラインで参加しています。
子どものアドヴォカシーに取り組まれており、総合シンポジウムにおいて、約2時間のセッションが組まれており、拝聴致しました。
私自身も、アドボカシーを学んでいる中で、同士である小児科医の皆様が取り組まれておられること知れて、大変、うれしかったです。
今後、うまく連携していければと思います。
子どものためにを、子どもとともに、小児科医からも、実践していければと思います。
私が、区議会議員をなぜしているか。その核心は、子どもアドボカシー(アドヴォカシー)の実践をするためにあります。
******小児科学会*******
座長: | 井上 信明 | (国立国際医療研究センター国際医療協力局 人材開発部) |
---|---|---|
山下 裕史朗 | (柳川療育センター 小児科) | |
演者: | 余谷 暢之 | (国立成育医療研究センター 総合診療部緩和ケア科・成育こどもシンクタンク戦略支援室) |
岸部 峻 | (東京都立小児総合医療センター 救命救急科) | |
武内 一 | (佛教大学 社会福祉学部) | |
重永 侑紀 | (特定非営利活動法人にじいろCAP) | |
小倉 加恵子 | (国立成育医療研究センター/鳥取県子ども家庭部/鳥取県倉吉保健所) |
日本小児科学会においてとても大事なシンポジウムがなされました。
『入院しているこどもの家族の付き添いに関する課題に対して小児科学会はどう取り組むか?』
ある先生は、質問時に、「パンドラの箱」を開けたという表現がなされた重要だけど大変難しい問題です。
「子育ては、社会で」が進むことが、根本解決に必要と何度か述べられていました。
●家族が付き添う、付き添わないを選択できること。
その選択においては、子どもの意見がまず第一に優先されること。
●付き添う場合のその付き添い環境の整備。
●付き添わない場合の病院側のスタッフを厚くできる仕組み。
これらが重要だと、拝聴していて感じました。
小児科学会は、提言をまとめられているところです。
自治体として、なにかできることがないか、考えてみます。
サッカーの練習試合中に、落雷に合い、二人の生徒が重症とのことです。
どうか、無事であることをお祈り申し上げます。
再度、落雷対策を、確認願います。
大昔、東京湾大華火祭が、雷で中止になりましたっけ?(うるおぼえ)
*身を守る姿勢
なめ茸さんの投稿を共有させていただきます。
https://twitter.com/nametake_12/status/1775520214064721980/photo/1
*NHKより
屋外にいてどこにも逃げ込む場所がない時は最終手段「雷しゃがみ」で身を守ってください
●姿勢は低く
●足をそろえる
●耳をふさぐ
●つま先立ち
もしもの時のために覚えておいてください
https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/basic-knowledge/basic-knowledge_20220905_01.html
週末の小児科関連の学術集会、学校との連携のありかた、他地域ではどのようにしているか、学んできます。
医療と学校の連携がうまくいって、子ども達が、一生懸命に勉強ができますように。子ども達には、学ぶ義務はないけど、学ぶ権利がある。
*****外来小児科学会春季年次集会春季カンファレンス*******
https://www.knt.co.jp/ec/2024/33sagpj/conference_sp.html
認定期間が、2019年10月1日〜2024年9月30日。
更新に向けた締切日が、2024年3月31日。
コロナ診療で、学術集会など行ける時間が作れず、その部分の更新単位の獲得に苦戦。
最後に結構追い込みました。
無事申請書を提出しました。
足りない単位を、オンラインで補いました。
問い:震災などを体験した子どもの心の傷について教えてください。
回答:
子ども達は、身の安全を脅かされるような恐ろしい体験をすると心にも傷(トラウマ、心的外傷)を負います。
起きた出来事を大人のように十分に理解できないし、気持ちや出来事を言葉で表現できません。態度や生活の変化を大人が気づいて対応しなければなりません。
直後には、不眠、食欲不振、頭痛、下痢などの体の症状のほか、赤ちゃん返りなどの退行現象やおびえる、悪夢をみる、いらいらするなどの症状が表れます。出来事が無意識に思い出され再体験したり(フラッシュバック)、現実感を失い集中力が低下しボーッとしたようになり、好きだったことをしなくなったり、成績が下がったりします。子どもの示す行動は、衝撃的な経験をなんとか受け入れようと子どもが苦しんでいるサインで、年齢によって様々です。
毎日のリズムを崩さず規則正しい生活を送れるように。赤ちゃん返りを受け入れ、「大丈夫だよ」と言葉に出して伝えて下さい。何度でも子どもの話に耳を傾けて。友達と遊ぶ時間や場所を作り、楽しみにしていることは続けさせてあげて。社会的活動の場で、身体を動かし、人と関わり楽しさや役立ち感をえることも中学生位では不可欠です。
早期に身近な大人の適切な対応で心の傷を癒すことが可能。ただし、1ヶ月以上症状が消えないときにはPTSD(心的外傷後ストレス障害)とよび専門的ケアが必要です。
支援の詳細は、日本小児科医会作成『子どもの心のケアのために』がまとまっています。
https://www.jpa-web.org/dcms_media/other/PTSD_leaf.pdf
健康教育、それは、子どもたちへのものも含め、進めていきたいと考えています。
その第一弾を、早速、執り行うこととなりました。
コンパクトに、子どもの心と体について、小児科医から見て知っておくべきポイントを、お話させていただきます。
記
開催日 | 2024年2月11日(日) |
時間 | 14:00~15:30 |
申込 | 申込不要(当日会場に直接お越しください) |
場所 | 集会室1・2(はるみらい2F) |
料金 | 無料 |
定員 | 45名程度(先着) |
講師 | 小坂和輝(小児科医) |
内容:
いままでの4種混合ワクチンにヒブが入った5種混合ワクチンが、来年4月から定期接種に加わるとのことです。
ヒブ単独でやる場合の4回分が、全体の接種完了からみると、接種回数を減らせることになります。
現場としては、いままで通りのパターンに5種パターンのワクチン管理が一つ増えて、作業としては、ひとつ増えます。
******厚労省*******
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36952.html
******朝日新聞2023.12.21*******
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15821692.html
厚生労働省の専門家部会は20日、乳幼児を対象にした百日せき、ジフテリア、破傷風、ポリオ、インフルエンザ菌b型(ヒブ)を予防する5種混合ワクチンについて、来年4月から定期接種とする方針を了承した。従来の4種混合ワクチンにヒブワクチンを加えたもので、現在もそれぞれ定期接種の対象となっている。当面は4種混合とヒブも使用できる。
今年3月に阪大微生物病研究会の「ゴービック」、9月にKMバイオロジクスの「クイントバック」の二つの5種混合ワクチンが薬事承認されていた。現行のワクチンと同等の有効性や安全性が確認されており、厚労省が定期接種への導入を検討していた。
4種混合とヒブの両方を接種する場合、生後2カ月から計8回の接種が必要となる。5種混合は、接種回数を4回に減らせる。接種スケジュールは現行の4種混合とおおむね同じ。生後2カ月~7カ月に接種を開始し、4週~8週あけて3回目の接種を終えるのが標準的。4回目は6カ月以上たってから接種する。対象は7歳半まで。(神宮司実玲)
市販薬など薬の多量服薬(OD、オーバードーズ)の問題。
小児・青年期からも問題です。
実際に児童のODも報道されています。
現在、パブリックコメントを募集中の『中央区自殺対策計画(第二次)(仮称)』においても、OD対応について、項目を立てて記載すべきと考えます。
記事にもありますが、薬剤師を中心としたゲートキーパーの強化。
ODで入院した子ども・大人のフォロー体制。
そもそもの健康教育。
******中央区HP******
パブリックコメントを募集中『中央区自殺対策計画(第二次)(仮称)』
https://www.city.chuo.lg.jp/a0031/jisatsutaisaku/jisatsutaisaku_pabukome.html
中間のまとめ
https://www.city.chuo.lg.jp/documents/15003/jisatsu_taisaku_chukan.pdf
******朝日新聞*******
●2023.12.16
●2023.12.13
●2023.12.14
●2023.12.15
●2023.12.16
市販薬の過剰摂取が、問題になっています。
それを防ぐことも、小児科医の重要な役割のひとつと考えています。
それをした子を、いかに繰り返させないことも大事。胃洗浄などとてもつらいことがわかっていても、過剰摂取を繰り返さずをえない子ども達にいかに寄り添えるのだろうか。
*****朝日新聞2023.12.3*******
●緊急対応の手引き
https://www.mext.go.jp/content/20210701-mext_jidou01-000016513_010.pdf
●学校の危機対応と心のケアの手引き(2016)
https://www.zmhwc.jp/pdf/news/gakkounokikitaiou.pdf
●東京都教育委員会 自殺対策の取組
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/press_release/2018/files/release20180222_02/torikumi.pdf
●東京都保健医療局
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/tokyokaigi/torikumi/kaigi/kaigi/kaigishiryou030302.files/1220_030302_3gakkou.pdf
●厚生労働省
児童生徒の自殺対策について
https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/000900898.pdf
●こども家庭庁
令和6年度予算概算要求におけるこどもの自殺対策関連予算の状況について
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/03006ae5-dd30-493c-ac45-e258f94b25a1/9fd10924/20230904_councils_kodomonojisatsutaisaku-kaigi_03006ae5_04.pdf
●こども家庭庁
こどもの自殺対策緊急強化プラン
令和5年6月2日
こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議
第37回江東豊洲産婦人科懇話会~プレコンセプションケアを考える Part1~に本日参加し、多くの学びを得ることができました。
日本医科大学多摩永山病院 院長 中井章人先生による「胎盤関連産科合併症と栄養」というテーマのご講演。
胎盤関連産科合併症(PMPC,Placenta-mediated pregnancy complications)は、胎盤の形成不全や機能障害に関連して発症する産科合併症の総称で、妊娠高血圧腎症、常位胎盤早期剥離、small for gestational age(SGA)、早産、後期死産(late pregnancy loss)などが含まれます。
それら疾患群には、共通した特徴があります。
1,高い再発性:胎盤関連産科合併症を経験したひとは、次の妊娠でも高率で経験
2,世代間の再発性:胎盤関連産科合併症で生まれた子が妊娠したら、同じように胎盤関連産科合併症を合併する
3,将来の生活習慣病リスク:胎盤関連産科合併症を経験した母親は、生活習慣病としての脳や心血管の障害に効率でなる。
胎盤関連産科合併症で生まれた児は、同様に高血圧、心血管疾患、脳卒中、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の発症しやすい(DOHaD仮説)。
4,治療が難しい:アスピリン(平滑筋弛緩、抗炎症、血小板凝集抑制)や低用量ヘパリン(抗炎症のみで血栓抑制効果はない)の治療があるが、難しい。妊娠16週までの早期からの治療が肝要。血管内皮障害が根本原因にあり、そこへの治療となる。
栄養について、みていくと、
もともと、妊婦は、葉酸(二分脊椎の発生率に関係、胎盤関連産科合併症も予防)、ビタミンC、ビタミンD、鉄、カルシウム、マグネシウムなどいずれをとっても推奨量を下回っている問題がある。
葉酸やマルチビタミンを、妊娠前含め全ての妊娠期間中に長期に服用することで、胎盤関連産科合併症の予防効果は高まる。
そもそも若い女性では、主食・主菜・副菜がそろった食事をとっている割合が低い。ほぼ毎日なのは、20代で1/3程度(32.1%)。結果、やせ(BMI<18.5)が、4人~5人に一人いる(20%台前半)。
やせで、妊娠中も体重増加不良であれば、早産率は、40%を超える。
まずは、適切な栄養をとることが、ものすごく大事!!!