参加住民の立場からみると、まず、防災拠点訓練会場で一時間程度訓練後、バスで移動し、晴海五丁目合同訓練会場で二時間程度見学・体験をすると言う流れ。
私は、まず、地元町会のある月島第一小学校で、消防団員として参加。
訓練は、三種類。
○要援護者支援訓練:民生委員による車椅子介助の仕方の解説後、段差・狭い道・坂道・砂利道を実際に車椅子介助
○初期消火訓練:消防署員による火災警報器の設置の重要性の解説、その警報音の体験後、消火器を用い消火訓練。消防団員は、初期消火訓練で消火器の使い方を指導。
○緊急地震速報展示・特設公衆電話体験:実際に地震速報がどのように作動するかの解説
月島第一小学校防災拠点運営委員会に属す10の組織が集まった。住民は概算、300人程度参加したようであった。
感じたこととして、地元町会を構成する高齢者は多く参加したが、家族連れや在住外国人の参加は、少なかった。これらの方の参加をもっと呼びかける必要があると思う。
防災拠点運営委員会ごとの防災訓練では、是非、もっと幅広く決め細やかに広報し、多くの住民の参加のもと実施されることを期待したい。各校に担当の医師を配置しているので、それら医師にも開催の声かけを忘れずに入れていただきたい。
晴海合同訓練会場では、負傷者の救護訓練(トリアージ訓練)を見学した。
負傷者が、搬送テント内でまず、軽症・中等症・重症に程度別に分類され(トリアージされ)、重症度別テントへ搬送。そこで重傷者はさらに救急車で病院搬送。
別の経路として、自衛隊テントへ搬送。重傷者は、簡易手術室で手術。もしくは、海上保安庁巡視船へ搬送され、静岡県の病院へ海路搬送。巡視船内、重症患者発生したためヘリで緊急搬送。
訓練開始一時間程度で、45名の重傷者、45名の中等症者を救急搬送したという放送が流れた。
東京都の訓練ということもあり、例年の中央区のみの訓練とは、規模が格段に大きく、実践のイメージをもつのに非常に役立った。
毎年、各地を巡回して東京都の訓練は開催され、たまたま今年は中央区と江東区であったが、今後できるだけ参加し、一年に一度は、本番さながらの訓練体験し災害時のイメージを膨らませる必要性を私自身感じた。
災害時、医師ひとりひとりが、トリアージの先頭に立つことになる。外科系に限らずそれは、耳鼻科であろうが皮膚科であろうが小児科であろうが内科であろうが、すべての科の医師に課せられる。
一年に一度は、トリアージ訓練をすべての医師が体験する場を作るべきであると思う。ICT技術を用い、体験プログラムを組めないものだろうか。
訓練後の各セクションごとの反省会では、
*動線確保、
*患者への声かけ、配慮
*チームリーダーの指揮下の行動
*情報伝達
等に関し、意見が出ていた。
全体の講評(晴海会場では、副知事と中央区長の二氏)後、訓練は終了となった。
巡視船の見学があったので、参加。『海猿』の現場を見た。
酸素が天井からも供給できる体制が、医療室だけでなく、大広間にも取られていた。
船内は閉鎖空間をすぐに作れる構造にする必要があるため、出入り口の大きさも限られ、高い段差もあることがやむを得ないことが理解できた。
総じて、
*年に一度は、防災訓練(医師は、トリアージ訓練も含め)・消火訓練や救命講習・心肺蘇生訓練。
*日頃から地域のお互い顔の見れる関係を気付くこと=災害に強い地域
*火災報知機の設置義務可(平成24年4月)までの設置完了と作動点検
*各関連機関の災害時の連携の取り方のきめ細かな打ち合わせ
これらの必要性を痛感した一日であった。