弁護士の職業倫理としての職務基本規定の体系
実は、医師を含め、どのような専門職でもあてはまる倫理規定と考えます。
職務基本規定
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/jfba_info/rules/data/rinzisoukai_syokumu.pdf#search='%E8%81%B7%E5%8B%99%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E8%A6%8F%E5%AE%9A'
出典:『現代の法曹倫理』法律文化社 165頁
胃腸炎や、高熱のご病気が、今、流行っています。
高熱の風邪の子の中に、アデノウイルス感染症の子もおられるようです。
喘息の子が、体調を咳の発作を出したりもしています。
平日なかなか時間が作れない場合でも、休日も、予防接種も実施いたしますので、ご利用ください。
こども元気クリニック・病児保育室
中央区月島3-30-3
電話 03-5547-1191
小坂和輝
最近は、予防接種の数も増え、子ども達もたいへんです。
誰でも、注射はきらいですが、注射嫌いになることなきように。
痛くない注射、泣かない注射を、実施できますように。
お気軽にご相談ください。
ご相談をお受けする具体例:
〇注射が嫌いで嫌いで、クリニックに受診することができない。結果、予防接種をしなければならないのにできていないものがたまっている。
〇注射を少しでも痛くないようにできないか。
〇アレルギー反応が心配で、予防接種ができていない。
〇仕事で、なかなか予防接種の時間が作れない。
などなど、なんでも。
小坂こども元気クリニック
東京都中央区月島3-30-3 ベルウッドビル2-4F
電話03-5547-1191
新しい年度がスタートして、早一か月。
子ども達も新しい学校、クラスに少しずつ慣れてきたところでしょうか。
新緑のすがすがしいシーズンです。
学校生活の基本、早寝・早起き・朝ごはんをきちんとして、頑張ってください。本もいっぱい読んでください。存分に自然体験も。
毎日、元気に登校できるよう、当院も全力でサポートさせていただきます。
5月のお知らせです。
GWお出かけの皆さん、旅行中の持参薬、大丈夫ですか?お忘れないですか?
【小坂こども元気クリニック・病児保育室】
診 療:月~土 午前8:30受付開始 受付終了18:30(土曜は午前診療のみ)
日曜日・祝日 急病対応あり(午前中)
予防接種、健診(1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1歳、1歳半、3歳、5歳、入園児健診など)
:毎日、適宜、対応可能です。予防接種・健診特別枠として、11:30~、15:00~も設けています。
病児保育:月~土/ 時間8:30-17:30 (17:30以降の病児お預かりは、ご相談下さい。)
東京都中央区月島3-30-3 ベルウッドビル2~4F
電話 03-5547-1191
fax 03-5547-1166
<当院が紹介されているサイト>
中央区ドクターズさん:
http://www.chuo-doctors.com/hospitalDetail/596
http://www.chuo-doctors.com/movieDetail/596
ドクターズファイルさん:
http://doctorsfile.jp/h/28824/df/1/
**********************************
<小坂クリニック平成26年5月のお知らせ>
<小児予防医療関連>
【1】水ぼうそう
新年度から、中央区助成券をお持ちのかたは、水ぼうそう予防接種の自己負担を無料とさせていただきます。
【2】大人の風しん
お父さん、お母さん、風しんの予防接種(助成により自己負担無料)は大丈夫ですか?
風しんに罹る成人が依然多いことに対応するため、中央区では、妊婦やその同居家族(お父さんだけでなく、祖父母も含め)にも予防接種の費用を助成することとなりました。
当院でも、妊婦やその同居家族(お父さんだけでなく、祖父母も含め)の皆様に接種可能です。
【3】はしか(麻しん)
はしか(麻しん)の予防接種(麻しん風しん混合MRワクチン)、お済ですか?
一部地域で、はしかの流行が見られます。
一歳になったら、お誕生日に接種をするなどのように、早めの接種をお願いします。
保育園で0歳児入園のかたには、麻しんの早期接種のご相談もお受けします。
<小児医療関連>
【4】5月の日曜、祝日は、GW含めすべて急病対応致します。ただし、5/18(日)は、電話対応のみ。
*特に4連休手前の5月3日(土)は、通常診療致します。同日は、福むら薬局さんも開院下さいます。
急病対応可能な休日:5/3(祝)、5/4(日)、5/5(祝)、5/6(祝)、5/11(日)、5/18(日)=電話対応のみ、5/25(日)
【5】5月の土曜日の開始時間が変則的となります。
5/10(土)、5/17(土)、5/31(土)の開始を10時からとさせていただきます。
5/3(土)、5/24(土)は、通常通り9時から。
【6】受付終了18時に駆け込まれるかたが多いので、受付終了18時30分へ延長させていただきます。
【7】風邪治療のスタンダードとして、ポータブル鼻吸引器(医療用)の無料貸し出しを行っています。
【8】当院でも、禁煙外来治療が可能です。
親御さんが、禁煙できず、または、禁煙途上でお悩みの場合、お気軽にご相談ください。
【9】花粉症の季節。鼻水、目のかゆみなど、花粉症(アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎)で、お困りな場合、お早めにご相談ください。
幼児でも、風邪ではなく、花粉症の場合もあります。対応させていただきます。
<病児保育関連>
【10】当院の病児保育について
お子さんの急な発熱、ご病気で保育園・幼稚園・小学校に登園・登校できない場合、当院の病児保育でお預かりいたします。
病児保育時間の延長について:
原則平日17時30分までのお預かりの病児保育ですが、子どもや子育てには、例外がつきものです。万が一、17時30分を過ぎることがわかっている場合、ご相談ください。
土曜日の病児保育について:
土曜日の病児保育もまた、ご相談ください。
病児お迎えサービスについて:
保育園での急な発病の場合、親御さんに代わって当院スタッフが、保育園に出向き、そのまま当院で病児保育へ移行することも可能です。
<子育て支援関連>
【11】クリニック隣り、みんなの子育てひろば“あすなろの木”のお知らせ
〇みんなの子育てひろば“あすなろの木”では、
テコンドー教室を毎週日曜日に開催しております。
日頃、子育てで忙しいお母さんでも
仕事でお子さんと接する機会の少ないお父さんでも
お子さんと一緒にテコンドーを習いながら、
お互いのコミュニケーションを取ることができます。
御興味のある方は、ご連絡ください。
講師:石田峰男(岡澤道場総括)
毎週日曜日 / 親子クラス AM9:30-10:30 / 小学生クラス AM10:30-11:30
連絡先 / あすなろの木事務局 03-5547-1191
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
〇木の部屋、空間でイベント開催しませんか?
あすなろの木では、大人1人300円、
こども無料で何時間でも遊べます。
もちろん1組から御利用できますが、
お友達のイベント(お誕生会・歓送迎会・お食事会)など
グループでの御利用も頂けます。
お母さんは、仲間同士、デリバリーでピザを頼んで、ビールやワインで乾杯!
お子さんは、お菓子を食べながらジュースで乾杯!
ティ―パーティとしても御利用頂けます。(土曜日・日曜日でも利用可能)
御利用お待ちしてしております。
利用:完全予約制
利用料:おとな300円 こども無料
連絡先:03-5547-1191 あすなろ事務局
※ お陰様で御利用頂く方が沢山おられます。
御利用希望の方はお早めに予約されることをお勧めいたします。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
〇『あすなろ倶楽部』無料体験会開催中!!
あすなろ倶楽部では、少人数制で、お子さんの発達に合った
いろいろな遊び、絵本紹介、しつけ方法などお話します。
また、参加されているお母さん同士の交流の
きっかけなどで御利用を頂いております。
只今、無料体験実施中!
お子さんと一緒に、勉強、遊びながら素敵なお友達をつくりましょう♡
講師:NPO法人あそび子育て研究協会 理事長 増田おさみ
毎週木曜日(月3回)費用:月5,000円
時間:①0~3才クラス 2:00 -3:00 ②3歳以上クラス 3:00 – 4:00
場所:みんなの子育てひろば『あすなろの木』(こども元気クリニック隣り)
連絡先:080-6905-6498(増田)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
以上です。
入園の後、特に保育園児の場合、2-3ヶ月は、風邪ばかりひく期間があります。
実際に、4月は、そのような入園したばかりのお子さんが多く来院されました。
特に、おなかにくる風邪がはやっているように感じます。
年度の始まりは、何かと忙しい時期が続いたと思われますが、GWでどうか休養をとれますように。
お大事に。
医療法人小坂成育会
こども元気クリニック・病児保育室
小坂和輝
*こども元気クリニック・病児保育室は、「いつでも(24時間・365日)・どこでも(学校・地域の子ども達と関わられる皆様・NPOと連携して)・あらゆる手段を用いて(医学・心理分野にとどまることなく、法律・行政分野などの多角的視点を持って)」子どもの健やかな成長を守る小児科でありたいと思っています。
なんのための制限なんだろうか。
******毎日新聞******
http://mainichi.jp/shimen/news/m20140529ddm012040099000c.html
司法試験:受験回数「5年で5回」に
司法試験を受験できる回数を現行の「5年で3回」から「5年で5回」に緩和する改正司法試験法は、28日の参院本会議で全会一致により可決、成立した。2006年に始まった制度の初の見直しで、来年の試験から適用される。今年の試験までに3回不合格になった受験生でも、来年が4、5年目なら再挑戦が可能になる。
○憲法28条 組合の統制権
本件のような地方議会議員の選挙にあたり、労働組合が、
その組合員の居住地域の生活環境の改善その他生活向上を図るうえに役立たしめる
ため、その利益代表を議会に送り込むための選挙活動をすること、そして、その一
方策として、いわゆる統一候補を決定し、組合を挙げてその選挙運動を推進するこ
とは、組合の活動として許されないわけではなく、また、統一候補以外の組合員で
あえて立候補しようとするものに対し、組合の所期の目的を達成するため、立候補
を思いとどまるよう勧告または説得することも、それが単に勧告または説得にとど
まるかぎり、組合の組合員に対する妥当な範囲の統制権の行使にほかならず、別段、
法の禁ずるところとはいえない。
○憲法15条1項 立候補の自由
憲法一五条一項は、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国
民固有の権利である。」と規定し、選挙権が基本的人権の一つであることを明らか
にしているが、被選挙権または立候補の自由については、特に明記するところはな
い。
ところで、選挙は、本来、自由かつ公正に行なわれるべきものであり、このこと
は、民主主義の基盤をなす選挙制度の目的を達成するための基本的要請である。こ
の見地から、選挙人は、自由に表明する意思によつてその代表者を選ぶことにより、
自ら国家(または地方公共団体等)の意思の形成に参与するのであり、誰を選ぶか
も、元来、選挙人の自由であるべきであるが、多数の選挙人の存する選挙において
は、これを各選挙人の完全な自由に放任したのでは選挙の目的を達成することが困
難であるため、公職選挙法は、自ら代表者になろうとする者が自由な意思で立候補
し、選挙人は立候補者の中から自己の希望する代表者を選ぶという立候補制度を採
用しているわけである。
したがつて、もし、被選挙権を有し、選挙に立候補しよう
とする者がその立候補について不当に制約を受けるようなことがあれば、そのこと
は、ひいては、選挙人の自由な意思の表明を阻害することとなり、自由かつ公正な
選挙の本旨に反することとならざるを得ない。
この意味において、立候補の自由は、
選挙権の自由な行使と表裏の関係にあり、自由かつ公正な選挙を維持するうえで、
きわめて重要である。このような見地からいえば、憲法一五条一項には、被選挙権
者、特にその立候補の自由について、直接には規定していないが、これもまた、同
条同項の保障する重要な基本的人権の一つと解すべきである。さればこそ、公職選
挙法に、選挙人に対すると同様、公職の候補者または候補者となろうとする者に対
する選挙に関する自由を妨害する行為を処罰することにしているのである(同法二
二五条一号三号参照)。
○二つの人権の調整法
殊に、公職
選挙における立候補の自由は、憲法一五条一項の趣旨に照らし、基本的人権の一つ
として、憲法の保障する重要な権利であるから、これに対する制約は、特に慎重で
なければならず、組合の団結を維持するための統制権の行使に基づく制約であつて
も、その必要性と立候補の自由の重要性とを比較衡量して、その許否を決すべきで
あり、その際、政治活動に対する組合の統制権のもつ前叙のごとき性格と立候補の
自由の重要性とを十分考慮する必要がある。
○高裁:無罪
原判決の確定するところによると、本件労働組合員たるCが組合の統一候補の選
にもれたことから、独自に立候補する旨の意思を表示したため、被告人ら組合幹部
は、Cに対し、組合の方針に従つて右選挙の立候補を断念するよう再三説得したが、
Cは容易にこれに応ぜず、あえて独自の立場で立候補することを明らかにしたので、
ついに説得することを諦め、組合の決定に基づいて本件措置に出でたというのであ
る。このような場合には、統一候補以外の組合員で立候補しようとする者に対し、
組合が所期の目的を達成するために、立候補を思いとどまるよう、勧告または説得
をすることは、組合としても、当然なし得るところである。しかし、当該組合員に
対し、勧告または説得の域を超え、立候補を取りやめることを要求し、これに従わ
ないことを理由に当該組合員を統制違反者として処分するがごときは、組合の統制
- 5 -
権の限界を超えるものとして、違法といわなければならない。然るに、原判決は、
「労働組合は、その組織による団結の力を通して、組合員たる労働者の経済的地位
の向上を図ることを目的とするものであり、この組合の団結力にこそ実に組合の生
存がかかつているのであつて、団結の維持には統制を絶対に必要とすることを考え
ると、労働組合が右目的達成のための必要性から統一候補を立てるような方法によ
つて政治活動を行うような場合、その方針に反し、組合の団結力を阻害しまたは反
組合的な態度をもつて立候補しようとし、また立候補した組合員があるときにおい
て、かかる組合員の態度、行動の如何を問わず、組合の統制権が何等およばないと
することは労働組合の本質に照し、必ずしも正当な見解ともいい難い」として、本
件統制権の発動は、不当なものとは認めがたく、本件行為はすべて違法性を欠くと
判示している。
○最高裁:破棄差戻し
このような場合には、統一候補以外の組合員で立候補しようとする者に対し、
組合が所期の目的を達成するために、立候補を思いとどまるよう、勧告または説得
をすることは、組合としても、当然なし得るところである。しかし、当該組合員に
対し、勧告または説得の域を超え、立候補を取りやめることを要求し、これに従わ
ないことを理由に当該組合員を統制違反者として処分するがごときは、組合の統制
- 5 -
権の限界を超えるものとして、違法といわなければならない。
右判示の中には、労働組合がその行なう政治活動について、右のような強力な統
制権を有することの根拠は明示していないが、「労働組合の本質に照し」て、右結
論を引き出しているところからみれば、憲法二八条に基づいて、労働組合の団結権
およびその帰結としての統制権を導き出し、しかも、これを労働組合が行なう政治
活動についても当然に行使し得るものとの見地に立つているものと解される。そう
とすれば、右の解釈判断は、さきに説示したとおり、憲法の解釈を誤り、統制権を
不当に拡張解釈したものとの非難を避けがたく、論旨は、結局、理由があるに帰し、
原判決は、この点において、破棄を免れない。
******公職選挙法******
(選挙の自由妨害罪)
第二百二十五条 選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。
一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。
三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき。
*********************************
主 文
原判決中公訴事実第一の(一)の被告人Aが昭和三四年三月二九日B労
働会館において公職の候補者となろうとするCを威迫したという点について検察官
の控訴を棄却した部分を除き、その余を破棄する。
右破棄部分に関する本件を札幌高等裁判所に差し戻す。
前記公訴事実第一の(一)の点に関する本件上告を棄却する。
理 由
検察官井本台吉の上告趣意第一点について。
所論は、原判決は憲法二八条、一五条一項の解釈を誤り、労働組合の統制権の範
囲を不当に拡張し、かつ、立候補の自由を不当に軽視し、よつて労働組合が右自由
を制限し得るものとした違法がある、というにある。
(1) おもうに、労働者の労働条件を適正に維持し、かつ、これを改善するこ
とは、憲法二五条の精神に則り労働者に人間に値いする生存を保障し、さらに進ん
で、一層健康で文化的な生活への途を開くだけでなく、ひいては、その労働意欲を
高め、国の産業の興隆発展に寄与するゆえんでもある。然るに、労働者がその労働
条件を適正に維持し改善しようとしても、個々にその使用者たる企業者に対立して
いたのでは、一般に企業者の有する経済的実力に圧倒され、対等の立場においてそ
の利益を主張し、これを貫徹することは困難である。そこで、労働者は、多数団結
して労働組合等を結成し、その団結の力を利用して必要かつ妥当な団体行動をする
ことによつて、適正な労働条件の維持改善を図つていく必要がある。憲法二八条は、
この趣旨において、企業者対労働者、すなわち、使用者対被使用者という関係に立
つ者の間において、経済上の弱者である労働者のために、団結権、団体交渉権およ
び団体行動権(いわゆる労働基本権)を保障したものであり、如上の趣旨は、当裁
判所のつとに判例とするところである(最判昭和二二年(れ)第三一九号、同二四
- 1 -
年五月一八日大法廷判決、刑集三巻六号七七二頁)。そして、労働組合法は、憲法
二八条の定める労働基本権の保障を具体化したもので、その目的とするところは、
「労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労
働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら
代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、
団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を
締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成すること」にある(労働組
合法一条一項)。
右に述べたように、労働基本権を保障する憲法二八条も、さらに、これを具体化
した労働組合法も、直接には、労働者対使用者の関係を規制することを目的とした
ものであり、労働者の使用者に対する労働基本権を保障するものにほかならない。
ただ、労働者が憲法二八条の保障する団結権に基づき労働組合を結成した場合にお
いて、その労働組合が正当な団体行動を行なうにあたり、労働組合の統一と一体化
を図り、その団結力の強化を期するためには、その組合員たる個々の労働者の行動
についても、組合として、合理的な範囲において、これに規制を加えることが許さ
れなければならない(以下、これを組合の統制権とよぶ。)。およそ、組織的団体
においては、一般に、その構成員に対し、その目的に即して合理的な範囲内での統
制権を有するのが通例であるが、憲法上、団結権を保障されている労働組合におい
ては、その組合員に対する組合の統制権は、一般の組織的団体のそれと異なり、労
働組合の団結権を確保するために必要であり、かつ、合理的な範囲内においては、
労働者の団結権保障の一環として、憲法二八条の精神に由来するものということが
できる。この意味において、憲法二八条による労働者の団結権保障の効果として、
労働組合は、その目的を達成するために必要であり、かつ、合理的な範囲内におい
て、その組合員に対する統制権を有するものと解すべきである。
- 2 -
(2) ところで、労働組合は、元来、「労働者が主体となつて自主的に労働条
件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体
又はその連合団体」である(労働組合法二条)。そして、このような労働組合の結
成を憲法および労働組合法で保障しているのは、社会的・経済的弱者である個々の
労働者をして、その強者である使用者との交渉において、対等の立場に立たせるこ
とにより、労働者の地位を向上させることを目的とするものであることは、さきに
説示したとおりである。しかし、現実の政治・経済・社会機構のもとにおいて、労
働者がその経済的地位の向上を図るにあたつては、単に対使用者との交渉において
のみこれを求めても、十分にはその目的を達成することができず、労働組合が右の
目的をより十分に達成するための手段として、その目的達成に必要な政治活動や社
会活動を行なうことを妨げられるものではない。
この見地からいつて、本件のような地方議会議員の選挙にあたり、労働組合が、
その組合員の居住地域の生活環境の改善その他生活向上を図るうえに役立たしめる
ため、その利益代表を議会に送り込むための選挙活動をすること、そして、その一
方策として、いわゆる統一候補を決定し、組合を挙げてその選挙運動を推進するこ
とは、組合の活動として許されないわけではなく、また、統一候補以外の組合員で
あえて立候補しようとするものに対し、組合の所期の目的を達成するため、立候補
を思いとどまるよう勧告または説得することも、それが単に勧告または説得にとど
まるかぎり、組合の組合員に対する妥当な範囲の統制権の行使にほかならず、別段、
法の禁ずるところとはいえない。しかし、このことから直ちに、組合の勧告または
説得に応じないで個人的に立候補した組合員に対して、組合の統制をみだしたもの
として、何らかの処分をすることができるかどうかは別個の問題である。この問題
に応えるためには、まず、立候補の自由の意義を考え、さらに、労働組合の組合員
に対する統制権と立候補の自由との関係を検討する必要がある。
- 3 -
(3) 憲法一五条一項は、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国
民固有の権利である。」と規定し、選挙権が基本的人権の一つであることを明らか
にしているが、被選挙権または立候補の自由については、特に明記するところはな
い。
ところで、選挙は、本来、自由かつ公正に行なわれるべきものであり、このこと
は、民主主義の基盤をなす選挙制度の目的を達成するための基本的要請である。こ
の見地から、選挙人は、自由に表明する意思によつてその代表者を選ぶことにより、
自ら国家(または地方公共団体等)の意思の形成に参与するのであり、誰を選ぶか
も、元来、選挙人の自由であるべきであるが、多数の選挙人の存する選挙において
は、これを各選挙人の完全な自由に放任したのでは選挙の目的を達成することが困
難であるため、公職選挙法は、自ら代表者になろうとする者が自由な意思で立候補
し、選挙人は立候補者の中から自己の希望する代表者を選ぶという立候補制度を採
用しているわけである。したがつて、もし、被選挙権を有し、選挙に立候補しよう
とする者がその立候補について不当に制約を受けるようなことがあれば、そのこと
は、ひいては、選挙人の自由な意思の表明を阻害することとなり、自由かつ公正な
選挙の本旨に反することとならざるを得ない。この意味において、立候補の自由は、
選挙権の自由な行使と表裏の関係にあり、自由かつ公正な選挙を維持するうえで、
きわめて重要である。このような見地からいえば、憲法一五条一項には、被選挙権
者、特にその立候補の自由について、直接には規定していないが、これもまた、同
条同項の保障する重要な基本的人権の一つと解すべきである。さればこそ、公職選
挙法に、選挙人に対すると同様、公職の候補者または候補者となろうとする者に対
する選挙に関する自由を妨害する行為を処罰することにしているのである(同法二
二五条一号三号参照)。
(4) さきに説示したように、労働組合は、その目的を達成するために必要な
- 4 -
政治活動等を行なうことを妨げられるわけではない。したがつて、本件の地方議会
議員の選挙にあたり、いわゆる統一候補を決定し、組合を挙げて選挙運動を推進す
ることとし、統一候補以外の組合員で立候補しようとする組合員に対し、立候補を
思いとどまるように勧告または説得することも、その限度においては、組合の政治
活動の一環として、許されるところと考えてよい。また、他面において、労働組合
が、その団結を維持し、その目的を達成するために、組合員に対し、統制権を有す
ることも、前叙のとおりである。しかし、労働組合が行使し得べき組合員に対する
統制権には、当然、一定の限界が存するものといわなければならない。殊に、公職
選挙における立候補の自由は、憲法一五条一項の趣旨に照らし、基本的人権の一つ
として、憲法の保障する重要な権利であるから、これに対する制約は、特に慎重で
なければならず、組合の団結を維持するための統制権の行使に基づく制約であつて
も、その必要性と立候補の自由の重要性とを比較衡量して、その許否を決すべきで
あり、その際、政治活動に対する組合の統制権のもつ前叙のごとき性格と立候補の
自由の重要性とを十分考慮する必要がある。
原判決の確定するところによると、本件労働組合員たるCが組合の統一候補の選
にもれたことから、独自に立候補する旨の意思を表示したため、被告人ら組合幹部
は、Cに対し、組合の方針に従つて右選挙の立候補を断念するよう再三説得したが、
Cは容易にこれに応ぜず、あえて独自の立場で立候補することを明らかにしたので、
ついに説得することを諦め、組合の決定に基づいて本件措置に出でたというのであ
る。このような場合には、統一候補以外の組合員で立候補しようとする者に対し、
組合が所期の目的を達成するために、立候補を思いとどまるよう、勧告または説得
をすることは、組合としても、当然なし得るところである。しかし、当該組合員に
対し、勧告または説得の域を超え、立候補を取りやめることを要求し、これに従わ
ないことを理由に当該組合員を統制違反者として処分するがごときは、組合の統制
- 5 -
権の限界を超えるものとして、違法といわなければならない。然るに、原判決は、
「労働組合は、その組織による団結の力を通して、組合員たる労働者の経済的地位
の向上を図ることを目的とするものであり、この組合の団結力にこそ実に組合の生
存がかかつているのであつて、団結の維持には統制を絶対に必要とすることを考え
ると、労働組合が右目的達成のための必要性から統一候補を立てるような方法によ
つて政治活動を行うような場合、その方針に反し、組合の団結力を阻害しまたは反
組合的な態度をもつて立候補しようとし、また立候補した組合員があるときにおい
て、かかる組合員の態度、行動の如何を問わず、組合の統制権が何等およばないと
することは労働組合の本質に照し、必ずしも正当な見解ともいい難い」として、本
件統制権の発動は、不当なものとは認めがたく、本件行為はすべて違法性を欠くと
判示している。
右判示の中には、労働組合がその行なう政治活動について、右のような強力な統
制権を有することの根拠は明示していないが、「労働組合の本質に照し」て、右結
論を引き出しているところからみれば、憲法二八条に基づいて、労働組合の団結権
およびその帰結としての統制権を導き出し、しかも、これを労働組合が行なう政治
活動についても当然に行使し得るものとの見地に立つているものと解される。そう
とすれば、右の解釈判断は、さきに説示したとおり、憲法の解釈を誤り、統制権を
不当に拡張解釈したものとの非難を避けがたく、論旨は、結局、理由があるに帰し、
原判決は、この点において、破棄を免れない。
同第二点について。
論旨は判例違反をいう。しかし、引用の判例のうち、昭和二七年三月七日札幌高
等裁判所の判決は、本件と類似した事件に関するものであるが、所論の点に関し、
何ら判断を示しておらず、その余の各判例は、すべて事案を異にし、本件に適切で
ないから、論旨はいずれも前提を欠き、上告適法の理由にあたらない。
- 6 -
同第三点について。
論旨は、原判決は、刑法における違法性阻却事由に関する解釈を誤つた法令の違
反があるという。しかし、所論は、単なる法令違反の主張に帰し、上告適法の理由
にあたらない。
なお、原判決中本件公訴事実第一の(一)の被告人Aが昭和三四年三月二九日頃
B労働会館において公職の候補者となろうとするCを威迫したという点について検
察官の控訴を棄却した部分に関する上告は、上告趣旨中に何らの主張がなく、した
がつて、その理由がないことに帰するから、これを棄却することとし、原判決のそ
の余の部分を破棄し、さらに審理を尽くさせるため、右破棄部分に関する本件を原
裁判所に差し戻すこととする。
よつて、公訴事実第一の(一)の点に関する部分につき、刑訴法四一四条、三九
六条、その余の点につき、同法四一〇条一項本文、四〇五条、四一三条本文により、
裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
検察官 平出禾公判出席
昭和四三年一二月四日
最高裁判所大法廷
裁判長裁判官 横 田 正 俊
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 草 鹿 浅 之 介
裁判官 城 戸 芳 彦
裁判官 石 田 和 外
裁判官 田 中 二 郎
裁判官 松 田 二 郎
裁判官 岩 田 誠
- 7 -
裁判官 下 村 三 郎
裁判官 色 川 幸 太 郎
裁判官 大 隅 健 一 郎
裁判官 松 本 正 雄
裁判官 飯 村 義 美
裁判官奥野健一は、退官のため署名押印することができない。
裁判長裁判官 横 田 正 俊
- 8 -
原則は、契約の効果は、本人に帰属しません。
*********************
民法
(無権代理)
第百十三条 代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
2 追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。
*********************
さあ、どうする。
1、まずは、本人に対し、「代理権を与えていたでしょ!」と、有権代理の主張をします。
代理権を与えたのではないかという事象が、明らかになってきたら、110条の主張につなげるとっかかりをつくるのに役立ちます。
2、本人に、その取引を有効にする「追認」(民法116条)を求めます。
*********************
民法
(無権代理行為の追認)
第百十六条 追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
*********************
3、表見代理を主張する。(民法109、110、112条)
この場合、善意無過失を立証する必要があります。
立証できた場合、
権利外観法理によって、本人は代理権を与えていないのにもかかわらず、契約の効果が、本人に帰属します。
*********************
民法
(代理権授与の表示による表見代理)
第百九条 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。
(権限外の行為の表見代理)
第百十条 前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。
(代理権消滅後の表見代理)
第百十二条 代理権の消滅は、善意の第三者に対抗することができない。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。
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4、本人無理なら、無権代理人に、責任追及します。(民法117条)
契約相手方の悪意または有過失を立証するのは、無権代理人のほうです。
3と立証責任が転換しているため、主張するには3より有利です。
この主張は、せっかく立証できたとしても、無権代理をするようなひとに、実は、返還できる金銭を有することを期待できないという、残念な結果になるところが難点です。
*********************
(無権代理人の責任)
第百十七条 他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
2 前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、適用しない。
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以上
インターネットを使う人は、知っておくべき法律のひとつと思います。
「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」
いわゆる「プロバイダ責任制限法」
特に4条では、名誉棄損等された投稿がなされた場合、プロバイダに、投稿者の情報の開示を求めることができます。
名誉棄損の損害の回復の際に、その情報を使うことができるようになります。
短いので、全文掲載します。
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特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律
(平成十三年十一月三十日法律第百三十七号)
最終改正:平成二五年四月二六日法律第一〇号
(趣旨)
第一条 この法律は、特定電気通信による情報の流通によって権利の侵害があった場合について、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示を請求する権利につき定めるものとする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 特定電気通信 不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信(電気通信事業法 (昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号 に規定する電気通信をいう。以下この号において同じ。)の送信(公衆によって直接受信されることを目的とする電気通信の送信を除く。)をいう。
二 特定電気通信設備 特定電気通信の用に供される電気通信設備(電気通信事業法第二条第二号 に規定する電気通信設備をいう。)をいう。
三 特定電気通信役務提供者 特定電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他特定電気通信設備を他人の通信の用に供する者をいう。
四 発信者 特定電気通信役務提供者の用いる特定電気通信設備の記録媒体(当該記録媒体に記録された情報が不特定の者に送信されるものに限る。)に情報を記録し、又は当該特定電気通信設備の送信装置(当該送信装置に入力された情報が不特定の者に送信されるものに限る。)に情報を入力した者をいう。
(損害賠償責任の制限)
第三条 特定電気通信による情報の流通により他人の権利が侵害されたときは、当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者(以下この項において「関係役務提供者」という。)は、これによって生じた損害については、権利を侵害した情報の不特定の者に対する送信を防止する措置を講ずることが技術的に可能な場合であって、次の各号のいずれかに該当するときでなければ、賠償の責めに任じない。ただし、当該関係役務提供者が当該権利を侵害した情報の発信者である場合は、この限りでない。
一 当該関係役務提供者が当該特定電気通信による情報の流通によって他人の権利が侵害されていることを知っていたとき。
二 当該関係役務提供者が、当該特定電気通信による情報の流通を知っていた場合であって、当該特定電気通信による情報の流通によって他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由があるとき。
2 特定電気通信役務提供者は、特定電気通信による情報の送信を防止する措置を講じた場合において、当該措置により送信を防止された情報の発信者に生じた損害については、当該措置が当該情報の不特定の者に対する送信を防止するために必要な限度において行われたものである場合であって、次の各号のいずれかに該当するときは、賠償の責めに任じない。
一 当該特定電気通信役務提供者が当該特定電気通信による情報の流通によって他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由があったとき。
二 特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者から、当該権利を侵害したとする情報(以下この号及び第四条において「侵害情報」という。)、侵害されたとする権利及び権利が侵害されたとする理由(以下この号において「侵害情報等」という。)を示して当該特定電気通信役務提供者に対し侵害情報の送信を防止する措置(以下この号において「送信防止措置」という。)を講ずるよう申出があった場合に、当該特定電気通信役務提供者が、当該侵害情報の発信者に対し当該侵害情報等を示して当該送信防止措置を講ずることに同意するかどうかを照会した場合において、当該発信者が当該照会を受けた日から七日を経過しても当該発信者から当該送信防止措置を講ずることに同意しない旨の申出がなかったとき。
(公職の候補者等に係る特例)
第三条の二 前条第二項の場合のほか、特定電気通信役務提供者は、特定電気通信による情報(選挙運動の期間中に頒布された文書図画に係る情報に限る。以下この条において同じ。)の送信を防止する措置を講じた場合において、当該措置により送信を防止された情報の発信者に生じた損害については、当該措置が当該情報の不特定の者に対する送信を防止するために必要な限度において行われたものである場合であって、次の各号のいずれかに該当するときは、賠償の責めに任じない。
一 特定電気通信による情報であって、選挙運動のために使用し、又は当選を得させないための活動に使用する文書図画(以下「特定文書図画」という。)に係るものの流通によって自己の名誉を侵害されたとする公職の候補者等(公職の候補者又は候補者届出政党(公職選挙法 (昭和二十五年法律第百号)第八十六条第一項 又は第八項 の規定による届出をした政党その他の政治団体をいう。)若しくは衆議院名簿届出政党等(同法第八十六条の二第一項 の規定による届出をした政党その他の政治団体をいう。)若しくは参議院名簿届出政党等(同法第八十六条の三第一項 の規定による届出をした政党その他の政治団体をいう。)をいう。以下同じ。)から、当該名誉を侵害したとする情報(以下「名誉侵害情報」という。)、名誉が侵害された旨、名誉が侵害されたとする理由及び当該名誉侵害情報が特定文書図画に係るものである旨(以下「名誉侵害情報等」という。)を示して当該特定電気通信役務提供者に対し名誉侵害情報の送信を防止する措置(以下「名誉侵害情報送信防止措置」という。)を講ずるよう申出があった場合に、当該特定電気通信役務提供者が、当該名誉侵害情報の発信者に対し当該名誉侵害情報等を示して当該名誉侵害情報送信防止措置を講ずることに同意するかどうかを照会した場合において、当該発信者が当該照会を受けた日から二日を経過しても当該発信者から当該名誉侵害情報送信防止措置を講ずることに同意しない旨の申出がなかったとき。
二 特定電気通信による情報であって、特定文書図画に係るものの流通によって自己の名誉を侵害されたとする公職の候補者等から、名誉侵害情報等及び名誉侵害情報の発信者の電子メールアドレス等(公職選挙法第百四十二条の三第三項 に規定する電子メールアドレス等をいう。以下同じ。)が同項 又は同法第百四十二条の五第一項 の規定に違反して表示されていない旨を示して当該特定電気通信役務提供者に対し名誉侵害情報送信防止措置を講ずるよう申出があった場合であって、当該情報の発信者の電子メールアドレス等が当該情報に係る特定電気通信の受信をする者が使用する通信端末機器(入出力装置を含む。)の映像面に正しく表示されていないとき。
(発信者情報の開示請求等)
第四条 特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者は、次の各号のいずれにも該当するときに限り、当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者(以下「開示関係役務提供者」という。)に対し、当該開示関係役務提供者が保有する当該権利の侵害に係る発信者情報(氏名、住所その他の侵害情報の発信者の特定に資する情報であって総務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の開示を請求することができる。
一 侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき。
二 当該発信者情報が当該開示の請求をする者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき。
2 開示関係役務提供者は、前項の規定による開示の請求を受けたときは、当該開示の請求に係る侵害情報の発信者と連絡することができない場合その他特別の事情がある場合を除き、開示するかどうかについて当該発信者の意見を聴かなければならない。
3 第一項の規定により発信者情報の開示を受けた者は、当該発信者情報をみだりに用いて、不当に当該発信者の名誉又は生活の平穏を害する行為をしてはならない。
4 開示関係役務提供者は、第一項の規定による開示の請求に応じないことにより当該開示の請求をした者に生じた損害については、故意又は重大な過失がある場合でなければ、賠償の責めに任じない。ただし、当該開示関係役務提供者が当該開示の請求に係る侵害情報の発信者である場合は、この限りでない。
附 則
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附 則 (平成二五年四月二六日法律第一〇号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。
弁護士法72条違反の一例。
弁護士資格等がない者らが,ビルの所有者から委託を受けて,そのビルの賃借人らと交渉して賃貸借契約を合意解除した上で各室を明け渡させるなどの業務を行った行為について,弁護士法72条違反の罪が成立するとされた事例
。
**************
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
(譲り受けた権利の実行を業とすることの禁止)
第七十三条 何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によつて、その権利の実行をすることを業とすることができない。
(非弁護士との提携等の罪)
第七十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
一 第二十七条(第三十条の二十一において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
二 第二十八条(第三十条の二十一において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
三 第七十二条の規定に違反した者
四 第七十三条の規定に違反した者
******最高裁ホームページ********************
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319120659936026.pdf
- 1 -
主文
本件各上告を棄却する。
理由
被告人両名の弁護人笠原静夫の上告趣意は,憲法違反,判例違反をいう点を含
め,実質は単なる法令違反の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらな
い。
所論にかんがみ,職権で判断する。
原判決及びその是認する第1審判決の認定並びに記録によれば,本件の事実関係
は,次のとおりである。すなわち,不動産売買業等を営むA社(以下「A社」とい
う。)は,ビル及び土地の所有権を取得し,当該ビルの賃借人らをすべて立ち退か
せてビルを解体し,更地にした上で,同社が新たに建物を建築する建築条件付で土
地を売却するなどして利益を上げるという事業を行っていた。A社は,上記事業の
一環として,本件ビルを取得して所有していたが,同ビルには,74名の賃借人
が,その立地条件等を前提に事業用に各室を賃借して,それぞれの業務を行ってい
た。土地家屋の売買業等を営む被告人B社の代表取締役である被告人Cは,同社の
業務に関し,共犯者らと共謀の上,弁護士資格等を有さず,法定の除外事由もない
のに,報酬を得る目的で,業として,A社から,本件ビルについて,上記賃借人ら
との間で,賃貸借契約の合意解除に向けた契約締結交渉を行って合意解除契約を締
結した上で各室を明け渡させるなどの業務を行うことの委託を受けて,これを受任
した。被告人らは,A社から,被告人らの報酬に充てられる分と賃借人らに支払わ
れる立ち退き料等の経費に充てられる分とを合わせた多額の金員を,その割合の明
示なく一括して受領した。そして,被告人らは,本件ビルの賃借人らに対し,被告
- 2 -
人B社が同ビルの所有者である旨虚偽の事実を申し向けるなどした上,賃借人らに
不安や不快感を与えるような振る舞いもしながら,約10か月にわたり,上記74
名の賃借人関係者との間で,賃貸借契約を合意解除して賃貸人が立ち退き料の支払
義務を負い,賃借人が一定期日までに部屋を明け渡す義務を負うこと等を内容とす
る契約の締結に応じるよう交渉して,合意解除契約を締結するなどした。
所論は,A社と各賃借人との間においては,法律上の権利義務に争いや疑義が存
するなどの事情はなく,被告人らが受託した業務は弁護士法72条にいう「その他
一般の法律事件」に関するものではないから,同条違反の罪は成立しないという。
しかしながら,被告人らは,多数の賃借人が存在する本件ビルを解体するため全賃
借人の立ち退きの実現を図るという業務を,報酬と立ち退き料等の経費を割合を明
示することなく一括して受領し受託したものであるところ,このような業務は,賃
貸借契約期間中で,現にそれぞれの業務を行っており,立ち退く意向を有していな
かった賃借人らに対し,専ら賃貸人側の都合で,同契約の合意解除と明渡しの実現
を図るべく交渉するというものであって,立ち退き合意の成否,立ち退きの時期,
立ち退き料の額をめぐって交渉において解決しなければならない法的紛議が生ずる
ことがほぼ不可避である案件に係るものであったことは明らかであり,弁護士法7
2条にいう「その他一般の法律事件」に関するものであったというべきである。そ
して,被告人らは,報酬を得る目的で,業として,上記のような事件に関し,賃借
人らとの間に生ずる法的紛議を解決するための法律事務の委託を受けて,前記のよ
うに賃借人らに不安や不快感を与えるような振る舞いもしながら,これを取り扱っ
たのであり,被告人らの行為につき弁護士法72条違反の罪の成立を認めた原判断
は相当である。
- 3 -
よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,
主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官宮川光治裁判官櫻井龍子裁判官金築誠志裁判官
横田尤孝裁判官白木勇)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=80472&hanreiKbn=02
事件番号
平成21(あ)1946
事件名
弁護士法違反被告事件
裁判年月日
平成22年07月20日
法廷名
最高裁判所第一小法廷
裁判種別
決定
結果
棄却
判例集等巻・号・頁
刑集 第64巻5号793頁
原審裁判所名
東京高等裁判所
原審事件番号
平成21(う)357
原審裁判年月日
平成21年10月21日
判示事項
弁護士資格等がない者らが,ビルの所有者から委託を受けて,そのビルの賃借人らと交渉して賃貸借契約を合意解除した上で各室を明け渡させるなどの業務を行った行為について,弁護士法72条違反の罪が成立するとされた事例
裁判要旨
弁護士資格等がない者らが,ビルの所有者から委託を受けて,そのビルの賃借人らと交渉して賃貸借契約を合意解除した上で各室を明け渡させるなどの業務を行った行為については,その業務が,立ち退き合意の成否等をめぐって交渉において解決しなければならない法的紛議が生ずることがほぼ不可避である案件に係るものであって,弁護士法72条にいう「その他一般の法律事件」に関するものというべきであり,その際,賃借人らに不安や不快感を与えるような振る舞いをしていたなどの本件における具体的事情(判文参照)の下では,同条違反の罪が成立する。
参照法条
弁護士法72条,弁護士法77条
この判決で、最高裁のいう弁護士法73条の趣旨。
→弁護士法73条の趣旨は,主として弁護士でない者が,権利の譲渡を受けること
によって,みだりに訴訟を誘発したり,紛議を助長したりするほか,同法72条本
文の禁止を潜脱する行為をして,国民の法律生活上の利益に対する弊害が生ずるこ
とを防止するところにあるものと解される。
このような立法趣旨に照らすと,
【要旨】形式的には,他人の権利を譲り受けて訴訟等の手段によってその権利の実行を
することを業とする行為であっても,上記の弊害が生ずるおそれがなく,社会的経
済的に正当な業務の範囲内にあると認められる場合には,同法73条に違反するも
のではないと解するのが相当である。
******弁護士法*****
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
(譲り受けた権利の実行を業とすることの禁止)
第七十三条 何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によつて、その権利の実行をすることを業とすることができない。
************最高裁ホームページ******************************************
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319120659936026.pdf
主 文
原判決を破棄する。
本件を東京高等裁判所に差し戻す。
理 由
上告代理人高山征治郎の上告受理申立て理由について
1 原審の確定した事実関係は,次のとおりである。
(1) D(以下「D」という。)は,昭和60年4月,被上告人との間で被上
告人の経営するゴルフクラブであるEゴルフクラブ(以下「本件クラブ」という。)
への入会契約を締結し,預託金900万円を支払って,本件クラブの個人正会員権
(以下「本件会員権」という。)を取得した。
本件クラブの会則により,預託金は,ゴルフ場の正式開場の日から10年間据え
置き,その後,退会の際に返還する旨定められていたが,平成11年6月までに据
置期間は経過した。
(2) Dは,平成11年6月2日ないし4日ころ,本件会員権を株式会社Fゴ
ルフに700万円で譲渡し,名義書換えに関係する一件書類として,会員資格保証
金預り証,印鑑登録証明書並びにいずれもDの署名押印のあるゴルフ会員権譲渡通
知書及び退会届等を交付した。その際,Dは,本件会員権の最終譲受人に対し,D
に代わってゴルフ会員権譲渡通知書及び退会届を被上告人に提出する権限を与えた。
株式会社Fゴルフは,同月4日,株式会社Gに対し,本件会員権を725万円で
譲渡して前記一件書類を交付し,同社は,同日,上告人に対し,本件会員権を80
0万円で譲渡して同書類を交付した。
(3) 本件クラブの会則には,会員権の譲渡には,本件クラブの理事会の承認
を受けるなどの手続を要すると規定されているが,上告人はこの手続を経ていない。
(4) 上告人は,Dに代わって,被上告人に対し,平成11年6月5日ころ,
- 1 -
前記退会届を提出し,同月7日ころ,前記ゴルフ会員権譲渡通知書により,Dが上
告人に本件会員権を譲渡した旨を通知した。
上告人は,被上告人に対して,同月10日に到達した内容証明郵便をもって預託金
の返還を請求し,同年7月5日,預託金の返還を求める本件訴訟を提起した。
(5) 上告人は,ゴルフ会員権の売買等を業とする会社であるが,利益を得る
目的で,預託金の額を下回る価格でゴルフ会員権を譲り受け,ゴルフ場経営会社を
被告として預託金の返還を求める訴訟を提起するという行為を反復継続の意思の下
に行っており,東京地方裁判所に提起したものだけでも,本件以外に4,5件の同
種訴訟がある。本件会員権の購入も同様の行為の一環としてされたものである。
2 原審は,上記事実関係の下において,次のとおり判示し,上告人の請求を棄
却すべきものとした。
(1) 上告人は,会員権の譲渡について本件クラブの理事会の承認を受けてい
ないから,会員権に基づく権利を行使することができず,自ら被上告人に対して預
託金の返還請求をすることはできない。また,ゴルフ会員権は契約上の地位であっ
て,預託金返還請求権のみを分離して譲渡することはできないから,上告人は,預
託金返還請求権のみを取得することができない。上告人がD作成に係る退会届を被
上告人に送付したことは,上記の結論を左右しない。
(2) 上告人は,上記1(5)のとおり,ゴルフ会員権を譲り受け,訴訟によ
って預託金の返還を求めることを業としており,本件会員権の購入もその一環とし
てされたものであるから,上告人による本件会員権の譲受けは,弁護士法73条に
違反し無効である。
3 しかしながら,原審の上記各判断はいずれも是認することができない。その
理由は,次のとおりである。
- 2 -
(1) 原審の上記2(1)の判断について
上記事実関係によれば,本件会員権は,いわゆる預託金会員制ゴルフクラブの会
員契約に基づく契約上の地位として,会則に従ってゴルフ場を利用し得る権利及び
年会費納入等の義務と共に,会則に定める据置期間の経過後は,退会に伴って入会
時に預託した預託金の返還を請求することができる権利を内容とするものと解され
る。したがって,会則に定める据置期間の経過後に,会員が被上告人に対して退会
の意思表示をした場合には,退会によって会員契約が終了し,会員は,被上告人に
対して預託金の返還を請求することができる。そして,本件クラブの会則には会員
権の譲渡について理事会の承認等の手続を要するとの定めがあるが,これは会員契
約が継続している場合の規定であるから,退会した会員が預託金返還請求権を譲渡
することについて,この承認等の手続が必要となるものではない。
そうすると,Dから上告人に至る本件会員権の譲渡は,本件クラブの理事会の承
認等の手続を経ていないから,譲渡後においても,被上告人との関係では本件会員
権を有する者はDであったというべきであるところ,上告人が前記D作成名義の退
会届を同人に代わって被上告人に提出したことによって当該会員契約は終了し,D
は被上告人に対して預託金の返還を請求することができることになる。そして,本
件の事実関係の下においては,退会によって行使が可能となる預託金返還請求権は
,上記1(2)の各譲渡契約によって上告人に順次譲渡され,退会届の提出後,上
記1(4)の譲渡通知によって,被上告人に譲渡の通知がされたものと解するのが
相当である。したがって,上告人は,預託金返還請求権の取得を被上告人に対抗す
ることができるものというべきである。
以上によれば,原審の上記2(1)の判断には,判決に影響を及ぼすことが明ら
かな法令の違反がある。
(2) 原審の上記2(2)の判断について
- 3 -
弁護士法73条の趣旨は,主として弁護士でない者が,権利の譲渡を受けること
によって,みだりに訴訟を誘発したり,紛議を助長したりするほか,同法72条本
文の禁止を潜脱する行為をして,国民の法律生活上の利益に対する弊害が生ずるこ
とを防止するところにあるものと解される。このような立法趣旨に照らすと,【要
旨】形式的には,他人の権利を譲り受けて訴訟等の手段によってその権利の実行を
することを業とする行為であっても,上記の弊害が生ずるおそれがなく,社会的経
済的に正当な業務の範囲内にあると認められる場合には,同法73条に違反するも
のではないと解するのが相当である。
これを本件についてみるに,ゴルフ会員権の売買には,ゴルフ会員権市場ともい
うべき市場が存在し,その市場において多数の会員権の売買が日常的に行われてい
ることは公知の事実である。そして,ゴルフ会員権の売買等を業とする者が,業と
して,上記市場から,会員権取引における通常の方法と価格で会員権を購入した上
,ゴルフ場経営会社に対して社会通念上相当な方法で預託金の返還を求めたもので
あれば(記録によれば,上告人は,自己の行為がそのようなものであると主張して
いることが明らかである。),利益を得る目的で会員権を購入していたとしても,
上記の見地から同条に違反するものではないと解される場合もあるというべきであ
る。そうすると,上記1(5)の事実関係のみから,上告人の行為が同条に違反す
るものと即断することは許されず,さらに,上告人による本件会員権を含むゴルフ
会員権の譲受けの方法・態様,権利実行の方法・態様,上告人の業務内容やその実
態等を審理して,上告人の行為が濫訴を招いたり紛議を助長したりするおそれがな
いかどうかや同法72条本文が禁止する預託金の取立て代行業務等の潜脱行為に当
たらないかどうかなどを含め,社会的経済的に正当な業務の範囲内の行為であるか
どうかを判断する必要があるというべきである。
以上によれば,原審の上記2(2)の判断には,判決に影響を及ぼすことが明ら
- 4 -
かな法令の違反がある。
4 以上のとおり,論旨は理由があり,原判決は破棄を免れない。
そして,上告人の行為が弁護士法73条に違反するものであるかどうかについて
さらに審理判断させるため,本件を原審に差し戻すこととする。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
最高裁判所第三小法廷
(裁判長裁判官 濱田邦夫 裁判官 千種秀夫 裁判官 金谷利廣 裁判官 奥田
昌道)
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http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=52301&hanreiKbn=02
事件番号
平成12(受)828
事件名
預託金返還請求事件
裁判年月日
平成14年01月22日
法廷名
最高裁判所第三小法廷
裁判種別
判決
結果
破棄差戻し
判例集等巻・号・頁
民集 第56巻1号123頁
原審裁判所名
東京高等裁判所
原審事件番号
平成12(ネ)377
原審裁判年月日
平成12年03月29日
判示事項
他人の権利を譲り受けて訴訟等の手段によってその権利の実行をすることを業とする行為が弁護士法73条に違反するとはいえない場合
裁判要旨
他人の権利を譲り受けて訴訟等の手段によってその権利の実行をすることを業とする行為であっても,みだりに訴訟を誘発するなど国民の法律生活上の利益に対する弊害が生ずるおそれがなく,社会的経済的に正当な業務の範囲内にあると認められる場合には,弁護士法73条に違反するものではない。
参照法条
弁護士法73条
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小坂和輝
1)公益社団法人の定款の内容が違法の場合、欠格事由に該当し、公益認定が取消されます。
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公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律
(欠格事由)
第六条 前条の規定にかかわらず、次のいずれかに該当する一般社団法人又は一般財団法人は、公益認定を受けることができない。
三 その定款又は事業計画書の内容が法令又は法令に基づく行政機関の処分に違反しているもの
(公益認定の取消し)
第二十九条 行政庁は、公益法人が次のいずれかに該当するときは、その公益認定を取り消さなければならない。
一 第六条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至ったとき。
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2)公益社団法人の理事長、理事には、善管注意義務が生じています。
理事長、理事は、当該公益社団法人との、委任契約に基づき、理事長、理事の地位についています。
委任契約を結んだ場合、委任された側(受任者)には、民法644条に基づき、善管注意義務が生じています。
ついでにいいますと、民法645条で、説明責任も生じています。
**********************************
民法
(受任者の注意義務)
第六百四十四条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。
(受任者による報告)
第六百四十五条 受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。
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3)さらに、公益社団法人の理事長、理事には、誠実義務(忠実義務)が生じています。
理事長、理事の皆様は、当該公益社団法人と、委任契約に基づき、理事長、理事の地位についたことによって、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」83条で規定する誠実義務(忠実義務)という、善管注意義務よりさらに高度な責任を負っています。
注)、「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」は、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」の特別法であり、前者は、後者に包含される関係上、公益社団法人は、後者の規定にも沿う必要があります。
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「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」
(忠実義務)
第八十三条 理事は、法令及び定款並びに社員総会の決議を遵守し、一般社団法人のため忠実にその職務を行わなければならない。
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http://www.asahi.com/articles/ASG5K6FD0G5KULOB01T.html
厚木基地騒音訴訟、自衛隊機の飛行差し止め命令 全国初
及川綾子
2014年5月21日14時22分
米海軍と海上自衛隊が使用する厚木基地の周辺住民らが、騒音による被害を国に訴えた訴訟の判決が21日、横浜地裁であった。佐村浩之裁判長は、過去最高額となる総額約70億円の損害賠償に加えて、自衛隊機の午後10時~午前6時の間の飛行差し止めを初めて命じた。米軍機の飛行差し止め請求は退けた。
原告は基地のある神奈川県大和、綾瀬の両市や、東京都町田市などの住民約7千人。いずれも航空機の騒音基準「うるささ指数」(W値)が75以上の住民で、2007年以降に提訴し、総額53億8500万円の損害賠償を求めた。さらに提訴以降も一律月2万円の慰謝料などを求めたため、請求総額はさらに膨らんだ。
基地の騒音訴訟で、これまでに判決で認められた損害賠償の最高額は、沖縄・嘉手納基地の周辺住民が起こした訴訟の総額約56億2700万円だった。
大いに意義のある判決です。
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大飯原発3・4号機の再稼働差し止め命じる 福井地裁
太田航
2014年5月21日15時16分
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)をめぐり、住民らが関西電力に運転の差し止めを求めた訴訟の判決が21日、福井地裁であった。樋口英明裁判長は250キロ圏内に住む住民らは差し止めを求めることができると判断し、運転差し止めを命じる判決を言い渡した。
2011年3月の東京電力福島第一原発の事故後、原発の運転差し止めを求めた訴訟の判決は初めて。大飯原発は13年9月に定期検査のため運転を停止し、新規制基準に基づく原子力規制委員会の再稼働審査を受けている。
差し止めを命じたこの判決が確定しない限り、再稼働審査に適合すれば大飯原発の運転は可能だが、司法判断を無視して再稼働させることには世論の大きな反発が予想される。このため、全国の原発で再稼働に向けた動きが進む中、福井地裁の判決が注目されていた。
(旧)あん摩師、はり師、きゆり師及び柔道整復師法7条
(現在)あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆり師等に関する法律)
に対して、奥野健一最高裁裁判官は、違憲の判断を示しています。
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裁判官奥野健一の少数意見は次のとおりである。
広告が憲法二一条の表現の自由の保障の範囲に属するか否かは多少の議論の存す
るところであるが、同条は思想、良心の表現の外事実の報道その他一切の表現の自
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由を保障しているのであつて、広告の如きもこれに包含されるものと解するを相当
とする。広告が商業活動の性格を有するからといつて同条の表現の自由の保障の外
にあるものということができない。しかし、表現の自由といえども絶対無制限のも
のではなく、その濫用は許されず、また公共の福祉のため制限を受けることは他の
憲法の保障する基本的人権と変らない。従つて、広告がその内容において虚偽、誇
大にわたる場合又は形式、方法において公共の福祉に反する場合は禁止、制限を受
けることは当然のことである。
あん摩師、はり師、きゆり師及び柔道整復師法七条は、きゆう業を営む者はその
業に関しきゆう等の適応症について一切広告することを禁止している。すなわち、
虚偽、誇大にわたる広告のみならず適応症に関する真実、正当な広告までも一切禁
止しているのであつて、これに反する者を刑罰に処することにしているのである。
(明文上同条が正当な適応症の広告は禁止していないと解することは到底できな
い。)そもそも、本法はきゆう等の施術を医業類似の行為として一定の資格を有す
る者に対し免許によりこれを業とすることを許しているのである。すなわち、きゆ
う等の施術が何らかの病気の治療に効果のあることを認めて、その業務につき免許
制を採用しているのである。従つて、その施術が如何なる病気に効能があるか、真
実、正当に世間一般に告知することは当然のことであつて、かかる真実、正当な広
告まで全面的に禁止しなければならない保健、衛生上その他一般公共の福祉の観点
からもその理由を発見することができない。これは正に不当に表現の自由を制限し
ているものという外はない。
多数意見は、「もしこれ(広告)を無制限に許容するときは、患者を吸引しよう
とするためややもすれば虚偽誇大に流れ、一般大衆を惑わす虞がある」というので
あるが、単に広告が虚偽誇大に流れる虞があるからといつて、真実、正当な広告ま
でも一切禁止することは行き過ぎである。成程、取締当局としては予め一切の広告
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を禁止しておけば、虚偽、誇大にわたる広告も自然防止することができるであろう
が、かくては正当な広告の自由を奪うものであつて、取締当局の安易な措置によつ
て、正当な表現の自由を不当に制限するものである。これは恰も集団示威行進が時
として公安を害する危険性を包蔵するからといつて、公安を害する直接、明白な危
険もないのに、予め一切の集団行進を禁止するのと同様であつて、到底是認するこ
とができない。このことは人命、身体こきゆう等より重大な影響を持つ医薬品につ
いてさえ薬事法三四条が虚偽又は誇大な広告のみを禁止しているのと対比して考え
ても、きゆう等について特に医薬品と区別して正当な広告までも一切禁止しなけれ
ばならない合理的根拠を発見することができない。また、多数意見は「その結果適
時適切な医療を受ける機会を失わせるような結果を招来する」というのであるが、
若し然りとすれば、むしろ当初からきゆう等の施術の業務を禁止すべきであつて、
既に医業類似行為として病気治療上効果のあることを認めて、その業務を免許して
おきながら、その施術を受けると適時適切な医療を受ける機会を失わせるとの理由
で、正当な広告までも禁止することは、それ自体矛盾であるという外はない。
なお、一切の適応症の広告が禁止されている法制を前提として、これを甘受して
自ら進んで免許を受けた者であるから、今更適応症の広告禁止の違憲を主張するこ
とは許されないのではないかという疑問もあるが、かかる憲法の保障する表現の自
由の制限を免許の条件とするが如きことは許されざるところであるから、かかる議
論も成り立たない。
これを要するに、本法七条が真実、正当な適応症の広告までも一切禁止したこと
は不当に表現の自由を制限した違憲な条章であつて無効であると断ずるの外なく、
同条に則り被告人を処罰せんとする第一審判決は違憲であるから破棄を免れない。
**************************************
全文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319120022963374.pdf