「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

智と徳の5つの違い 福沢諭吉『文明論之概略』第6章

2015-08-12 09:55:48 | メディア・リテラシー
 福沢諭吉は、文明の進歩は、智徳の進歩であるとして、智も徳も両方の進歩が必要なことを述べつつ、さらにいえば、決して徳をないがしろにするのではないとしつつも、智(叡智)の進歩の重要性を力説しています。

 その過程で、智と徳の違いを解説を第6章で行っています。

 その違いの5つの考え方が、自分にとって新鮮だったので、以下に書きます。


1、働きかけの対象

 徳;内面性

 智;外的環境への働きかけ

2、影響力の違い

 徳;直接的な人間関係まで

 智;無限の伝播性

3、時間的分析

 徳;徳目の不変性、

 智;智の進歩性


4、道徳の教授と学習の限界

 徳;偽善者が出る

 智;偽智者は出ない


5、回心と学習

 徳;一瞬の質的飛躍(回心)がある

 智;学習による蓄積性

以上
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2 コメント

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ありがとうございます。 (トム)
2018-08-15 10:26:57
簡潔に明確にまとめていただき、とても助かりました。
どうもありがとうございます!
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マルテンサイト千年グローバル (サムライ鉄の道リスペクト)
2024-09-25 11:55:00
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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