「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

仲誠一さんより:日本人の足跡「ポンペイ州コロニアタウン 観光案内」在ミクロネシア日本大使館 

2020-08-16 11:08:06 | 医療と法、医事法

*****仲誠一さんより********
今日は終戦(敗戦記念日)
1945年上海で生を受けて、45日目に島影に隠れ隠れしながら上海から引き揚げてきました。
 45日といえば、まだまだ嬰児。戦争が激しくなるので、
父親が家族には内緒で在郷軍人会を通じて
帰国の手配をとり、3月13日に上海を後にしました。
その数日後アメリカが沖縄上陸激戦という報が父のもとに入ったそうです。
 連れて帰ってくれた母親、父親の決断に感謝です。
 したがって戦争の記憶は全くありませんが・・・、
 2013年~2015年JICA観光隊員として、南方群島ミクロネシア、ポンペイに赴任した時、31年間の日本統治の爪痕をいやというほど目の当たりにしました。 
 日本人の足跡をまとめた「ポンペイ州コロニアタウン 観光案内」が、在ミクロネシア日本大使館のホームページhttps://www.micronesia.emb-japan.go.jp/Walking%20tour%20in%20Kolonia.pdfに掲載されています。お時間のある時に、ぜひご一読ください。当時存命でいらしたからの聞き取り取材もおこなっています。
ポンペイの子どもたちが、国民学校で朝礼の時、はるか赤道上から皇居のほうを仰ぎ、遥拝、万歳三唱していたことを知ったときは、悲しみと共に怒りを感じました。 教育勅語も覚えさせられたそうです。
  今でも5人に一人は日本人の血が混ざっています。戦争は、どんなことがあっても、「反対」です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニューノーマル時代における人間の社会活動を支える情報基盤の在り方とデジタルアイデンティティの位置づけ 慶應義塾大学SFC研究所 ブロックチェーン・ラボ

2020-08-07 08:53:41 | 医療と法、医事法

⇒ https://kbcl.sfc.keio.ac.jp/TR/global-digital-identity-for-new-normal-20200803/

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆☆新型コロナウイルス感染症と学校対策~子どもたちを守るために大切なこと~ 富山大学小児科 種市尋宙先生

2020-08-05 16:51:53 | 医療と法、医事法

⇒ https://www.jpa-web.org/dcms_media/other/%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E7%94%9F%E6%B4%BB%E6%A7%98%E5%BC%8F_%E5%AF%8C%E5%B1%B1%E5%A4%A7%E5%AD%A6_%E7%A8%AE%E5%B8%82%E5%B0%8B%E5%AE%99%E5%85%88%E7%94%9F.pdf

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

全国で感染再拡大 コロナ分科会後に西村担当相と尾身会長が会見(2020年7月31日)

2020-07-31 11:15:19 | 医療と法、医事法

⇒ https://www.youtube.com/watch?v=zgSFh4y3QDA

肝のスライド

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

7月23(祝)24(祝)25(土)9:00-13:00で、急病対応を行います。26(日)は、電話対応。小坂クリニック(月島三丁目30-3ベルウッドビル2~4F、03-5547-1191)

2020-07-23 13:21:49 | 医療と法、医事法

こんにちは、小坂クリニックです。

 7/23~7/26の連休の急病対応につき、お知らせさせていただきます。

 現在、お咳のかぜ、熱のかぜ、下痢などおなかのかぜなど、いろいろなおかぜが流行っています。
 都内では、新型コロナウイルス感染症も増加しているところですが、
 抗原検査なども用いコロナ感染に対する除外診断(できる限りの)も積極的に行っていきたいと考えています。

 子ども達の学び・遊びの機会を保障しつつ、コロナ禍を乗り切って参りましょう!


     記

 7月
   23日(海の日、木)9:00〜13:00
     24日(スポーツの日、金)9:00〜13:00
          25日(土)9:00〜13:00

          26日(日)9:00〜13:00→26日のみ電話対応

   

*補足1:当院のコロナ対応

1)院内感染対策

 当院は、第一波のときから、院内感染対策を講じ診療を行って参りました。
 これからも、コロナ情報を的確にフォローしつつ、安心・安全な医療及び病児保育・一時預かり保育を行って参る所存です。

2)お預かりの際の新型コロナウイルス感染症の除外
 
 病児保育の子どもは、必要に応じ、PCR或いは抗原検査を実施し、新型コロナウイルスでないことを診断したうえでお預かりするなど細心の注意を払っています。

3)PCR検査

 必要に応じ、PCR検査などへも迅速・確実につないで参ります。

4)陰性証明
 
 陰性証明(原則要らないものと考えますが、会社などで求めることがあるかもしれません。)や新型コロナウイルス抗体検査(自費税込み5000円)にも対応致します。

5)その他、コロナに関する相談応需

 保育園・学校生活・経済活動における新型コロナウイルス関連のご不安・ご質問もなんなりとご相談下さい。

6)現在の感染の広がり状況

 https://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/dd4f2afbc39cdc4dfddef2c7129b1d4b


*補足2:新型コロナウイルスに関する知識の更新

1、長崎大学の講座
https://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/659dacb4e1d4c009cce98f5bb171fd10

2、児玉先生の解説
https://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/635c01df837fe4eaf35364eda77b1465


*補足3:あすなろの木で、絵本の買取りを開始いたします。

 ブックスタート事業として、乳児健診や予防接種に来られたかたに、絵本をプレゼントしてまいりました。また、絵本の販売も始めています。
 今回、絵本事業の販売拡大に伴い、絵本の買取も開始致します。
 子ども達が卒業された絵本がご家庭にございましたら、よろしくお願いいたします。

文責:小坂こども元気クリニック・病児保育室 院長 小坂和輝
   東京都中央区月島3-30-3ベルウッドビル2~4F 電話03-5547-1191

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆すべての観光客がコロナ患者だと考えて迎え入れる――経済との両立、沖縄の医師が語る「腹の括り方」高山義浩先生2020.7.17

2020-07-17 16:24:12 | 医療と法、医事法

⇒ https://news.yahoo.co.jp/feature/1763

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

15日感染+332入院2982(+23)重症38(-2)死亡984(+2)/都+165入院+42調整中324重症8死亡326東京ルール31.3件/中央区148(+1)

2020-07-16 11:28:48 | 医療と法、医事法

<新型コロナウイルスの感染状況について>

 東京都がじわじわと増加。100人越え続く。→7/2に100人超え、7/9に200人越えへ。倍化期間約7日。200台割ったのは、月の結果ゆえ土日の検査の少なさ反映か。
 今週400台の予感。重症増加のないことを願う。

 接触歴等不明者の増加にも注意。いわゆる“夜の街”から市中感染へ。

 入院患者増加中。ただし、重症者は7。
 自宅療養273、入院調整中336も多いので、気がかり。
 入院調整にかかる件数・時間が増加していることに注意。「東京ルール」先週26.6件⇒31.4件↑。(「救急医療の東京ルール」:救急隊による5医療機関への受入要請又は選定開始から20分以上経過しても搬送先が決定しない事案。)

*関連記事
・朝日新聞2020.7.15「東京はもう第2波突入」 都の対応にいら立つ区市町村https://digital.asahi.com/articles/ASN7G7GGWN7GUTIL032.html


*今後を分析する際の重要な図表

●天野教之氏



●石川宏氏


*************
都 https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

区別:https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/
   https://stopcovid19.codeforshinjuku.org/

厚労省 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/houdou_list_202007.html

*********動き******
7/10(金)プロ野球など観客入場を可能にした。

7/9(木)東京都 第1回東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議(令和2年7月9日 13時30分~)
 動画:https://www.youtube.com/watch?v=rgRV--a45Uo&feature=push-lsb&attr_tag=TDfdTO4ogBnD7VnW%3A6
 入院患者444⇒入院病床1000床はひっ迫ゆえレベル2準備を。年齢40-50代増加。無症状陽性者15%⇒療養ホテル準備を、2施設増加。夜の街だけでなく感染拡大している、感染源不明者増加。1日6500件を1万件のPCRへ。
 → 新モニタリング項目で本格実施開始

7/6(月)国 第1回 新型コロナウイルス感染症対策分科会 開催 配布資料:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/corona1.pdf

7/5(日)都知事選挙、現職小池氏圧勝。本人は、街頭に出ず、公務に専念。過去二番目の得票数366万票。

7/2(木)都:第32回東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議(令和2年7月2日 16時15分~) 猪口先生、大曲先生も出席
動画:https://www.youtube.com/watch?v=6b5fGuL1MrI
緊急記者会見:https://www.youtube.com/watch?v=KE3wBEXi6J8


6/30(火)都:第31回東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議の開催
       新たなモニタリング指標の提示。猪口先生、大曲先生も出席
       ⇒ 東京のモニタリング指標が変わった:(第31回)東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議資料


6/29(月)都:新規陽性者数が再要請レベル51.9人/日(>50人/日)へ。

6/28(日)世界の感染者1000万人を超える。

6/24(水)
・専門家会議 解散。記者会見→ https://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/7822231bc5f4dc8cf8ab1c54b51714ed

6/19(金)
・ 移動自粛の全面解除、プロ野球開幕。

6/11(木) 
・入院患者が1000名をきる。

・東京都ステップ2⇒3へ緩和。(第30回)東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議で決定https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/saigai/1007288/1008462.html
 

6/2(火)
(第29回)東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議資料
・東京アラート発動時の判断資料
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/008/242/2020060203.pdf

6/1(月)東京都 ステップ2へ緩和

**************

【国】

感染状況:

7/15(水)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12450.html
感染者は22,508例、死亡者は984名となりました。
また、入院治療等を要する者は2,982名、退院又は療養解除となった者は18,545名となりました。

7/14(火)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12427.html
感染者は22,220例、死亡者は982名となりました。
また、入院治療等を要する者は2,959名、退院又は療養解除となった者は18,282名となりました。

7/13(月)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12392.html
感染者は21,868例、死亡者は982名となりました。
また、入院治療等を要する者は2,779名、退院又は療養解除となった者は18,103名となりました。

7/12(日)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12378.html
感染者は21,502例、死亡者は982名となりました。
また、入院治療等を要する者は2,511名、退院又は療養解除となった者は18,003名となりました。

7/11(土)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12375.html
感染者は21,129例、死亡者は982名となりました。
また、入院治療等を要する者は2,298名、退院又は療養解除となった者は17,849名となりました。


7/10(金)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12360.html
感染者は20,719例、死亡者は982名となりました。
また、入院治療等を要する者は2,078名、退院又は療養解除となった者は17,652名となりました。

7/9(木)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12339.html
感染者は20,371例、死亡者は981名となりました。
また、入院治療等を要する者は1,920名、退院又は療養解除となった者は17,466名となりました。

7/8(水)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12312.html
感染者は20,174例、死亡者は980名となりました。
また、入院治療等を要する者は1,862名、退院又は療養解除となった者は17,331名となりました。

7/7(火)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12287.html
感染者は19,981例、死亡者は978名となりました。
また、入院治療等を要する者は1,807名、退院又は療養解除となった者は17,197名となりました。


7/6(月)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12269.html
感染者は19,775例、死亡者は977名となりました。
また、入院治療等を要する者は1,687名、退院又は療養解除となった者は17,124名となりました。

7/5(日)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12250.html
感染者は19,522例、死亡者は977名となりました。
また、入院治療等を要する者は1,511名、退院又は療養解除となった者は17,050名となりました。


7/4(土)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12245.html
感染者は19,282例、死亡者は977名となりました。
また、入院治療等を要する者は1,343名、退院又は療養解除となった者は16,959名となりました。

7/3(金)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12236.html
感染者は19,068例、死亡者は976名となりました。
また、入院治療等を要する者は1,223名、退院又は療養解除となった者は16,866名となりました。

7/2(木)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12198.html
感染者は18,874例(+151)、死亡者は975名となりました。
また、入院治療等を要する者は1,125名、退院又は療養解除となった者は16,772名となりました。
*新規感染者数+151であるが、+125との記載。

7/1(水)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12177.html
感染者は18,723例、死亡者は974名となりました。
また、入院治療等を要する者は1,016名、退院又は療養解除となった者は16,731名となりました。
死亡者数+2であるが、その旨の記載なし

6/30(火)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12154.html
感染者は18,593例、死亡者は972名となりました。
また、入院治療等を要する者は984名、退院又は療養解除となった者は16,631名となりました。

6/29(月)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12134.html
感染者は18,476例、死亡者は972名となりました。
また、入院治療等を要する者は939名、退院又は療養解除となった者は16,557名となりました。


6/28(日)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12126.html
感染者は18,390例、死亡者は971名となりました。
また、入院治療等を要する者は906名、退院又は療養解除となった者は16,505名となりました。


6/27(土)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12123.html
感染者は18,297例、死亡者は971名となりました。
また、入院治療等を要する者は869名、退院又は療養解除となった者は16,452名となりました

6/26(金)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12116.html
感染者は18,197例、死亡者は969名となりました。
また、入院治療等を要する者は833名、退院又は療養解除となった者は16,392名となりました。

6/25(木)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12088.html
感染者は18,110例、死亡者は968名となりました。
また、入院治療等を要する者は816名、退院又は療養解除となった者は16,320名となりました。


6/24(水)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12062.html
感染者は18,024例、死亡者は963名となりました。
また、入院治療等を要する者は794名、退院又は療養解除となった者は16,263名となりました。
*厚労省の死亡者の記載:6/23(火)955→ 6/24(水)963(+3)+8を+3と記載。

6/23(火)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12046.html
感染者は17,968例、死亡者は955名となりました。
また、入院治療等を要する者は798名、退院又は療養解除となった者は16,212名となりました。


6/22 (月)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12025.html
感染者は17,916例、死亡者は953名となりました。
また、入院治療等を要する者は829名、退院又は療養解除となった者は16,133名となりました。


6/21(日)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12010.html
感染者は17,864例、死亡者は953名となりました。
また、入院治療等を要する者は801名、退院又は療養解除となった者は16,108名となりました。

6/20(土)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12008.html
感染者は17,799例、死亡者は952名となりました。
また、入院治療等を要する者は767名、退院又は療養解除となった者は16,077名となりました。
*厚労省の死亡者の記載:6/19(金)935→ 6/20(土)952(+4) 、+17を+4と記載
6/19(金)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11993.html
感染者は17,740例、死亡者は935名となりました。
また、入院治療等を要する者は794名、退院又は療養解除となった者は16,008名となりました。



6/18(木)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11961.html
感染者は17,668例、死亡者は935名となりました。
また、入院治療等を要する者は800名、退院又は療養解除となった者は15,930名となりました。

6/17(水)
感染者は17,628例、死亡者は931名となりました。
また、入院治療等を要する者は845名、退院又は療養解除となった者は15,850名となりました。

6/16(火)
感染者は17,587例、死亡者は927名となりました。
また、入院治療等を要する者は954名、退院又は療養解除となった者は15,701名となりました。


6/15(月)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11879.html
感染者は17,502例、死亡者は925名となりました。
また、入院治療等を要する者は890名、退院又は療養解除となった者は15,686名となりました。

6/14(日)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11868.html
感染者は17,429例、死亡者は925名となりました。
また、入院治療等を要する者は859名、退院又は療養解除となった者は15,643名となりました。

6/13(土)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11865.html
感染者は17,382例、死亡者は924名となりました。
 また、入院治療等を要する者は872名、退院又は療養解除となった者は15,580名となりました。

6/12(金)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11850.html
感染者は17,332例、死亡者は922名となりました。
また、入院治療等を要する者は911名、退院又は療養解除となった者は15,493名となりました。

6/11(木)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11820.html
感染者は17,292例、死亡者は920名となりました。
また、入院治療等を要する者は981名、退院又は療養解除となった者は15,383名となりました。

6/10(水)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11796.html
感染者は17,251例、死亡者は919名となりました。
また、入院治療等を要する者は1,026名、退院又は療養解除となった者は15,298名となりました。

6/9(火)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11774.html
感染者は17,210例、死亡者は916名(+0)となりました。
また、入院治療等を要する者は1,074名、退院又は療養解除となった者は15,213名となりました。

6/8(月)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11749.html
感染者は17,174例、死亡者は916名(+0)となりました。
また、入院治療等を要する者は1,106名、退院又は療養解除となった者は15,148名となりました。


●報道機関による死亡者数:
7/14(火)984(+0)、7/15(水)

6/29(月)972(+0)、6/30(火)974(+2)、7/1(水)976(+2)、

6/22(月)961(+1)、6/23(火)965(+4)、6/24(水)、6/25(木)、6/26(金)、6/27(土)972(+1)、6/28(日)

6/15(月)933(+2)、6/16(火)938(+5)、6/17(水)939(+1)、6/18(木)941(+2)、6/19(金)959(+18)、6/20(土)959(+0)、6/21(日)

6/8(月)922(+3)、6/9(火)923(+1)、6/10(水)925(+2)、6/11(木)925(+0)、6/12(金)、6/13(土)、6/14(日)

 

【都】
●感染者数
7/13(月)8046(+119)、7/14(火)8189(+143)、7/15(水)8354(+165)

7/6(月)6867(+102)、7/7(火)6973(+106)、7/8(水)7048(+75)、7/9(木)7272(+224)、7/10(金)7515(+243)、7/11(土)7721(+206)、7/12(日)7,927 (+206)

6/29(月)6171(+58)、6/30(火)6225(+54)、7/1(水)6292(+67)、7/2(木)6399(+107)、7/3(金)6523(+124)、7/4(土)6654(+131)、7/5(日)6765(+111)


6/22(月)5812(+29)、6/23(火)5840(+31)、6/24(水)5895(+55)、6/25(木)5943(+48)、6/26(金)5997(+54)、6/27(土)6054(+57)、6/28(日)6114(+60)

6/15(月)5592(+48)、6/16(火)5619(+27)、6/17(水)5633(+16)、6/18(木)5674(+41)、6/19(金)5709(+35)、6/20(土)5748(+39)、6/21(日)5,783 (+35)


6/8(月)5396(+13)、6/9(火)5408(+12)、6/10(水)5426(+18)、6/11(木)5448(+22)、6/12(金)5573(+25)、6/13(土)、6/14(日)5544(+47

6/1(月)5249(+13)、6/2(火)5283(+34)、6/3(水)5295(+12)、6/4(木)5323(+28)、6/5(金)5343(+20)、6/6(土)5369(+26)、6/7(日)5383(+14)


5/25(月)5160(+8)、5/26(火)5170(+10)、5/27(水)5180(+10)、5/28(木)5195(+15)、5/29(金)5217(+22)、5/30(土)5231(+14)、5/31(日)5236(+5)

 

感染状況:
7/15(水)

陽性者数 (累計)8,354 人(+165)
  • 入院721 人(+42)
    • 軽症・中等症713 
    • 重症8 
  • 宿泊療養109 
  • 自宅療養266 
  • 入院・療養等調整中324 
  • 死亡326 
  • 退院等(療養期間経過を含む)6,608 

モニタリング項目

 
 

感染状況

項目 数値
(1)新規陽性者数 186.6 人
潜在・市中感染 (2)#7119(東京消防庁救急相談センター)における発熱等相談件数 68.9 件
(3)新規陽性者における接触歴等不明者 人数 87.4 人
増加比 200.0 %

医療提供体制

項目 数値
検査体制 (4)PCR・抗原検査 陽性率 6.0 %
検査人数 2,845.9 人
受入体制 (5)救急医療の東京ルールの適用件数 31.3 件
(6)入院患者数 721 人
  確保病床 1000床→2800床
(7)重症患者数 8 人
  確保病床 100床


7/14(火)

陽性者数 (累計)8,189 人(+143)
  • 入院679 人(+28)
    • 軽症・中等症672 
    • 重症7 
  • 宿泊療養104 
  • 自宅療養273 
  • 入院・療養等調整中336 
  • 死亡325 
  • 退院等(療養期間経過を含む)6,472 



モニタリング項目

 
 

感染状況

項目 数値
(1)新規陽性者数 173.7 人
潜在・市中感染 (2)#7119(東京消防庁救急相談センター)における発熱等相談件数 67.9 件
(3)新規陽性者における接触歴等不明者 人数 79.9 人
増加比 192.1 %

医療提供体制

項目 数値
検査体制 (4)PCR・抗原検査 陽性率 6.2 %
検査人数 2,685.9 人
受入体制 (5)救急医療の東京ルールの適用件数 31.4 件 ↑
(6)入院患者数 679 人
  確保病床 レベル1(1,000床)
(7)重症患者数 7 人
  確保病床 レベル1(100床)

 

 

 

【中央区】

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/

感染状況:
7/13(月)147(+2)7/14(火)148(+1)、7/15(水)


7/6(月)133(+2)7/7(火)135(+2)、7/8(水)135(+0)、7/9(木)136(+1)7/10(金)137(+1)7/11(土)143(+6)7/12(日)145(+2)

6/29(月)125(+1)6/30(火)125(+0)、7/1(水)125(+0)、7/2(木)127(+2)、7/3(金)127(+0)、7/4(土)129(+2)、7/5(日)131(+2)

6/22(月)121(+4)、6/23(火)121(+0)、6/24(水)121(+0)、6/25(木)123(+2)6/26(金)124(+1)、6/27(土)124(+0)、6/28(日)124(+0)

6/15(月)115(+0)、6/16(火)115(+0)、6/17(水)115(+0)、6/18(木)116(+1)6/19(金)117(+1)、6/20(土)中央区117(+0)、6/21(日)中央区117(+0)

6/8(月)114(+0)、6/9(火)114(+0)、6/10(水)114(+0)、6/11(木)114(+0)、6/12(金114(+0)、6/13(土)115(+1)、6/14(日)115(+0)

6/1(月)112(+0)、6/2(火)114(+2)、6/3(水)114(+0)、6/4(木)114(+0)、6/5(金)114(+0)、6/6(土)114(+0)、6/7(日)114(+0)

5/25(月)112(+0)、5/26(火)112(+0)、5/27(水)112(+0)、5/28(木)112(+0)、5/29(金)112(+0)、5/30(土)112(+0)、5/31(日)112(+0)

5/18(月)112(+1)、5/19(火)112(+0)、5/20(水)112(+0)、5/21(木)111(-1)、5/22(金)111(+0)、5/23(土)、5/24(日)112、

5/11(月)97(+4)、5/12(火)110(+13)、5/13(水)110(+0)、5/14(木)110(+0)、5/15(金)110(+0)、5/16(土)111(+1)、5/17(日)111(+0)、

5/4(月)90(+1)、5/5(火)93(+3)、5/6(水)93(+0)、5/7(木)93(+0)、5/8(金)93(+0)、5/9(土)93(+0)、5/10(日)93(+0)、

4/27(月)84(+3)、4/28(火)87(+3)、4/29(水)87(+0)、4/30(木)87(+0)、5/1(金)88(+1)、5/2(土)89(+1)、5/3(日)89(+0)


4/20(月)68(+1)、4/21(火)70(+2)、4/22(水)73(+3)、4/23(木)74(+1)、4/24(金)79(+5)、4/25(土)79(+0)、4/26(日)80(+1)

4/13(月)39(+3)、4/14(火)51(+12)、4/15(水)53(+2)、4/16(木)56(+3)、4/17(金)58(+2)、4/18(土)65(+7)、4/19(日)67(+2)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

医療的ケア児等医療情報共有システム (MEIS)について 

2020-07-01 08:45:57 | 医療と法、医事法

⇒ https://www.arai21.net/wp-content/uploads/2020/06/2_%E5%8E%9A%E5%8A%B4%E7%9C%8120200618%E6%B0%B8%E7%94%B0%E7%94%BA%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E4%BC%9A%E8%AD%B0MEIS_%E8%B3%87%E6%96%99.pdf

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆イベント開催における感染対策 高山義浩先生より2020.7.1

2020-07-01 06:27:34 | 医療と法、医事法

 感染症がご専門の高山義浩先生よりイベント開催における感染対策の記載2020.7.1がなされていましたので、転載します。

 中央区もイベントが増えてきます。
 感染制御し、開催を行っていきたいと思います。


********転載***********************

―― 高齢者や基礎疾患を有する方の参加をお断りした方がよいか?

おそるおそるのイベント再開になるので、たしかに当初は参加をお断りした方がよいのかもしれません。
ただ、ゆくゆくは、そういう人たちにも安心を提供できる場所であってほしいと思います。コロナ禍は数年続くかもしれないので、リスクある人たちが参加できないイベントではなく、(リスクはゼロではないとしても)ユニバーサルに参加できるイベントを目指してください。
たとえば、高齢者や障がいを有する方用に、周囲から飛沫が入らないようにアクリル板で隔離したり、風の流れの上流であると確認できる場所など工夫した特別エリアを設置するなど検討してもよいのではないでしょうか? 私の病院でも、抗がん剤治療中の患者さんなど、事前に連絡があった場合には、その人たち専用の待合エリアを準備しています。


―― 満員電車と比べればイベント会場の方が安全だ。そこまでやる必要があるか?

満員電車を減らすべきであって、比較の基準とすべきではありません。実際、高齢者や基礎疾患を有する方は、満員電車など都会にあるリスクを避けて暮らしておられるでしょう。そういう方々でも安心して参加できるように考えてください。


―― スタッフの健康管理はどうしたらよいか?

イベント当日、スタッフに症状がないことを確認するのは、最低限のルールだと思います。会場で症状確認をするのではなく、自宅で症状確認をして報告させるのが安心でしょう。
なお、スタッフの家族が発熱しているだけで休ませる必要はありませんが、スタッフの家族が新型コロナに感染している場合には、スタッフは濃厚接触者となるので休ませた方がいいかもしれません。あと、イベント前の2週間は、できるだけ流行地へと渡航しないように求めることも検討してください。


―― イベント会場で発熱者を見つけたときは、どうすればよいか?

体調不良者を発見したときは、風通しの良い別室に案内することになります。そして、帰宅して療養するように促すか、医療機関への受診を勧めてください。
このとき、案内する人はマスクのほか、手袋とプラスチックエプロンを着用するなど、飛沫予防だけでなく、接触感染予防をとることが求められます。また、体調不良者が座っていた場所の消毒も必要になります。


―― トイレ利用のルールについて、どこまで求めるべきか??

何はともあれ、手指衛生をきちんとしていただくこと。これに尽きます。可能であればペーパータオルを設置してください。エアドライヤーはお勧めしません。
一方、靴を脱ぐようなイベントでなければ、トイレでスリッパに履き替える必要はありません。トイレの床も会場の床も汚いという前提に立ちます。
また、トイレ使用後に蓋を閉じて流すよう求める必要はないと思います。たしかに、蓋を閉めずにトイレを流すと、病原菌がエアロゾル化して環境汚染される可能性を示唆する研究はあるのですが(E L Best, et al. J Hosp Infect 2012 Jan;80: 1-5)、それは欧米のトイレが水ハネしやすい「洗い落とし式(じゃばーん)」だからであって、日本のトイレは渦巻きで流れていく「サイホン式(じゃじゃ~)」なので条件が違います。
むしろ、お尻をぬぐったあとの「汚染された手」でいろんな人が触っている「汚染されたトイレの蓋」を触ってしまいます(←むちゃくちゃ生物学的に汚い行為)。別に研究したわけじゃないのですが、トイレ使用後に蓋を閉じて流すのは良くないと私は思ってます。
このあたり、どうしてもルールにすると言うのなら、日本の優れたトイレでも必要なのか、きちんと研究いただけると嬉しいです。



―― イベント会場では会話を控えてもらうべきか?

マスクを着けているのであれば、会話を控える必要はないかなと思います。もちろん、マスクを着けていても、大声を出さない、歌わないなどの配慮は必要です。


―― マスクが着用できない子供の参加は断るべきか?

小さな子供に限らず、発達障害のある方など、マスクをつけられない人はいます。個人的には、そういう人を守るために、周囲がマスクをつけるんだと思っています。もうひと工夫するなら、たとえばコンサート会場であれば、マスクが着けられない人のためのエリアを設定することも考えてみてください。
最近、外来でお会いした患者さんから聞いた話ですが、沖縄県の水族館が再開したということで、楽しみにしていた2歳のお子さんを連れて行ったそうです。すると、マスクを着けられないならダメですと、入り口で帰されちゃったとのこと。そのお子さんは、ものすごいショックを受けていたとのことです。
お断りするという考え方を否定はしませんが、せめて、マスクを着けられない人は入場できないことを事前に周知しておくことは大切だと思います。


―― 感染者が出ていない地方でも、これだけの対策が求められるのか?

感染者が出ていない地域で、その地域の人たちが参加するイベント・・・ たとえば、村祭りなどをイメージしますが、これと県をまたいで集まってくるようなイベントでは、明らかにリスクの程度は異なります。東京のような都会でのイベントであれば、いつでもリスクがあると考えた方がいいでしょうが、地方では必ずしもそうではありません。
もちろん、地方でなぜ広がっていないかというと、このようなイベントが少ないからとも言えるでしょう。ですから、地方であってもイベント開催する以上は、感染対策は必要です。ただ、環境や密度だけでなく、参加者の性質によっても、対策のレベルを段階的に考えることが望ましいと私は思います。
都会の満員電車でマスクが必要だからといって、感染者が出ていない地域のエイサーで、皆がマスクを着けて踊るべきとはなりません。ただし、その日ばかりは、都会から若者たちが帰ってくるとなれば、また話は別です。これからのイベント企画者には、このあたりの見極めが求められるでしょう。

以上
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆児童館のための新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン2020.6.10一般財団法人 児童健全育成推進財団

2020-06-28 08:22:07 | 医療と法、医事法

→ https://www.jidoukan.or.jp/info/news/5d794e7b298b

https://manage.jidoukan.or.jp/upload/fr_main/1x/jidoukan/info/R020610%E5%85%90%E7%AB%A5%E9%A4%A8%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%80%90%E5%85%90%E7%AB%A5%E5%81%A5%E5%85%A8%E8%82%B2%E6%88%90%E6%8E%A8%E9%80%B2%E8%B2%A1%E5%9B%A3%E3%80%91.pdf?v=20200610111028

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平成27年10月1日施行 改正医療法の比較 「第三章 医療の安全の確保」を中心に

2015-08-27 10:38:23 | 医療と法、医事法
現行第三章

 第三章 医療の安全の確保



第六条の九  国並びに都道府県、保健所を設置する市及び特別区は、医療の安全に関する情報の提供、研修の実施、意識の啓発その他の医療の安全の確保に関し必要な措置を講ずるよう努めなければならない。



第六条の十  病院、診療所又は助産所の管理者は、厚生労働省令で定めるところにより、医療の安全を確保するための指針の策定、従業者に対する研修の実施その他の当該病院、診療所又は助産所における医療の安全を確保するための措置を講じなければならない。



第六条の十一  都道府県、保健所を設置する市及び特別区(以下この条及び次条において「都道府県等」という。)は、第六条の九に規定する措置を講ずるため、次に掲げる事務を実施する施設(以下「医療安全支援センター」という。)を設けるよう努めなければならない。
一  患者又はその家族からの当該都道府県等の区域内に所在する病院、診療所若しくは助産所における医療に関する苦情に対応し、又は相談に応ずるとともに、当該患者若しくはその家族又は当該病院、診療所若しくは助産所の管理者に対し、必要に応じ、助言を行うこと。

二  当該都道府県等の区域内に所在する病院、診療所若しくは助産所の開設者若しくは管理者若しくは従業者又は患者若しくはその家族若しくは住民に対し、医療の安全の確保に関し必要な情報の提供を行うこと。

三  当該都道府県等の区域内に所在する病院、診療所又は助産所の管理者又は従業者に対し、医療の安全に関する研修を実施すること。

四  前三号に掲げるもののほか、当該都道府県等の区域内における医療の安全の確保のために必要な支援を行うこと。

2  都道府県等は、前項の規定により医療安全支援センターを設けたときは、その名称及び所在地を公示しなければならない。

3  都道府県等は、一般社団法人、一般財団法人その他の厚生労働省令で定める者に対し、医療安全支援センターにおける業務を委託することができる。

4  医療安全支援センターの業務に従事する職員(前項の規定により委託を受けた者(その者が法人である場合にあつては、その役員)及びその職員を含む。)又はその職にあつた者は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。



第六条の十二  国は、医療安全支援センターにおける事務の適切な実施に資するため、都道府県等に対し、医療の安全に関する情報の提供を行うほか、医療安全支援センターの運営に関し必要な助言その他の援助を行うものとする。






**************平成27年10月1日施行 改正医療法 第三章など(抄) 下線は、小坂による**********************************

 附則において、医師法21条異状死に伴う手続きとの整理について規定しています。



医療法(昭和二十三年法律第二百五号 抄)

第三章 医療の安全の確保

第一節 医療の安全の確保のための措置

第六条の九 国並びに都道府県、保健所を設置する市及び特別区は、医療の安全に関する情報の提供、研修
の実施、意識の啓発その他の医療の安全の確保に関し必要な措置を講ずるよう努めなければならない。


第六条の十 病院、診療所又は助産所(以下この章において「病院等」という。)の管理者は、医療事故(当
該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であつて、
当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかつたものとして厚生労働省令で定めるものをいう。以下この
章において同じ。)が発生した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、当該医療事故の
日時、場所及び状況その他厚生労働省令で定める事項を第六条の十五第一項の医療事故調査・支援センタ
ーに報告
しなければならない。
2 病院等の管理者は、前項の規定による報告をするに当たつては、あらかじめ、医療事故に係る死亡した
者の遺族又は医療事故に係る死産した胎児の父母その他厚生労働省令で定める者(以下この章において単
に「遺族」という。)に対し、厚生労働省令で定める事項を説明しなければならない。ただし、遺族がない
とき、又は遺族の所在が不明であるときは、この限りでない。


第六条の十一 病院等の管理者は、医療事故が発生した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、速
やかにその原因を明らかにするために必要な調査(以下この章において「医療事故調査」という。)を行わ
なければならない。
2 病院等の管理者は、医学医術に関する学術団体その他の厚生労働大臣が定める団体(法人でない団体に
あつては、代表者又は管理人の定めのあるものに限る。次項及び第六条の二十二において「医療事故調査
等支援団体」という。)に対し、医療事故調査を行うために必要な支援を求めるものとする。
3 医療事故調査等支援団体は、前項の規定により支援を求められたときは、医療事故調査に必要な支援を
行うものとする。
4 病院等の管理者は、医療事故調査を終了したときは、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、
その結果を第六条の十五第一項の医療事故調査・支援センターに報告しなければならない。
5 病院等の管理者は、前項の規定による報告をするに当たつては、あらかじめ、遺族に対し、厚生労働省
令で定める事項を説明しなければならない。ただし、遺族がないとき、又は遺族の所在が不明であるとき
は、この限りでない。


第六条の十二~第六条の十四(略)

第二節 医療事故調査・支援センター

第六条の十五 厚生労働大臣は、医療事故調査を行うこと及び医療事故が発生した病院等の管理者が行う医
療事故調査への支援を行うことにより医療の安全の確保に資することを目的とする一般社団法人又は一般
財団法人であつて、次条に規定する業務を適切かつ確実に行うことができると認められるものを、その申
請により、医療事故調査・支援センターとして指定することができる。
2 厚生労働大臣は、前項の規定による指定をしたときは、当該医療事故調査・支援センターの名称、住所
及び事務所の所在地を公示しなければならない。
3 医療事故調査・支援センターは、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あら
かじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
4 厚生労働大臣は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならな
い。


第六条の十六 医療事故調査・支援センターは、次に掲げる業務を行うものとする。
一 第六条の十一第四項の規定による報告により収集した情報の整理及び分析を行うこと。
二 第六条の十一第四項の規定による報告をした病院等の管理者に対し、前号の情報の整理及び分析の結
果の報告を行うこと。
三 次条第一項の調査を行うとともに、その結果を同項の管理者及び遺族に報告すること。
四 医療事故調査に従事する者に対し医療事故調査に係る知識及び技能に関する研修を行うこと。
五 医療事故調査の実施に関する相談に応じ、必要な情報の提供及び支援を行うこと。
六 医療事故の再発の防止に関する普及啓発を行うこと。
七 前各号に掲げるもののほか、医療の安全の確保を図るために必要な業務を行うこと。


第六条の十七 医療事故調査・支援センターは、医療事故が発生した病院等の管理者又は遺族から、当該医
療事故について調査の依頼があつたときは、必要な調査を行うことができる。
2 医療事故調査・支援センターは、前項の調査について必要があると認めるときは、同項の管理者に対し、
文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出その他必要な協力を求めることができる。
3 第一項の管理者は、医療事故調査・支援センターから前項の規定による求めがあつたときは、これを拒
んではならない。
4 医療事故調査・支援センターは、第一項の管理者が第二項の規定による求めを拒んだときは、その旨を
公表することができる。
5 医療事故調査・支援センターは、第一項の調査を終了したときは、その調査の結果を同項の管理者及び
遺族に報告しなければならない。


第六条の十八 医療事故調査・支援センターは、第六条の十六各号に掲げる業務(以下「調査等業務」とい
う。)を行うときは、その開始前に、調査等業務の実施方法に関する事項その他の厚生労働省令で定める事
項について調査等業務に関する規程(次項及び第六条の二十六第一項第三号において「業務規程」という。)
を定め、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 厚生労働大臣は、前項の認可をした業務規程が調査等業務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認
めるときは、当該業務規程を変更すべきことを命ずることができる。


第六条の十九 医療事故調査・支援センターは、毎事業年度、厚生労働省令で定めるところにより、調査等
業務に関し事業計画書及び収支予算書を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変
更しようとするときも、同様とする。
2 医療事故調査・支援センターは、厚生労働省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、調査等業務
に関し事業報告書及び収支決算書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。


第六条の二十 医療事故調査・支援センターは、厚生労働大臣の許可を受けなければ、調査等業務の全部又
は一部を休止し、又は廃止してはならない。


第六条の二十一 医療事故調査・支援センターの役員若しくは職員又はこれらの者であつた者は、正当な理
由がなく、調査等業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。


第六条の二十二 医療事故調査・支援センターは、調査等業務の一部を医療事故調査等支援団体に委託する
ことができる。
2 前項の規定による委託を受けた医療事故調査等支援団体の役員若しくは職員又はこれらの者であつた者
は、正当な理由がなく、当該委託に係る業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。


第六条の二十三 医療事故調査・支援センターは、厚生労働省令で定めるところにより、帳簿を備え、調査
等業務に関し厚生労働省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。


第六条の二十四 厚生労働大臣は、調査等業務の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、
医療事故調査・支援センターに対し、調査等業務若しくは資産の状況に関し必要な報告を命じ、又は当該
職員に、医療事故調査・支援センターの事務所に立ち入り、調査等業務の状況若しくは帳簿書類その他の
物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係人にこれを提示
しなければならない。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。


第六条の二十五 厚生労働大臣は、この節の規定を施行するために必要な限度において、医療事故調査・支
援センターに対し、調査等業務に関し監督上必要な命令をすることができる。


第六条の二十六 厚生労働大臣は、医療事故調査・支援センターが次の各号のいずれかに該当するときは、
第六条の十五第一項の規定による指定(以下この条において「指定」という。)を取り消すことができる。
一 調査等業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
二 指定に関し不正の行為があつたとき。
三 この節の規定若しくは当該規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき、又は第六条の十八第一項
の認可を受けた業務規程によらないで調査等業務を行つたとき。
2 厚生労働大臣は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。


第六条の二十七 この節に規定するもののほか、医療事故調査・支援センターに関し必要な事項は、厚生労
働省令で定める。


附 則
(検討)
第二条 政府は、この法律の公布後必要に応じ、地域における病床の機能の分化及び連携の推進の状況等を
勘案し、更なる病床の機能の分化及び連携の推進の方策について検討を加え、必要があると認めるときは、
その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

2 政府は、第四条の規定(前条第五号に掲げる改正規定に限る。)による改正後の医療法(以下「第五号
新医療法」という。)第六条の十一第一項に規定する医療事故調査(以下この項において「医療事故調査」
という。)の実施状況等を勘案し、医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第二十一条の規定による届出
び第五号新医療法第六条の十五第一項の医療事故調査・支援センター(以下この項において「医療事故調
査・支援センター」という。)への第五号新医療法第六条の十第一項の規定による医療事故の報告、医療事
故調査及び医療事故調査・支援センターの在り方を見直すこと等について検討を加え、その結果に基づき、
この法律の公布後二年以内に法制上の措置その他の必要な措置を講ずるものとする。

3、4(略)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

本年10月1日スタート、「医療事故調査制度」(改正医療法)による医療安全向上に期待

2015-08-26 23:00:00 | 医療と法、医事法

 医療安全が向上されることを目指し、本年10月1日から施行される改正医療法。

 その改正により、「医療事故調査制度」がスタートします。


 その制度の理解をしているところですが、どうも引っかかる点は、「医療事故調査制度」が利用される一方で、現行の医師法21条の異状死に伴う手続きも進む点です。
 今後、理解を深めていきたいと考えます。

 改正医療法が施行されてから8ヶ月以内(公布後2年以内)に、本制度と医師法21条の手続きとの関係の整理がなされるということです。
 見守っていきたいところです。


 「医療事故調査制度」について厚労省該当ページ:http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061201.html 

 改正医療法:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000061336.pdf 


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

法医学で最も大事な概念「異状死」について 医師法21条 注;異状と異常は違います。

2015-08-25 23:00:00 | 医療と法、医事法

 以前、書いたブログですが、この10月から医療法が改正され、施行されることになる「医療事故調査制度」を考えるに当たって、どうしても避けることのできない概念「異状死」をまず、再確認させていただきます。

 



***********************************
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/487dd403b9f180b604b05e40b48fd4e9

異状死について        

1、 異状死に関する問題の所在

(1)「異状」が法律に明文化されていないこと

 医師法21条に、「医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない」と規定している一方で、「異状死」自体については、法律で明文化されたものはなく、具体的な法規定がおかれていないのが現状で、ここが問題の所在である。
 同法21条自体は、明治時代の医師法にほとんど同文の規定がなされて以来、第二次大戦中の国民医療法を経て現在の医師法に至るまで、そのまま踏襲されて来ている条文である。
 立法の当初の趣旨は、おそらく犯罪の発見と公安の維持を目的としたものであったと考えられる。
 しかし、社会生活の多様化・複雑化にともない、人権擁護、公衆衛生、衛生行政、社会保障、労災保険、生命保険、その他のかかわる問題が重要とされなければならない現在、異状死の解釈もかなり広義でなければならなくなっている。

(2)異状死の定義についての現在の混乱の状況

 2001年(平成13年)日本外科学会は、「診療行為に関連した「異状死」とは、あくまでも診療行為の合併症としては合理的な説明ができない「予期しない死亡、およびその疑いがあるもの」をいうのであり、診療行為の合併症として予期される死亡は「異状死」には含まれないことを、ここに確認する」ということ及び「診療行為における過失の有無の判断は専門的な証拠や資料に基づき公正に行われる必要があり、捜査機関がこれに相応しいとは考えることができない。学識経験者、法曹及び医学専門家等から構成される公的な中立的機関が判断すべきであり、かかる機関を設立するための速やかな立法化を要請する」という二つの内容の声明を出した。
 上記声明にもあるように、異状死の明確な定義がないため、異常死の届出について医学界で混乱が生じていた。実際には、様々なガイドラインが出され、警察への届出は、刑事責任を問われる可能性のある「死亡又は結果が重大」な場合(国立大学病院報告)、医療過誤による「死亡又は傷害(その疑い)」の場合(国立病院マニュアル)、重大な医療過誤の強い疑いがあるか何らかの医療過誤が明らかな「死亡又は重大な傷害」の場合(外科学会ガイドライン)等、内容が少しずつ異なるものであった。
 異状死の定義に関する国会答弁でも、厚生労働大臣は、「具体的に示すことはなかなか難しい」、警察庁刑事局長は、「個別的に判断、なかなか難しい」と答弁していること(日本医事新報2006年3月25日)でわかるように中央官僚でさえ定義そのものを述べられないのであるから、現場は相当混乱していたことが推察される。

(3)統計

 なお、統計上は、警察に届出のある異状死体は、2005年(平成17年)段階で全国で1年間に約13万体あり、そのうち約6〜7割が病死である。解剖はその約1割になされている。
警察にも診療関連死を評価する機能に限界があり、捜査の密行性・密室性及び臨床評価の意見の偏りから離脱できるような「中立的な第三者機関」の必要性が言われ始めている。
 


2、 異状死とは

(1)日本法医学会の「異状死」ガイドライン(平成6年5月・日法医誌48(5):357-358、1994)

 脳死に伴う臓器移植に対応できること、特に警察対応を当初意図して、1994年(平成6年)5月に、日本法医学会は、「異状死」ガイドライン(以下、「ガイドライン」という)を提示した。そのガイドラインは、実務的側面を重視し作成されたものであった。
 ガイドラインは、厚生省(現厚生労働省)も、「日本医学会が定めるガイドラインを参考にされたい」(『実践 医事法学』)としており、後述の2004年(平成16年)都立広尾病院事件最高裁判決(以下、「平成16年判決」という)でも、ガイドラインの定義が採用されている。

(2)異状死とは

ア、異状と異常
 異状とは、病理学的異状ではなく法医学的異状をいう。また、異状は、普通とは異なる状態をいう名詞であり、一方、異常は、正常に対する言葉で形容動詞の語幹であり似て非なる用語である。
 異状死は、基本的には、病気になり診療をうけつつ、診断されているその病気で死亡することが「ふつうの死」であり、これ以外が、異状死とされる。

イ、判例(東京地八王子支昭和44年3月27日)
 判例では、「本条にいう死体の異状とは、単に死因についての病理学的な異状をいうのではなく、死体に関する法医学的な異状と解すべきであって、死体から認識できる何らかの異状な症状ないし痕跡が存する場合だけでなく、死体が発見されるに至ったいきさつ、死体発見場所、状況、身元、性別等諸般の事情を考慮して死体に関し異状を認めた場合を含む」と判示されている。

ウ、日本法医学会ガイドライン
 ガイドラインでは、大きく5分類し、以下定義している。
【1】 外因による死亡(診療の有無、診療の期間を問わない)
(1) 不慮の事故
交通事故、転倒・転落、溺水、火災・火焔などによる傷害、窒息、中毒、異常環境、感電・落雷、その他の災害
(2) 自殺
死亡者自身の意志と行為に基づく死亡。
(3) 他殺
加害者に殺意があったか否かにかかわらず、他人によって加えられた傷害に起因する死亡すべてを含む。
【2】 外因による傷害の続発症、あるいは後遺傷害による死亡
例)頭部外傷や睡眠中毒などに続発した気管支炎
  パラコート中毒に続発した間質性肺炎・肺線維症
  外傷、中毒、熱傷に続発した敗血症・急性腎不全・多臓器不全
  破傷風、骨折に伴う脂肪塞栓症 など
【3】 上記【1】または【2】の疑いがあるもの
外因と死亡との間に少しでも因果関係の疑いのあるもの
外因と死亡との因果関係が明らかでないもの
【4】 診療行為に関連した予期しない死亡、およびその疑いがあるもの
注射、麻酔、手術、検査、分娩などあらゆる診療行為中、または診療行為の比較的直後における予期しない死亡。
診療行為自体が関与している可能性のある死亡。
診療行為中または比較的直後の急死で、死因が不明の場合。
診療行為の過誤や過失の有無を問わない。
【5】 死因が明らかでない死亡
(1) 死体として発見された場合
(2) 一見健康に生活していたひとの予期しない急死
(3) 初診患者が、受診後ごく短時間で死因となる傷病が診断できないまま死亡した場合
(4) 医療機関への受診歴があっても、その疾病により死亡したとは診断できない場合(最終診療後24時間以内の死亡であっても、診断されている疾病により死亡したとは判断できない場合)
(5) その他、死因が不明の場合。病死か外因死か不明の場合

(3)異状死についての誤った解釈例等

 ア、「異状死体にはすべて死体検案書が交付され、逆に死体検案書が交付された死体はすべて異状死体である」という誤った解釈がある。
 死亡診断書と死体検案書のいずれを交付するかの根拠は、「死因が内因か外因か」あるいは「異状死体として検視(検案)されたか否か」とは無関係である。
 死亡診断書は、診療継続中の患者が当該診療に係る疾病で死亡した場合に、診療した医師がその診療内容等の情報を基に記入する書類である。
 死体検案書は、診療継続中の患者以外の死体を検案した場合、および診療継続中の患者であってもその死因が診療に係る傷病と関連しない原因により死亡した場合に、死体を検案した医師が検案内容を基に記入する書類である。
 死亡診断書・検案書交付については、医師法19条2項で規定されている。

イ、「医療機関に収容後24時間以内に患者が死亡した場合にこれらを全て異状死体と考え、内因死因が明確である場合においても死亡診断書は交付できない」と考えている医師が多数見られるが、医師法20条についての誤解と思われる。収容後たとえ短時間であっても(ごく短時間しか関わっていない病院到着時心肺停止症例であっても)、明らかな内因性死亡が確定されれば異状死体ではないので、警察に届け出なしに死亡診断書を交付しても法的にはなんら問題はない。
 異状死体か否かの判断は、診療継続中の患者か否か、または診療時間の長短等に左右されるものではない。死因が明らかに確定診断された「病死」であるか否かによる。

ウ、医師法20条但書きについて
 医師法20条但書きには、最終診療から24時間以内であれば死体を再度検査(確認)しなくても死亡診断書を交付してよいとなっている。従って、法律上の解釈からすれば、患者の死亡に立ち会わず、死後その死体を確認しなくても、死因が診療中の疾病であるとの確信がもれれば死亡診断書の交付は可能である。但し、死因が病死であれば異状死の届出は不要だが、外因死の場合には異状死届出が必要である。従って、法律上は医師個人の判断に委ねられているが、実際には死後改めて診察することなしには診療中の疾病で死亡したかどうかの判断はもちろん、その患者本人であるかどうかの確認すら不可能であるので、この但書きは緊急事態の場合の例外規定と解し、死体をみて異状の有無を確認しなければならない。


3、異状死の届出論争

(1)「医師法21条の異状死体届出義務」の意義

 診察治療を主な職務とする臨床医には、外因(傷害)の原因が自為(自殺)なのか他為(他殺)なのか、もしくは事故なのかは知るよしもない。
 そのため医師法21条の届出義務は、医師に明らかな病死以外の全ての死体を異状死体として検案した地を所轄する警察署に24時間以内に届け出させることにより、犯罪死体だけでなく、その可能性がある死体をも広く捜査対象にすることができ、場合によっては、緊急に被害の拡大防止措置を講ずるなどして社会防衛を図ることができるようにしている。
 同様に、死体解剖保存法11条には、死体を解剖した者は、その死体について犯罪と関係がある異状があると認めたときは、24時間以内に解剖した地の警察署長に届出なければならないと規定している(罰則なし)。
 なお、医師法33条の2において、医師法21条の違反は、50万円以下の罰金に処する旨の罰則が規定されている。罰則の適用は、異状があることを認識すること(故意犯)が要件であるから、不注意によって死体などに異状があることを認識しなかった場合には届出を欠いても罰則の適用はない。
 関連して刑法192条では、検視を経ないで変死者を葬った者は、10万円以下の罰金又は科料に処すると規定されている。

(2)入院中の患者が死亡した場合にも異状死体届出は必要か否かについて

 臨床医が入院中の患者を異状死体として届け出る場面としては、「外傷や中毒で入院中の患者が死亡した症例」をはじめ「一見病死と思われるが外因の影響が否定できない症例」、「入院後比較的短時間で死亡したため死因が確定できない症例」等がある。
 現状では、これらの症例が異状死体として届けでられる場合が多く、警察による検視の結果、犯罪性がなければ(自己過失事故や自殺など)、死を看取った主治医に死亡診断書の作成が委ねられ(監察医制度非施行地域)、犯罪性があれば専門医によって検案・解剖されるのが一般的である。

(3)医師法21条の届出義務を負うとすることは、憲法38条1項違反するかについて

 死体を検案して異状を認めた医師は、自己がその死因等につき診療行為における業務上過失致死等の罪責を問われるおそれがある場合にも届出義務を負うとされる。
 この点は、平成16年判決で、憲法38条1項の規定する自己負罪拒否特権を侵害しない旨、以下①〜④の理由とともに判示されている。
 ①警察官が犯罪の捜査の端緒を容易に得ることができること、②届出により警察官が緊急に被害の拡大防止措置を講ずるなどして社会防衛をはかることを可能にすること、③医業の公共的性格、医師の社会的責務をあげ、前記不利益は医師免許に付随する合理的負担として合理的根拠があること、さらに④この義務は検案した医師が死因等に異状があるときに届け出るのであって、届出人と死体とのかかわり合い等といった犯罪を構成する事実の供述までも強制するものではない、との理由が述べられている。

(4)都立広尾病院事件(1999年(平成11年)2月11日発生)

 点滴チューブに誤って消毒液であるヒビテンを注入し、患者が死亡した。
 看護師は、誤注射を医師に告知し、病理医は、過誤による肺塞栓と判断した。担当医は、病理解剖後、遺族に過誤を伝えず、隠蔽した。担当医と病院長は医師法21条異状死届出義務違反及び死亡診断書に病死と記載して虚偽有印公文書偽造・同行使罪で起訴され、最高裁では、それら罪状を認める形での弁護人側の上告棄却判決(平成16年4月13日)が出された。


4、考察:異状死に関連して今後の課題

(1) 死因究明について
 死因究明推進法(平成24年法律第33号)が2012年(平成24年)9月から2年の時限法として施行されている。同法では、国は、死因究明等の推進に関する施策を総合的に策定し、実施する責務を有することを規定し、①死因究明専門機関の全国整備、②人材の育成、資質の向上、③科学的な身元調査の充実とデータベースの整備、④死因究明で得た情報の活用と遺族への説明の4つの柱で、整備が行われている。
 同時期に死因・身元調査法(平成24年法律34号)も施行され、死因と身元の調査は警察の責務とされ、法医学者らの専門家の意見を踏まえ遺族の承諾なしに解剖できる仕組みが取り入れられた。
 これら新法制度のもとで、死後CT等導入が進み、死因診断技術が向上し、病死とされて犯罪が見逃されることが少しでも減少することを期待するとともに、小児科領域で言うなら、予防接種による死亡事故や乳幼児突然死症候群(SIDS)等の原因究明に役立つことを期待する。

(2) 医療安全について

ア、国の動き
医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案(2008年(平成20年)6月13日)は、医療事故の原因を究明し、調査結果を安全確保に生かす役割を担う第三者機関設置を目指す法案である。
医療事故の委員会への届出を罰則付きで義務づける代わりに、医師法で定める医療事故については、委員会に届ければ警察への届出は必要ないとする。
2010年段階で、委員会の設置の動きはない。

イ、医学界の動き
 2004年(平成16年)の日本医学会基本領域19学会共同声明「診療行為に関連した患者死亡の届出について~中立的専門機関の創設に向けて~」に厚労省が答える形で、診療関連死モデル事業が2005年(平成17年)から1億円程度の予算規模で日本内科学会への受託事業として立ち上げられた。
その後、2010年(平成22年)2月24日に「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」要望書が厚労省に対して日本医学会から出され、同事業が、日本内科学会だけでなく、日本医学会、日本外科学会、日本病理学会、日本法学会が運営主体に加わり、将来制度化される第三者機関に継承されることが要望として出された。そして、具体的には、同年3月26日に一般社団法人日本医療安全調査機構が、診療行為に関連した死因の調査分析を行うことを目的に、上記5つの医学会(各学会の理事長が理事)を中心に設立された。

ウ、展望
 医療ミスによる医療事故はあってはならないことだが、2006年(平成18年)2月福島県立大野病院事件が象徴的に取りざたされる中、産婦人科医師のなり手が減少した。ひとつひとつの医療事故が、医療安全の向上に役立ったとは言い難く、医師と患者の両方が疲弊するだけの残念な状況が1999年以降続いてきた。
1999年から急激に増加し、2004年をピークとした医療民事訴訟件数が1999年当時の数に落ち着きつつある昨今、単なる犯人・悪者探しではなく、医療現場にフィードバックされるような体制が上述の第三者機関が整備される過程で構築され、専門職である医師の自律性のもと、医師達の開かれた討論と市民にわかりやすい言葉で伝えて行くことで、医師と患者の信頼関係が再構築されることを強く望む。

(3) 大規模災害時の検案体制について

 大規模災害の際は、救命活動と同時に、検案もまた重要である。厚労省は、「死体検案研修プログラム」を開催する等、検案に携わる医師養成に取り組んでいるが、首都直下型大地震含めいつ何時大災害に見舞われるかわからないのであるから、検案についてもDMATのような機動力ある体制整備が早急になされることが望まれる。                    


    以上

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

劇症型未熟児網膜症の診断と治療 その難しさ故に生じた不幸な事案 最判S60.3.26

2014-09-03 18:08:28 | 医療と法、医事法
 昭和51年3月の未熟児網膜症に対する医療行為の判例です。

 上告を棄却されています。
 
 上告代理人の書かれている上告理由(判例時報1178号)を読みました。
 上告代理人のおっしゃっていることが、よくわかりました(以下、最高裁の判決文には、残念ながら、現れていません)。
 
 同じ不幸な事案が生じないように、医療側もさらなる努力をしていかねばなりません。

*********************************************
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/673/052673_hanrei.pdf

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。

         理    由
 上告代理人藤原光一、同池尾隆良、同谷口由記、同正木隆造、同西川元庸の上告
理由第一点ないし第三点について

 原審が、被上告人についての担当医師の診断の結果、失明に至るまでの経緯等に
ついて認定した事実関係の要旨は、(1) 被上告人は、昭和五一年二月八日上告人
の経営にかかるD病院産婦人科において、Eを母とし一卵性双生児の第二子として
出生したが、出産予定日が同年三月二〇日であり、在胎週数三四週で約四一日早く
出生し、生下時体重一二〇〇グラム、足位出産のいわゆる極小未熟児であつた、(
2) 被上告人は、出生直後から同年四月一二日(六五日目)まで保育器に収容さ
れ、酸素投与を受けたが、酸素は四〇パーセントの濃度を超えないように留意され
た、(3) F医師は、昭和五〇年三月G医科大学を卒業して同年五月医師国家試験
に合格し、同年六月から同五二年五月まで同大学眼科教室及び付属病院において研
修医として勤務するとともに同五〇年一〇月から同五二年一月までD病院眼科に毎
週水曜日に嘱託医として勤務し、未熟児網膜症(以下「本症」ともいう。)につい
ては被上告人の診察前に患者二、三名の眼底検査を経験したにすぎなかつたが、同
五一年三月一〇日(生後三二日目)、同病院の小児科の担当医であり被上告人の主
治医であつたH医師の依頼に基づき、被上告人の眼底検査をし、被上告人の生下時
体重等から未熟児網膜症の発症を予想し、検査の結果、オーエンス一期の症状の疑
いがあると考えたが、本症は自然治癒率が高いので経過観察で足りると判断し、カ
ルテには、「視神経乳頭の境界は鮮明で色調も正常、網膜は透明でよく透見できる、
網膜血管は両側蛇行しており、左眼に極めて小さい出血か?」と記載した、(4) 
- 1 -
F医師は、同月一七日再度被上告人の眼底検査をし、被上告人の両眼は反射の強い
オレンジ色を呈し赤味を帯び、血管の怒張と蛇行が強くなり、左眼には大きな出血
があるとの所見をえ(以下「F医師の第二回所見」という。)、カルテには、「網
膜血管は非常に強く蛇行し拡張している、色調はほとんど正常である、視神経乳頭
は境界鮮明で正常の色調である」と記載したが、経験が浅く、被上告人の症状ほど
急激に進行した症例を経験したことがなく、本症Ⅱ型の経験もないため、被上告人
の眼底の急変に異常なものを感じ、指導医による診察の必要を感じたが、同病院眼
科の診療体制が診察日は週一回水曜日のみで指導医のI医師は月一回の診察となつ
ていたため、同医師に対し次回三月二四日に被上告人を診察するよう依頼したにと
どまつた、(5) 同月二四日I医師は、被上告人を保育器に収容したままプラスチ
ック越しに眼底検査をし、その結果、被上告人の瞳孔はほぼ正円状で網膜剥離、虹
彩後癒着にまで至つておらず、耳側の無血管帯はよく見えるが、鼻側は見えにくく、
網膜には出血斑が見られ、境界線ははつきり見えるが、ヘイジイメデイアが周辺部、
赤道部に強く、網膜の血管新生の状態はよくわからないとの所見をえ、被上告人の
病状は本症Ⅰ型の二期の終りないし三期であると判定し、できるだけ早く被上告人
に光凝固か冷凍凝固かを施さなければならないと判断し、カルテには、「耳側の部
位、無血管領域は中等度に拡大し、境界を認める、鼻側の部位は中間透光体がかす
んでいるため血管新生は不明である、瞳孔は小さい」と記載したが、D病院におい
ては、従来本症の発症例の経験がなく、光凝固等の手術を行う医療機械設備もなか
つたので、被上告人を転医させることとし、同日H医師に対し、翌日一番にJ病院
に連絡をとるよう伝えたが、同月二五日同病院から断られたとの連絡を受けたので、
改めてK大学病院等を指示したところ同病院における同月二六日の診療の予約がと
れるに至つた、(6) 同月二六日K大学病院眼科のL医師は、被上告人の診断をし
たが、その所見は、眼底周辺部から後極部に向かい網膜は灰白色で前方硝子体腔に
- 2 -
膨隆し、赤道部を超えて黄斑部にまで浮腫(軽度の網膜剥離)を認め、網膜は全剥
離の様相を示し、網膜血管は著明に拡張怒張し、紆余曲折している、被上告人は本
症の末期であり光凝固等外科的療法の適応でないというものであり、合併症の懸念
があるので、経過観察を要するものとして、同年四月一日を次回の診察日に指定し
た、(7) 同年三月三一日F医師は、被上告人を診断し、「無血管領城(・)、境
界線(+)(両側)、あとの所見は三月二四日のI医師の所見と同じである」とカ
ルテに記載した、(8) 同年四月一日被上告人は、K大学病院において、同大学医
学部教授M医師の診断を受けたところ、同医師は、「両眼とも高度の虹彩後癒着の
ため瞳孔が散大せず、不正円である。両眼とも朦朧と透見しうる。乳頭は強度に境
界が不鮮明。網膜静脈は強度に怒張蛇行し、充盈し、一部コルク栓抜状に屈曲して
いる。網膜は、両眼とも全般に強く浮腫状に混濁し、後極部に及ぶ泡状網膜剥離(
一〇ないし二〇ジオプトリー)を来しており、境界線が顕著である。右眼には出血
斑も混在している。黄斑部は瀰漫性浮腫状に混濁している。」との所見をえた、(
9) 虹彩後癒着の原因は、網膜剥離がかなり長期間(一週間ないし二週間)続い
ていたため、網膜の後部にある脈絡膜に反応性の病変が起こり、脈絡膜につながる
毛様体、虹彩に炎症(ぶどう膜炎)が波及し、強い滲出性の病変が起こつたことに
あると推認され、硝子体に瀰漫性の混濁があるのはぶどう膜炎及び網膜剥離に由来
している、(10) 被上告人は、同年四月二日と同月八日の二回にわたつてJ病院
において冷凍凝固の処置を受けたが、改善の効果はなかつた、(11) 右診断、所
見のうちM医師及びL医師の診断、所見が適確なものであるが、F医師の第三回目
の眼底検査によつてえた前記所見は過誤、未熟さが明白であり、同医師は本症の眼
底検査の技術を修得しておらず、同医師の第一、二回の各眼底検査時の被上告人の
眼底検査の正確な診断はなきに等しいものである、(12) 右M医師及びL医師の
診断に照らすと、被上告人の未熟児網膜症はいわゆる本症Ⅰ型ではなくⅡ型か混合
- 3 -
型か断定できないが激症型と認められ、I医師が診断した当時においては被上告人
は既に網膜剥離の状態にあつたと認められるが、F医師が第二回眼底検査をした時
点では、被上告人は本症に罹患していたが、光凝固等によつて失明を免れる可能性
があつた、というものであり、以上の事実認定は原判決挙示の証拠関係に照らして
是認することができ、その過程に所論の違法はない。

 被上告人の本症罹患当時における本症の診断及び治療に関する一般的基準並びに
被上告人の検査に当たつた前記各医師の右一般的基準の認識について、原審が適法
に確定するところは、次のとおりである。(一) 右一般的基準は、昭和四九年に発
足したN大学医学部眼科教授Oらからなる研究班が、翌五〇年に発表した「未熟児
網膜症の診断ならびに治療基準に関する研究報告」に明らかにされているところの
ものである。(二) 右研究報告によると、本症の診断及び治療基準は、「(1) 本
症は、臨床経過、予後の点よりⅠ型、Ⅱ型に大別され、Ⅰ型は、主として、耳側周
辺に増殖性変化を起こし(鼻側と比べると耳側領域は血管発達が遅れるため、本症
の病変は、耳側網膜に出現するという)、検眼鏡的に、血管新生、境界線形成、硝
子体内滲出、増殖性変化を示し、牽引性剥離へと段階的に進行する比較的緩徐な経
過をとるものであり、自然治癒傾向の強い型であるのに対し、Ⅱ型は、主として極
小低出生体重児にみられ、未熟性の強い眼に発症し、血管新生が後極寄りに耳側の
みならず鼻側にも出現し、それより周辺側の無血管帯が広いものであるが、ヘイジ
イのために無血管帯が不明瞭なことも多く、後極部の血管の迂曲、怒張も初期より
みられ、Ⅰ型と異なり段階的な進行経過をとることが少なく、強い滲出傾向を伴い、
比較的速い経過で網膜剥離を起こすことが多く、自然治癒傾向の少ない予後不良の
型であるとされる。(2) Ⅰ型の臨床経過分類は、(イ) 一期(血管新生期)に
おいては、周辺ことに耳側周辺部に血管新生が出現し、周辺部は無血管帯領域で蒼
白である。後極部には変化がないか軽度の血管の迂曲怒張を認める。(ロ) 二期
- 4 -
(境界線形成期)には、周辺ことに耳側周辺部に血管新生領域と周辺の無血管帯領
域の境界部に境界線が明瞭に認められ、後極部には血管の迂曲怒張を認める。(ハ)
 三期(硝子体内滲出、増殖期)では、硝子体内への滲出と血管及びその支持組織
の増殖が検眼鏡的に認められ、後極部の血管の迂曲怒張を認め、硝子体出血を認め
ることもある(なお、三期については、これを前期、中期、後期に分ける見解があ
り、それによると前期は、極く僅かな硝子体内への滲出、発芽を検眼鏡的に認めた
時期であり、中期とは、明らかな硝子体内への滲出、増殖性変化を認めた時期をい
い、後期とは、滲出性限局性剥離の時期とするものである。しかし一方この時期は、
期間が長く、一部には活動性を示す部位と他では既に瘢痕化を起こしている部位が
混在していて、三期の後期と四期の初期との区別は難しいという意見がある。)。
(ニ) 四期(網膜剥離期)は、明らかな牽引性網膜剥離が認められ、耳側の限局
性剥離から全周剥離までが含まれる。(3) Ⅱ型の臨床経過分類は、次のとおりで
ある。これは主として極小低出生体重児に発症し、未熟性の強い眼に起り、初発症
状は、血管新生が後極寄りに起こり、耳側のみならず鼻側にもみられることがあり、
無血管領域は広く、その領域は、ヘイジイメデイアでかくされていることが多い。
後極部の血管の迂曲怒張も著明となり、滲出性変化も強く起こり、Ⅰ型のような段
階的経過をとることも少なく比較的急速に網膜剥離へと進む。(4) なお、以上の
外に、Ⅰ型、Ⅱ型の混合型もあると考えられている。(5)(イ) 本症の治療には、
未解決の問題点が残されてはいるものの、光凝固あるいは冷凍凝固を適切に行うと
治癒しうることが多くの研究者の経験から認められている。しかし右の二つの型に
おける治療の適応方針には大差があるとされている。(ロ) 治療の適応について
は、Ⅰ型においては、その臨床経過が、比較的緩徐で、発症より段階的に進行する
状態を検眼鏡的に追跡確認する時間的余裕があり、自然治癒傾向を示さない少数の
重症例のみに選択的の治療を施行すべきであるが、Ⅱ型においては、極小低出生体
- 5 -
重児という全身条件に加えて網膜症が異常な速度で進行するために治療の適期判断
や治療の施行に困難を伴うことが多い。したがつて、Ⅰ型では治療の不必要な症例
に、行き過ぎた治療を施さないよう慎重な配慮が必要であり、Ⅱ型においては、失
明を防ぐために治療時期を失わぬよう適切迅速な対策が望まれている。(ハ) 治
療時期についてⅠ型では自然治癒傾向が強く二期までの病期中に治癒すると、将来
の視力に影響がないので二期までの病期のものに治療を行う必要はない。三期にお
いて更に進行の徴候が見られる時に始めて治療が問題になる。ところが、Ⅱ型では、
血管新生期から突然網膜剥離を起こしてくることが多いので、Ⅰ型のように進行段
階を確認しようとすると、治療時期を失うおそれがあり、治療の決断を早期に下さ
なければならない。この型は、極小低出生体重児で未熟性の強い眼に起こるので、
このような条件を備えた例では、綿密な眼底検査を可及的早期に行うことが望まし
く、無血管領域が広く全周に及ぶ症例で血管新生と滲出性変化が起こり始め後極部
血管の迂曲怒張が増強する徴候が見えた場合は、直ちに治療を行うべきであるとさ
れている。(ニ) 治療方法について、光凝固は、Ⅰ型では、無血管帯と血管帯と
の境界領域を重点的に凝固し、後極部付近は凝固すべきでない。Ⅱ型においては、
無血管領城にも広く散発凝固を加えるが、この際後極部の保全に十分な注意が必要
である。冷凍凝固も凝固部位は光凝固に準ずるが倒像検眼鏡で氷球の発生状況を確
認しつつ行う必要がある。初回の治療後症状の軽快が見られない場合は、治療を繰
り返すこともあり、また、全身状態によつては数回に分割して治療することもある。
混合型では、治療の適応、時期、方法をⅡ型に準じて行うことが多い。」というも
のである。(三) F、I、L及びMの各医師は、本件における被上告人の診断、治
療に際して、前記の研究報告の存在、その内容を熟知していた。
 さらに、原審が、被上告人の本症罹患当時の未熟児に対する定期的眼底検査の目
的、時期等についての一般水準として確定するところは、未熟児に対する眼底検査
- 6 -
は、本症の活動期の初発病変を捉えて、その経過を連続的に観察し、ヘイジイメデ
イアの存在とその持続期間、未熟眼底と成熟眼底との鑑別、本症活動性病変の早期
発見とⅠ型、Ⅱ型の判定等を行い、これに基づいて治療方針を決定し、光凝固、冷
凍凝固療法施行後においては予後合併症の追及をすること等を目的とするものであ
つて、未熟児の眼底の未熟度の判定及び本症発見のためには、生後できるだけ早期
に、遅くとも三週以降眼底検査を開始し、本症の早期発見と進行の監視を行い、進
行重症例への最も適切な病期における光凝固ないし冷凍凝固による治療を施すのが、
実際的な対策であり、定期的眼底検査の頻度については、前記研究報告は、生後満
三週以降一週一回、三か月以降は、隔週または一か月に一回、六か月まで行い、発
症を認めたときは、必要に応じ、隔日または毎日眼底検査を実施し、その経過を観
察することが必要である、というものである。

 以上の原審の確定した事実関係のもとにおいては、F医師としては、第二回眼底
検査の結果、前示の第二回所見をえ、第一回の眼底検査から僅か一週間を経過した
にすぎないわりには、被上告人の眼底に著しく高度の症状の進行を認めたのである
から、本症Ⅱ型の疑いの診断をし、頻回検査を実施すべきであり、また、本症の患
者二、三名の眼底検査をした程度の経験を有するにすぎなかつたのであるから、直
ちに経験豊かな他の専門医の診察を仰ぎ、時期を失せず適切な治療を施し、もつて
失明等の危険の発生を未然に防止すべき注意義務を負うに至つたものというべきで
あるところ、同医師は、被上告人の症状の急変に驚き、おかしいと感じながらも十
分に未熟児網膜症の病態の把握ができなかつたため、頻回検査の必要性にも気付か
ず、一週間の経過観察として、次週にI医師の診断を求めたのにとどまつたが、か
かる処置は、被上告人が未熟児網膜症の激症型であつたことに照らすと、不適切な
ものであつたというべきであり、このため被上告人は光凝固等の外科的手術の適期
を逸し失明するに至つたものであるから、F医師には医師としての右注意義務違背
- 7 -
の過失があつたものというべきであり、右処置と被上告人の失明との間には相当因
果関係があるものというべきである。これと同旨の原審の判断は、正当として是認
することができる。論旨は、原審の専権に属する事実の認定を非難するか、原判決
の結論に影響のない事実誤認をいうものであつて、採用することができない。

 同第四点一について
 所論の不確定要素は、原審が確定した逸失利益及び介護料にかかる損害額を減額
すべき事由とはいえない。所論引用の判例は、本件と事案を異にし適切でない。原
判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。
 同二について
 原審は、被上告人の第一審被告大阪市に対する請求の理由のないことを斟酌した
うえ、所論の弁護士費用にかかる損害額を算定しているものであり、このことは原
判文上明らかである。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することはできない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり判決する。


     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    木 戸 口   久   治
            裁判官    伊   藤   正   己
            裁判官    安   岡   滿   彦
            裁判官    長   島       敦
- 8 -


http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52673

事件番号

 昭和57(オ)1112



事件名

 損害賠償



裁判年月日

 昭和60年3月26日



法廷名

 最高裁判所第三小法廷



裁判種別

 判決



結果

 棄却



判例集等巻・号・頁

 民集 第39巻2号124頁




原審裁判所名

 大阪高等裁判所



原審事件番号

 昭和55(ネ)2210



原審裁判年月日

 昭和57年6月25日




判示事項

 昭和五一年二月出生の極小未熟児が急激に進行する未熟児網膜症により失明した事故につき担当の眼科医が同児に対し他の専門医による診断治療を受けさせる措置をとらなかつたことに過失があるとされた事例



裁判要旨

 昭和五一年二月に在胎三四週体重一二〇〇グラムで出生した極小未熟児が急激に進行する未熟児網膜症により失明した場合において、当該病院には当時未熟児網膜症の治療方法として一般的に認められるに至つていた光凝固等の手術のための医療機械がなく、また、同児の眼底検査を担当した眼科医が、未熟児網膜症についての診断治療の経験に乏しく、生後三二日目にした一回目の検査とその一週間後にした二回目の検査により、眼底の状態に著しく高度の症状の進行を認めて異常を感じたにもかかわらず、直ちに同児に対し適切な他の専門医による診断治療を受けさせる措置をとらなかつたため、同児が適期に光凝固等の手術を受ける機会を逸し失明するに至つた等の判示の事実関係のあるときは、眼科医には右失明につき過失があるものというべきである。



参照法条

 民法415条,民法709条,民法715条1項
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

医療過誤・医療事故等が未然に防がれること、願っています。知っておくべき最低限の法律の知識。

2014-08-08 09:48:17 | 医療と法、医事法

 医療裁判例をみるにつけ、医療過誤・医療事故等が未然に防がれること、万が一起きた場合の適切な対応がなされることで、医療と患者の間に起こる不幸な争いが減ることを心から願っています。

 医師と患者の信頼関係構築に向け、最低限、医師と患者双方が知っておくべき法的な事柄を以下に記載します。


第1、医療関連の重要判例

 以下は、医療事故関連の重要判例です。
 判決文全文は、最高裁ホームページから閲覧可能です。

〇最高裁平成14.11.8 投薬に際しての注意義務
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=62465&hanreiKbn=02 
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319130607692639.pdf 
  医薬品添付文書に過敏症状と皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)の副作用がある旨記載された薬剤等を継続的に投与されている患者に副作用と疑われる発しん等の過敏症状の発生が認められたことなど判示の事実関係の下においては,当時の医療上の知見において過敏症状が同症候群へ移行することを予測し得たものとすれば,医師は,同症候群の発症を予見し回避の措置を講ずべき義務を負っていたものであり,同症候群の症状自体が出現していなかったことなどから直ちに医師の過失を否定した原判決には,上記薬剤の投与についての医師の過失に関する法令の解釈適用を誤った違法がある

〇最高裁昭和60.3.26 転医の要件および時期の判断の過失
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=52673&hanreiKbn=02 
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319121055938198.pdf 
 昭和五一年二月に在胎三四週体重一二〇〇グラムで出生した極小未熟児が急激に進行する未熟児網膜症により失明した場合において、当該病院には当時未熟児網膜症の治療方法として一般的に認められるに至つていた光凝固等の手術のための医療機械がなく、また、同児の眼底検査を担当した眼科医が、未熟児網膜症についての診断治療の経験に乏しく、生後三二日目にした一回目の検査とその一週間後にした二回目の検査により、眼底の状態に著しく高度の症状の進行を認めて異常を感じたにもかかわらず、直ちに同児に対し適切な他の専門医による診断治療を受けさせる措置をとらなかつたため、同児が適期に光凝固等の手術を受ける機会を逸し失明するに至つた等の判示の事実関係のあるときは、眼科医には右失明につき過失があるものというべきである。

〇最高裁平成7.5.30 未熟児である新生児の黄疸の説明
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=76105&hanreiKbn=02 
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319133921174305.pdf 
  医師が未熟児である新生児を黄だんの認められる状態で退院させ、右新生児が退院後黄だんにり患して脳性麻ひの後遺症が生じた場合につき、医師が、右新生児の血液型の判定を誤り、父母に対して、血液型不適合はなく黄だんが遷延しているのは未熟児だからであり心配はない旨の説明をし、退院時には、何か変わったことがあれば医師の診察を受けるようにとの一般的な注意を与えたのみで、残存していた黄だんについては特段の言及もしなかったなど判示の事実関係があるときは、医師の退院時における説明及び指導に過失がないとした原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法がある

〇最高裁平成21.12.7 川崎協同病院事件上告審決定
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=38241&hanreiKbn=02 
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20091209113834.pdf 
  気管支ぜん息の重積発作により入院しこん睡状態にあった患者から,気道確保のため挿入されていた気管内チューブを抜管した医師の行為は,患者の余命等を判断するために必要とされる脳波等の検査が実施されておらず,発症から2週間の時点でもあり,回復可能性や余命について的確な判断を下せる状況にはなく,また,回復をあきらめた家族からの要請に基づき行われたものの,その要請は上記のとおり病状等について適切な情報を伝えられた上でされたものではなかったなどの本件事情の下では,法律上許容される治療中止には当たらない

〇最高裁平成12.2.29 信仰に基づく輸血拒否 東大医科研事件 
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=52218&hanreiKbn=02 
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319120604218580.pdf 
 医師が、患者が宗教上の信念からいかなる場合にも輸血を受けることは拒否するとの固い意思を有し、輸血を伴わないで肝臓のしゅようを摘出する手術を受けることができるものと期待して入院したことを知っており、右手術の際に輸血を必要とする事態が生ずる可能性があることを認識したにもかかわらず、ほかに救命手段がない事態に至った場合には輸血するとの方針を採っていることを説明しないで右手術を施行し、患者に輸血をしたなど判示の事実関係の下においては、右医師は、患者が右手術を受けるか否かについて意思決定をする権利を奪われたことによって被った精神的苦痛を慰謝すべく不法行為に基づく損害賠償責任を負う


〇最高裁平成17.12.8 拘置所脳梗塞事件
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=62624&hanreiKbn=02 
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319130721445192.pdf 
 拘置所に勾留中の者が脳こうそくを発症し重大な後遺症が残った場合について,第1回のCT撮影が行われて脳こうそくと判断された時点では血栓溶解療法の適応がなかったこと,それより前の時点では適応があった可能性があるが,その適応があった間に,同人を外部の医療機関に転送して,血栓溶解療法を開始することが可能であったとは認め難いこと,拘置所において,同人の症状に対応した治療が行われており,そのほかに,同人を速やかに外部の医療機関に転送したとしても,その後遺症の程度が軽減されたというべき事情は認められないことなど判示の事情の下においては,同人が,速やかに外部の医療機関へ転送され,転送先の医療機関において医療行為を受けていたならば,重大な後遺症が残らなかった相当程度の可能性の存在が証明されたとはいえず,拘置所の職員である医師の転送義務違反を理由とする国家賠償責任は認められない
(補足意見及び反対意見がある。)


〇最高裁判所平成11.2.25 肝細胞がん事件
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=52587&hanreiKbn=02
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319120954008273.pdf
一 医師が注意義務に従って行うべき診療行為を行わなかった不作為と患者の死亡との間の因果関係は、医師が右診療行為を行っていたならば患者がその死亡の時点においてなお生存していたであろうことを是認し得る高度のがい然性が証明されれば肯定され、患者が右診療行為を受けていたならば生存し得たであろう期間を認定するのが困難であることをもって、直ちには否定されない。
二 肝硬変の患者が後に発生した肝細胞がんにより死亡した場合において、医師が、右患者につき当時の医療水準に応じた注意義務に従って肝細胞がんを早期に発見すべく適切な検査を行っていたならば、遅くとも死亡の約六箇月前の時点で外科的切除術の実施も可能な程度の大きさの肝細胞がんを発見し得たと見られ、右治療法が実施されていたならば長期にわたる延命につながる可能性が高く、他の治療法が実施されていたとしてもやはり延命は可能であったと見られるとしながら、仮に適切な診療行為が行われていたとしてもどの程度の延命が期待できたかは確認できないとして、医師の検査に関する注意義務違反と患者の死亡との間の因果関係を否定した原審の判断には、違法がある。


*****************************************


第2、医事法関連で最も重要な手続き=証拠保全

 医事法の講義を受講し、最も重要な手続きと思ったことは、証拠保全手続きです。

 もし、医療関連トラブルが生じた場合、迅速に証拠保全手続きをする必要があります。

 診療記録と照らし合わせ、適切な診療がなされたかを調査することから始まるからです。

 迅速なとは、一刻を争うことをいいます。

 なぜならば、不十分な記載箇所に書き足しやカルテ改ざんがなされたり、保存期間があり、長くて5年で処分される場合があるためです。

 (相談して、問題点ありとされた場合、即、証拠保全に動いてくださる弁護士さんは、信頼できるひとつの指標になるのではないでしょうか。)

 <証拠保全の手続きの流れ>

1)検証目録を作成します。

 ここで、絶対落としてはならないものは、手術などの場合の動画類です。
 事務局にないといわれても、医局に置かれていることもあります。

 検証目録の最後に、包括的な文言を付記し、落ちがないようにします。

*参考 医師法
第二十四条  医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。
2  前項の診療録であつて、病院又は診療所に勤務する医師のした診療に関するものは、その病院又は診療所の管理者において、その他の診療に関するものは、その医師において、五年間これを保存しなければならない。

2)証拠保全の申立書

3)提示命令
 民事訴訟法234条、223条、224条、

 もし、提示命令に従わない場合、病院側に不利な方向で、話が進められます。

 →当事者が文書提出命令に従わないときは、裁判所は、当該文書の記載に関する相手方の主張を真実と認めることができる。(民事訴訟法224条)

(証拠保全)
第二百三十四条  裁判所は、あらかじめ証拠調べをしておかなければその証拠を使用することが困難となる事情があると認めるときは、申立てにより、この章の規定に従い、証拠調べをすることができる。

(文書提出命令等)
第二百二十三条  裁判所は、文書提出命令の申立てを理由があると認めるときは、決定で、文書の所持者に対し、その提出を命ずる。この場合において、文書に取り調べる必要がないと認める部分又は提出の義務があると認めることができない部分があるときは、その部分を除いて、提出を命ずることができる。
2  裁判所は、第三者に対して文書の提出を命じようとする場合には、その第三者を審尋しなければならない。
3  裁判所は、公務員の職務上の秘密に関する文書について第二百二十条第四号に掲げる場合であることを文書の提出義務の原因とする文書提出命令の申立てがあった場合には、その申立てに理由がないことが明らかなときを除き、当該文書が同号ロに掲げる文書に該当するかどうかについて、当該監督官庁(衆議院又は参議院の議員の職務上の秘密に関する文書についてはその院、内閣総理大臣その他の国務大臣の職務上の秘密に関する文書については内閣。以下この条において同じ。)の意見を聴かなければならない。この場合において、当該監督官庁は、当該文書が同号ロに掲げる文書に該当する旨の意見を述べるときは、その理由を示さなければならない。
4  前項の場合において、当該監督官庁が当該文書の提出により次に掲げるおそれがあることを理由として当該文書が第二百二十条第四号ロに掲げる文書に該当する旨の意見を述べたときは、裁判所は、その意見について相当の理由があると認めるに足りない場合に限り、文書の所持者に対し、その提出を命ずることができる。
一 国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれ
二 犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれ
5  第三項前段の場合において、当該監督官庁は、当該文書の所持者以外の第三者の技術又は職業の秘密に関する事項に係る記載がされている文書について意見を述べようとするときは、第二百二十条第四号ロに掲げる文書に該当する旨の意見を述べようとするときを除き、あらかじめ、当該第三者の意見を聴くものとする。
6  裁判所は、文書提出命令の申立てに係る文書が第二百二十条第四号イからニまでに掲げる文書のいずれかに該当するかどうかの判断をするため必要があると認めるときは、文書の所持者にその提示をさせることができる。この場合においては、何人も、その提示された文書の開示を求めることができない。
7  文書提出命令の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。

(当事者が文書提出命令に従わない場合等の効果)
第二百二十四条  当事者が文書提出命令に従わないときは、裁判所は、当該文書の記載に関する相手方の主張を真実と認めることができる。
2  当事者が相手方の使用を妨げる目的で提出の義務がある文書を滅失させ、その他これを使用することができないようにしたときも、前項と同様とする。
3  前二項に規定する場合において、相手方が、当該文書の記載に関して具体的な主張をすること及び当該文書により証明すべき事実を他の証拠により証明することが著しく困難であるときは、裁判所は、その事実に関する相手方の主張を真実と認めることができる。

(第三者が文書提出命令に従わない場合の過料)
第二百二十五条  第三者が文書提出命令に従わないときは、裁判所は、決定で、二十万円以下の過料に処する。
2  前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。



4)検証不能と言われた場合、ないと言われた場合、ないはずがないわけであり、なぜ、ないのか確認します。

5)複数の医療機関にまたがる場合は、同時に証拠保全をします。

6)診療記録以外の証拠収集も忘れずに行います。

 看護記録、検査記録、レセプト、介護サービス記録など

 電子カルテの場合、その運用規約と、更新履歴。

 以上
 

***********************************************

第3、医師と患者の診療契約は、準委任契約(科によっては、委任契約)

 医師と患者の診療契約は、判例・通説は、準委任契約と言われています。

 民法656条に規定。この節というのは、「委任」契約の規定をさします。
(準委任)
第六百五十六条  この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。

1)診療契約の本質 原則

 その契約の本質は、結果債務(=事務処理の完成、医療の場合、診断・治療の結果の治癒)ではなく、手段債務(その疾患の診断・治療のために必要な最善の医療を実施することを目的とすること)です。


2)診療契約の本質の例外

 美容整形、健康診断などは、請負契約性も認められる場合があります。



3)診療契約の成立について

 患者の「申し込み」と医療側の「承諾」で成立します。

 他の職業と最も異なるのは、医療側の「応召義務」です。

 原則、医師は、患者を拒めません。


 医師法19条1項。
第十九条  診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない


4)医療契約が成立するとその効果として、医療側、患者側にそれぞれ負担すべき義務が生じます。

〇医療側の負担すべき債務(最善の医療を提供する義務、手段債務)

 ①最善の医療を実施する義務

 ②問診義務

 ③転院、転送義務

 ④説明義務

 ⑤安全管理義務、院内感染対策義務

 ⑥死因説明・解明義務

 ⑦診療録記載・保管・開示義務

 ⑧情報管理義務

 ⑨証明文書交付義務



〇患者側が負担すべき義務

 ①診療報酬支払義務

 ②「診療協力義務」 原則として、もし協力なき場合、医師は診療契約の解除のほうにもっていくことができる。


5)医療契約の終了

 〇終了原因が民法上規定されています。

(委任の終了事由)
第六百五十三条  委任は、次に掲げる事由によって終了する。
一  委任者又は受任者の死亡
二  委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
三  受任者が後見開始の審判を受けたこと。

 〇当事者からの解除

 ①患者側からの解除 基本、自由。

 ②医師側からの解除 基本、できない。応召義務がある。ただし、患者の妨害、他の患者への妨害は信頼関係を破壊することで、応召義務をなさなくとも許される正当理由となる。


以上

******************************************

第4、医療慣行は、医療水準を意味しない。医療慣行に従ったとしても過失あり。

 医療慣行は、医療水準を意味しません。

 小児科医療でいえば、医療慣行として「熱の時に抗生剤を投与する」ということが安易になされているとしても、「抗生剤は適正使用する」ということが現在の小児科学の医療水準であるため、抗生剤を安易に投与され副作用が出た場合、医療慣行を言い訳にすることは、投与した医院はできません。


1)医療水準とは、医療過誤事件において、過失における注意義務違反の基準となるものです。

 
 過失における注意義務違反=当該行為者が注意をすれば、結果の発生を予見でき、
              結果の発生を回避することができたのに、
              注意を尽くさなかったために、結果の発生を予見せず、
              結果の発生を回避するための措置を取らなかったこと。


2)判例によって形成・確立された医療水準の判断枠組み

 ①医師の注意義務の基準となるのは、診療当時のいわゆる臨床医学の実践における医療水準である。

  ⇒医学研究の水準ではない。新規の治療法の場合に要検討。


 ②医療水準を判断するにあたっては、当該医療機関の性格(病院か開業医か、大学病院か)やその所在する地域の医療環境の特性等の諸般の事情を考慮する。

  ⇒具体的に検討を。


 ③医療水準の基準となる知見は、当該医療機関に期待することが相当と認められる知見。

  ⇒知見(情報)の普及と、医療従事者の研鑽。


 ④知見を有しながらも治療法実施の技術・設備等を有しない場合には、他の医療機関へ転医させる等の義務がある。

 ⑤平均的医師が現に行っている医療慣行に従ったからといって、医療水準に従った注意義務を尽くしたことにはならない


3)医療水準論の課題

 ①医療水準の確定の困難性、証明の困難性

 ②医師の免責のために機能する可能性

 ③一般的な医療水準と個別具体的な検討の橋渡し

以上

******************************************

第5、適正タイミングでの転医・転送義務は重要。患者病状が許すことを前提に。

1)転送義務の概念、その法的根拠

 〇医療法1条の4第3項
3  医療提供施設において診療に従事する医師及び歯科医師は、医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携に資するため、必要に応じ、医療を受ける者を他の医療提供施設に紹介し、その診療に必要な限度において医療を受ける者の診療又は調剤に関する情報を他の医療提供施設において診療又は調剤に従事する医師若しくは歯科医師又は薬剤師に提供し、及びその他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。



 〇保険医療機関及び保険医療療養担当規則16条
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S32F03601000015.html 

(転医及び対診)
第十六条  保険医は、患者の疾病又は負傷が自己の専門外にわたるものであるとき、又はその診療について疑義があるときは、他の保険医療機関へ転医させ、又は他の保険医の対診を求める等診療について適切な措置を講じなければならない。


2)転医義務の要件

 ①患者の疾患が自己の専門外が、自己の臨床経験ないし医療設備によって当該患者の疾病改善に困難であること

 ②患者の一般状態が転医のための搬送に耐えうること、すなわち、危険状態を脱していること、あるいは、既に手遅れとなっていないこと

 ③地理的環境的要因として、患者の病状との関連で、搬送可能な(転医可能な)地域内に適切な設備・専門医を配置した医療機関があること

 ④転医することによって、患者に重大な結果回避の見込みがあること、ないしその疾病改善の見込みがあること


3)転医義務の内容
 
 ①求諾義務:受け入れ先が受け入れてくれるかの承諾を得る

 ②転移先に対する説明義務

 ③適正搬送義務



以上
 

*********************************************

第6、医師の説明義務は、患者の自己決定に繋がり最重要

1)医師の説明義務

 医師が患者に対し、

 病名、

 症状とその原因、

 治療行為の内容、

 治療行為に伴う危険、

 治療を行った場合の改善の見込み、

 当該治療を行わなかった場合の予後、

 代わりの治療行為、

 その場合の危険性、

 改善の見込み

 及び

 当該治療行為を選択した理由

 を説明すべき義務を言う(現代裁判法体系131ページ)


2)医師に説明義務が発生する法的根拠

ア契約上の注意義務として

 〇診療契約という準委任契約から、

 受任者の顛末報告義務(民法656条、645条)

 善管注意義務の付随義務(民法656条、644条)

 が生じる。


(準委任)
第六百五十六条  この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。

(受任者による報告)
第六百四十五条  受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。

(受任者の注意義務)
第六百四十四条  受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。

 〇診療契約締結前の場合

  信義則上の義務

 〇医療法1条の4第2項

医療法1条の4
2項  医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない。


イ不法行為上の注意義務として

〇不法行為法上の違法阻却要件としての説明義務

 医療行為は、患者の生命・健康に重大な影響を及ぼすので、具体的な医的侵襲行為毎に違法性阻却要件として患者の同意を得る必要があり、その同意を得る前提として説明義務を負っている。

〇注意義務の一内容としても説明義務を負う


3)医師に説明義務が発生する理論的根拠

 以下、密接不可分の両者から理論的根拠は説明される。

〇違法性阻却事由としての承諾の前提要件(医師側)

〇患者の自己決定権(患者側の知る権利)



4)説明義務の内容、時期、説明すべき「事実」の範囲

 〇説明義務の内容
  その場面に応じ、患者が自己の医師に基づき説明の内容について承諾し、また自己決定するのに必要な程度に事実を説明すべき

 〇説明の時期
  できるだけ、早く⇒考えるゆとり、判断(自己決定)までの合理的期間を患者に与える、

 〇説明すべき「事実」の範囲

 ①具体的患者説
  当該患者の置かれた状況を前提として、合理的な患者であれば重要視する情報で、かつ、当該患者が重要視する情報

 ②二重基準説
  具体的な患者が重要視し、かつ、そのことを合理的医師ならば認識できたであろう情報が説明されるべき

5)説明義務が発生する具体的場面

 ①病状あるいはこれに基づく検査の必要性等について説明する義務

 ②治療不可能な場面等に転院等を勧める説明義務

 ③診断・検査等を行うための承諾を得る前提としての説明義務

 ④病名についての説明義務
  アがんの告知 確定診断前・確定診断後

 ⑤治療方法に関わる説明義務
  ア治療の種類
  
  イ治療の危険性

  ウ治療による合併症

  エ治療による副作用

  オ治療の目的・必要性

  カ治療の結果

 ⑥身体の侵襲を伴う治療を行うための承諾を得る前提としての説明義務

 ⑦診療契約終了時における説明義務
  ア退院後等の日常生活上の注意事項

  イ緊急診療後一旦帰宅させる場合の説明

  ウ通院外来患者に対する説明

  エ診療契約終了時における医療経過・死因などの説明

 ⑧医療相談における説明義務

 ⑨チーム医療と説明義務


6)説明義務の限界
 ①医療行為の特性に伴う限界
  ア緊急医療

  イ確定診断がついていない場合及び経過観察中の場合

  ウ医療行為の侵襲が軽微な場合

  エ医療行為が不可欠な場合

  オ医療行為が医療水準に達していない場合

 ②疾病の特性による限界
  ア予見できない疾病の場合

  イ軽微な疾病の場合

  ウ危険性が極めてまれな場合

 ③患者の特性に伴う限界
  ア患者が医師の説明を受ける能力を書く場合

  イ患者への悪影響がある場合

  ウ患者が説明を受けることを拒否している場合

  エ患者がすでに知っている場合


7)説明の相手方
 ①原則 患者本人

 ②例外 本人以外の者に対する説明
  ア患者が判断能力を欠く場合
   未成年者
   精神障害者
   被成年後見人

  イ患者本人に対する説明が不相当である場合

  ウ患者本人の判断を求める時間的余裕がない場合(緊急の場合)

8)説明義務違反についての主張・立証責任

 原則として、患者側で、
 〇医師に説明義務が発生すること

  及び

 〇医師がその説明義務を尽くしていないこと

  更には、

 〇説明義務が尽くされれば当該結果が生じなかった高度の蓋然性(因果関係)があること

 について、主張立証責任を負う。


9)説明義務違反の効果

 ①説明義務違反と結果との間の因果関係が肯定される場合

 ②説明義務違反と結果との間の因果関係が否定される場合

 *意思決定の可変性
  説明を受けることで意思決定が変わることがどの程度あるのか

以上



*****************************************

第7、患者の自己決定権(憲法13条)を最大限に尊重すること

1)患者の自己決定権とは

 自己決定権とは、プライバシー領域に関する事項に対し、自ら決定することができる権利



2)自己決定権の根拠

〇憲法13条、個人の尊重、幸福追求に関する国民の権利

第十三条  すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。


〇医療法

第1条の2第1項 医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、及び医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに、その内容は、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなければならない。

第1条の4第2項  医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない。



3)生命に関する自己決定権と医の倫理

①個人の自己決定を最大限尊重する立場

 第三者の権利を侵害することにならない限り人は自己の生命にかんしても自由に意思決定する権利を有する

②生命の絶対不可侵性を強調する立場
 
 生命には至高の価値があり、その主体を含む誰によっても侵害することは許されない

③一定の条件の下で生命の短縮や喪失につながるような自己決定を容認する


*自殺関与罪(刑法202条)
(自殺関与及び同意殺人)
第二百二条  人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の懲役又は禁錮に処する。



4)安楽死・尊厳死の分類・定義

①尊厳死

 人工呼吸や経管栄養などによって生命を維持されている回復不能な植物状態患者や末期患者に対して延命医療を行わないことによって人間としての尊厳のある自然な死を迎えさせること


②安楽死

 苦痛を除去・緩和して安らかな死を迎えさせること

 ア純粋型安楽死:苦痛除去・緩和のための治療を行い、それが死期に影響を与えないこと

 イ間接的安楽死:苦痛除去・緩和のための医療措置の副作用により生命の短縮を伴うこと

 ウ消極的安楽死(≒尊厳死、自然な死と言うことで安楽死と明確に区別する立場もあり):延命のための医療が患者に苦痛・不快感を与える場合に、すでに開始した延命医療を中止したり、そもそも延命医療を開始せずに差し控えることによって死期が早まること

 エ積極的安楽死:耐え難い苦痛の除去を目的として致死性の薬物の投与などによって患者の死期を積極的に早めること
  自発的安楽死/反自発的安楽死/非自発的安楽死

③積極的安楽死を肯定する法的根拠
 ア違法性阻却説 緊急避難説/自己決定権説/正当行為説
 イ責任阻却説  期待可能性説/違法性の錯誤

④積極的安楽死・自殺ほう助を肯定する場合の要件
 4つ
 1耐え難い苦痛、
  2不治の病、死期が近い、
  3苦痛の緩和で他に代替手段なし、
  4本人の意思


以上
 
**********************************

第8、医療過誤の論点

不幸にして、医療過誤訴訟に至った場合の論点。

 医療過誤訴訟で最も大事な点は、医師と患者の信頼関係構築1で述べた「証拠保全」であることを忘れないこと。


1)過失論

 当時の当該医師が、いったい何をどうすべきであったか


   ↓


 過失における注意義務違反=
              当該行為者が注意をすれば、結果の発生を予見でき、
              結果の発生を回避することができたのに、
              注意を尽くさなかったために、結果の発生を予見せず、
              結果の発生を回避するための措置を取らなかったこと。


2)因果関係論

 訴訟上の因果関係の立証は、

 一点の疑義も許されない自然科学的証明ではなく、

 経験則に照らして全証拠を総合検討し、

 特定の事実が特定の結果発生を招来した関係を是認しうる高度の蓋然性を証明することであり、

 その判定は、通常人が疑を差し挟まない程度に真実性の確信を持ちうるものであることを必要とし、

 かつ、それで足りるものである。

 (東大ルンバール事件 最判昭和50.10.24)


3)損害論

 ①従来の損害論 → 交通賠償を基礎とした損害論
  交通事故:その人は、健康、       医療:その人は、病気
  交通事故:契約なし              医療:契約あり

 ②医療の不確実性、多様性、特殊性


以上

  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする