岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

ヤングケアラーたちとの連帯。

2014-07-21 22:13:12 | ケアラーのために
私はピュアな核家族出身者です。
遠隔地に祖母が一人住んでいただけで、自宅では両親と兄の4人暮らしだった。
兄も中学を卒業すると高専の寮に入ってしまった。
そして、私も高校を卒業すると岡山から出て行った。
核家族は夫婦二人に戻ってしまった。

ということで、私自身ヤングケアラーとしての経験はまったくありません。
幸い両親は長命で、私はシニアケアラーとして実家に戻ってきたわけです。

シニアケアラー(こんな用語はありませんが)というのもホント大変です。
介護も人様々ではあるのですが、基本的に大変です。
まず、自分中心に人生を生きることができなくなるのが一番大変です。
人生の途中から「道外れて日が暮れて」となりかねませんから。

しかし、ヤングケアラー(仮に18才未満)は人生の途中から「道外れて」ではありません。
社会へ人生へ、これから踏み出す人たちが介護に追われることです。
学習途中で社会経験が少ない状況で介護することの問題とはいかようなことか。

澁谷智子氏のレジュメから
ヤングケアラーの「語り」から抜粋です。
16歳から20歳の間祖母の介護をした方です。

・学校に先生に相談してもわかってくれない(教師で介護経験がある人はごく少数だろうー岩清水記)。
・自分でも、祖母の介護をしているという意識があまりなかった。
・人に相談できるものではない。
・先生に、おばあちゃんがいて、こういう感じで、と言うと、「おうちのお手伝いしているのね」と言われてしまった。


本人の思い:お手伝いというのはしなくてもいいことという印象。自分のしていることは、しないと命にかかわることだった。
薬も救急車も排泄も食事もしなくてもいいことではない。

ヤングケアラーは、自分のしているケアが人の命にかかわることだと知っている。
しかし、それを言葉にできない。他者に伝える言葉を持たない。

大人は、たいてい家族や知人友人に介護を経験した人を知っている。
その人々から様々な情報提供があるし、慰められるだろう。

しかし、ヤングケアラーにそのような情報提供や人間関係があるのか。
ほとんどないといっていいのではないだろうか。

ヤングケアラーの困難を想像することさえ容易ではない。
語られていないことも多いだろう。
両親が介護対象である場合は、金銭的な問題も大きくなっていくように思われる。
ヤングケアラーと「子どもの貧困」は、近いところにある。
貧困はヤングケアラーの将来への大きなハードルとなる。

私にも、やっと見え始めたヤングケアラーの実態。

考えてみると、貧困とは金銭的なものだけではない。
人々のこころも貧困となる。知らなければならないことを知らないことは、こころの貧困である。
自省すべし。

続きます。


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