「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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【月島再開発問題】第14号月島三丁目南地区再開発に計上された予算執行を差し止める「住民監査請求」を平成29年8月29日に中央区に提出

2017-08-31 08:35:44 | 月島三丁目南地区第一種市街地再開発問題

 この地区の再開発問題について私たちは、勉強会を自主的に開催して参りました。平成29年8月21日に開催した第5回勉強会におきましては、準備組合と話し合いの場を持ち、まだまだ住民の皆様がこの再開発について十分に理解しているわけではないから、早急にまちづくりの手続きを進めるのではなく、一時中止をし、話し合いの時間をもっとつくることを「要望書」の形で、準備組合の理事様宛に届けさせていただきました。

 しかし、中央区は、8月24日に「月島地区まちづくり協議会」という月島地域の町会長さんを主な構成員とする会議の場において、この再開発の手続きを進めていく方針であることを明らかにしました。
 この地区の再開発は、まだ「決定」されたものではありませんが、このまま手続きが進んでいくと、再開発が本当に後戻りができないところまで行ってしまう状況にあります。

 そこで前号第13号でお伝え致しましたように、8月29日に、中央区に対し、「月島三丁目南地区で進められている再開発事業に潜む多くの問題点を解決せずに、この事業につけた平成29年度予算を執行してはならない」ということを趣旨とする「住民監査請求」(地方自治法242条)を、81名(提出日当日に追加のかたがおられ83名になる予定)の賛同者を得て提出致しましたことをご報告させていただきます。
 前回ブログ記載の『中央区職員措置請求書』http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/cda3b6b34f06be790ed1c3a51baba4cf(全文掲載)というものが、「住民監査請求」として中央区に提出した書面です。ここで行われようとしている再開発には、どのような問題があるのかを、東京千代田法律事務所の4名の先生方(梓澤和幸(あずさわ・かずゆき)弁護士、大城 聡(おおしろ・さとる)弁護士、斎藤悠貴(さいとう・ゆうき)弁護士、熊澤美帆(くまざわ・みほ)弁護士)が、私たちの勉強会にも参加され、住民の声を真摯に受け止めていただき、それら声を法律の文書として作成下さりました。

 この「住民監査請求」の提出に当たりまして、「委任状」の形で、ご賛同下さった皆様、本当にありがとうございました。

 提出後、中央区役所近くの銀座ブロッサムで記者会見も行いました。新聞社、テレビ局、建築関連雑誌編集社などから多くのかたが取材にこられ、1時間20分と長時間に及ぶ詳細な質疑が行われました。
 インターネットで、記者会見の録画を見ることが可能になっておりますので、ぜひ、ご覧いただければと思います。
 →記者会見録画のアドレス: https://youtu.be/VbzLBTcofn4  

 翌30日の東京新聞朝刊第20面で記事になりました。

*****東京新聞2017/08/30**********
 月島に50階建てビル
 地元住民が監査請求「区予算執行停止を」

 中央区月島三丁目南地区に再開発計画があり、一部地元住民が二十九日、「住民の合意形成が十分に得られていない」として、区に関連予算の執行停止を求める住民監査請求を行った。
 計画では、既存の建物を壊し、二〇二四年度に五十階建てビルを完成させる。区は再開発事業への助成として一億五千八百万円を本年度当初予算に計上した。
 住民団体の石川福治さん(六八)は「超高層ビルが建つ意味が理解できない」などと話している。これに対し区は「古い住宅があり、地震で倒壊の恐れがある。地権者の八割が再開発に同意している」としている。
******************


 29日同夜には、第6回勉強会も開催され、住民の合意形成をしつつ、まちの再生に取り組まれた経験をお持ちの小澤尚先生にご講演をいただき、ご講演後活発な意見交換を行いました。「超高層の今のやりかたでは、建て替えに当たり、お金はかからないにしても土地や建物は実質的に失うことになってしまう。力を合わせて共同で建て替えるのであれば、土地の所有権はその位置に残したまま行うことも可能である。」など様々な気付きをいただいた会となりました。
 190m50階建ての超高層マンション計画は中止にするにしても、では、どうやって、まちの課題を解決できるのか?その対案づくりを今後行って行ければと考えています。

 ご意見、ご要望等、お気軽に届けていただけましたら幸いです。


小坂和輝(文責)

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『月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業』のまちづくりの手続きを進めないことを中央区に求める住民監査請求H29.8.29提出。記者会見録画映像。

2017-08-30 12:53:33 | 月島三丁目南地区第一種市街地再開発問題

 『月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業』のまちづくりの手続きを進めないことを中央区に求める住民監査請求、81名の賛同者を得てH29.8.29提出されました。
 提出書面全文は、前のブログでご紹介をさせていただきました。

 同日14時から記者会見が開かれ、メディアの皆様も、たくさん来られました。
 記者会見は、1時間20分にも及ぶ内容の濃いものとなりました。

 本日8/30、東京新聞の東京面に、今回の監査請求提出の件が一部紹介されています。
 新聞記事では、「地権者の同意が8割ある」と中央区のインタビューも掲載されています。
 正確には、地権者103名に対し、書面による同意者82名の79.6%であり、8割には届いておりません。
 同意が8割に届いた届いていないだけでなく、私達が問題にしているのは、その同意が真意に基づくものかどうかということ、すなわち、超高層の計画の良い点・悪い点両方がきちんと説明された上での同意であるか、他の取り得る手段と超高層との比較検討がきちんと行われた上での同意であるか疑わしいということです。地権者の方々の声を伺っていて、よくわからずに、周りとの関係もあって、同意がなされているように感じます。




 記者会見の冒頭部分の録画が、公開されました。
 住民監査請求が提出された背景や理由が、弁護士や地域住民のかたからわかりやすく解説がなされています。

 ぜひ、ご覧ください。

 ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=VbzLBTcofn4&feature=youtu.be

 

 

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中央区が『月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業』のまちづくりの手続きを進めないことを求めます。住民監査請求、81名署名の下、H29.8.29提出。予算執行を差し止めるべき理由の全文掲載。

2017-08-30 05:30:14 | 月島三丁目南地区第一種市街地再開発問題

 中央区が『月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業』についてのまちづくりの手続きをこれ以上進めないことを求めます。

 そのための住民監査請求が、区民81名署名の下、H29.8.29に中央区監査事務局に提出されました。
 8月24日開催された「月島地区まちづくり協議会」において、本事業の都市計画を進めることを方針として明らかにする等、このまま放っておけば、中央区は、どんどんまちづくりの手続きを進めていくという状況になり、急遽、住民監査請求(地方自治法242条1項)を用いて差し止めることに至りました。
 短期間にもかかわらず、81名と多くの区民の皆様(法人含む)が問題意識を持ち、署名にご賛同くださりました。

 本事業の平成29年度予算1億5千8百万円の予算執行を差し止めるべき理由の全文をここに掲載致します。

 ご多忙の中、東京千代田法律事務所の4名の先生方((梓澤和幸(あずさわ・かずゆき)弁護士、大城 聡(おおしろ・さとる)弁護士、斎藤悠貴(さいとう・ゆうき)弁護士、熊澤美帆(くまざわ・みほ)弁護士))が、本事業のまちづくりの問題点について、実際に勉強会に参加されて住民の声を真摯に受け止め、共感下さり、「月島再開発問題弁護団」の名のもとに作成下さった文面です。

 『月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業』の主たる問題点が記載されています。
 日本中の至るところのまちづくりに共通する課題が入っているのではないかと考えます。

 ご一読いただければ幸いです。

 *記者会見中継録画も同時にご覧いただくと、わかりやすいと思います。
 ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=VbzLBTcofn4&feature=youtu.be
  

 

 

 






 

 

 

 

 

 

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月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業、中止して終わりではなく、きちんと対案を出す。第6回勉強会 講師小澤 尚先生『みんなで創るまち』本日19時あすなろの木:月島三丁目30-4

2017-08-29 06:44:20 | 月島三丁目南地区第一種市街地再開発問題

 月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業、中止して終わりではなく、きちんと対案を出していかねばならないと考えます。

 そのための勉強会も積極的に開催して参ります。

 今回、まちづくりの専門家であられ、実際に住民の合意形成に基づくまちづくりのご経験も豊富な小澤 尚先生が、講師を快くお引き受け下さいました。

 自由闊達な意見交換ができればよいと考えています。

 

         記

6回 「月島再開発問題と月島の再生を考える会(仮称)」

日時:平成29829日(火) 19時~21時
場所:みんなの子育てひろば あすなろの木
(月島三丁目30-4 飯島ビル1階、℡03-5547-1191

参加方法:参加費無料。直接、会場にお越しください。

テーマ:『みんなで創るまち』

講師:

宮城大学事業構想学部デザイン情報学科 元教授

計画設計アドバイザー(一級建築士・東京芸大芸術学修士)

(株)小澤設計計画室

小澤 尚(おざわ・ひさし)先生

 超高層に頼らずに、地域住民で力をあわせ、街の再生をされた具体例を交え、お話し下さいます。他地域において、実際にまちづくりに参画された豊富なご経験をお持ちでいらっしゃいます。首都高速を地下化し、日本橋川を再生することにも取り組まれておられます。ご講演後は、月島再生のありかたに関し、自由闊達、積極的に意見交換ができればと考えています。      以上

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本日、諸問題が解決するまでは月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業を差し止めるべきことの住民監査請求を中央区に行います。記者会見14時、銀座ブロッサム7階

2017-08-29 06:01:32 | 月島三丁目南地区第一種市街地再開発問題

 いよいよ、本日8/29、住民監査請求を用いて、月島三丁目南地区の超高層分譲マンション計画の都市計画手続きを止めることを求めます。

 4人の弁護士の先生方が、問題意識を持って、立ち上がって下さいました。
 東京千代田法律事務所の梓澤和幸先生、大城聡先生、斎藤悠貴先生、熊澤美帆先生。
 築地市場移転の問題にも取り組んで下さっている先生方です。
 提出予定の文面を読ませていただきました。はっきり申し上げて、感動する文章でした。諸問題が浮かび上がっております。後ほど、皆様にもお伝えさせていただきます。

 日本のいたるところで生じているまちづくりの問題について、一石を投じることができればと考えるところです。

 地域コミュニティを壊す、まちづくりは、とり得る手段ではないと考えます。

 まちづくりにおいて、きちんと民主的な手続きを踏んで、合意形成を取って行く必要があります。

 そして、下町、長屋の生活景、文化、賑わいを残し、守るまちづくりでなければなりません。

 超高層を選択するには、あまりにも問題が多く、過去において経験されたかたの後悔の念を多々お聞きしています。
 それら超高層に潜む諸問題を解決するまでは、ここ月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業への予算執行は止めるべきであると考えます。

 

 

 

 

 

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街路樹を守りながらの、共同電線溝設置や、歩道のバリアフリーの両立は可能ではなかったのか?

2017-08-27 23:00:00 | 地球環境問題

 街路樹伐採の件。日曜日の東京新聞第一面記事でとりあげられています。

 街路樹を守りながらの、共同電線溝設置や、歩道のバリアフリーの両立は可能であると考えます。

 また、中央区の街路樹伐採の内容も記事には書かれていますが、「中央区では十九~二十一日、日本橋本町-日本橋小舟町の区道のイチョウなど二十四本が伐採された。一部の区民から保存を求める声が出ていたが、「通りのにぎわいをつくりたいと沿道住民から要望があった」(区担当者)という。」
 私の調査の内容とは、異なった説明になっています。

 話を持っていったのは、あくまでも中央区からであって、それを地元の「日本橋みち・まちづくり協議会」がやむなく受け入れざるをえなかったのが本当のところではないでしょうか?
 地元周辺の方々は、受け入れることはできず、街路樹を守ってほしいという地元有志の署名が50名以上、中央区に届けられました。
 しかし、中央区は、地元説明会をさえ開催することなく、街路樹を撤去しました。
 最後に掲載の監査請求を、私も中央区へ提出を致しました。
 ただし、中央区側もご努力はされており、多くのものを(数は確認中)、移植をしていただけることになっています。

 なお、以前もお知らせをさせていただきましたが、日本橋の銀杏の並木は震災復興を願い地元の篤志のかたが植えられた由緒のあるものでした。なんとか、二世が育たないものかと、伐採された銀杏の枝の一部から取り出して苗木を今育てているところです。



***************東京新聞**************************
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201708/CK2017082702000142.html


【社会】


五輪整備 揺れる並木 「明大通り」プラタナス撤去へ




2017年8月27日 朝刊



 二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックを控え、樹齢を重ねた並木を撤去する公共工事が都内各地で計画され、一部では伐採された。行政側は道路の拡幅やバリアフリー化などを目的とするが、地域のシンボルとなってきた木々が失われることへの住民の反発もある。 (神野光伸)


 東京都千代田区のJR御茶ノ水駅からの坂道「明大通り」の両側にプラタナスの濃い緑の葉が広がっている。通りは明治大学に面し、周辺に大学や専門学校が集まる。区は七十本全てを撤去する計画で、今月末にも三十三本の伐採を始める予定だ。


 歩道の拡幅とバリアフリー化が目的。区道路公園課によると、最も古い木は四十年以上前に植えられた。計画では歩道の幅を約二十五センチ広げ、車道との段差をなくしたり、根が地下で育ちすぎて押し上げた路面を直したりする。


 工事完了後、プラタナスより葉が広がらず、病害虫の被害が少ないマグノリアを植える。区の担当者は「人通りが増え、狭い歩道を広げざるを得ない。伐採に理解してほしい」と話す。


 これに対し、地元住民らでつくる「千代田の街路樹を守る会」は今月上旬、区長と区議会に保存を求める陳情を提出。会の大学講師愛みち子さんは「区の説明には、学生街を見守ってきた由緒ある街路樹を撤去する計画について、住民側に十分な説明がない」と憤る。明大の教職員や地元中学校の卒業生も二十三日、保存を求める陳情を区議会に提出した。

写真


 区と都は東京五輪のマラソンコースになる「白山通り」と、関東大震災後の復興事業で整備された「神田警察通り」のイチョウ並木の伐採も計画。歩道整備のほか、小池百合子知事が選挙公約とした「無電柱化」工事の推進が理由だ。


 白山通りは昨年夏に一部伐採され、住民の反対で工事が中断。小池知事は昨年十二月の都議会で「事業完了後に新しい樹木を植えるなど、緑の回復に努めることが重要」と述べた。


 一方、神田警察通りは住民の反対で計画を見直し、保存する方針。


 中央区では十九~二十一日、日本橋本町-日本橋小舟町の区道のイチョウなど二十四本が伐採された。一部の区民から保存を求める声が出ていたが、「通りのにぎわいをつくりたいと沿道住民から要望があった」(区担当者)という。



◆文化的価値、住民の愛着も


 京都学園大の森本幸裕特任教授(環境デザイン)の話 倒木などの恐れがある樹木をすべて保存していくのは難しく、一定期間で更新していかなければならない。景観美をつくる上で、無電柱化も必要だ。一方で、長年ある街路樹は、街のアイデンティティーの一つ。文化的な価値があり住民の愛着もある。工事を進める側は、伐採が必要な合理的な説明を十分果たしていく必要がある。整備をするなら、新たな街路樹が生育しやすい構造にしたり雨水の浸透機能を向上させたりしていくことも必要だ。


**********提出をした差止めの監査請求*******

中央区職員措置請求書

第1 措置請求の要旨
 1 対象となる財務会計行為及び求める措置請求
 中央区長は、区道「中日5号」の街路樹伐採(以下、「本件事業」という。)等のために平成29年度に計上された予算:「街路樹・街路灯の整備」(第6款環境土木費 第1項環境費、第2目公園河川費 2街路樹・街路灯等管理事業)1億132万9千円のうち「日本橋本町2丁目6番先~日本橋小舟町14番先」への計上分及び「電線共同溝整備事業」(第6款環境土木費 第1項環境費 第3目道路橋梁費 3電線共同溝整備事業(1)整備工事 イ「日本橋本町2丁目6番先~日本橋小舟町14番先」)へ計上された2億333万1千円 (別紙1、『平成29年度中央区各会計予算中央区各会計予算説明書』平成29年2月 中央区 180頁及び184頁/ 『平成29年度中央区予算(案)の概要』11頁及び34頁/ 本件事業を含めた計画全体図と工程/ 本件事業の位置図)の執行に係る財務会計行為を行うことは、後述のように違法・不当であるため、当該財務会計行為を行ってはならないとの措置を講じることを求める。

 2 当該財務会計行為が違法又は不当であること
本件事業により24本の街路樹の伐採が行われる。伐採は2017年7月22日(土)に開始し、一旦休止し、お盆明けに工事再開を予定している。
本件事業による街路樹24本(銀杏9本、クロガネモチ17本。うち2本のみ移植)の伐採は、違法又は不当であることを述べる。

(1)本件事業には区民の十分な合意形成が得られておらず、中央区は説明責任を果たす必要があること
街路樹伐採の経緯や目的が不明で、多くの区民の理解を得ていない。特に、伐採に至った経緯や根拠については、区民に公開されていない。
地元有志を中心に、本件事業についての中止と説明会を求める趣旨の要望書(別紙2、以下「要望書」という。)が、矢田中央区長及び水とみどりの課長宛てに提出されるとともに、街路樹の伐採を知った近隣に住む区民50名以上の署名が、その要望書に賛同するものとして提出されている。これらは真に地元の声といえるものである。これらの署名が伐採への驚きとともに集まった背景には、街路樹に親しみ、時には育ててきた周辺住民にも伐採計画が知らされていなかった経緯がある。
街路樹伐採を含む事業が区の事業であり、区民の税金を使うこと、また区道にある街路樹は区民の共有財産と考えるとき、区民の同意なしに街路樹の伐採が行われてはならない。
区は「日本橋みち・まちづくり協議会」を通じて「区民の意見を聞いた」としているが、協議会メンバーは少数であり、メンバーが町内会長などに限定されていることを考えると、必ずしも一般区民の多様な意見を代表しているとは言えない。また、協議会の議事録や議事内容は公開をされていないため、一般区民が協議会のメンバーに意見を届けることは、期待できないことがらである。
まずは周辺住民などに対し懇切丁寧な説明をするのが、区の事業を行う上で最低採るべき段階であり、強引で拙速な伐採をするとなれば、中央区は説明責任を果たしているとはいえず、重大な手続き違反である。

(2)本件事業は、『中央区緑の基本計画』の方針に反していること
伐採対象の街路樹は大変貴重なものである。特に、本件事業による伐採対象樹木には貴重な大径木が含まれている。推定樹齢60年、幹周囲は2m弱あり、東京都の指針でも保護対象となっている。
そして、それら大径木の健全性も、本件事業により一部伐採された銀杏の木の断面から明白である(別紙3、写真)。伐採された木の幹を観察しても、痛んでいない。樹木の専門家によると、別紙3の断面から言えることは、「1、空洞があるが、生存に影響はない。2、実際に、切り株では、断面の白い部分(生きているところ)が半分以上あり、十分健康な木だと思われる。白い部分が1/3以上あればその樹木は健康と考えられるからである。」という趣旨の解説を頂いている。
本件事業区域内の他の銀杏も、成育環境が同じであることから、同様に健康であることが考えられる。
また、中央区は緑被率において都内最低レベルにある。区内の街路樹の数はわずかに6800本余りであり、うち日本橋地区内は2500本余りしかない。一度の道路工事で26本の街路樹を伐るとなると、地区内の1%の木を伐ることとなる。またクロガネモチの木は日本橋地区に34本あるだけであり、16本伐採されると約半数を無くすことになり、樹齢20~30年程度と思われるので、これから成長する樹木である。(別紙4「中央区管理の街路樹」データ参照)
中央区は、平成21年3月策定の『中央区緑の基本計画』において、 「歩道拡幅等にあわせ、街路樹の間に中木や低木を植栽した植樹帯へと改修」し、「緑のボリュームアップ」を図っていく方針であって、歩道拡幅等にあわせ、本件事業のように大きな街路樹を伐採して代わりに中木や低木を植栽する方針は持ってはいない(別紙5、『中央区緑の基本計画』45頁 図7-2参照)。
 街路樹は地域環境と風景を良くする地域の資産である。一度伐ってしまったら数十年間元に戻らない。区民の反対を押し切って伐採されることはあってはならないし、中央区自身が策定した『中央区緑の基本計画』の方針自体にも反する行為である。
生物多様性保護の観点からも樹木は重要である。街路樹は鳥などの住まいであり、一般的に一本の大木には数百種類の生物が生息すると言われており、樹木は都心の生物多様性を支えるわずかに残された場所である。生物多様性を守る事は地球規模での課題であり、日本も1993年より「生物多様性条約」を締結している。都心に位置する中央区も、条約の趣旨に基づく行動が求められている。
従って、本件事業を施行することは許されない。

(3)街路樹を残した道路整備及び電線共同溝整備は可能であること
当該工事の具体的な目的は、「歩道の拡幅」と「電線地中化」と現場の看板に公告されている。
「歩道の拡幅」に関しては、現在より倍加して5m幅になり、歩道の中心にくる街路樹の緑陰が歩行空間の環境をよくすることになり、むしろ木の恩恵を享受できる。(別紙6、写真参照)
「電線地中化」については、技術的にも新しく統一した方法等が定まっていない現状にあり、参入する業者の増加と共に技術の進歩が期待されている。現に「木を伐らない地中化工事」が開発されている。(別紙7、チラシ参照)
実際に、本件事業の区域の電線共同溝に係る「東京電力パワーグリッド(株)」(住所:港区芝公園2丁目2番4号)も問い合わせに応じて、街路樹を保存した設計は、予算面での課題はあるものの技術的には実現可能性がある旨をその担当者は、平成29年8月17日に私に述べている。
これらを考えると、無理に木を伐る理由はなく、むしろ大径木の風景を楽しめる環境が実現できる。
 本件事業により伐採される予定の街路樹を保存した電線共同溝配置の設計は技術的に不可能ではない以上、これら可能性を十分に検討することなく、伐採をすることをやむを得ないと判断することは、社会通念に照らし著しく妥当性を欠いており、本件事業を実施に及ばせる判断は誤りである。

(4)「中央区基本構想」の「将来像の実現に向けた基本的な方向性」に反していること
中日5号の街路樹は2本を除きすべて伐採対象となっている。中でも昭和通り近くの小倉ビルと長瀬産業の間に立つ銀杏の木9本(現在は8本)には、特別な地域独特の言い伝えが付随している。文献調査などはされていないものの、「初代の小倉ビル所有者が、関東大震災からの復興の願いを込めて、昭和通りと同じ銀杏の木を自社ビル前の道路に寄贈した」と伝えられている。この伝聞は大変貴重なものである。都心の中央区は多くの企業が集中する地域であるが、このような言い伝えは珍しい。この地域に、経済活動だけでなく、被災地の市民として樹木の生長に地域復興の願いを込めるという、本当の街づくりを実行した人が存在した証左である。このエピソードとエピソードを伝えた人々は、地域の誇りであって、これからも長く語り継ぐべきものである。このような歴史的地域貢献を核にして街づくりが行われるべきであって、エピソードを今に伝える生き証人である銀杏の木を倒すことは貢献の賜物を次世代に伝えないことになり先人の意を無にする。ましてこのような貴重な伝聞を裏付ける文献調査もされないまま、ごく一般的な道路工事の邪魔ものとして、貴重な木が倒されることがあってはならない。
このようなエピソードは、新たに移入してくる区民が多い中にあって、「地域への誇り」を醸成する格好の素材となる。子供への地域教育にも大変有効となる。エピソードと共に生かすべき資産である。
樹木の伐採は、区役所から小倉ビルを含む近隣に持ちかけられた経緯がある。しかし2017年6月に区議会で議決された「中央区基本構想」によれば、「将来像の実現に向けた基本的な方向性」の5つの基本的な方向性の一つとして「(2)歴史と伝統を継承し、多彩な魅力あふれる美しいまちを形成」とある。説明は以下である。
江戸時代以来の歴史と伝統を紡ぎ、常に新たな文化が創造されるまちを目指すとともに、…
豊かな自然環境をつくり、地球にやさしく潤いと安らぎを感じられるまちづくりを実現していきます。(「中央区基本構想」パンフレット7ページ)
「伝統」と「自然環境」を守っていくという中央区の基本的な姿勢からすれば、歴史を今に伝える立派な大木を伐る事は、基本方針に反することになる。
また中央区の街づくりの指針には「区内における地域特性を生かしたまちづくり」を標榜するとある。(区HP「まちづくり協議会とは」冒頭の文章)
これら銀杏の木とその植樹エピソードは、「地域特性」を語る絶好の素材である。区はこれを生かしたまちづくりを積極的にするべきである。
従って、由緒ある銀杏の樹を伐採することは、「中央区基本構想」の中央区の将来像の実現に向けた基本的な方向性にも反しており、許されない。

(5)地方行政の趨勢と環境意識の高まりに反していること
隣接する千代田区では2016年7月、街路樹の伐採を行っていた区道の工事を中止し、10月区議会で計画の見直しが決定した(別紙8、新聞記事参照)。千代田区議会委員会では区内の街路樹の伐採を基本的に行わない方針を全員一致で決定し、街路樹の定期診断等に新たな予算を設けることとし、街路樹を中心とした道も計画され、木の扱いを定めるルール作りに努める方向にある。
2016年12月には都道である白山通りで行われていた無電柱化に伴う街路樹伐採は一旦休止され、千代田区の方針と都の技術的再検討をすり合わせていくこととなった。休止後も都は公開説明会を段階的に開き、都民合意の上で工事を進める運びとなっている。(別紙9、東京都「説明会開催のお知らせ」参照)
このように都心の地方自治体では、街路樹の存在意義や生命を尊重し、反対意見を無視するような強引な伐採は行わなくなった。反対がある場合は一旦工事を中止し、丁寧な説明や再検討を重ねて理解を得てから再開するようになっている。
中央区も都心を代表する区であり、このような地方自治の趨勢に合わせるべきであり、さもなくば、周辺地域は緑豊かで立派な街路樹が育ち、中央区だけがコンクリートジャングルのままという環境意識の遅れを印象づけられることになってしまう。区職員の名刺には「水辺や豊かな緑を共生し、みんなで環境をよくするまち中央区」というスローガンが印刷されている。性急な街路樹伐採は、本スローガンにも反することにもなろう。
また東京全体では2020年に向けて環境整備を行っている。2016年10月に東京都オリンピック・パラリンピック準備局が環境局長に提出した「評価書」によれば、2020年への準備とその後の環境上の影響について、以下のようにまとめている。
・・・東京を緑の都市として再生していくことは、都市の生態系の保全、雨水浸透の促進による水循環の正常化への寄与のほか、住民に潤いや安らぎを与える美しい都市景観の創出、都市の防災や熱環境の改善に役立ち、より快適で質の高い都市環境を創出すると言える。(「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書、5-7-65)
東京の都市像において、緑の重要性が繰り返し強調されている。
これら周辺区や東京都の趨勢に反し、伐採をすることをやむを得ないと判断することは、社会通念に照らし著しく妥当性を欠いており、本件事業を実施に及ばせる判断は誤りである。

 
第2 請求者
  氏名 小坂和輝


地方自治法242条1項の規定により、別紙事実証明書を添え、必要な措置を請求します。


平成29年8月18日

中央区監査委員 御中

別紙1 『平成29年度中央区各会計予算中央区各会計予算説明書』平成29年2月 中央区 180頁と184頁 /『平成29年度中央区予算(案)の概要』11頁と34頁/  本件事業を含めた計画全体図と工程/ 本件事業の位置図(緑色のマーカー部分) 
別紙2 地元有志作成「要望書」
別紙3 本件事業で一部伐採された銀杏の幹の断面写真
別紙4 「中央区管理の街路樹」
別紙5 『中央区緑の基本計画』抜粋
別紙6 歩道の中心の街路樹 写真
別紙7 「木を伐らない地中化工事」チラシ
別紙8 新聞記事(東京新聞2016.10.19、朝日新聞2016.10.18、The Japan Times2016.10.20)
別紙9 東京都「説明会開催のお知らせ」

以上

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それでも、新聞を信じる理由。 「最後の血の一滴まで、三浦は記者でありたい」という、そういう記者さんがおられるから。

2017-08-27 11:09:27 | メディア・リテラシー
 これは、政府の広報紙か?と思いたくなる記事を見ることがあり、残念に思うときがあります。(中日・東京新聞では、そのような記事は、ほとんどないですが…)

 そんな中、それでも、新聞を信じているのは、

 「最後の血の一滴まで、三浦は記者でありたい」という、そういう記者さんがおられるから。
 


*********朝日新聞2017/08/27****************
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13104596.html


(著者に会いたい)『わけあり記者』 三浦耕喜さん

2017年8月27日05時00分

 『わけあり記者 過労でウツ、両親のダブル介護、パーキンソン病に罹(かか)った私』


 ■読者を助け、戦う新聞をつくりたい 三浦耕喜さん(47歳)

 「俺ってストレス耐性が強い」と自任し、周囲からは「使い減りしない」とも言われていた。期待に応える猛烈な働きぶり。中日・東京新聞でベルリン特派員や政治部官邸キャップを歴任した記者。そのキャリアが、2012年、突然途切れた。

 年明けから動悸(どうき)が収まらず、不眠が続いた。抑うつ状態と診断され、5カ月休職した。復帰後に政治部を去り、生活部に異動した。

 本作では、過剰な働きぶりを強いて部下を追い込む「クラッシャー上司」の存在や長時間労働など、原因をさらけ出した。現実の人間関係にも絡むテーマだが、地雷原に踏み込む覚悟で書いた。病を得て「誰かがどこかで指摘しなくてはならない病巣。組織に波風立てないことよりも大切なことがあると信じるようになった」からだ。そして、今は誰も責めない。「政治部時代、私も部下をどなり上げた。振り返れば自分にもクラッシャー上司の面があったから」

 復職後、入れ替わるように両親の介護がのしかかった。足の弱った父が特養に入居。認知症が進行した母は病院に移った。14年に実家近くでの勤務を希望し実現。週末名古屋市の自宅から故郷岐阜県の施設まで1時間かけて介護に赴く。その様子を、中日・東京新聞で連載し始めた。20回を超えた。「親のなれそめなどファミリーヒストリーを探り驚くことも多い。まさに介護民俗学。人への興味で介護にも前向きになれる」

 昨年、パーキンソン病と診断された。三つめの「わけあり」だ。

 今は介護に支障はないが、メモを取る手は震え、パソコンは右手の指一本。自立して自由に取材活動ができるのはあと10年と見積もる。結婚する前に、妻からもらったモンブランのボールペンを手に「最後の血の一滴まで、三浦は記者でありたい」という。

 「わけあり人材」として、つらい人たちや、けなげに生きているのに報われない人たちに寄り添いたい。最近世話になった人へメールを出した。「読者を助ける知恵がある。暮らしの中で戦う勇気がある。そんな新聞を作りたい」とつづった。

 (文・写真 木村尚貴)

 (高文研・1620円)
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『月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業』予算執行差し止めの理由に関連する事実:議会に白紙委任を強いたこと:平成29年3月22日予算特別委員会

2017-08-26 22:29:25 | 月島三丁目南地区第一種市街地再開発問題
 住民監査請求に用いる差し止め理由のひとつに、『月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業』についての平成29年度予算分1億5千8百万円計上について、平成29年3月22日の予算特別委員会で行った私と吉田副区長との議論における事実も用いられています。

 3月16日に開催された「区と区民との協議」で実際に用いた「固まった絵」を持っていたにもかかわらず、3月22日吉田副区長は、「今固まっているなら、どこにでも説明します。当然のこと、これはどこにでもきちんと説明します。そういうことをやってきました。現実に絵が固まっていないんですから、示しようがない。絵がまとまっていないから、示しようがない。」と答弁をされています。

 当該やりとりのすべてをこちらで、前もって掲載をしておきます。

 情報を適宜きちんと公開・開示をして、ご議論いただきたいと強く思います。



******中央区議会ホームページ 3月22日小坂の質疑 全文*******
http://www.kugikai.city.chuo.lg.jp/kaigiroku.cgi/h29/yosan20170322.html?userq=10

○小坂委員
では、よろしくお願い申し上げます。
 私も法律を勉強しておりますが、建築基準法や都市計画法、そして都市再開発法、この辺を読みたいがために勉強しているところであります。私の解釈が誤っている場合は、御指摘ください。
 まちづくりに関して、市街地再開発事業を中心に質問させていただきます。
 具体的な問題に入っていきますけれども、月島三丁目南地区に関してです。
 まず、この地区に関しては、どのようなものが今の段階で建てることが可能な定めになっているのか。すなわち、第二種住居地域や第三種中高層階住居専門用地区、どういうものが建てられるんでしょうか。また、今、このエリアは、原則、再開発ができないエリアになっております。第一種市街地再開発の施行区域要件は、高度利用地区内や都市再生特別地区内または特定地区計画等区域内であることという都市再開発法第3条の決まりがありますが、原則はそのような開発ができないエリアであると思いますが、いかがですか。
○松村地域整備課長
 月島三丁目南地区、まず現状で建てられるものということでございます。
 現在、都市計画の中で商業地域であるとか第二種住居地域にかかっておりますけれども、加えて、第二種中高層階住居専用地区というところもかかっておりますので、高層階につきましては、住宅ということが中心になってくるかと思ってございます。また、月島地区地区計画がかかってございます。当該エリアについては、商業地区であったり、住居地区であったりというところで混在してはおりますけれども、道路幅員に応じて、商業地区であったり、住居地区であったり、建物の高さについて一定のルールをつくっているところでございます。
 続いての御質問でございます。再開発事業を実施する場合には、委員御指摘のとおり、高度利用地区等々、そういったものが定まっているというところが要件でございます。この地区につきましては、現時点ではかかっていないところでありますけれども、地区の課題認識等々を踏まえて計画づくりをしていく中で、高度利用地区であったり、再開発促進区であったり、特区であったり、どういった手法かというところはいろいろ検討中でございますけれども、そういった計画づくりを実現する事業手法について、今、ともに検討している段階でございまして、再開発事業を行うということを予算で要望していますので、再開発事業前提ではございますけれども、そういった中で、どういった都市計画をつくっていくのかについても、今、あわせて検討しており、都市計画審議会にあわせて審議をお願いしたいというふうに考えているものでございます。
 以上でございます。
○小坂委員
 地域整備課長がおっしゃるように、都市再開発法第3条1号の許可要件、施行区域要件に、今、合致していないという状況にこの地域はあるわけです。原則、そのような開発はできない、そういうふうに法律では決められております。その開発をしていくわけであり、もともと高度利用地区とか、そういうものにかかっていれば、そのエリアを開発していけばいいんですけれども、まずはそのようなものもかかっていない。原則できないエリアにおいて、できるという予算を出してくるには、それ相応の理由が必要だと思うんです。現状においては、我々議会に書面形式でも、この計画の提案はありません。一切提案がない計画でこれだけのお金を請求してくるというのは非常におかしな話だと感じるところであります。
 改めてもう一度確認しますけれども、議会に月島三丁目南地区の書面での計画の提出はありましたか。または、まちづくり協議会への計画の提出はありましたか。また、予算案に計上するために、議会に資料として、この計画の提案はありましたか。そういうものはないと思うんですけれども、私が間違っているでしょうか。
○田村都市整備部長
 再開発について、まず1つお断りを申し上げなければなりませんけれども、都市再開発法第2条の3の第1項の第2号に、1号市街地の中で、特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区を定めることという規定がございます。ただいまお尋ねの地区でございますけれども、この地区も含めて、中央区の7割方の地域はこの2号地区、再開発を促進すべき地区として位置づけられてございます。それを前提にしながら、まちづくり、開発というようなものについて検討をしているという状況でございまして、具体的な計画を進めるためには、委員先ほど御質問ありましたように、再開発事業の都市計画と同時に、計画に関する都市計画を定めることが求められてございますけれども、これは一体的に都市計画を位置づけることが可能となってございます。そういった中で、これまでの再開発も同様に進めているという状況でございます。
 これらの計画が具体的にまだされていない中で、補助金というお尋ね、歳入の際にもそういった御質問があったかというふうに思いますけれども、この補助金については、もう都市再開発法に基づいて事業を行うということの中で、基本的に補助対象となる項目は具体的に定められてございます。それらにつきましても、基本的には補助対象となる工事等に要する費用の3分の2を上限として、その年度の予算の範囲内で補助金を支出するという考え方になってございます。こういった再開発事業は、当然、年数、年月がかかるものでございますから、事業を進めるに当たって、例えば地元の組合においては、一つ一つ積み上げながら円滑に物事を進めていきたいというふうに考えている中で、仮に予算措置が自治体側でされていなかった場合は、それをもって、その検討が足踏みをするということになってまいります。そういったことのないように、基本的にこういった再開発等については、国としては補助採択を積極的に行うことでありますとか、それらについての予算というものを明確に対応していくことというような基本的な考え方が示されてございまして、それらに基づいて、区は地元のお話をお聞きしながら、国や東京都と当該年度の前年度から、予算措置に関してヒアリング等を通じて、その財源の確保に努めているものでございます。
 この計画が具体化していない中で、では、その補助金をどうやって算出するのかということでございますけれども、これについても、算出する基準が明確に定められてございます。基本的に、どういった建物をどういった大きさで計画するかによって、おおよそ対象となる事業にかかる費用がどれくらいのものになるのかということがおおむね算出できるようになってございまして、それらをもとに予算措置をしている。その措置したものが実際に執行されるかどうかは、具体的な計画が進んだ段階で補助申請という部分をしていただいて、その内容をしっかり審査し、補助の交付決定をし、その後に事業に着手していただいて、実際精算するときには、内容等についてしっかりと審査をし、確認をした上で交付の確定をしていくということでございますから、今現在の中でそういった補助金ができるということについては、基本的な手続の中で行っているものでございます。
 なお、計画については、当然ながら、今現在検討している状況でございますので、関係機関協議等もおおむね調った段階で、それらについては議会所管委員会にも報告をさせていただくということで、これもこれまでの開発の進め方と変わるものではございません。
 以上でございます。
○小坂委員
 今までのやり方と変わっていると思います。本来なら、予算に出す前に書面で議会に、どのような計画であるかというのは少なくとも出しています。すなわち、同時についている豊海地区のものであれば、まちづくり協議会に出していて、我々もイメージが持てるわけですよ。これに関しては、書面でのそのような説明が全くない。私は地域整備課長にもお伺いしたけれども、そういうものはありませんと返された。これに関しては調査ができないんですよ。そのような状況であるんですけれども、今までの計画であった場合は、まちづくり協議会という地元検討会を経て予算を要望する、そのようなステップがあったのに、これは全くの、我々に白紙委任をして、課長に白紙委任をして、計画を進めるというふうなあしき例になると思いますが、いかがですか。
○松村地域整備課長
 前委員のときにもお答えさせていただきましたけれども、再開発事業につきましては、まずは地権者の方々がどういった建物をつくるか、自分の資産でございますので、どういったものをつくっていくのか、まず、こちらについて御検討いただいて、その後で地域の方々に話をしていく。また、再開発事業でございますので、行政機関との協議がございます。こういったものも調っていかないと、どういった具体的なものになるのかというのがなかなか見えづらいところがございますので、先ほど申しましたとおり、地権者の合意形成、それから関係行政機関等の協議が調った段階で、所管の委員会のほうに報告してまいりたいと。これは豊海地区も同じような経過をたどって報告をさせていただいたところでございます。
 以上でございます。
○小坂委員
 ですから、少なくとも、これに関しては何らかの補助がもらえるような大体の絵は描けて、補助金をもらえるというふうにおっしゃった。そのもととなる青写真の手前の何らかの形があるわけだと思うんですけれども、行政側はお持ちである。この予算審議においては、我々には提出してくれていないという事実は、やはり私の見解で正しいですよね。
○吉田副区長
 完全に間違っていると思います。計画策定に対する補助ですから、その地域で協議していますよ。そこの予算を一応確保しておきましょうという話ですから、予算を執行する段階になったときには、ちゃんと計画ができたんだねということを確認し、国等補助主体にも説明して、そのときには当然議会にも報告しますよ。
 何か偏見がおありだと思いますけれども、まず原則的に禁止された区域であるというようなところから入るのがおかしい。正直申し上げると、私どもの区は、ある意味で全域的に再開発というものが必要な区域ではあるんですよ。原則的に禁止された区域ではないんです。ただ、そこの中で、こういうふうに大量の再開発事業みたいな大量の住宅を供給するような事業が進んでいいのかどうかということは、いろいろ検討しなければいけないけれども、原則的に禁止されているということはあり得ない。
 その上で、現実の問題として、ある意味で、地域でまとまって、それでは再開発事業でやりましょうというときは、そのときに都市計画を整備すればいいのであって、採択要件の高度利用地区を使うとか何かということを都市計画決定するのであって、それはどこの地区でも今までやってきた。今回の補助金につきましては、計画策定についての補助、今から計画をつくりますというところの補助ですから、その計画を事前に報告するなんていうことはあり得ない。今までどの再開発でも、計画策定補助について申請をしている段階で絵が出てきたなんていうことはあり得ない。
○小坂委員
 何らかの絵は出すべきだと考えますが、全く一般財源……
○吉田副区長
 計画策定のための補助ですから、出すべきだという御意見は拝聴しますけれども、出せませんというのが答えでございます。
○小坂委員
 一般財源として、区から5,530万円を出さなくてはならないですよね。この根拠をどうやって我々は考えればいいんでしょうか。
 第1質問者のところの答弁で、月島のガイドラインをつくるときにこの計画も載っていたとか言いますけれども、月島地区まちづくりガイドラインにこの月島三丁目の開発に関しての説明なんか、その文言だけしか入っていないじゃないですか。これで一般財源の部分に対して、国が出してくれるというならいいですよ。我々は一般の根拠をどうやって見ればいいんですか。
○吉田副区長
 計画策定をされて、そして都市計画原案ができ上がった時点では、当然、議会に報告をして、その上で予算を執行するわけでございますから、何ら問題はない。
○小坂委員
 これは議会に対しての白紙委任を認めるような手法だと私は考えますので、今後はこのようなやり方は改めていただきたいと考えます。
○吉田副区長
 改められない。
○小坂委員
 誤っていると思います。まちづくり基本条例においては、区民というのは区域内に住む者をまちづくり基本条例で区民といっていますよね。その区民に対して何らの説明、一方的な地権者のみの説明で済ませているじゃないですか。
 まちづくり基本条例、以降は条例と言いますけれども、条例第4条の3項では、区長は、区民の理解と協力を得るために、まちづくりに関する必要な情報を区民に提供するものとするとあります。区民の代表者である我々に対しても、一般財源のこの部分を判断するために、資料を見せてください、まだ絵の段階で、どのような考え方があるのか聞かせてくださいというふうに所管課に言っても、教えてくれないという状況において、何らこれに関して判断のしようがないわけです。そのあたりは、まちづくり基本条例の第4条3項に違反したやり方だと私は考えます。
○吉田副区長
 今固まっているなら、どこにでも説明します。当然のこと、これはどこにでもきちんと説明します。そういうことをやってきました。現実に絵が固まっていないんですから、示しようがない。絵がまとまっていないから、示しようがない
 ここで言っているのは、白紙委任とか何とかという偏見に満ちた言葉を並べられますけれども、そういうことではなくて、予算の枠どりをしておかないと国庫補助の申請もできない。そういうことだから、予算上の枠どりをしておきますよと。執行する段階については、その執行がきちんとできる程度のものがきちんと図面としてもでき上がっていますし、こうですからという説明をさせていただいて執行をさせていただきますと言っている。そのことを何度も申し上げているんですから、そのことにこれ以上言及なさっても、私どもとしては、これ以上のお答えはできませんので、御理解ください。
○小坂委員
 これに関しては、本当にあしき例だと思います。他地区もこのように学ばせてくれというふうに言ってくるかもしれませんし、このように議会に何らの青写真も出さないという段階で予算案を通してくれというふうなことは、今後なきようにお願いしたく考えます。
 例えば、月島の今やられているところの月島一丁目西仲通り地区の計画においても、まず平成24年に第1回の地元説明会があって、その後、平成25年に予算が計上され、平成26年に再開発組合ができたという順序で進んでおります。そこからすると、やはり予算の前に何らかの形を出すべきであって、これは何らのものも出さずに予算がつくられたという点で、非常に例外的なものだと認識します。
 今後はこのような、これこそが最もまちづくりや、さまざまなあしき行政ではないですか。すなわち、築地の問題も水面下でやっていますということと同じではないですか。水面下でこの予算を通して、それで進めたい。まちの人は、予算が通ったから、この事業はいいんだというふうな誤解をするじゃないですか。そのようなことではなくて、きちんと予算の前には水面の上に上げてくるというのが必要ではないですか。
○吉田副区長
 大変恐縮ですが、絵というものは何度も何度も検討するものなんです。申しわけないですけれども、再開発事業の組合において、あるいは勉強会において、何度も何度も絵は描きます。ですから、都市計画のときまでの絵とも、それからその前の初期の段階の絵とも、何回も絵は変わるんです。そういうことをやっていきますけれども、都市計画を決めていく、大枠を決めていくときには、きちんと絵を固めておきます。そういう中で、容積率であるとか、都市計画であるとか、そこに必要な条件を全部書き込みますから、そこで確認をしてくださいと申し上げているんです。
 今、現実の問題として、その辺についてあしきとか、あるいは水面下とかいうことは、私どものまちづくりに対して、ある意味で侮辱でございます。我々は、公に全ての部分で情報は公開しているし、まちづくり協議会というような単位で、それぞれのまちで個々に情報を全部披瀝して、お話をして、進んできている。今、月島三丁目南地区については、まだ地元の中で一応今年度中に計画をまとめたいということで作業をしている。そういう作業について補助金を出す、そういうシステムがあるから予算どりをしましょうと言っているだけです。そういう予算どりをさせていただくことは、従来もやっておるわけでございます。
 このことをあしきとか何かというのは、申しわけないけれども、ある意味で私どものまちづくりに対してレッテル張りをされているんだろうというふうに理解しますけれども、そういうものにあっても、現実の問題として、開発をしようということについては、自分たちの生命、財産をかけてみんな参加されるんですから、そんなに簡単に皆さんが我々のペテンに引っかかる、委員がおっしゃるようにあしき手管にだまされてやるわけではないんです。みんな、それなりに命をかけてやっているんです。それぞれの財産を命かけてやっているんですから、そういう問題について、大変申しわけありませんけれども、私どもは慎重に扱っています。
 この部分については、執行の段階できちんと議会にも報告し、まちにも報告するようになるはずでございます。その辺で御理解をいただきたい。
○鈴木委員長
 今の小坂委員の質問、やりとりに対しては、先ほどから伺っていますが、堂々めぐりであって、一向にこれ以上発展しません。
 そこで、あなたの質問については、委員長権限でこれで打ち切ります。ほかの質問に変えてください。
○小坂委員
 わかりました。
 まちづくりというものは、全ての、地権者もあれば、そこで賃貸している方々もいる。その方々も精いっぱい生きているんですよ。その方々に対して何らの情報も出さずに、そのようなものはあってはならないと思いますが……
○礒野委員
 委員長、動議。休憩をお願いいたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長
 直ちに休憩いたします。
 代表者は応接室にお集まりください。
(午後2時32分 休憩)

(午後3時40分 再開)
○鈴木委員長
 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
 先ほどの小坂委員の発言の中で、理事者に対して一部不適切な発言があり、かつ私が制止したにもかかわらず発言を続けたため、動議により休憩といたしました。
 ここで、小坂委員より発言の申し出がありましたので、これを許可します。
○小坂委員
 先ほどの委員会におきまして、不適切な発言をいたしましたこと、大変申しわけございませんでした。
 また、委員長が堂々めぐりの発言はやめるようにと言われておりましたけれども、それに関しましても、制止されたにもかかわらず同様の発言をいたしましたことをおわび申し上げます。
 なお、これで質問を終わりますが、情報開示をきちんとし、区民参画のまちづくりをお願いしたく、それを申し述べて質問を終わります。
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計画設計アドバイザー小澤尚先生(宮城大学事業構想学部デザイン情報学科元教授)によるご講演『みんなで創るまち』と意見交換29日19時~あすなろの木(中央区月島3丁目30-4)

2017-08-25 10:53:58 | 月島三丁目南地区第一種市街地再開発問題
 8月21日の前回第5回会合では、中央区担当職員のかた2名オブザーバーのもと、再開発準備組合と話し合いを持ちました。明らかになったことは、①超高層のまちづくりの良い点・悪い点が準備組合から地権者・借家人そして地域住民にきちんと説明をされているかどうか、そして、②それを住民各自が十分に納得をされたうえで「同意」がなされているかどうかということへの大きな疑問でした。

 結局、第5回会合では、本事業に潜む多くの問題点を解決せずに、都市計画を進めることを一時中止し、合意形成を得る時間と場所が作られるべきことの「要望書」が、地域住民から中央区と準備組合へ提出され終了いたしました。要望を踏まえた対応に期待をするところです。

 さて、来週の予定をご案内させていただきます。
 来週は、①29日に住民監査請求の提出(記者会見案内は前のブログ)、②同日19時から第6回会合(下記)、そして③都市計画専門家を交えての今後の取り組みの検討会(31日19時~あすなろの木)の月島再生に向けた三つの重要な取り組みを行う予定です。

            記

第6回 「月島再開発問題と月島の再生を考える会(仮称)」

日時:平成29年8月29日(火) 19時~21時

場所:みんなの子育てひろば あすなろの木
(月島三丁目30-4 飯島ビル1階、℡03-5547-1191)

参加方法:参加費無料。直接、会場にお越しください。

テーマ:『みんなで創るまち』

講師:
宮城大学事業構想学部デザイン情報学科 元教授
計画設計アドバイザー(一級建築士・東京芸大芸術学修士)
(株)小澤設計計画室
小澤 尚(おざわ・ひさし)先生

 超高層に頼らずに、地域住民で力をあわせ、街の再生をされた具体例を交え、お話し下さいます。他地域において、実際にまちづくりに参画された豊富なご経験をお持ちでいらっしゃいます。首都高速を地下化し、日本橋川を再生することにも取り組まれておられます。ご講演後は、月島再生のありかたに関し、自由闊達、積極的に意見交換ができればと考えています。   

 超高層再開発計画の中止を主張して終わりとするのではなく、中止を主張する者の責任として、では、どのような手法により防災・防犯面の向上を図れる月島再生が可能であるのか提案し、実現をしていきたいと考えます。


以上
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長屋、下町の月島が、超高層のまちに変貌させられてしまってよいものか???コミュニティを守る代替再生手段の具体的検討を!地方自治法を用い予算執行差止めを求めます。

2017-08-24 22:41:11 | 月島三丁目南地区第一種市街地再開発問題

 8月21日に、地権者・借家人含め地域住民と、再開発準備組合との話し合いの場が、中央区担当職員がオブザーバーとして出席いただく中で持たれました。

 そして、議論の中で、①説明が不十分であり、地域住民がまだまだ理解ができていないことや、②約束された住民の意見が反映される約束が、未だに果たされていないことが明らかになりました。

 結局、その話し合いは、地域住民側から、十分な合意形成を得るために、本事業を一時中止する「要望書」が提出され終わりました。

 

 一時中止の要望が反映されることを期待をいたしておりましたが、8月24日開催された「月島地区まちづくり協議会」において、本事業の都市計画を進めることを中央区は方針として明らかに致しました。

 町の住民の強い要望が通らなかったを受け、地域住民側も、地方自治法の手続きを用い、諸問題が解決されるまでは、本事業の都市計画を進めないことを求めて、本事業に係る予算執行を差し止める住民監査請求(地方自治法242条)を行うことに至りました。
 もちろん、万が一に備えて、この事前準備がされてきたところですが、もし、一時中止がなされたなら用いる必要もなかったところ、残念ながら、その手段を用いるに至ったことをご報告させていただきます。

 提出は、平成29年8月29日(火)1時半になされ、その後、中央区役所の目と鼻の先にあります「銀座ブロッサム 7階ローズ」において、14時~住民代表と取り組んで下さっている弁護士の先生方からの記者会見が行われます。

 築地市場移転問題の住民訴訟でもお世話になっております東京千代田法律事務所の4人の先生方(梓澤和幸(あずさわ・かずゆき)弁護士、大城 聡(おおしろ・さとる)弁護士、斎藤悠貴(さいとう・ゆうき)弁護士、熊澤美帆(くまざわ・みほ)弁護士)が、ご多忙にも関わらず、今回の件に強く問題意識を抱き、快くお引き受け下さいました。
 心から感謝申し上げる次第です。
 
 ①まちづくり・再開発のあり方、②まちづくりでの住民の合意形成はどうあるべきなのか、③地域コミュニティを守るまちづくりとは、④下町月島のまちづくりではどうすればその月島らしさを残せるか、⑤長高層をこのまま作り続けて本当に大丈夫なのか、月島三丁目南地区の都市再開発に多くの問題が存在しています。そしてそれは、日本全国のまちづくりにおける問題にも共通していると思います。 
 多くのメディアの皆様が、ご関心をもっていただけますように、どうか、よろしくお願い申し上げます。

*************記者会見ご案内******************

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「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」の都市計画手続の一時中止を求める要望書、H29.8.21中央区と再開発準備組合に提出される。

2017-08-23 23:00:00 | 月島三丁目南地区第一種市街地再開発問題
 平成29年8月21日に開催された中央区職員2名のオブザーバー参加の下、再開発準備組合と地権者・借家人を含めた地域住民との話し合いにおいて、事業の都市計画手続きの一時中止を求める要望書が地域住民側から再開発準備組合に提出されました。

 以下、文面ですが、本事業に関連する諸問題が解決されるまでは、都市計画の手続きを進めないことが要望されています。

 再開発準備組合と中央区が、要望を受け入れて下さることに期待を致します。


*****************************
平成29年8月21日

中央区長
中央区都市整備部長
月島地区まちづくり協議会
月島三丁目南地区市街地再開発準備組合理事の皆様

「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」の都市計画手続の一時中止を求める要望書(案)

要望の趣旨:

 月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業(以下、「本事業」という。)に潜む多くの問題点を解決せずに、都市計画の手続きを進めることを一時中止し、地権者・借家人はじめ地域住民との合意形成を得る時間と場所を作ることを要望致します。

理由:

本事業について本年4月に住民説明会がなされて以降、問題意識を持たれる住民のかたが広がりつつあります。5月7日の住民説明会において「月島三丁目南地区市街地再開発準備組合(以下、「再開発準備組合」という。)にも提出をした『「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」を中止したうえで、地域コミュニティを守る月島再生の検討を求める請願(以下、「請願」という。)』の賛同者も134名(8月21日現在)に達し、まだまだ、増加が見込まれています。中央区議会のほうにも、6月16日受理され、只今、常任委員会の一つである環境建設委員会において本事業の諸問題が審査中です。

 本事業は、“決定”はまだなされていないものの動き出しています。今年度の中央区予算には本事業について1億5千8百万円もの予算が計上されています。9月には、都市計画原案の公告・縦覧が予定される等、このままでは多くの住民が知らない間にますます事業が進んで行ってしまいます。
「そもそも、そこまで巨大な超高層マンション建設が必要か?」と誰もがまず首を傾げられますように、高さ190m50階建て750戸の超高層分譲マンション建設の性格を持つ本事業には様々な問題点があります。
 すなわち、超高層巨大マンションとなるため、管理費・家賃が高くなるだけではなく、修繕積立金、固定資産税・相続税などの高額の負担も将来的に生じうることなど金銭負担の問題や、管理運営の問題。超高層マンションに内在する火災や震災など、災害への脆弱性の問題。
750戸住宅供給の人口増に伴う都市基盤整備が追い付いておらず学校・保育園や高齢者施設へ負荷をかける問題。環境負荷の問題。月島第一小学校はじめ周辺地域への風害、日影被害、工事に伴う騒音・振動・粉じん被害などの問題。
 本事業により、お隣さんやご近所さんが、ちりぢりばらばらになり、月島のまちづくりの歴史とともに今まで培われてきた月島の顔の見える地域コミュニティーや下町月島の生活景が消滅してしまう問題。一たびなくなると、二度と、同じコミュニティーは作り直せません。

 本事業の計画自体においても、十分に検討をすべき様々な問題点があると考えられます。開発を望まない地権者を施行区域に含めてしまっている点。保育園が一番日影被害の大きい場所に配置されており、配置の変更が必要です。高齢者施設は、そのニーズが高い地域であるにも関わらず、配置の計画がなされていません。機械式駐車場は、将来の改修工事への負担が生じるにも関わらず、設置が計画されています。等々。

 私たちは、請願の趣旨の通り、本事業を中止し、地域コミュニティを守る月島再生の検討を求めるものではありますが、少なくとも、現時点においては、地権者・借家人はじめ地域住民の合意形成が得られているとは言えず、都市計画の手続きを一時中止し、合意形成のための時間と場所を作ることを要望致します。
 約束がされたにも関わらず、借家人や周辺地域の住民への都市計画素案(本事業計画素案)や都市計画原案(本事業計画原案)へ、意見が反映される場が、再開発準備組合から作られず現在に至っております。今一度、立ち止まり、本事業に関係するすべての住民の意見をできる限り反映して、将来の月島像を見据えた地域コミュニティを守る再生の方法が考案・提案されることを強く望んでいます。

以上


第5回月島再開発問題と月島の再生を考える会(仮称)

地域住民出席者一同

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環状二号線、暫定道路をどこに引くべきか。

2017-08-22 10:47:42 | 築地重要

 環状二号線、暫定道路をどこに引くべきか。

 ひとつの回答を与えてくれる写真です。

画像に含まれている可能性があるもの:高層ビル、空、屋外
(鈴木氏、撮影)

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月島三丁目南地区第一種市街地再開発の問題。再開発準備組合と、地権者・借家人はじめ地域住民との話し合い本日21日19時月島三丁目30-4あすなろの木にて。

2017-08-21 12:56:38 | 月島三丁目南地区第一種市街地再開発問題
 月島三丁目南地区第一種市街地再開発の問題。

 まだまだ、きちんと理解されているかたは、少ないと感じています。

 再開発準備組合のかたに来ていただき、地権者・借家人はじめ地域住民との話し合いの場を8/21に持ちます。

 中央区の職員のかたもオブザーバーとしてお越しいただき、両者の議論をみたいただく予定です。

 ご関心のある方、どなたでも、ぜひ、ご参加下さい。
 
 
     記
 
 
 
 5 回 「月島再開発問題と月島の再生を考える会(仮称)」
 
 
 
日時:平成 29  8  21 日(月) 19時~21時
 
場所:みんなの子育てひろば あすなろの木
 
(月島三丁目 30-4 飯島ビル 1 階、℡ 03-5547-1191 
 
参加方法:参加費無料。直接、会場にお越しください。
 
テーマ:『月島三丁目南地区市街地再開発準備組合との話し合い』
 
 
以上 
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医療部門における外国人対応事例の増加。

2017-08-20 23:00:00 | 医療
 五輪や観光施策の進展に伴い、医療分野の外国人対応において、課題が生じてきます。

 当院も旅行者で、日本語が話せず、通訳を介しての診療も時々あります。
 高額の医療負担の問題は、生じませんが、なかなか、コミュニケーションには苦労を致します。


***********朝日新聞*******************
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13094825.html

保険未加入、医療費払えぬ訪日客 滞在中に病気やけが

2017年8月20日05時00分


 外国人の訪日観光客が急増するなか、旅行保険に加入せず入国する人も多く、滞在中にけがや病気で多額の医療費がかかり、返済に窮するケースが報告されている。手術費などで1800万円かかった例も。医療費を滞納したまま連絡がとれなくなる事例もあり、観光庁は保険加入を呼びかけている。


 「雪が見たい」。タイ北部チェンマイに暮らし、日系企業の関連会社で働くワンウィサ・ジャイジュンさん(28)は1月、友人3人と日本にやって来て、新潟県のスキー場や富士山を訪れた。帰国予定だった同月20日、東京・御徒町のホテルから上野駅に歩いていた時、倒れた。

 たまたま通りかかった埼玉県川口市消防局の消防士山本大介さん(47)は心臓マッサージを施した。ワンウィサさんは救急車で東京医科歯科大学付属病院に運ばれた。

 担当した大井啓司医師(48)らは人工心肺装置で生命維持をしながら、冠動脈のバイパス手術など、約10日間で5回にわたる手術や治療を施した。その結果、ワンウィサさんは2月中旬、意識を取り戻し、快復に向かった。

 だが、治療費は約1800万円に。旅行保険に入っておらず、母親のスープンさん(60)は頭を抱えた。タイ国内で呼びかけた募金に500人以上が応じたが、集まったのは50万バーツ(約150万円)。在日タイ大使館が約800万円分を立て替えているが、完済にはほど遠い。在日タイ大使館によると、来日したタイ人観光客の保険加入率は1割程度とみられるという。

 ワンウィサさんは4月に帰国し、チェンマイで再び働き始めた。「命を救ってくれた日本の人たちと医療技術に心から感謝します。医療費は一生かかっても、少しずつ払っていきたい」


 ■3割が保険入らず

 日本政府観光局によると、昨年の訪日外国人観光客は2011年の約4倍の約2400万人。外国人観光客を対象にした観光庁の13年の調査では、4%が旅行中にけがや病気をし、うち約4割が病院に行った。全体の約3割が、旅行保険などに入っていなかった。増加する途上国からの海外旅行者が、旅費をできるだけ抑えようとする実態などが背景にあるようだ。

 保険がなく、医療費を払えないケースも目立ち始めた。近畿運輸局の調査によると、回答した大阪府内147病院のうち、昨年5~7月に20機関(27件)で未払いが発生し、総額は1500万円を超えた。急病で61万円の治療費がかかったが、保険に入っておらず、クレジットカードもなく、現金の500ドル(約5万5千円)を払って帰国し、その後、音沙汰がない例もあった。

 北海道運輸局の道内の約1千カ所の病院を対象とした調査でも、28病院で過去3年に診療費の未払いが判明。厚生労働省は、全国的な調査に乗り出している。

 保険業界は、外国人旅行者向けの商品の販売に力を入れはじめた。損保ジャパン日本興亜は業界で初めて「訪日旅行保険」を発売。東京海上日動は、保険に入ると、翻訳機能や日本の文化・マナーを学べる専用のスマホ用アプリを提供。病院の手配や紹介もしてもらえるという。

 (バンコク=染田屋竜太)
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日本橋の由緒ある銀杏並木、その場で守れず、申し訳ございませんでした。移植されるとのことです。また、二世作りにご協力下さる方、お申し出下さい。

2017-08-19 23:00:00 | 地球環境問題

 日本橋の立派な銀杏並木。

 この週末に伐採となりました。
 中央区の配慮もあり、一部健全なものを移植することとなっています。








 伐採の現場に駆けつけましたが、その場におられる方々は、指示に従うかたがたであり、中止の権限もなく。
 ただ、不健全なものもあって一部移植となっていたところ、根の状態などみて、生きる可能性があれば、そのすべてを移植の方向で検討いただけるように現場にてお願いを致しました。

 先人のかたが、震災復興を願い植えた由緒のある銀杏でした。
 その意思を、未来に繋ぐことができず、たいへん申し訳なく思っているところです。

 行政のかたをはじめ、いろいろな方のご努力の結果、場所を変え、それら銀杏の生きる場は与えられることになっています。

 こちらも、その先人の方の意思を未来に繋ぐため、二世をつくることを考えています。
 あすなろの木に、伐採された枝を、苗として置いています。



 

 なかなか、育てる土地をお持ちのかたは、少ないかもしれませんが、二世作りにご協力の方、ぜひ、お申しで下さい。
 メール:kosakakazuki@gmail.com 小坂和輝 宛て
 
 議会においては、街路樹の整備/電線共同溝整備における手続のありかたについて良い方法がないか、考えて参ります。

 
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