「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

決算特別委論点28:電子生涯健康手帳PHR導入による一生涯切れ目のない子育て支援・健康支援。しかし、絶対にデータと個人を紐づけない仕組みの上で。

2020-10-24 07:09:18 | 財務分析(予算・決算)

 小児科医として、課題に感じていること。


1、予防接種歴が自治体を越えると追えない、結果、自治体の麻疹・風疹接種率が95%止まりとなっている。現場の印象は、99%にも関わらず。

2、出生時からの発達や治療経過を、病院ーかかりつけ小児科医ー保育園・幼稚園・学校ー発達支援施設ー子ども家庭支援センターなどの間で共有できていない。

3、乳幼児・児童・生徒の健康状況の地区ごとでの調査、調査結果の評価そして共有ができていない。

4、引っ越しにともない、病歴・治療歴の詳細が伝わらない

5、がん、難病の希少性疾患の治験が日本で進まない

6、母子手帳の活用が、乳幼児期で止まっている。

7、妊娠ー出産ー新生児期における産婦人科ー新生児科ー小児科ー関係機関が連携したさらなる支援

8、孤育て、孤食、孤独出産

 など。

 電子生涯健康手帳PHRにより、それら課題の解決に向けた前進に繋がるように感じています。
 

 そして今、成育基本法ができ、切れ目のない支援に追い風が吹いています。現在策定作業中の成育基本方針に盛り込むべき内容だと考えます。

 ただし、気をつけねばならないところは、

●データと個人の名前とがつながらない・紐付けされない仕組み

●データを解釈する場合に相談できるかかりつけ小児科医や養護教諭・学校医・スクールカウンセラーなどへのアクセスの良さ

●個人の状況に応じた平均・理想の提示、それは、決して全体の平均ではない場合がある

 

 

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