中央区議会第三回定例会が10月19日に閉会を致しました。
その決算特別委員会においても、月島三丁目南地区市街地再開発問題は、①地権者同意率が8割にも届かず低いまま(77.5%)であり、このまま都市計画の手続きを進めるべきではないこと、②4/27と5/7に開催された住民説明会では、質疑が時間切れで終わっており、再度、住民説明会が開催されるべきこと(なお、出席されたかたはご存知のように、同説明会では、「質疑時間が少なく再度開催されるべきこと」や、「本事業を中止すべきこと」の意見が出されたにもかかわらず、準備組合作成の報告書(書式欄6に記載部分)には、それら意見が忠実に反映されず削除された記載になっています。)、③そもそも本事業の計画は、一任意団体である準備組合が作ったものであるが、周辺住民や借家人には一切知らせず排除した作成過程には問題があって地元の提案とするには正統性がないことなど様々な問題点が議論されました。
私たちは、住民の合意形成を得られないまま都市計画を進めるべきではないとして、8月21日付で、本事業に潜む多くの問題点を解決せずに、都市計画手続きを進めることを一時中止し、地権者・借家人はじめ地域住民との合意形成を得る時間と場所を作ることを趣旨とする「要望書(別紙4)」を準備組合へ提出致しましたが、準備組合からは、なんらの返答もなく現在に至りました。そこで、10月17日付で、再度、準備組合の理事の皆様宛に、話し合いの場を作っていただけるように「下記 要望書」を提出致しました。
10月20日付で、準備組合から対応方針について協議がなされる旨のお返事をいただきましたことをご報告させていただきます。
まちづくりの主役は、準備組合事務局(事務員は大成建設社員)や準備組合コンサルタント(本郷計画事務所)ではなく、住民です。住民同士の話し合いで、このまちの再生のあり方を考えて行くべきであり、その話し合いの結論が出されるまでは、都市計画案を都市計画審議会へ付議することは、ありえないと考えます。
是非とも、住民同士で膝を突き合わせ、このまちの再生のありかたを考えていきましょう。
「愛する月島を守る会」の次回第14回勉強会は、10月30日(月)19時~いつもと同じ「あすなろの木」(月島三丁目30-4飯島ビル1F)で開催を致します。
都市計画原案の意見募集には、様々な意見が中央区に届けられたと思います。「愛する月島を守る会」で集約し、次号第23号において皆様と作成者名は伏せた形で供覧をしたいと考えます。賛否を問わず、ご意見を提出されたかたで供覧が可能な方は、お知らせ下さい。
以上
*******平成29年10月17日付 要望書***********************
平成29年10月17日
月島三丁目南地区市街地再開発準備組合
理事 各位
『都市計画手続きを一時中止すること及び理事の皆様との話し合いの場を作ることについての要望書』
私たちは、『月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業』(以下、「本事業」という。)の計画概要が、平成29年4月27日と同年5月7日の両日開催された「中央区まちづくり基本条例に基づく説明会」において、施行区域内借家人や周辺地域住民に対して初めて明らかにされて以来、地元有志により、「愛する月島を守る会」を結成して、月島のまちづくりのあり方について勉強会を重ねて参りました。当初は、「月島再開発問題と月島の再生を考える会」を仮称とし、途中から、この名称に決定を致しております。
本事業の再開発には、様々な問題点があり、160名にも上る賛同者から『請願』が中央区議会に提出され、また、82名に上る請求人から諸問題が解決されるまでは予算執行をしてはならないことを求める『住民監査請求』(別紙1、2)が、中央区へ提出されている状況です。
都市計画手続きを進めるに当たって最も重要な指標である「同意率」についても、本事業施行区域内の地権者から「都市計画手続きに関する同意書」を撤回されるかたが出て来られています。本年10月開催の決算特別委員会で確認された同意率は、現在7割7分(同意者79/地権者総数102、地権者に都を含めずに計算)にまで下がっています。月島地区のまちづくりでは、中央区が都市計画手続きに入る場合は、9割の同意率で行っており(決算特別委員会で配布された【資料198】を別紙3として添付)、8割にも満たない状態で進めることは、中央区としても「同意率9割の慣例」に反し重大な手続き違反の状態にあります。さらに、このような低いままであると、本事業の再開発組合設立の際に今後集められることとなる「同意書」において、「3分の2の要件」(①宅地所有者の同意者が3分の2、②借地権者の同意者が3分の2、③同意した宅地所有者の宅地と同意した借地権者の借地の面積合計が宅地・借地面積総合計の3分の2、これら①~③がそろって初めて再開発組合が設立できるとする要件、従って、いずれかが欠けると設立ができなくなる。)が満たされなくなり、再開発組合設立自体ができないということにもなりかねません(都市再開発法14条1項)。
私たちは、平成29年8月21日に、準備組合の理事様宛てに、『「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」の都市計画手続きの一時中止を求める要望書』(別紙4)を提出させていただきましたが、その後、ご回答をいただけておりません。
中央区は、期間本事業に関連した都市計画原案の説明会(平成29年9月20日)、公告・縦覧(平成29年9月21日~同年10月4日)及び意見書募集(平成29年9月21日~同年10月11日)を実施いたしました。このままでは、住民の合意形成が不十分なまま、都市計画が進められていくこととなります。
私たちは、この地域の課題を解決するまちづくりのあり方について一緒に考えて参りたく、以下の二点を、あらためて、理事の皆様にご要望させていただきます。
一、この再開発に潜む諸問題が解決されるまでは、都市計画の手続きを一時中止することを求めます。
一、この再開発に潜む諸問題の解決に向けて、理事の皆様とこの地域の地権者・借家人・住民との間での話し合いの場を作ることを求めます。
よろしくご検討いただけますように、よろしくお願い申し上げます。
愛する月島を守る会
事務局〒104-0052 中央区月島3丁目30-4飯島ビル1F
電話03-5547-1191fax03-5547-1166
(*別紙1、2のご必要の方は、お問い合わせ下さい。ネット上からも御覧になれます。)
【別紙1】(第14号で配布済み)
住民監査請求 別紙証拠を除いた本文部文
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/cda3b6b34f06be790ed1c3a51baba4cf
【別紙2】(第18号で配布済み)
住民監査請求 陳述書
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/1851c918a63d242b1a4164c9b4158054
【別紙3】
決算特別委員会で配布された【資料198】
【別紙4】
*******平成29年8月21日付 要望書***********************
平成29年8月21日
中央区長
中央区都市整備部長
月島地区まちづくり協議会
月島三丁目南地区市街地再開発準備組合理事の皆様
『「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」の都市計画手続きの一時中止を求める要望書』
要望の趣旨:
月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業(以下、「本事業」という。)に潜む多くの問題点を解決せずに、都市計画の手続きを進めることを一時中止し、地権者・借家人はじめ地域住民との合意形成を得る時間と場所を作ることを要望致します。
理由:
本事業について本年4月に住民説明会がなされて以降、問題意識を持たれる住民のかたが広がりつつあります。5月7日の住民説明会において「月島三丁目南地区市街地再開発準備組合(以下、「再開発準備組合」という。)にも提出をした『「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」を中止したうえで、地域コミュニティを守る月島再生の検討を求める請願(以下、「請願」という。)』の賛同者も134名(8月21日現在)に達し、まだまだ、増加が見込まれています。中央区議会のほうにも、6月16日受理され、只今、常任委員会の一つである環境建設委員会において本事業の諸問題が審査中です。
本事業は、“決定”はまだなされていないものの動き出しています。今年度の中央区予算には本事業について1億5千8百万円もの予算が計上されています。9月には、都市計画原案の公告・縦覧が予定される等、このままでは多くの住民が知らない間にますます事業が進んで行ってしまいます。
「そもそも、そこまで巨大な超高層マンション建設が必要か?」と誰もがまず首を傾げられますように、高さ190m50階建て750戸の超高層分譲マンション建設の性格を持つ本事業には様々な問題点があります。
すなわち、超高層巨大マンションとなるため、管理費・家賃が高くなるだけではなく、修繕積立金、固定資産税・相続税などの高額の負担も将来的に生じうることなど金銭負担の問題や、管理運営の問題。超高層マンションに内在する火災や震災など、災害への脆弱性の問題。
750戸住宅供給の人口増に伴う都市基盤整備が追い付いておらず学校・保育園や高齢者施設へ負荷をかける問題。環境負荷の問題。月島第一小学校はじめ周辺地域への風害、日影被害、工事に伴う騒音・振動・粉じん被害などの問題。
本事業により、お隣さんやご近所さんが、ちりぢりばらばらになり、月島のまちづくりの歴史とともに今まで培われてきた月島の顔の見える地域コミュニティーや下町月島の生活景が消滅してしまう問題。一たびなくなると、二度と、同じコミュニティーは作り直せません。
本事業の計画自体においても、十分に検討をすべき様々な問題点があると考えられます。開発を望まない地権者を施行区域に含めてしまっている点。保育園が一番日影被害の大きい場所に配置されており、配置の変更が必要です。高齢者施設は、そのニーズが高い地域であるにも関わらず、配置の計画がなされていません。機械式駐車場は、将来の改修工事への負担が生じるにも関わらず、設置が計画されています。等々。
私たちは、請願の趣旨の通り、本事業を中止し、地域コミュニティを守る月島再生の検討を求めるものではありますが、少なくとも、現時点においては、地権者・借家人はじめ地域住民の合意形成が得られているとは言えず、都市計画の手続きを一時中止し、合意形成のための時間と場所を作ることを要望致します。
約束がされたにも関わらず、借家人や周辺地域の住民への都市計画素案(本事業計画素案)や都市計画原案(本事業計画原案)へ、意見が反映される場が、再開発準備組合から作られず現在に至っております。今一度、立ち止まり、本事業に関係するすべての住民の意見をできる限り反映して、将来の月島像を見据えた地域コミュニティを守る再生の方法が考案・提案されることを強く望んでいます。
以上
第5回月島再開発問題と月島の再生を考える会(仮称)
出席者一同