本日、みんなの子育て広場“あすなろの木”特別企画として
伊丹龍義氏(東洋大学教育学研究所)による講演があった。
私なりの解釈を述べる。
私の解釈が入っているので、伊丹氏や心理学分野の方からは、
表現がいたらぬ場合、ご指摘願いたい。
なお、伊丹氏の講座を聴いたクリニックのスタッフも、
ブログで感想を書いてますので、比較下さい。
http://plaza.rakuten.co.jp/happynurse0617/
http://ameblo.jp/asunaro-kids/day-20070221.html
1.心理学者という人が出す情報に対するメディア・リテラシー
心理学というといっしょくたに見てしまっているのではないだろうか。
大きく分けて3つの分野がある。
テレビ・マスコミで心理学者が登場する場合、
どの分野・立場の人が述べているかをしっておくと、さらに
その情報を理解しやすくなる。
3つの分野・アプローチ法とは、
①精神分析
②カウンセリング
③行動分析
①精神分析
無意識、潜在意識にアプローチしていく。
過去の経験、トラウマについて分析を加えるのに向くが、
夢判断であれ、
ロールシャッハ(インクのしみをみて、何に見えるかとう)を用いるが、
再現しにくく、その分析する心理学者の技量に依存する部分が大きい。
②カウンセリング、
共感しつつ、対話をする中で、人のこころにアプローチする。
語れることが、前提にあり、トラウマなど内容によって語れないこともある。
③行動分析
しぐさ、行動をみることで、人の心にアプローチする。
行動に現れることはできても、行動に現れないことは出来ないことがある。
どの立場の心理学者であるかを知ることで、
その心理学者の分析法や、発言の方向性を
予測つけることが出来る。
①~③には、それぞれ弱点があるわけなので、
使い分けているか注意しよう。
2.心理学は信頼できるか、肯。
こころは、見えない。
なんとでも言えそうなものであるが、
どの学問でも同じように心理学も
「再現性(何度でも同じ結果が、繰り返される)」
「客観性(誰が見ても同じ結果が得られる)」
「論理性(言葉で記述できる)」
を備えている。
結果には、「5%水準」があり、
100人中95人があてはまることを、結論として出している。
3、行動分析とは、
行動分析の原理は、
環境での刺激(S)により行動が起こる。
行動により結果(R)がでる。
「行動するかどうかは、以前の結果による。」と言うことが前提。
すなわち、
よい結果が得られた行動は、同じ環境のもとで繰り返され、
よい結果が得られなかった行動はその環境のもとでは、取りにくくなる。
「今、残っている行動は、よい結果が得られるから」と考えられる。
4、パブロフの犬
ある刺激A(例えば えさ)と刺激B(例えば 鐘の音)が、
常に同時に起こると、
その片方の刺激が現れただけで、(鐘の音だけで)
もう片方の刺激があらわれたような(えさが与えられたかのような)
反応・行動をとる。(唾液がでて、よろこぶ)
5、ジンクスとトラウマ
ジンクスは、よいことが起こる気がするようになる過程。
例えば、数字の7がつく日に、よいことがおこるとする。
17日にもよいことがおこる。
すると7とつく日がよいことが起こると信じるようになる。
トラウマは、悪いことが起こる気がするようになる過程。
例えば、6時40分に、大地震を経験した場合、
6時40分になると、大地震が起きたときの恐怖がよみがえること。
6、早期教育は、可能だが、、
行動分析の考えから言えば、
早期教育は可能と言える。
ある反応に、ある行動をとるように仕向けるのはできる。
しかし、本来の教育は、もっと豊かなものであるべきで、
計算ができる、漢字をはやく覚えるを、
自動的にできたからと言って、ためになるかどうかは不明。
7、罰を与えるのは、いいのか?よくない!!
基本的に、罰はよくないと考えてよい。
おもちゃ売り場で(環境)
ないてぐずる(行動)
その結果として、怒られるとする。
怒られる(よくない結果)を伴う行動(泣いてぐずる)は、
減少すると行動分析では、考えられる。
しかし、その罰を与え続けられた子は、
①攻撃的になりやすい
②毎回、同じように注意できないと、一時的になりやすい
③全体的にいろいろな行動をしなくなる
危ないこと、社会的にみて避けるべき行動には、
厳しく「ダメ。」と注意することは、当然必要であるが、
罰は、避けたほうがよい。
8、子育てで、行動分析をいかすには、
まず、こどもをよく観察する
「その行動が、どういうときに起こって、
それにより、どういう結果がおこっているか。」
そして、直す方がよいことがあれば、
じっくりと環境を整えたり、
結果としておこることを調整していく。
ときには、嫌いなことと、好きなことを同時に与えてみると、
そのうち嫌いなことの程度がへる。(並列)
同じ結果が得るには、もう少し簡単な方法があることを伝える。
(代替)
いくつかのSTEPに分けて、結果をあたえていく。
(シェーピング)
以上、まとめ終わり、
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私も、思うのは、子どもの行動には、
必ず意味があるということ。
注目されたい
物がほしい
不快をとってほしい
感覚がここちよいから
などなど
怒ることよりも、
その意味を理解し、
いっしょに意味を楽しむぐらいの
心の余裕が有ればよいと考える。
変な癖、しつけで悩む親が多い。
『心理学講座と
その後のカウンセラーによる個別相談』
なんていうセットの企画を
増やしていくとよいと考える。
文責:小坂和輝