2008年6月17日東京都議会本会議での築地市場関連の審議のみ都議会ホームページ速報版よりピックアップする。
なお、赤文字⇒は、小坂の分析です。
<服部ゆくお議員(自民党)>
次に、豊洲新市場予定地の計画について伺います。
豊洲新市場予定地の土壌汚染問題は、専門家会議での冷静かつ客観的な検討にもかかわらず過熱する報道ぶりに、都民や市場関係者は、一体何を信じればいいのか、困惑しています。
本来、築地市場の移転は、市場関係業界、市場流通を利用する方々、ひいては都民のためのものです。五十年先、百年先まで活用される新市場は、将来の世代に引き継いでいくべき都の大きな社会的資産であり、移転に係る諸課題について、未来への投資という長期的な視点で総合的に議論していくことが必要です。
我が党としては、科学的に安全な土壌汚染対策について議論することはもちろん、今こそ都民や市場関係者が安心できるようにしていくことが最も重要であると考えています。
そこでまず、今回の調査結果について、都としてどうとらえ、また、調査結果を踏まえた土壌汚染対策の方向性についてどのように考えているか、見解を伺います。
今日の卸売市場は、何よりも食の安全・安心が重視されなければなりません。また、多様な顧客ニーズへの対応が求められており、老朽、狭隘化のため、高度な品質管理が可能な施設が絶対的に不足し、十分な物流環境を整えられない築地市場は、一刻も早く抜本的な方策を講じなければなりません。
先日、我が党に対し、築地市場業界団体の代表の方々から、豊洲新市場建設計画の推進について要望をいただきました。その趣旨は、かつて着手した現在地再整備が市場業者の営業に大きな支障となり、結局、とんざせざるを得なかった苦い経験を踏まえ、豊洲移転を推進していること、また、都が風評被害の防止も視野に入れた最善、最強の改善方策を講じ、全国に先駆けた食の安全・安心が確立された豊洲新市場を実現することを強く要望するものでありました。
そこで、都は、移転に向けた市場業者の思いをどうとらえているのか、また、現時点でも、現在地での再整備は本当に不可能なのか、財源面も含め見解を伺います。
平成十一年(1999年)、都と市場関係団体の代表とで構成する築地市場再整備推進協議会において、現在地再整備から移転整備へと方向転換したと聞いています。移転地の決定に当たっては、卸売市場として備えるべき条件を満たす複数の候補地を選び、最終的に豊洲が最適と判断したとのことですが、判断した具体的な条件は何なのか、また、現在でも豊洲の代替地はないのか、見解を伺います。
現在、豊洲の土壌汚染問題については、四万三千倍という汚染の最高濃度のみをもって計画を白紙に戻すべきというような意見もありますが、重要なのは、今後示される専門家会議の提言、都の土壌汚染対策の具体的な計画を踏まえ、冷静かつ長期的視点から議論し、その結果について都民の理解を得ていくことであります。今後の進め方を含め、豊洲移転について知事の所見を伺います。
<石原慎太郎知事回答>
次いで、豊洲移転の今後の進め方についてでありますが、豊洲新市場予定地における約四千百カ所の詳細調査で、四万三千倍のベンゼンが、ただ一カ所でありますけれども、一カ所から検出されました。これは決して敷地全体がこうした高濃度の物質で汚染されているわけではございません。その範囲は極めて限られております。一カ所です。 一部の数字のみが喧伝されており、風評被害が広がることが懸念されておりますが、事実を正確に把握して冷静に対処していくことが必要であります。
⇒一ヶ所とか限定的というのは、誤っていると小坂は分析しています。
築地市場は、老朽化、狭隘化が限界に来ているだけではなく、衛生面での課題やアスベストの問題もありまして、一刻も早い対応が必要であります。
対応に当たっては、この先数十年にわたって使い続ける首都圏の基幹市場をどう整備するかという長期的な視点に立って考えていかなければなりません。
豊洲地区の土壌汚染については、専門家会議の提言が七月に予定されておりまして、都としては、各分野の方々からの提言を幅広く受けとめ、既存の枠にとらわれずに、さまざまな新技術や工法の可能性も、これは既に幾つか思いがけない提案がございます。そうした可能性を探りながら、早期に具体的な計画を取りまとめていくつもりでございます。
⇒依頼した専門家会議の科学者の提案に従うのがまず、筋じゃないでしょうか?私達は、今まで、専門家会議の分析を見守ってきたわけであり、その分析が正しいか否かで選択をしているわけですから。
専門家会議の提案に従わないなら、そのことこそ、土壌汚染の解決はできない一番のリスクです。
<比留間英人中央卸売市場長回答>
築地市場の移転に関する三点のご質問にお答えをいたします。
まず、豊洲地区における詳細調査の結果と対策の方向性についてでございます。 敷地全域にわたる四千百二十二カ所の詳細調査の結果、土壌から環境基準の四万三千倍、地下水から一万倍のベンゼンが、それぞれ一カ所で検出をされました。しかし、敷地全域がこのような高濃度の物質で汚染されているわけではなく、その範囲は、都市ガス製造時の旧空き地区域の極めて限定された場所でございます。
⇒限定された場所ではありません。比留間氏の分析は、間違っています。
この調査結果に基づき、専門家会議では、土壌について、環境基準を超える汚染物質をすべて除去いたしますとともに、深さ四・五メートルまでの土壌の入れかえと盛り土を行い、地下水についても、最終的に環境基準以下に浄化することとし、あわせて施設開場後も、水位、水質を監視していくなど、これまで予定していた対策をより強化する内容で検討が進められております。
これらの対策により、仮に人が生涯にわたってこの土地に住み続けたといたしましても、健康への影響はなく、まして、生鮮食料品を扱う市場の安全・安心は十分確保されるとしております。
現在、詳細調査により、土壌から環境基準を超える汚染物質が検出された箇所などで、深さ方向に、より詳しい土壌ボーリング調査を実施しており、専門家会議では、この調査結果を確認の上、七月には提言をまとめる予定でございます。
⇒深度方向の分析結果によっては、さらにひどい汚染状況が出るかもしれません。
次に、移転に向けた市場業者の思いと現在地再整備の可能性についてでございます。
去る五月二十七日、築地市場の業界から、知事と都議会に出された豊洲新市場建設推進の要望書は、厳しい経営環境を踏まえ、市場の将来を真剣に考え、移転を進めようとする現場からの切実な思いであると認識をしており、この要望書が築地市場の大多数の団体の連名で提出されたことを重く受けとめております。
⇒果たして、市場で働くひとりひとりの声の反映になっていますでしょうか?
現在地再整備につきましては、敷地のほぼすべてが利用されており、再整備工事に不可欠な種地が確保できないこと、敷地が狭隘なため、品質管理の高度化や新たな顧客ニーズに対応する各種施設を整備する余地がないこと、アスベスト対策を含め、営業しながらの長期間で困難な工事となるため、顧客離れなど市場業者の経営に深刻な影響を与えることなどから、築地市場の再整備は不可能でございます。
⇒種地の確保は可能です。アスベスト除去工事も可能です。たとえ工事があったとしても、顧客離れは起こらない。(現業務継続しながら現在地再整備を成し遂げた大阪中央卸売市場がそうであった。)
また、財政面においても、中央卸売市場会計が保有する資金では、現在地再整備に要する事業費を賄えず、跡地の売却収入という補てん財源がないことから、実現性のある計画を策定することはできません。
⇒私達は、売却収益を用いずとも、現在地再整備可能な事業費をうる方法を考えています。また、安易に都有地を売却すると言う発想はいかがなものか?資金がないなら、土壌汚染対策に1300億円ものお金をかけることができないのでは?
次に、豊洲地区が最適と判断した具体的な条件と代替地についてでございます。 移転を決定した当時の検討におきまして移転先の条件としたのは、一つには、広い駐車場や荷さばきスペースを配置できる約四十ヘクタールのまとまった用地が確保できること、二つに、大消費地である都心部の周辺で、交通条件の良好な位置にあること、三つ目に、築地がこれまで築き上げてきた商圏に近く、機能、経営面で継続性が保てる位置にあることなどでございます。この条件で晴海、有明北地区など五地区を候補地として比較検討を行った結果、すべての条件を満たす豊洲地区に決定したものでございます。
現在、この決定から七年を経過し、取扱量や流通環境に変化が見られることから、条件を再度確認いたしましたが、新たな顧客ニーズにこたえる施設や、緑化など環境に配慮した整備の必要性、消費地からの交通アクセス及び買い出し人などの利便性確保の観点から、当時の条件は今日においても妥当でございまして、移転先としてふさわしい四十ヘクタールのまとまった用地は、豊洲以外に見出し得ない状況にございます。
⇒大手の買出し人のことしか考えていません。
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