映画『オッペンハイマー』についての知識はほとんどありませんでした。
アカデミー作品賞を受賞して初めて知りました。
『パーフェクト・デイ』が注目されており受賞するのかと注目されていましたが受賞できませんでした。
この受賞が決まるまで日本での公開も決まっていませんでした。
(これも知りませんでした)
日本の配給会社もいろいろ忖度しますからね。
日本軍や日本兵が出て悪事を働く映画はほぼ配給されません。
仕方ないのでネットで観たりします。
この『オッペンハイマー』は日本軍が悪事を働くわけでもないので配給されてもいいのですが決まりませんでした。
考えるに原爆開発は目立つテーマですが、もう一つにテーマである「赤狩り」というアメリカの恥部は日本人にはよくわからないと思ったから敬遠したのかもしれません。
朝日新聞の記事です。この映画の理解を助けてくれます。
オッペンハイマーは共産主義にシンパシーを持っており、そのような考えの研究者が原爆開発に少なからずかかわっていたこと。
またユダヤ系の人々が多く敵国であるナチスドイツの原爆開発に負けるわけにいかなかった。
欧米の科学者が敵味方に分かれて血まなこになって開発競争をする。
ところが1945年4月にナチスドイツが降伏、原爆を使用する国は日本しかなくなる。
一方、現実的な核の脅威として仮想敵国ソ連が浮上してくる。
共産党に対する恐怖は赤狩りとなって表面化する。
後半のテーマは疑惑の追及をされるオッペンハイマーの苦悩である。
勝利の熱狂から冷戦へ。
日本人が知らない米国の歴史の変遷を見事に描いていた。
アカデミー作品賞がこの映画になったのは致し方ないことと思われる。
お読みいただきありがとうございました。
見出し画像は集合住宅3階の自宅からです