過失の認定は、裁判上は、たいへん苦労する作業です。
一見明らかに、きちんと点検し、緊急補修をして落下を防ぐ注意義務があると思われることでも。
奪われた命が取りもどすことはできませんが、裁判から出される責任と道義上の責任が認められ、事件が解決されることを願っています。
そして、亡くなられた方々に報いるためにも、同様の事故が繰り返されぬことを願います。
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笹子トンネル事故:中日本高速側が過失全面否定の準備書面
毎日新聞2013年10月30日(水)22:21
昨年12月の中央自動車道・笹子(ささご)トンネル(山梨県大月市)の天井板崩落事故で死亡した男女5人の遺族が中日本高速道路などに計約9億円の損害賠償を求めた訴訟で、中日本高速側が来月5日の第3回口頭弁論を前に、「打音検査など詳細な点検をしても事故は防げなかった」などと過失を全面否定する準備書面を横浜地裁に提出したことが分かった。
遺族側弁護士によると、中日本高速側は、現場上り線の事故後の緊急点検で天井板を留めたアンカーボルト約1万1600カ所のうち欠落・脱落、欠損は計24カ所として「緊急補修が必要なほど劣化している認識はなかった」と予見可能性を否定。事故まで12年間トンネル上部で打音検査をしなかった点も「社内の点検要領には格別違反していない」とした。
その上で、国の事故調査・検討委が打音検査でも正確には劣化を把握できないとした点を挙げ、事故3カ月前の点検時に「打音点検などを担当者に指示したとしても、事故は未然に防げなかった」と主張している。
ただ、中日本高速側は緊急点検で上り線に約1000カ所のボルトの緩みがあった事実などには触れておらず、亡くなった石川友梨さん(当時28歳)の父信一さん(64)=神奈川県横須賀市=は「自分たちは責任を負わないと言っているのと同じ」としている。【片平知宏、藤河匠、飯田憲】