岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

映画『日本原 牛と人と大地』黒部俊介監督 観ました。

2022-10-07 20:36:12 | 映画・DVD 

日本原は岡山県北部に奈義町にあります。

酪農が盛んな中山間地です。

津山に近いですね。

中四国では最も広い自衛隊の演習場があります。

日露戦争後に造られました。

旧陸軍から占領軍、そして自衛隊と占有する軍隊は変わりました。

主に野戦砲の演習をしています。

近年は米軍と共同演習や米軍の単独演習などもしています。

 

1960年代から基地反対運動がありました。

農民主体で学生が援護していました。

当時医学生だった内藤秀之さんは、大学を辞めてこの地の農家に婿入りします。

それから50年、酪農家として生きてきました。

もちろん、反戦運動も続けています。

冒頭のシーンは牛の難産から始まります。

逆子でなかなか出てきません。獣医に救援を求めて3人がかりで引きずり出します。

観客はのっけから度肝を抜かれます(酪農家以外は)。

扱う牛は、ホルスタインと黒毛和牛です。

搾乳と子牛を育てて出荷しています。

生き物相手の酪農に休みはありませんね。

 

秀之さんは学生時代に大阪のデモに参加、友人を連れていきます。

その友人がデモの最中に機動隊に暴行され死亡してしまいます。

その後、大学を退学、農家に婿入りです。

それから50年、酪農家として生き続けてきました。

持続する心を持ち続け、周囲と共存共栄する姿は多くの仲間に支持され素晴らしい牛乳や子牛を育ててきました。

自らの耕作地は演習場の中にあります。

入会権は認められています。

それが米軍が演習に参加するようになり一層厳しく制限されるようになりました。

 

監督は、東日本大震災後に関東から岡山に移住しました。

映画製作とは係わりがなかったのですが離職したことをきっかけに秀之さん宅に通いや泊まりながら撮影をしたそうです。

1年間、ホームビデオカメラで撮影した素材をプロが編集するというカタチになりました。

撮影された素材がとてつもなく素晴らしかったのです。

秀之さんはあまり多くは語りませんが、デモに参加して亡くなった友人のことを思い続け、当時の仲間と集まり、

一冊の本をつくりました。

その本を昨夜アマゾンで購入しました。

秀之さんが50年間思い続けたことが書かれているのではないかと思います。

また報告します。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

💛ウクライナに平和を💛

 

※ 内藤秀之さんの文章がこちら(ネット)にありました。

下の地図の中央部分が演習地です。

 

 



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