さて、いよいよ5/31は、「第7回 豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議」が、開催されます。
専門家の委員は、
平田建正(ひらたたてまさ)氏 和歌山大学システム工学部 教授(学部長)
専門:有害物質
森澤眞輔(もりさわしんすけ)氏 京都大学大学院工学研究科 教授
専門:水質
駒井武((こまいたけし)氏 独立行政法人産業技術総合研究所
地圏資源環境研究部門 副研究部門長
専門:土質
内山巖雄(うちやまいわお)氏 京都大学大学院工学研究科 教授
専門:環境保健
以上、4人。
主な検討事項は、「提言素案について」である。
今回なされた4200箇所の土壌汚染調査に基づいて、提言がつくられる。
豊洲新市場予定地で実施された「土壌・地下水の詳細調査」の概要は、
平成20年2月13日 東京都中央卸売市場 が、明らかにしたところによると、
①土壌・地下水の詳細調査
豊洲新市場予定地の汚染状況を把握するため、全域を10メートルメッシュ(約4,200
箇所)に区分して、東京ガス(株)豊洲工場操業時の地盤面(以下「旧地盤面」という。)下の土壌及び地下水を調査します。
②調査対象物質
東京ガス(株)豊洲工場の操業に伴い、汚染の可能性があるベンゼン・シアン化合物・ヒ素・鉛・水銀・六価クロム・カドミウムの7物質を対象とします。
③ 絞込調査(対策に必要な調査)
土壌・地下水の詳細調査で、土壌が処理基準を超過した箇所及び地下水で環境基準
の10倍を超過した箇所を対象として、旧地盤面から1メートル間隔で不透水層の上端
までの土壌を調査します。また、旧地盤面から上の覆土についても調査します。
となっている。
調査会社は、
5街区
平成20年2月15日(金) 調査開始
調査機関:いであ(株)
分析機関: いであ(株)
6街区
平成20年2月13日(水)調査開始
調査機関:応用地質(株)
分析機関:エヌエス環境(株)
帝人エコ・サイエンス(株)
7街区
平成20年2月15日(金) 調査開始
調査機関:日立プラント建設サービス(株)
分析機関:日立プラント建設サービス(株)
習和産業(株)
日立協和エンジニアリング(株)
写真に、その調査スケジュールを示している。
現在、対策に必要な調査としての絞込み調査をしている段階である。
その調査は、6月下旬になる。
ここで、単純な疑問がわく。
絞込調査の結果を待たずして、
今回の第7回の専門家会議を開く意義はなんなのか?
絞込調査の結果次第では、
もっと汚染の深刻な状況が判明することで
立てる対策が変わってきたりはしないのだろうか?
****絞込調査について****
絞込調査は、対策に必要な調査のことであり、
土壌・地下水の詳細調査で、土壌が処理基準を超過した箇所及び地下水で環境基準
の10倍を超過した箇所を対象とするとある。
①土壌用出量で評価した場合、処理基準超過ポイントは、
ベンゼン 35箇所 全体4122箇所の0.8%
シアン 90箇所 全体4122箇所の2.2%
ヒ素 307箇所 全体4122箇所の7.4%
鉛 13箇所 全体4122箇所の0.3%
水銀 10箇所 全体4122箇所の0.3%
六価クロム10箇所 全体4122箇所の0.2%
カドミウム 7箇所 全体4122箇所の0.2%
②土壌含有量で評価した場合、処理基準超過ポイントは、
シアン 1箇所 全体4122箇所の0%
ヒ素 0箇所 全体4122箇所の0%
鉛 42箇所 全体4122箇所の1.0%
水銀 0箇所 全体4122箇所の0%
六価クロム 0箇所 全体4122箇所の0%
カドミウム 0箇所 全体4122箇所の0%
③地下水質で評価した場合、環境基準超過ポイントは、
ベンゼン 561箇所 全体4122箇所の13.6%
シアン 966箇所 全体4122箇所の23.4%
ヒ素 177箇所 全体4122箇所の4.3%
鉛 37箇所 全体4122箇所の0.9%
水銀 1箇所 全体4122箇所の0%
六価クロム 0箇所 全体4122箇所の0%
カドミウム 2箇所 全体4122箇所の0%
地点としては、重なっていることを考えると単純には言えないが、
シアンだけ見ても、4122箇所中の23.4%すなわち約1/4の地点で、
絞込み調査をすることになる。
絞込調査:
旧地盤面から1メートル間隔で不透水層の上端までの土壌を調査します。
また、旧地盤面から上の覆土についても調査します。
どうか絞込調査結果をきちんと私達の前に公表し、
それに対して、きちんと対応できる対策を
立てていただきたい。
****絞込調査について終わり****
前回第6回の専門家会議では、リスク評価は、
ベンゼンとベンゾ(a)ピレン、芳香族炭化水素画分については「土壌中からの汚染空気の摂取による影響の評価」ということでなされていた。
その他の有害化学物質であるシアン化合物をはじめ、ヒ素、鉛、水銀、六価クロム、カドミウムの人の健康リスクは評価されていません。
私は、事務局であるところの中央卸売市場の担当の方に、
下記2点を、第6回専門家会議が終ってから要望として出しています。
①ベンゼン以外の有害化学物質、とくにシアン化合物のリスク評価
どれだけ人の健康リスクを与える可能性があるのか?
シアン化合物は、不安定で分解しやすい旨のコメントが、私が前回の会議で質問した時でたが、ならばなぜ、石炭ガス製造が1956年(昭和31年)から1976年(昭和51年)までなされていたその影響が、1976年(昭和51年)から30年以上経った今に至るまで、広範な範囲で検出されてはいけない地下水において検出されるという形で残るのだろうか。
②医学的な分野の専門家による評価
対策を立てることで、人の健康リスクは本当になくなるのか、医学的な分野の専門家による評価を出していただきたい。
前回の専門家会議の質問でも述べたが、シアン化合物は、青酸ソーダ、青酸カリ、青酸ガスでしられているとおり猛毒で、「気体の毒性は、20ppmで症状が生じ、270ppmで即死」というデータがある。また「0.2g程度というごく少量口に入ることで体重60kgの人が即死する」とも言われています。
猛毒の化学物質であるシアン化合物が、検出されてはならないという地下水で、調査地点の約1/4の非常に広範な範囲で検出されてほんとうに大丈夫と言えるのでしょうか?
どうか、今回第7回の専門家会議で回答が入っていることを願っています。
また、
第6回の専門家会議の質疑や、その他の人の意見を聞いたり、文献に当たっていますと、その他にも疑問はあります。
強く疑問に思う点は、
①地下水は、AP2mで本当に管理可能か?
台風などの時は、地下水の急激な上昇があって、ベンゼンやシアン化合物で汚染された地下水が一気に上昇し、地表面を汚染。市場で働く人たちへのベンゼンによる発ガンや、シアン化合物を吸入や経皮的に吸収することでの健康被害が本当に起きないといえるのであろうか?
②地下水の評価が不十分である。
地下水自体はどのように分布し、どのような方向に流れているのであろうか?地下水の上下方向の変動はどの現状でどのくらいあるのか?
③安全な地下水や海水が使える場所を市場として選ぶことの必要性が将来的に考えられる。
鮮魚の市場は、海水で作業場を洗ったりもするらしい。また、水不足などで将来的に地下水を使用して市場に供給しなければならない選択肢もでるかもしれない。その時に、土壌汚染の豊洲では不可能なことであり、この点から、市場にするには不適切と考えられる。
④なぜ、頑なに不透層の土壌汚染の調査を行わないのか?
大阪市立大学の土壌汚染専門家畑明郎氏や日本環境学会の坂巻幸雄氏が再三、質問で不透水層である有楽町層の地盤も土壌調査すべきであるという指摘に対して、調査を行わなくても大丈夫であると言う専門家からの回答を頂いていない。
明確な理由なく拒むのであれば、不透層に汚染物質を埋めたとかそんなことはないにしても、不透層に汚染物質が沈殿していて汚染状況がひどいからあえて調査を行わないということを疑いたくなる。
⑤液状化現象の対策が大丈夫であると言う証明がなされていない。
今回は、地震の専門家がいないわけであり、十分な評価がかけている。
⑥土壌改良後の再度土壌調査を
これだけの汚染があったのであるから、土壌改良後の安定した状態で、再度調査をすべきである。そして、土壌が本当に安全に改良したことや、地下水で本当にシアンが検出されなくなったことを確認してから、市場建設に入るべきである。
どうか、科学者として、これらの疑問に十分な説明をお願いしたい。
そして、生鮮食料品をあつかう市場としてふさわしくない、人の健康リスクに関して安全性が保障できないという考えをお持ちであるならば、土壌汚染対策をいうよりも、まず第一に他の候補地を探すべきであるという結論を科学者として出していただきたいと思います。
本日の専門家会議、傍聴席の抽選に当たるように、昨晩、月島観音様にお祈りをしてきました。
医師、
医学博士 小坂和輝
メール:kazuki.kosaka@e-kosaka.jp
専門家の委員は、
平田建正(ひらたたてまさ)氏 和歌山大学システム工学部 教授(学部長)
専門:有害物質
森澤眞輔(もりさわしんすけ)氏 京都大学大学院工学研究科 教授
専門:水質
駒井武((こまいたけし)氏 独立行政法人産業技術総合研究所
地圏資源環境研究部門 副研究部門長
専門:土質
内山巖雄(うちやまいわお)氏 京都大学大学院工学研究科 教授
専門:環境保健
以上、4人。
主な検討事項は、「提言素案について」である。
今回なされた4200箇所の土壌汚染調査に基づいて、提言がつくられる。
豊洲新市場予定地で実施された「土壌・地下水の詳細調査」の概要は、
平成20年2月13日 東京都中央卸売市場 が、明らかにしたところによると、
①土壌・地下水の詳細調査
豊洲新市場予定地の汚染状況を把握するため、全域を10メートルメッシュ(約4,200
箇所)に区分して、東京ガス(株)豊洲工場操業時の地盤面(以下「旧地盤面」という。)下の土壌及び地下水を調査します。
②調査対象物質
東京ガス(株)豊洲工場の操業に伴い、汚染の可能性があるベンゼン・シアン化合物・ヒ素・鉛・水銀・六価クロム・カドミウムの7物質を対象とします。
③ 絞込調査(対策に必要な調査)
土壌・地下水の詳細調査で、土壌が処理基準を超過した箇所及び地下水で環境基準
の10倍を超過した箇所を対象として、旧地盤面から1メートル間隔で不透水層の上端
までの土壌を調査します。また、旧地盤面から上の覆土についても調査します。
となっている。
調査会社は、
5街区
平成20年2月15日(金) 調査開始
調査機関:いであ(株)
分析機関: いであ(株)
6街区
平成20年2月13日(水)調査開始
調査機関:応用地質(株)
分析機関:エヌエス環境(株)
帝人エコ・サイエンス(株)
7街区
平成20年2月15日(金) 調査開始
調査機関:日立プラント建設サービス(株)
分析機関:日立プラント建設サービス(株)
習和産業(株)
日立協和エンジニアリング(株)
写真に、その調査スケジュールを示している。
現在、対策に必要な調査としての絞込み調査をしている段階である。
その調査は、6月下旬になる。
ここで、単純な疑問がわく。
絞込調査の結果を待たずして、
今回の第7回の専門家会議を開く意義はなんなのか?
絞込調査の結果次第では、
もっと汚染の深刻な状況が判明することで
立てる対策が変わってきたりはしないのだろうか?
****絞込調査について****
絞込調査は、対策に必要な調査のことであり、
土壌・地下水の詳細調査で、土壌が処理基準を超過した箇所及び地下水で環境基準
の10倍を超過した箇所を対象とするとある。
①土壌用出量で評価した場合、処理基準超過ポイントは、
ベンゼン 35箇所 全体4122箇所の0.8%
シアン 90箇所 全体4122箇所の2.2%
ヒ素 307箇所 全体4122箇所の7.4%
鉛 13箇所 全体4122箇所の0.3%
水銀 10箇所 全体4122箇所の0.3%
六価クロム10箇所 全体4122箇所の0.2%
カドミウム 7箇所 全体4122箇所の0.2%
②土壌含有量で評価した場合、処理基準超過ポイントは、
シアン 1箇所 全体4122箇所の0%
ヒ素 0箇所 全体4122箇所の0%
鉛 42箇所 全体4122箇所の1.0%
水銀 0箇所 全体4122箇所の0%
六価クロム 0箇所 全体4122箇所の0%
カドミウム 0箇所 全体4122箇所の0%
③地下水質で評価した場合、環境基準超過ポイントは、
ベンゼン 561箇所 全体4122箇所の13.6%
シアン 966箇所 全体4122箇所の23.4%
ヒ素 177箇所 全体4122箇所の4.3%
鉛 37箇所 全体4122箇所の0.9%
水銀 1箇所 全体4122箇所の0%
六価クロム 0箇所 全体4122箇所の0%
カドミウム 2箇所 全体4122箇所の0%
地点としては、重なっていることを考えると単純には言えないが、
シアンだけ見ても、4122箇所中の23.4%すなわち約1/4の地点で、
絞込み調査をすることになる。
絞込調査:
旧地盤面から1メートル間隔で不透水層の上端までの土壌を調査します。
また、旧地盤面から上の覆土についても調査します。
どうか絞込調査結果をきちんと私達の前に公表し、
それに対して、きちんと対応できる対策を
立てていただきたい。
****絞込調査について終わり****
前回第6回の専門家会議では、リスク評価は、
ベンゼンとベンゾ(a)ピレン、芳香族炭化水素画分については「土壌中からの汚染空気の摂取による影響の評価」ということでなされていた。
その他の有害化学物質であるシアン化合物をはじめ、ヒ素、鉛、水銀、六価クロム、カドミウムの人の健康リスクは評価されていません。
私は、事務局であるところの中央卸売市場の担当の方に、
下記2点を、第6回専門家会議が終ってから要望として出しています。
①ベンゼン以外の有害化学物質、とくにシアン化合物のリスク評価
どれだけ人の健康リスクを与える可能性があるのか?
シアン化合物は、不安定で分解しやすい旨のコメントが、私が前回の会議で質問した時でたが、ならばなぜ、石炭ガス製造が1956年(昭和31年)から1976年(昭和51年)までなされていたその影響が、1976年(昭和51年)から30年以上経った今に至るまで、広範な範囲で検出されてはいけない地下水において検出されるという形で残るのだろうか。
②医学的な分野の専門家による評価
対策を立てることで、人の健康リスクは本当になくなるのか、医学的な分野の専門家による評価を出していただきたい。
前回の専門家会議の質問でも述べたが、シアン化合物は、青酸ソーダ、青酸カリ、青酸ガスでしられているとおり猛毒で、「気体の毒性は、20ppmで症状が生じ、270ppmで即死」というデータがある。また「0.2g程度というごく少量口に入ることで体重60kgの人が即死する」とも言われています。
猛毒の化学物質であるシアン化合物が、検出されてはならないという地下水で、調査地点の約1/4の非常に広範な範囲で検出されてほんとうに大丈夫と言えるのでしょうか?
どうか、今回第7回の専門家会議で回答が入っていることを願っています。
また、
第6回の専門家会議の質疑や、その他の人の意見を聞いたり、文献に当たっていますと、その他にも疑問はあります。
強く疑問に思う点は、
①地下水は、AP2mで本当に管理可能か?
台風などの時は、地下水の急激な上昇があって、ベンゼンやシアン化合物で汚染された地下水が一気に上昇し、地表面を汚染。市場で働く人たちへのベンゼンによる発ガンや、シアン化合物を吸入や経皮的に吸収することでの健康被害が本当に起きないといえるのであろうか?
②地下水の評価が不十分である。
地下水自体はどのように分布し、どのような方向に流れているのであろうか?地下水の上下方向の変動はどの現状でどのくらいあるのか?
③安全な地下水や海水が使える場所を市場として選ぶことの必要性が将来的に考えられる。
鮮魚の市場は、海水で作業場を洗ったりもするらしい。また、水不足などで将来的に地下水を使用して市場に供給しなければならない選択肢もでるかもしれない。その時に、土壌汚染の豊洲では不可能なことであり、この点から、市場にするには不適切と考えられる。
④なぜ、頑なに不透層の土壌汚染の調査を行わないのか?
大阪市立大学の土壌汚染専門家畑明郎氏や日本環境学会の坂巻幸雄氏が再三、質問で不透水層である有楽町層の地盤も土壌調査すべきであるという指摘に対して、調査を行わなくても大丈夫であると言う専門家からの回答を頂いていない。
明確な理由なく拒むのであれば、不透層に汚染物質を埋めたとかそんなことはないにしても、不透層に汚染物質が沈殿していて汚染状況がひどいからあえて調査を行わないということを疑いたくなる。
⑤液状化現象の対策が大丈夫であると言う証明がなされていない。
今回は、地震の専門家がいないわけであり、十分な評価がかけている。
⑥土壌改良後の再度土壌調査を
これだけの汚染があったのであるから、土壌改良後の安定した状態で、再度調査をすべきである。そして、土壌が本当に安全に改良したことや、地下水で本当にシアンが検出されなくなったことを確認してから、市場建設に入るべきである。
どうか、科学者として、これらの疑問に十分な説明をお願いしたい。
そして、生鮮食料品をあつかう市場としてふさわしくない、人の健康リスクに関して安全性が保障できないという考えをお持ちであるならば、土壌汚染対策をいうよりも、まず第一に他の候補地を探すべきであるという結論を科学者として出していただきたいと思います。
本日の専門家会議、傍聴席の抽選に当たるように、昨晩、月島観音様にお祈りをしてきました。
医師、
医学博士 小坂和輝
メール:kazuki.kosaka@e-kosaka.jp