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被災地石巻で「ボランティアの専属医」、医師の資格を証明するものとは。

2011-08-13 01:37:37 | 国政レベルでなすべきこと
 今日一日、こころに引っかかっていたこと。

 以前、朝日新聞のひとのコラム(下記)で感銘を受けた人物がおられました。

 米田きよしさん。

 ルワンダを助け、この度は、石巻を3月半ばからずっと助けて下さってこられました。私も同じ石巻で災害医療支援に入りましたが、「こういう方がおられたんだ、自分もがんばらねば」と記事に勇気付けられました。
 また、医師会のJMAT、日赤のDMAT、そしてカナダのCMAT、いろいろあるんだなあーとも思った記事でした。

 ところが、この方の医師免許や名前自体に疑義があると言うことが、8/12の新聞等でとりあげられていました。
 朝日新聞朝刊でも、今度は「訂正おわび」の記事や取材の記事が掲載されていました。

 問題点は、「米田きよし」と名乗るかたは、偽名をつかっている点では、少なくとも過ちを犯しています。
 ただ、本人の談を信じれば「米国の医師免許」はお持ちの様であり、米国では通用する医師であったのではないかと考えられます。
 私自身制度を調査すべきですが、日本の災害で、海外からの医師は、どのような処理をすれば、日本で医療行為をできるようになるのでしょうか。
 もし、そのような手続きが存在し、その手続きを怠らなければ、「米田きよし」と名乗る人物は、過ちを犯さなかったかもしれません。

 もうひとつ、日本では、医師を証明する道具が、記事にもありますように、「医師免許を所管する厚生労働省医事課は11日の朝日新聞の取材に対し、医師の資格を証明するのは「医師免許証」であると説明」ということで、「医師免許証」です。
 しかし、B4サイズの賞状のような紙切れである「医師免許証」をいつも携帯する事は、実用的ではありません。医師資格を証明できるように、運転免許証に医師資格と認定番号を記入できるようにするとか、医師資格証明カードを発行するとか(実は、カードはこれ以上増やしたくないのですが、こんなことで大きな予算をつかわずにもしたい、しかし不正使用も防がねば…、日本医師会は確か発行していたような、でも国のお墨付きがいいかな)するべきだと考えます。
 かつて、自分も、NWの飛行機に搭乗中、米国領空内で、中国人に対して医療行為を行った経験があります。自分が医師であると言うことの証明するものは、大学病院のたまたま持っていた名札でした。証明できるようなものがほしいとそのときは痛感した次第ですし、同じように医師の皆さん思っていませんでしょうか。
 

 

*****朝日新聞(2011/08/10)****
ひと 被災地で「ボランティアの専属医」を務める
     米田(よねだ) きよし さん(42)


 宮城県最大のボランティア拠点・石巻市。震災後、のべ約8万7千人が訪れた。ここで「ボランティアの専属医」を務めている。
 泥出し作業中に釘やガラスを踏む人、ぎっくり腰になる人、持病の薬を飲み忘れて重体になる人もいる。「ボランティアの基本は自己責任」が善意で集う人を放っておけず、彼らが生活する石巻専修大学のテント村に3月半ばから住み着いた。
 「ボランティアのボランティアや」。救護所では、破傷風や熱中症の患者をはじめ、250人余りを診察してきた。
 本来はカナダにある大学病院に所属する小児救命救急医。1999年に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の派遣医になり、ルワンダの診療所で働く。休暇で日本へ帰国中に東日本大震災と遭遇、NGO「カナダ医療支援チーム(CMAT)」のメンバーとして被災地に入った。
 震災直後、生存者の捜索を手伝ったが、大半は遺体だった。「日本だから薬が手に入って助かった命がある。便利さに慣れ、ガソリンや電気がないからと柔軟に対応できなかった悔しさもある」
 自らの故郷で多量のボランティアを見ることになるとは考えもしなかった。いまだに受け止められない気もする。少なくとも年内は石巻に腰を据えるつもりだ。

*****以上****

*****朝日新聞(2011/08/12)******
「ひと」欄で紹介、おわびします



 朝日新聞は10日付朝刊2面の「ひと」欄に「被災地で「ボランティアの専属医」を務める
米田(よねだ) きよし さん(42)」との記事を掲載しました。5月以降、複数回にわたって面談と電話で本人を取材した記者は「日本の医師免許を持っている」と聞いていました。
 掲載後、記事を見た社外の方から「米田氏は医師ではない」との情報が寄せられました。確認作業を進めたところ、記事で紹介した経歴について複数の虚偽の疑いがあることが判明しました。海外の医師免許を書き換える仕組みがないことも確認しました。その他の取材結果も踏まえ、日本の医師資格はもっていないと判断しました。
 さらに事実関係の確認作業を続けていますが、無資格者による医療行為はただちに止める必要があると考え、これまでに把握できた事実と、ここに至った経緯をお知らせする次第です。
 事実と異なる内容を掲載したことを読者と関係者の皆様におわびし、この記事の全文を削除します。

 福地献一・朝日新聞東京本社報道局長の話 記事は、被災地でボランティア活動に携わる人たちをサポートする医師を名乗る人物を取り上げたものです。掲載後、社外からの指摘で再取材した結果、日本の医師資格を持たず、経歴についても虚偽の疑いが強いことがわかりました。誤った内容を掲載したことを読者の皆様に深くおわびいたします。今後、より一層、事実確認の徹底に努めてまります。

*****以上*****

*****朝日新聞(2011/08/12)*****
 被災地で資格なく医療行為 石巻で活動、本人は「医師だ」
 
 東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市で医師として活動してきたボランティア団体代表が、実際には日本の医師資格を持たずに医療行為をしていたことが朝日新聞の取材で11日、わかった。
 この代表は「米田きよし」と名乗る人物。震災後、遅くとも4月から同市内のボランティア活動拠点に常駐し、活動中にけがをしたり体調を崩したりした人を対象に手当てや投薬をしていた。
 代表は、活動拠点を運営している石巻市社会福祉協議会から医師であることの証明を求められた際、「医師国家資格認定証」「厚生労働省認定」などと日本語で書かれた顔写真入りのカードのコピーを渡していた。また、カナダ国内の病院に所属する救命救急医であると英語で記した名刺を使っていた。
 しかし、医師免許を所管する厚生労働省医事課は11日の朝日新聞の取材に対し、医師の資格を証明するのは「医師免許証」であると説明。協議会がコピーを保管している「認定証」は発行していないとした。さらに、朝日新聞が名刺に記された病院に確認したところ、「この名前の医師は一度も働いたことはない」との回答を得た。
 代表は朝日新聞の11日夜の電話取材に対し、「認定証はカナダ政府に作ってもらった」「名前の部分は偽名だ」などと述べたうえで、「米国で取得した免許を書き換えており、自分は医師だ」と主張した。
 この代表の団体は、日本財団が被災地支援のためにNPO法人やボランティア団体に支給している助成金を申請していた。団体側には7月に100万円が助成された。

****以上****
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