区報3月1日号(町会配布で、すでにお手元に届いていると思います。)において、広報されておりますが、地区計画がこの度、大きく変更になります。
今までは、佃・月島・勝どき・豊海など住宅地域には、ホテルが建設し辛い地区計画(今回廃止になる「第二種中高層階住居専用地区」、「第三種中高層階専用地区」)であったこともあり、佃・月島にはまったくホテルが存在しませんでした。詳細:https://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/f75acbbf08cb6f8193950d52b7cc8bcd
ところが、今回の地区計画の変更に伴い、住宅地域にビジネスホテルが混在することが可能になります。
区としては、それらホテルのラウンジを地元住民が自由に使えるようになるから、地域福祉の向上につながるという考え方ですが、私が知る限り、そのように地域に開かれたホテルは存じ上げず、区の考えるようになるかどうか、疑わしいと思っています。
また、ホテルと住宅街がすでに混在している他地域においては、防犯面や災害時対応への不安だけではなく、ホテル滞在者による騒音、ホテルのネオンや看板による光害などの苦情が実際に多く寄せられている状況になっています。
今回の新しく実施される地区計画は、せっかくホテルがなく良好な住環境が保たれている佃・月島などにおいて、ホテルは容積率緩和基準からはずす、または、現状のしばりのままに据え置く微修正が必要であると強く感じるところです。
中央区は、地域の皆様に、このような地区計画が大きく変わることを説明したとしていますが、どれだけのかたが、このことをご存知でしょうか。
また、もうひとつ重大な問題は、住宅による容積率緩和を廃止し、生活利便施設による容積率緩和に変更することで、多くのマンションが既存不適格(当時の地区計画では合法であったとしても、新しい地区計画で見ると違法になってしまう状態)となってしまいます。すなわち、建て替えの際に、同じ住戸数や同じ大きさの部屋をつくることができなくなり、住戸数を減らすか、部屋を狭くする必要性がでてきます。
区の言い分としては、制度改正により、過去には共用部も容積率の算入対象だったのが対象でなくなったことによって、その分、住戸に割けるから問題は少ないとしています。
そうであったとしても、既存不適格の影響を受けるマンションの住民の皆様には、丁寧に事前に既存不適格になる事実をお伝えし、今回の地区計画の変更の手続きをすすめるべきであったと考えます。
皆様のマンションにそのようなお知らせが来ましたでしょうか?
以下、区報の該当部分を抜粋します。
また、そのことを報じた朝日新聞記事を掲載します。
この朝日新聞記事は、誤解を生む可能性があるために注意して読むべきところは、この地区計画変更で「人口増に歯止めをかける狙い」の部分です。記事の後半にありますように、「タワーマンションは別の制度を利用している」ため、今回の地区計画で、タワーマンションに伴う人口急増には対応できず、「人口増に歯止め」はかからないと推察致します。
逆に、地区計画変更で人口増に歯止めをかけようと狙って、一方で、これからも28ある再開発でタワーマンションがまだまだ林立することで人口急増を招くという、政策としてちぐはぐであるという厳しい批判を受けてしまう現実に中央区はあります。
現状のタワーマンションと戸建や低層マンションなど低層住宅の混在が中央区の魅力を高めていますが、これ以上、タワーマンションが増えてしまうと、タワーマンションも含めた既存マンションの価値も落ちることに繋がり、たいへん問題があります。
まちづくりの非常に難しいかじ取りの局面に中央区は差し掛かっています。
〇朝日新聞2019.02.23
〇区報 2019.3.1号