岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

北島選手の100m平泳ぎ優勝を考えてみる。

2008-08-12 20:20:13 | オリンピック、パラリンピック

すごいことを成し遂げた人ですね。
新聞やテレビで細かく分析しているので、私が今さら書くこともないのですが、
準決勝が2位通過に終わり、トップとのタイム差が0.3秒あった時のことについて、
少し考えてみましょう。

準決勝のレースを見て、北島が準決勝のレースに賭けた意味を考えました。
前半はトップ通過でした。後半は水かきと心が空回りしてタイムが落ちました。
レース後、彼は大きな深呼吸をしました。きついレースを隠すかのように。
これは間違いなく隠したのだと思います。俺はこんなものではない。
後半は流したのだと言わんがばかりでした。

この展開から、レース前の彼の考えは、
「準決勝で圧倒的なタイムを出し、精神的に他の選手をあきらめさせよう。
世界新記録くらいは出してやろう」
結果は逆になった。通過一位の選手に圧倒的なタイムを出されてしまった。
北島選手の思惑は大きく外れた。

そして、いよいよ決勝では58秒台を出すことが優勝の条件になった。
そのためには、彼の力を100%以上出すしかなくなった。
開き直るしかなかった。
チーム北島は、一晩で準決勝のレースの問題点をすべて修正した。
信じられないが、できたのだ。
そのことがチーム北島の力量でもある。
決勝では他の実力のある選手は準決勝の北島の役割を演じることになった。
それは取り返しのつかないことだった。

当然、他の選手にも固有のストーリーがあるでしょう。
この決勝進出選手のストーリーを絡ませて、ひとつのレースをドキュメントする。
興味深いドラマが再現されるでしょうね。


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