本日2025年1月24日、大内紀彦氏による『なぜインクルーシブ教育なのか ~イタリアの教育を支える理念と論理~』と題する講演会を拝聴しました。
****講演内容*****
●イタリアがどのようにフルインクルーシブを達成しているか。
1,少人数の学級編成
障がい児のいるクラスの定員は20名
2,協同学習に重き
3,教科に基づかない合科的な授業
4,多様な指導者・支援者
地域保健機構所属の医師、セラピストの協力
5,学校と外部の関係機関の連携
社会的協同組合所属のアシスタント、教育士の協力
●イタリアの教育の特徴
教育・支援活動の学際的な広がり、空間的な広がり、時間的な広がり
●イタリアは、どのように、改革をしたのか。
1971年法律第118号、重度の障害児を除き、小学校で通常教育を受ける権利
➡障害児に対しての平等な権利を主張、
特別学級や特別学校は、障害児の社会的な疎外をより深刻化させている
1975年ファルクッチ報告書
1977年法律第517号、重度の障害児を除き、小中学校ですべての障害児が通常教育を受ける権利を保障
1987年憲法裁判所第215号、高校で
1991年、幼稚園(3-6才)で。
1992年法律第104号第12条
保育園(0-3歳)、大学で
1971年法律118ごうにあった「重度の障害児を除き・・・」という条項を撤廃
●イタリアと日本の違い
イタリア:依存先を増やす分離
日本:分離した社会で生きて行けるように自立を要求する。
******質疑応答*********
1、支援教師のつきかた、
加配、障害認定の生徒に加配、生徒の障害の実態による。
クラス全体をみる。
2,日本は減少している。教職の位置づけ
イタリアでは、教職員は不足していない。
認定者増えていて、支援教師が不足。
3,子ども同士のやりとりは、支援教師が入るが
ケースバイケース、障害が重くなると支援教師がずっとつくことが多くなる。
クラス全体の運営をみている。
4、知的障害、どういう学習内容なのか。
すべての授業に参加。授業を理解できない場面が多々ある。
対処法2つ。
授業の難易度を落とした課題を出す。
授業に関連した他の課題を出す。
5,障害の認定
軽いものでも、認定がおりなくても
6,統合とフル
1970年代からフルを目指した。
1992年からフルと言える。
7、盲学校の存在
支援学校が残る。
40-50校残る。
規模が小さい30-40名。
医療機関と併設。
盲学校、聾学校残る
専門性が高い技能を蓄える。
医療と福祉の近いところでの学校
支援学校をインクルーシブにしていくこともあるだろう。
8,日本は、卒業後、分離となるが、イタリアでは
基本、障害者だけの職場はない。
雇用率 日本2.%、イタリア7%
最重度は、仕事ができていない。
9,不登校になるか
大きな問題になっていない。
イタリアは小規模。
10,日本の第一歩は
支援学校は大きな意味ある。
通常学校で、安心して学べる場がない。
通常学校の改革。
支援学校、通常学校の交流。
11,学習指導要領
個別の教育計画を立てる
クラスの中で共有できる、できないがある。
目標が別に立てて支援。
12、イタリアの社会
障害のあるかたが、普通に暮らし、目にもする。
13,特別支援学校でどのような形でインクルーシブをしているか
通常の学校を改革せねば。
14、消費者的な考え方は(小國先生)
クラスから分離して教育してほしい
15,豊中
イタリアと同じじゃないか。
クラスに全盲、重度の障害
生徒同士で学び合っている。
16,山口先生より
フルインクルーシブとなぜフルつけるか。
なぜ分けないより、なぜ分けるか。
大義名分がいるのは、分ける側。
国立特殊教育総合研究所
回答:障害児の権利の問題の議論が出てこない。
17,牧村さんより
導入への具体的に
イタリアへ引っ越し
回答:
①いじめ、不登校対処、規模を小さく
支援員をつけるが複数の教員
通常学校へのスタンダードがあって、できる障害者が通う。
②イタリアの移民の問題がある。急増。
18,落合先生より
35年前やった。
重症児施設では、逆統合もある。
教員養成の養成ちがう。生理からやると離れる。
介護は、フルインクルーシブ。
回答:何を学ぶか、根本がちがう。
全員が参加する授業。
19,あらい様より、特別支援学校定年後大学の先生
特別支援を学んで、普通学級の中でうまくやっていける
回答:同館
20、落合先生
イタリアと日本の歴史と文化の違い
回答:
学び合うのがイタリア、日本は、授ける。
モンテッソーリがある。
******チャットでの考えさせられた意見********
●様々な方面(教員養成、予算の獲得、制度の整備、教育課程の個別化、等々)から進めていくことが必要。
●学年進行、集団の規模、指導方法、多職種連携、指導要領など、教育の仕組みそのものの転換が必要で、国そのものが制度を変えていくことが望まれます。
●落合先生からの触発。
特別支援で培ったものが、通常級へ。
「特別支援学校学習指導要領」
●深谷さん、私の息子は重度知的障害がありますが、豊中で小中学校ですべての授業を普通クラスで受けました。しかし、彼は彼なりに自分の力で友だちとの関わりでさまざあなことを学びました。これがその後の生きる力になています。
●通常の学級で医療的ケアで配置されている看護師です。授業についていけない障害児に可能な目標設定学習目標が賛成です。それは担任教諭では難しいと思います。本人も周りの子どもたちもその方が納得いくと思います。
